憧「それはそうと、玄と須賀くんも随分仲良くなったわよね? 前はあんなに警戒してたのにさ」
玄「え」
灼「それは私も思ってたけど、なんとなく口に出すのが憚られたというか。言ってもいいのかな」
憧「別にいいじゃない、仲良きことは美しきかなってね。晴れて須賀くんも仲間入りって感じ?」
京太郎「なんだか照れちまうな。改めてそんな風に歓迎されるとさ」
灼「友情の証として、ここに取り出しましたるタヌTのLサイズを須賀くんに着てほし。ふふふ」
京太郎「何これ超イカス!」
玄「ちょっと待ってよ! 憧ちゃんたちだけで勝手に話を進められても困るってば!」
憧「玄はまた性懲りもなく照れ隠しなんかしちゃって。この中じゃ一番お世話になってるくせに」
灼「階段でずっこけて捻挫した玄を、須賀くんがお家までおぶってあげたんだっけ? たくまし」
玄「うう」
京太郎「居合わせたのが俺じゃなくてもそうしたでしょうし、そこまで大層な話でもないですよ」
憧「またまた、そんな風に格好付ける必要ないってのに。大好きな宥姉の前じゃないんだからさ」
京太郎「いい加減、その件でからかうのはやめてくれよ。恥ずかしいから」
灼「妹である玄が警戒するくらい、デレデレのゾッコンなんでしょう? 今更取り繕ってもおそ」
京太郎「好きじゃないって言ったら嘘になりますけど、俺まだ松実さんのこと何も知りませんよ」
憧「そんなのこれから知ればいいじゃない、私がなんでも教えたげるわよ。スリーサイズとかね」
京太郎「ス、スリーサイズ!」
憧「気持ちは分かるけど食いつきよすぎだから。冗談に決まってるでしょうが、オープンスケベ」
灼「男子さいてー」
京太郎「俺もがっつきすぎた自覚はあるけど、期待させといてこの仕打ちはあんまりじゃない?」
憧「ごめんごめん、あんたいちいち反応が面白いからつい。そんなにいじけた顔しないでってば」
京太郎「それはいいけど、ちょっとは手加減してくれよ。俺のいたいけなハートはボロボロだぜ」
玄「おもちくらい、私にだってあるのに」
京太郎「松実さん?」
玄「やめてよそれ」
京太郎「へ」
玄「『松実さん』じゃ、私かお姉ちゃんか分かんないじゃない!」
京太郎「…………」
玄「…………」
憧「あは」
京太郎「玄、さん?」
玄「…………」
玄「ふん」
最終更新:2013年12月20日 22:42