「一の雰囲気が変わった気がしますわ、純と智紀はどう思います?」
 ここは龍門渕麻雀部部室、龍門渕透華は国広一がお手洗いに立った隙に、気になっていた事について井上純と沢村智紀に意見を訪ねる・・すると。
「なぁ・・」「なんと・・」
 二人は信じられないモノでも見たかのように驚き黙り込む、そんな二人を見て透華は首を傾げた。
「どうしたんですの二人して、もしかして気付きませんでしたの?」
「あっ、いや、気付いてはいたが・・・まさか、本人を目の前にして言わないとは・・」
「透華が空気を読むとは思わなかったから驚いた、私も気付いてはいたけど」
 智紀の言葉にうんうんと頷く純。
「あ、あなた方は・・私をなんだと・・・」
 自分が空気を読めない子扱いされている事に、透華はこめかみをぴくぴくと引きつらせる、しかし。
「ま、まあ良いですわ、私は大きな心の持ち主ですわ・・その程度では怒りませんことよ、ほほほ」
 大人の対応・・というよりは強がりで怒りを抑えた、透華は余裕の笑みを見せる。
「おお、これも耐えたぞ」「本当に心は大きいようね・・胸は小さいけど」
「誰が小さいですって!」
 大きい心はどこにいったのか、胸の事を言われた透華は眉を吊り上げ声を荒げて、智紀を睨みつける。
「誰って・・・・ふっ」
 智紀は自分の胸と透華の胸を交互に見て鼻で笑う。
「ううっ・・これは・・その・・」
 透華も智紀の胸を見て自分胸を見ると、悔しそうな表情をして段々と声が小さくなり、最終的には黙って何かを考え・・・そして。
「私はスレンダーなのですわ、そんな無駄な脂肪はついていないだけですわ!」
 少し涙目になりながらも、透華は言い放つ・・誰でもわかる強がりを。
「でも、純にも負けている」
 智紀の言葉が透華の胸にぐさりと突き刺さる、それでもめげない透華は純を睨みつけた。
「純は殿方の癖に胸がありすぎるだけですわ!」
「いや、それはさすがにどうだ・・・今回は男扱いされても、あんまり悔しくないぞ」
 明らかに負け惜しみとわかるのか、純は怒らずに哀れみの視線を透華に見た。
「ぐぅぅぅ・・」(な、なんですの、こ、これでは私がまるで、負け惜しみを言っているみたいではありませんの!?)
 みたいではなく100%負け惜しみなのだが、透華はそれを認めることは無かった。
「はぁぁ、そんな話していたんじゃないだろう、とにかく話を戻そうぜ」
 普段ならここで一がフォローするのだが、今は居ないので透華の様子を見かねた純が話題を元に戻す様に提案する。
「そうだった、透華の反応が面白くてつい・・ごめん」
 笑みを浮かべ謝る智紀はあまり反省している様子には見えなかったが、透華もこれ以上胸の話を続けたくないのか。
「そ、そうでしたわね、えっ~と、そうですわ一の話ですけど、どう思いますの?」
 純の意見に素直に乗って、話を本筋に戻した。
「あっ~、そうだな・・・表現し難いが・・なんとなく幸せそうかな・・」
「少しの変化・・・でも充実を感じる、何かあったと思うけど・・・」
「そうですわね、嫌なことではないでしょうが、何があったか気になりますわ」
 それぞれで一の様子を思い出しながら、少し変化した雰囲気が何から来るのかを考える。
「う~~ん、単純だけどよ、恋とかじゃないか?」
 特に何かしらの意見が出ないので、純は思いついた意見を口にした。
「こ、恋ですの!?」
「単純な、でも可能性はあるかも・・」
 驚く透華に対して、智紀は落ち着いて純の意見について考えてみる。
「だろ、なんとなくだけど、恋人ができた後の衣に似ているっていうか・・・幸せそうな雰囲気ってやつだけど」
「そ、そう言われましたら・・」「そんな気もする・・・」
 透華と智紀は、京太郎の話をする時の衣の様子を思い出し、その後で一の今日の様子を思い出して、頭の中で照らし合わせるとかなり似ている気がした。
「し、しかし、それだとは一が誰かにこ、ここ、恋をしていると言うんですの!?」
 透華は焦りまくりながら、純に詰め寄り問い詰める。
「確実って訳じゃないが」「あくまで可能性の話・・」
 純がしたのはあくまで可能性の話なのだが、透華はそれを信じきっているようだ、実は純の予想が当たっているのだが・・この三人にそれを知る術は無い。
「あ、相手は誰ですの・・?」(は、ハギヨシは・・・ありませんわよね・・)
 まるで推理小説で犯人を捜す探偵の様に、親指の爪を噛みながらまだ見ぬ一の恋の相手を予想する透華。
「聞いちゃいねぇな」
「こうなると仕方ない、けど・・そこまでして考えなければならないことかしら?」
(う~ん、もしかして・・・先を越されたからか・・いや、さすがに無いか・・)
 まさかと思いつつも疑問のままにしておけないからか、純は透華に声をかけた。
「なあ透華さんよ」
「・・なんですの純?」
 考え事の途中に話しかけられて、透華は不機嫌そうな表情で純を見た。
「まさか・・自分より先に恋人ができたら許さない、とか言わないよな?」
「えっ、そ、そんな事はあるわけ無いではありませんの!」
 突然に聞かれたからか、それとも実際にそう思っていたからか、どちらからはわからないが妙に言い訳の臭い否定をする透華。
「なら良いんだけど、それなら別にそこまで気にする必要ないんじゃないか?」
「で、でも、純は気になりませんの、もし・・もしもですわ、相手が変な男だったらどうしますの?」
「そりゃ、多少は気にもなるが、あいつなら大丈夫だろう」「一なら大丈夫」
 純も智紀も気にならないわけではないが、一ならば変な相手に引っかからないだろうと思っていた。
(こ、これでは、私がまるで一の事を信頼していないみたいじゃありませんの!、別に信頼していないわけではありませんわ、ただ心配なだけで・・ううっ・・)
 落ち着きまくっている二人を見ていると、一の事で心配している自分が信じて居ないような錯覚に陥った透華は・・考えた末。
「そ、そうですわね、は、一が変な相手に引っかかるわけありませんわ」
「ほぉ・・まあ、そうしてやれよ」「それがいい」
 少し無理をしながらも一を信じることにした透華、それを見て安心して胸を撫で下ろす純と智紀。
「はぁ・・でも、恋とはそれほど良いものなのでしょうか?」
「なんだ、まだ引っ張るのか?」
 やっと終わったと思っていた時の発言に、少しうんざりした表情で透華に訊ねる純。
「そうではありませんわ、ただ・・その衣も凄く幸せそうですし、そ、それに一も幸せそうですから、そ、そんなに良いものですの・・そ、その私はそういう経験が・・」
「あっ~そういうことか」
 ようするに恋をした事がないから、そこまで幸せそうにするのが良く分からない透華は純と智紀に意見を求めたのだ、だが・・・。
「いや・・そのな、俺も良く分からないな・・・」
「でも、純は女性の方とは沢山お付き合いしたのではなくて?」
「はぁぁぁ、また男扱いかよ、もういいや・・そういう意味で付き合った奴は居ないぞ、透華はどうなんだよ、たとえばだけど好きなタイプとか居るのか?」
 もはや反論するのも疲れたのか純は適当に流して、逆に透華に恋愛経験を訊ねた。
「す、好きなタイプですの、それは・・えっ~と・・と、智紀はどうですの?」
 そんな事を訊ねられるとは思っていなかったのか、透華は焦り先ほどから黙り込んでいた智紀に話を振った。
「好きなタイプ・・・須賀京太郎」
「な、なんですってぇ!?」「なんだとぉ!?」
 出たとしても優しいとか背の高いなどと言う、抽象的な表現が出るものと思っていた透華と純は、智紀の口から突然飛び出した個人名に驚く。
「と、ととと、智紀、あなたなにを言っていますの!?、須賀さんは衣の恋人ですわよ!」
「そ、そうだ、それ以前にお前恋愛に興味ないとか言ってなかったか!?」
 須賀京太郎は天江衣の恋人、それは周知の事実、何より恋愛に興味を示していなかった智紀の発言に透華と純の驚きは数倍に膨れ上がっていた。
「別に奪う気は無い、ただ衣の幸せそうな顔を見ていると恋も良いと思えてきた、私は今まで男性にあまり興味が無かった、だから知っていて良いと思えるのは須賀京太郎だけ」
 淡々と理由を語る智紀、それを聞いて純と透華も納得した。
「た、確かに・・そうですわね、私も家族を除けば知っているのはハギヨシと須賀さん位ですわ」
「知っている中で須賀は良い奴だと思うが・・・」
 遊園地デートの一件で、透華も純も京太郎の評価は低くなかった、なによりも衣を喜ばせ楽しませるのが上手いというのはポイントが高いようだ。
「あの遊園地の事も大きいけど、須賀京太郎の様な恋人が居たら楽しいと思えてくる」
「そ、それは・・」「そうだが・・」
 須賀京太郎の様な恋人をそれぞれ思い描く、透華、純、智紀、三人の脳裏に浮んだのは偶然にも同じ光景で、観覧車で衣と熱いキスを交わした時の京太郎の顔、そして京太郎のキスしている相手が衣から自分に・。
「ごめん、衣と話し込んでいたら遅くなっちゃった」「透華、純、智紀、衣と一緒におやつだぞ!」
 絶妙なタイミングで一が衣を連れて戻ってきた。
「お、おおおお、おそかったですわね、ししし、心配したじゃありませんの」
「そ、そそ、そうだな、待ちくたびれたぞ」
 タイミングがタイミングだけに、顔を真っ赤にさせて言葉遣いもかなり怪しくなる透華と純。
「どうしたというのだ、透華と純は?」「さぁ、さぁ・・どうしたのかな?」
 そんな二人を見て首を傾げる衣、一は二人の態度から何かがあったと感じ取るが、なんと無く聞かないほうがいいと思い気づかないフリをした。
「・・・・ほぉ」
 智紀も少し頬を紅く染めて静かに胸を撫で下ろしていたことには、一も衣も気付いていなかった。

 毎度の事で竹井久から部の買出しを命じられた京太郎、でも今回はいつもとは違い同行者が居た。
「京太郎、ころちゃん家に泊まったって本当か?」
「ああ、この前の週末な」
「ふ~~ん」
 同行者である片岡優希は、京太郎の答えを聞いて手に持っていたタコスを齧りながら考える、京太郎が衣の家に泊まりに行ったらどうなるか・・簡単に想像できた。
「・・・やっぱり・・じょうこう・・しまくだったじょ?」
 少し頬を染めてたどたどしい言葉だが、凄まじい質問をする優希。
「まあな・・って言うか、今回は少しやりすぎた感があるが・・・」
 質問に答えながら状況を思い出し冷や汗をかく京太郎、興奮させた罰とは言え衣と一が精根尽きるまでしてしまった事を少し反省していた。
「はぁぁぁ・・良いな・・だじぇ」
 艶かしく溜息をつきながら、やり過ぎるまでやれられた姿を想像し羨ましそうに呟く優希。
「な、なぁ京太郎、その・・ここでしたいって言っちゃ・・だめか?」
「今、ここでか・・それはちょっとな・・」
 今は人が居ないが、ここは通学路なので清澄の誰かが取り掛かる可能性もある、その辺の草むらに隠れれば見つからない可能性もあるが、喫茶店の事もあり京太郎は外でしたいとは思わなかった。
「やっぱりか・・はぁぁぁ残念だじぇ」
「それに俺が一回始めると大変なのはわかっているだろう?」
 京太郎との情交を思い出せば、一人でするにしろ、誰か呼び出してするにしろ、時間がかかりこの場所で行うのが無理なら事は優希にも理解できた。
「そうだったじぇ、仕方ないから諦めるじょ・・」
「今度、時間を見つけてちゃんとしよう、だから・・今日はこれで我慢してくれ」
 落ち込んだ優希を慰めるために、優しく口付けをする京太郎。
「・・今はこれで我慢するけど・・次はちゃんとお願いだじぇ・」
 キスされて少し葉機嫌が良くなった優希は、笑顔で可愛らしくお願いをする。
「ああ、約束はちゃんと守るぜ」
「ならよし・・うん、今日もタコスが美味いじぇ」
 情交の約束を取り付けた優希の機嫌は完全に良くなり、もっていたタコスを満足げに平らげる。
「そう言えばころちゃん家で思い出しけど、日曜にのどちゃんがころちゃん家に遊びにいくって言っていたじょ」
「ああっ、そういやエトペンを見せるとか衣が言っていたな」
 そんな会話をしながら、優希と京太郎は咲達の待つ部室へ向う足を速めた。

 部室での一が恋をしたかもしれない、と言う話し合いから数日後の夜。
「はぁぁぁ・・・眠れませんわ」
 溜め息をつきながらベッドから起き上がった透華は、テラスに続くガラス戸を開けテラスに出て月を眺める。
「はぁぁ・・」
 もう一度溜め息をついて、月を見上げれば眠れない原因である一の顔が浮かんできた。
(純と智紀にはああいいましたけど・・・やっぱり気になりますわ)
 別に一を信頼していない訳ではない、ただ途轍もなく気になるだけの話。
(一の恋の相手・・・私がまだ知らぬ男性ですわよね)
 本当は知っているのだが、まさか相手が京太郎だとは想像すらしない透華には、思い当たる男性など居らず・・仕方なく、曖昧なイメージで思い浮かべるが・・。
(硬派な男性?・・それとも軟派な男?)
 あまり男性自体を知らない透華には、イメージもかなり曖昧でどれもピンと来ない。
「はぁぁ・・そう言えば、一と殿方の話などした事もありませんでしたわ」
 三度目の溜め息をついて一との会話を思い出す透華、食べ物やファッションの話などもした、衣の事や麻雀に関してかなり話もしたが、こと恋愛・・特に異性の好みなど話した事も無く。
「こんなことなら話しておけば良かったですわ、って何を・・今更」
 後悔先に立たず、今それを言っても無駄なのは透華にも良く分かっていた、それにたとえ話ができていたとしても。
「できていたとしても、そのタイプが今好きな殿方とは限りませんわね、一の好むタイプは・・私と似ているのでしょうか?」
 一の異性の好みが分からない透華は、仕方なく自分の物差しで計ろうとしたが・・。
「あ、あれ・・お、おかしいですわね?」
 透華の脳裏には好みのタイプが浮んでこない、もう一度考えてみたが今まで異性にあまり興味をしめさなかった事もあり思いつかない。
「も、もしかして・・私は途轍もなく疎いんですの!?」
 純か智紀がこの場に居れば『何を今更』と言いそうだが、透華にはとって衝撃的な事実だった。
「男性ですわ・・男性、とりあえず知っている男性を思い浮かべれば・・」
 知っている男性を適当思い浮かべる透華、顔見知り程度のならばかなり居たが、ある程度知っているとなる数は限られてゆき、残ったのはやはり執事のハギヨシと衣の恋人である京太郎のみ。
 ハギヨシは恋愛対象にはならないので、直ぐに外されて残ったのはただ一人。
「須賀さん・・」
 透華が知っている中ではもっとも年が近い男性、衣の恋人で龍門渕麻雀部の全員が好印象を持っている人。
(あの智紀を恋愛に興味を持たせて、彼みたいな人が恋人なら居たら楽しい、とまで言わせるほど・・でも)
 ふと透華の脳裏に浮かぶ疑問、それは京太郎がそれほど魅力的なのだろうかという事、だから透華は京太郎の事を真剣に考えてみた。
「麻雀は弱いですわ、あとは・・優しくて、気が回って、衣をよく見ていて、大事にしてくれる・・・あ、あれ・・お、おかしいですわ・・」
 挙げていけば麻雀に弱い以外は悪いところはなかった、いやそれすら弱点と言っていいのか透華には分からなかった。
(麻雀が弱ければ衣の近くには居られない、そんな考えをしていたのに・・須賀さんは弱くても衣の側に居る、私のできなかった事を・・平然とこなしてしまう殿方・・・凄い方ですわね)
 最初は悔しかったはずなのに、今はそんな悔しさも無く京太郎の凄さが身にしみて分かってきた。
「智紀じゃありませんが、確かにあの方の様な恋人なら居たら・・」
 そして想像する透華、自分も衣の様に優しくされて大事にされ、そして衣とデートした時の様扱われて・・最後に観覧車で。
「はぅ!?」
 最後のキスしている場面を想像した瞬間、透華は顔を真っ赤にして想像を止めて・・いや正確には思考がフリーズしたと言うべきか。
「・・・・・・あっ」
 とは言え今回は遊園地の時の様に、長時間呆けては居らず直ぐに意識を取り戻した。
「はぁぁぁ・・私は何を考えていますの、須賀さんは・・衣の恋人ですわよ」
 溜め息をついて透華は空を・・月を見上げた、そこに浮ぶのは仲睦まじい京太郎と衣の姿だった。
「う、羨ましくなんて・・ありません・・わよ・・・」
 口から出た言葉は強がりで、本音の反対である事は透華自身が良くわかっていた。
 でも一つ分からないのは、羨ましくなっているのは・・。
(衣にあんな笑顔を見せてくれる須賀さんが、それとも須賀さんに優しくしてもられる衣か・・って)
「だ、だから私は・・羨ましくなんて・・」
 否定するのも空しくなり途中で言葉を止める透華、それでようやく気がついた。
「たぶん・・・どちらも羨ましいんですわ・・」
 最初は衣の笑顔が見られる京太郎の立場が羨ましかった透華、でも今はどちらの立場も羨ましくなっていた。
「でも、どうしようもありませんわね」
 何かをすれば衣を悲しませるかもしれない、それは透華が一番嫌いな行為、今透華にできることがあるとすれば。
「衣と須賀さんを見守るくらいですわね・・・」
 それが透華の思いつく中で出来る事・・・後はせいぜい二人のデート費用を出す位。
「う~~~ん、悩むのは止めですわ・・・」
 背筋を伸ばして、再び月夜を見上げる透華・・・しかし、気持ちが完全に整理がつくことはなくもやもやとした心が晴れわたる事はない。
「ふぅ、お天気みたいに簡単に晴れては頂けませんのね・・しかたありませんから、部屋に・・うん?」
 部屋に戻ろうとした矢先、庭で動く影に透華の目は釘付けになる。
「えっ・・あ、あれは・・は、一!?」
 遠目だが庭を走ってゆくのは一で間違い無かった。
「は、一・・どうして、このような時間に・・・ま、まさか、あ、逢引ですの!?」
 自分の恋愛について考えていて、すっかり忘れてしまっていたが、透華は元々一の事で眠れずこのテラスまで態々出てきたのだ。
「こ、こうしては居られませんわ!」
 これから一が恋人に会いに行くと考えると、透華は落ち込んでいた事など忘れ、一の後を追うためにテラスから部屋に・・そして部屋から廊下に飛び出した。

 幸いと言うべきか、龍門渕家の庭は広く木など障害物があり、透華は一に気付かれずに後をつける事に成功していた、だが透華は微妙な表情で・・木の陰に隠れていた。
(わ、私は何をしているのかしら・・)
 勢いで部屋から飛び出したが、冷静に自分の姿を見れば寝巻きのまま、ここで誰かに見つかれば変人扱いはされないだろうが、間違えなく心配はされるだろう。
(こ、こんなところを純と智紀に見られたらなんていわれるか・・・)
 透華の脳裏に呆れて溜め息をつく純と智紀が思い浮かぶ。
「ち、違いますわ、これは決して興味本意と言うわけではなくて・・・そう、こ、この様な時間帯に婦女子を呼び付けるのは、如何なものなのか・・・そうですわ、会って注意しないといけませんし・・」
(そのついでに相手が確認できてしまうのは、仕方が無いことですわ!)
 誰かに聞かれたり指摘されたりした訳でもないのに、言い訳を並べ自分を正当化する透華。
「で、ですから仕方ないのですわ・・・これは不足の事態・・あっ、い、いけませんわ」
 そんな事をしている間に一との距離が開いてしまい、透華は慌てて後を追う。
「これならまだ追いつけますは・・」
 今は夜で人も居らず、今日は月が出ているために比較的明るいので、透華は何とか一を追うことができた。
(でも、おかしいですわ、裏口に行くのなら方向が違いますわね)
 裏口から出て誰かに会いに行くものと思っていた透華、だが一が進むのは裏口ではない方向、その先にあるのは・・ある人が住む建物。
(そんな・・まさかそんなことはありませんわ・・)
 浮んだ考えを否定しながら、透華は一に気付かれない様に必死に後をつけた・・・そして。
「そ、そんな・・・」
 一のたどり着いた場所を見て透華は驚愕する、そこに在ったのは間違えなく龍門渕別館・・衣の住む城だった。
「ど、どういうことですの・・・一は逢引をしにきた訳では?・・それともここでは無い?」
 混乱する透華をよそに、つけられているとも知らない一はゆっくりと扉を開けて屋敷の中に入っていった。
「やっ、やはりここで間違いないのですわ、でも・・それなら何故、はぁ!・・ま、まさか!?」
 唐突に透華の脳裏に浮かんだ事、それは。

 衣の部屋、思いつめた表情で衣に近づく一。
「ごめん・・ボク・・・ボクは衣の事が大好きなんだ!」
「衣も、一が好きだぞ」
 一の言葉に、衣は普通に答えるが一はゆっくりと首を横に振る。
「違うよ、ボクは友達としてじゃなくて、衣の恋人になりたいんだよ・・お願いだよ、ボクを愛してよ・・」
 目を潤ませて衣に詰め寄り懇願する一、そんな一の態度に衣は焦りを隠せない。
「だ、駄目だ・・衣には京太郎という恋人が・・・」
 一に詰め寄られてベッドに倒れこんだ衣は逃げ場も無く。
「だ・・だめだ、あっ・・」
 抵抗する力が無いのか、それとも本心では抵抗する気が起こらなかったのか、衣の口だけの抵抗もむなしく・・・部屋に飾られていた椿の花がぽとりと落ちた。

「って、な、何を想像していますの私は!」
 自分のありえない妄想に思わず声を荒げる透華。
「あ、ありまえませんわ、それなら一が、あれほど衣と須賀さんの事を祝福したりはしないはずですし、そ・・それに一がもし女性で迫るなら・・わ、私のハズ・・」
 麻雀部の部員の中で、一と一番仲がいいのは自分だ・・そんな思いが透華の中にあった。
「って、な、何言っていますの・・私は、こ・・ここで考えていても仕方ありませんわ、中に入りましょう」
 このままここで変な妄想に耽っていてもしかたないと思い、透華は音を立てない様にゆっくりと扉を開けて屋敷に入った。
 衣の部屋の前で戸に耳を当てて中の様子を窺う透華。
「・・・何も聞こえませんわね」
 部屋の中は特に騒がしくないのか、何も聞こえてこなかった。
「・・か、確認ですわ・・念のために・・」
 部屋の戸を少し開けて、透華は中を覗きこむが・・動くものはおろか人の気配も無く音も無く、あるのはただ静寂のみ。
「異常無しですわ、ここに居ないとなると、一はいったい・・」
 戸をゆっくりと閉めて一が何処にいるのか考える透華。
「この屋敷に居るのは、衣以外ですと・・・まさかハギヨシに・・はありませんわね」
 一がハギヨシに告白している姿は思い浮かばず、透華はすぐさま自分でその考えを否定した、そして再び考える。
「それでは、誰に会いにきたのでしょうか・・・あっ!」
 思考を巡らせていると、透華はハギヨシに報告された事を思い出した。
「そうですわ、確か今日は須賀さんが泊まっていましたわね」
 何度も泊まりに来ている上、今日は一の事で頭がいっぱいだったこともあり、すっかり忘れていた透華。
「挨拶もできていませんわ、駄目ですわね・・・うん、須賀さん?」
 忙しかったのもあるが、客人に挨拶を忘れてしまった事を反省する透華、だが京太郎の事を考えていると透華はある可能性に気がついた。
「ま、まさか・・は、一のあ、逢引の相手は・・」
 そんな可能性が透華の脳裏に新たな妄想を生んだ。

「須賀君、やっぱり駄目だよこんな事・・止めない?」
 数多くあるゲストルームの一室で、一は肩を震わせながら提案するが、ベッドに腰掛けた京太郎は不敵に笑った。
「駄目ですよ、国広さんが言ったんでしょ・・衣に酷い事しない代わりに、俺を満足させてくれるって・・ねぇ!」
 一の言葉を信じてすっかりやる気になっている京太郎は、一の手を引いてそのままベッドに押し倒す。
「あっ・・だ、駄目・・だよ、す、須賀君・・こんな事衣にしれたら・・」
 自分が提案した事とは言え、事の重大さを感じ取り一は止めるように京太郎に懇願するが。
「良いんですよ、いやなら止めても・・ただ、それならいまからここに衣を呼んで・・」
 あえて言葉は伏せる京太郎、でもそれが何を意味するのか一には分かっていた。
「そ、そんなのだめ、お願いだよ、衣には優しくしてあげで、そんな事をしないであげて・・ボクが衣の身代わりになるから」
 止めても無駄だと、あるいは止めることはできても、今自分も向けられている欲望の矛先が衣に向くと理解した一は、抗うのを止めた。
「そ、その・・は、初めてだからや、優しく・」
「一」
「あっ・・」
 京太郎に名前を呼ばれ体を大きく震わせた一は、その言葉が京太郎の求めているものとは違うことに気付く、下半身に手を伸ばして下着を脱ぎ捨て。
「うっ・・ううっ」
 少し躊躇しながら、足を開いて何者にも進入をゆるしていない乙女のもっとも大切な部分を京太郎の前に晒して・・一はお願いを口にした。
「ぼ・・ボクの処女を奪って、ボロボロに・・お、おか・・犯してください・・」
 一の涙ながらのお願いに満足げな様子の京太郎。
「ああ、そうさせてもらうよ・・さぁ、せいぜい悲鳴を上げてくれ!」
「・・・い、痛っ!!!」
 一の悲痛な叫びが部屋に響き、花瓶に挿されていた椿の花がぽとりと落ちた。

「・・・・・」
 自分の妄想ではあるが、あまりの光景に顔を真っ赤にさせ黙り込んでしまう透華、だが・・すぐにその矛盾点に気付く。
「殿方は狼と申しますが・・・須賀さんはそこまで鬼畜ではないでしょう、そんな方なら遊園地デートの時にあんなに優しく出来るとは思えませんわ」
 透華にしてみれば、あの遊園地デートの時の京太郎のイメージが強いのか、それほどの鬼畜な所業が京太郎にできるとは思えなかった。
「とにかく、須賀さんの泊まっている部屋に行ってみれば、何かわかるかもしれませんわ」
 そもそも今は一が京太郎に会いに行った確証がある訳でもなく、確認のために透華はハギヨシに聞いていた京太郎が泊まっているゲストルームに向けて歩き出した。
「ここ・・ですわね」
 京太郎の泊まるゲストルーム、その前についた透華は少し扉を開けて部屋の中を覗きこむ、すると。
「あっ・・きょ、京太郎君・・おっきいのが・・」
「一が・・締め付けるから・・」
 ベッドの上で情交を交わす、京太郎と一の姿が視界に飛び込んできた。
「なぁ・・・」
 手で口を押さえ込んで必死に声を押し殺す透華。
(一と・・須賀さんが、激しく体を擦り合わせて、こ、これが男女のま・・交わりですの?)
 目の前で繰り広げられるのは透華の妄想していた行為、だがそれは透華が妄想していた甘いひと時とは違い激しい肉と肉、性と性のぶつかり合い、どちらかと言えば最後に妄想した、凌辱の場面に近い印象すら受けた。
「ひゃぁぁぁ!」
 でも一は嫌そうな表情も苦痛の声も上げていない、言い表すならばどちらも歓喜、本当に好きな相手と交わる喜びに溢れていた。
(無理やり・・ではありませんわ、今までの一の態度も考えますと・・まさか!?)
 今日までの一の態度、そして今目の前で繰り広げられている状況、それら諸々の事情から透華の脳裏に浮かんだ答えは。

「すみません、国広さん・・こんな事頼んじゃって」
 ベッドに腰掛ける一に謝る京太郎は、本当にすまなそうな顔をしていた。 
「そんなに謝らないで須賀君、その・・須賀君もやっぱり男の子だから仕方ないよ」
 一は苦笑しながら京太郎の股間の膨らみを見て、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「でも俺は・・衣って言う・」
「それは言わないで・・お願い!」
 京太郎の言葉を制止する一、その目は友と読んだ人物を裏切っているからか切ない・・悲しい色をしていた。
「すみません・・」
「ううん、須賀君は悪くないよ、ボクはね・・衣の代わりなんだ、衣とはこう言う行為するのは早いでしょ、でも・・やっぱり須賀君も年頃の男の子だから、恋人が居るのに我慢はつらいでしょう・・だから」
 一は立ち上がると、着ている物を全て脱ぎ捨てて京太郎に裸体を晒す。
「国広さん」
「一って・・衣が須賀君とできるまでの間で良いから、お願い・・今は、今だけは衣の代わりに恋人として扱って、一って名前で呼んで」
 多くは望めない立場にある一のあまりに切ないすぎる懇願、京太郎もそれに理解を示して聞き入れる。
「わかりました・・・一」
「あっ・・」
 京太郎に名前を呼ばれた瞬間、一の目が潤み、頬が染まり、心臓が大きく脈打ち、喜びが全身に広がる、だが。
(でも・・これもいつかは衣に向いて・・ボクには・・)
 一にはそれが一時的なものだと理解できた、理解できたからこそ・・・喜びの分切なさが溢れてくる、だからそれを誤魔化すために・・・目の前の大好きな人に、眼を潤ませて見上げながら短いお願いを口にする。
「抱いて・・」
「一!」
 そんな気持ちがわかっているのか、それとも一のお願いする表情に我慢が聞かなくなったのか、京太郎は一の名を叫びベッドに押し倒した。
「するぞ・・一」
「う・・うん、優しくしてね・・」
「ああ、約束する」
 優しい言葉を囁きながら、京太郎は唇を重ねようとした・・・が。
「だ、駄目・・キスは・・駄目」
「キスはされるのは嫌ですか?」
 京太郎の問いに首を横に振って否定する一、一は京太郎とのキスを嫌がっている訳では無い・・ただ、その心底に眠る感情を押し殺そうと必死だった。
「したい・・けど、したらきっと我慢できなくなるから・・」

「そう悲しそうに呟く一の顔を見ていた京太郎は我慢できなくなり、無理やり唇を奪う『あっ、だめ・・京太郎君』口では抵抗するものの実質の抵抗は皆無、されるがまま受け入れてしまう一・」
 想像が・・いや妄想が口から漏れている透華、このまま妄想が激しい方向に進みそうだったのだが。
「あああっ!!きちゃうぅぅぅ!!」
「えっ!?」
 一際大きな一の叫び声で、現実に引き戻された透華は慌てて部屋の中を覗きこむ。
 行為の事はよくわからないが、何故かもうすぐその行為の終わりが近い事を本能的に感知する透華。
(い、いけませんわ、このままではいずれ衣に見つかり、三人とも傷つく結果に・・ここは私が止めなくてはいけませんわ!)
 妄想と現実が交じり合い、このままでは大変なことになると思った透華は目の前の戸を勢いよく開け放ち中に飛び込んだ。

「あっ・・きょうたろぅくん、ぼくもぅぅ!!」
「もう少しだから・・あと、ちょっと・」
「う、うん・・もうすこしぃぃ!・がまん・」
 京太郎と一緒に達したいからか、必死に上り詰めてしまいそうなのを耐える一だが。
 バン!。
「えっ・・?」「へぇ・・?」
 突然戸が開け放たれたかと思うと、それと同時に透華が飛び込んできた。
「お止めなさい、一、須賀さん!」
「りゅ、龍門渕さん!?」「と、透華!?」
 唐突な透華の登場に意味が分からず、あっけに取られる京太郎と一。
「今すぐお止めなさい、今なら衣にも気付かれずに・」
 思い込んだまま説得を続けようとした透華だが、一の横・・透華か見れば一の陰になる部分から誰かがひょっこりと出てきた。
「衣がどうかしたのか?」
「えっ・・・こ、衣!?」
 衣を見て固まる透華、当然とも言えよう、今までバレたら傷つくと思っていた衣が、不思議そうな顔で一と同じ様に全裸で目の前に現れたのだから。
(と・・透華なんで・・・えっ、あっ・・!?)
 そんな思考と行動がストップしている透華を見て、少し冷静さを取り戻した一は今自分が置かれている立場を思い出した。
(ボク・・今している最中・・と、透華にばっちり見られて・・いる!)
 京太郎のペニスを、自分の膣内でしっかりと銜え込んでいること、しっかり情交を交わしている所、それを意識すると一の中で恥ずかしのと同時に凄まじい快楽が湧いて出た。
「あっ・・だ、だめぇぇぇぇぇ!!」
「一!?」「えっ、は、一!?」
 それは止めようもなく抗い世も無い、絶頂寸前まで追い詰められていた一にとどめを刺すには十分すぎた。
「とうかにみられていっちゃうぅぅぅぅぅ!!」
 大きな声を上げて、透華の前で体を大きく震わせて絶頂に達する一。
「は、一・・ど、どうしたんですの!?」
「ぐぅ・・俺も、でるぅぅ!!」
 突然の事に混乱する透華をよそに、急激な締め付けに京太郎も一気に絶頂まで持っていかれる。
 ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「らめぇぇぇ!!とうかのぉまえなのりぃぃ!!せぇぇえきぃうけちゃぅぅぅ!!」
 大切な主人の前なのに、いや逆に主人の前だからだろうか、一はいつもより感じて激しく絶頂を味わっていた。
「悪いとまらねぇ!!」
 さすがに続けるのは悪いと思った京太郎だが、一度始まった射精は途中で中々止めることが出来ず。
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「あはぁぁぁ!!・・とうかぁぁのまえれぇぇ・・いっぱいぃぃぃ!!」
 透華を気にしながらも、精液の熱と量に歓喜する一。
「は・・一・・?」
 メイドで友人の少女の顔が、見たことも無いほど快楽と言う色に染まっていくのを見て、その場にへたり込む透華。
「くっ・・はぁ・・だ、大丈夫か、一?」
 一先ず射精を終えた京太郎は、すぐにペニスを引き抜いて、いつもと様子が違う一を心配して表情を窺う。
「あっ・・はぁ・はぁはぁ・ごめん・・きょうたろうくん・・きゅうにとうかがきたから・・はぁはぁ・・だいじょうぶだよ・・・」
「そうか、なら良いんだけど」
 一の返事を聞き様子を見て、特に以上の無い様子に安心した京太郎、しかし。
「よ、よよよ、良くなんて、ありませんわ!!」
 二人の会話を聞いていて、へたり込んでいた透華が叫びながら立ち上がり、ずんずんとベッドの前まで歩いてきた。
「ど、どういうことですの、一、衣、そして須賀さんも、私の納得がいくように説明してくださいまし!!」
 透華に睨みつけながら問い詰められる、三人の対応はそれぞればらばらで。
「あっ・・まあ、そうですよね・・」「あ・・あはは・・」「うん?」
 京太郎はこの状況では仕方ないと納得し、一は他にできることもなく苦笑した、衣は何故透華の機嫌が悪いのか分からず首を傾げた。
(まずは・・俺が説明しないと駄目だよな・・)
 意を決し京太郎は透華に話しかけた。
「りゅ、龍門渕さん」
「なんですの須賀さん!!」
「うっ・・」「うわぁ・・」「うっ・・」
 透華のあまりの眼光に黙り込む京太郎、一や衣もその雰囲気に圧倒されてしまう。
(な・・何故黙り込むのですの、やはり後ろめたいのですの!?)
 京太郎が黙り込んだのは透華が睨んだためなのだが、無意識下で行われている威圧のため透華自身はそれに気付いていない。
(それとも・・何かいえぬ事情が・・くぅぅぅ)
(お、怒っているよな・・でも、仕方ない・・ここで殴られて蹴られても文句言える立場じゃあないし、甘んじて受けるしかない・・よし)
 再び意を決し、京太郎が透華に話しかけよとしたが、先に口を開いた者が居た・・それは。
「と・・透華、透華はなんでそんなに怒っているのだ・・?」
「えっ・・?」「なぁ・・」「こ、衣・・?」
 この中で一番状況理解していない衣が、その疑問を素直に透華にぶつける、そのあまりに素直問いに・・怒っていた透華は怒りが殺がれ・・混乱した。
「えっ、えっ~と・・ですわね、その須賀さんは衣の恋人ですわよね?」
「うん」
 混乱した頭を整理するためか、透華は衣に確認をすると衣は当然だと言わんばかりに力強く頷いた。
「えっ~と・・それでは、その・・須賀さんは、衣と関係をもてないから代わりに一と」
 先ほどの妄想がまだ頭の片隅に残っていたのか、そんな言葉を口にしてしまう透華。
「何を言う衣は京太郎とちゃんと情交を重ねているぞ」
 透華は今一度衣の姿をしっかりと見るが、確かに何も着ておらず裸なのは裸だが・・節々に白い液体の様なものがついていて、それは一の膣内から溢れる物によく似ていた。
(えっ・・こ、これは、つまり・・衣とも、そういう関係で・?)
「それに失礼だぞ透華、一が衣の代理で抱かれるなど・・それは愛の営みへの冒涜だ!」
 自分達の愛を深める行為を馬鹿にされたと思った衣は、臆することなく透華を注意する。
「あっ、は、はい、すみませんでしたわ・・」
 混乱している中、衣に強く言われて反射的に謝る透華。
「理解したならば良し、それで・・透華は何を怒っていたのだ?」
 透華が理解したと分かると、満足げに笑みを浮かべて再び同じ内容を問う衣。
「えっ・・あっ、そ、そうでしたわ、えっ~と・・一と須賀さんの関係ですが・・どのような関係なのですか?」
 透華も衣に言われて、自分が何を聞きたいのかをようやく思い出したが、どう聞けば良いのかわからず、更に自分が考えていた状況とは随分違うことに気付いた結果、首を傾げながら尋ねる。
「えっ・・ああっ、それはその・・」「そのね・・」
 京太郎と一も目の前で繰り広げられた透華と衣の会話に戸惑い、透華の問いになんと答えれば良いか迷い言葉を詰まらせる。
「決まっている、情交を交わす仲・・つまり一も京太郎の恋人だ」
 と二人に代わりに衣はあっさりと言い放った。
「・・・・・・・・」
 沈黙して衣の言葉の意味を考えて噛み締める透華・・・そして意味を理解した瞬間。
「な・・なな、なんですってええええええええええええええええ!!?」
 驚愕のあまり邸中に響き渡るほどの叫び声を上げる透華。
「・・透華・・五月蝿い・・」
 いきなり大きな声を出され不快な表情で文句を言う衣。
「そ、そんなことはどうでもいいんですわ、一、それに須賀さん、ど、どういう事ですの!?」
 衣の文句を無視し、混乱を少しでも解消しようと一と京太郎に詰め寄る透華。
(ど、どういうことと聞かれても・・)(透華混乱しているな・・当然だよね)
 目の前に混乱している透華が居るためか、京太郎と一の心境は目撃された直後や最初に凄まじい眼光で睨まれたときに比べて随分と落ち着いていた。
「あの、ですね・・」
「まって、須賀君・・」
「・・わかった」
 京太郎が説明しようとすると、一がそれを静止して目で合図を送る、京太郎も一が何をしたいのか理解し短く返事をした。
 一は透華をしっかりと見て、ゆっくりと口を開いた。
「透華、報告しなくてごめんね、ボクね・・衣と京太郎君に許してもらって、京太郎君の恋人になったんだ」
「ほ・ほほほ・・ほん・・ほん・・」
 一の言葉に信じられないほどの衝撃を受けたのか、透華は金魚の様に口をパクパクさせながらもなんとか衣を見て、聞こうとするが・・そんな言葉が出る前に。
「衣も認めているぞ、さっきも言ったが一も京太郎の恋人だ」
「・・・そ、そんな・・・こ、恋人公認の・・他の恋人だなんて・・信じられませんわ・・」
 衣にあっけなく認められ、まったく想定外の事にショックを受け、その場にへたり込む透華。
(衣が・・認めてくれて、須賀さんの恋人・・そんな事・・そんな事があるわけありませんわ・・)
「透華は・・どうしのだ?」「透華、そ、その・・大丈夫?」
 衣や一の声をかけられても反応せず、透華は『信じられませんわ』とうわ言の様に呟き続けていた。
(そんな夢の様な・・・夢、そうですこれは夢、私の夢ならば一も衣も須賀さんと仲良くしているのが理解できますわ)
 自分の理解の外にある事態、だが夢だと思えば何の不思議も無く受け入れられた、そして夢だと判断した透華の胸にふつふつとある思いが浮んできた。
(夢なのでしたら、私も・・)
「えっ~と・・あの、龍門渕さん?」「・・須賀さん・・」
 完全に黙り込んだ透華を心配して京太郎が話しかけると、透華はゆっくりと立ち上がり・・ぽつりと京太郎の名を呼んだ。
「な・・なんでしょうか?」(やっぱり・・叩かれるのか、仕方ないよな)
 透華の只ならぬ雰囲気に、これから何が起こるかを想像して今度こそと覚悟を固める京太郎。
「須賀さん!」
「は、はい!」
 もう一度、名を呼ばれた京太郎は衝撃に備え様と歯を食いしばる、だが。
「私も恋人の輪に加えなさい!!」
「・・・・・?」
 頬に衝撃も無く、透華の突然の告白に意味がわからず沈黙する京太郎、そして最初に反応を示したのは京太郎では無く。
「と、ととと、透華も京太郎君の事好きなの!?」
 一だった、一はとてつもない驚きを受けた様子で目を見開いて透華に詰め寄る。
「えっ・・ええっ、まあ・・」(お、おかしいですわね、私の夢ならば・・ここで一は喜んで迎え入れてくれるはずではありませんの?)
 夢が全て思い通りに行くわけではないが、それは夢と言うには余に現実的な反応で、自分の考えに少し疑問を持つ透華。
「は、一・・すみませんが、私の頬を抓ってくださるかしら」
「えっ・・で、でも・・」
 告白の衝撃覚めやらぬ中で、いきなり頬を抓れて言われ戸惑う一。
「いいから、お願いしますわ」
「う、うん」(透華まさか・・寝ぼけて・・はないか、ショックでボケおかしくなったとか?)
 透華の精神を案じながらも、お願いを断るのも気が引けたので一は透華の顔に手を伸ばして頬を抓った。
「い・痛いですわ!」
「あっ、ごめんね透華」
 透華の顔が苦痛に歪み、すぐさま抓るのを止めて手を離す一、だが透華にとっては痛みそのものよりも痛かったと言う事のほうがショックだった。
「い・・いたい、痛いってことは・・こ、これは現実なのですわ」
 夢でない事を理解すると、自分の仕出かしてしまった事が頭によぎる。
(わ・・私は、す、須賀さんに・・こ、ここ、告白を!?)
 命令とも取れる、自分の告白を思い出すと透華の頭が真っ白になってしまう。
「うっ・・・うあぁ・・」
「と、透華、だ、大丈夫・・・透華!?」
 呻き声をもらしながら倒れこむ透華を受け止めた一は、必死に声をかけ続けた。
「ううっ、す、すみませんでしたわ・・」
 魂が抜けかけた状態から、なんとか復活し夢だと思い込んでいたことを話して落ち着いた透華だが、精神的にはまだダメージが残っているのが誰の目にも見て取れた。
「あ、謝らないで下さいよ、そもそもは俺が・」
「違う京太郎君、ボクが悪いんだよ、その・・衣の事頼まれていたのに、嘘をついて、報告しないで・・ごめんなさい透華」
 謝ろうとする京太郎を止めて、頼まれていた事をできなかったのを透華に謝罪する一。
「一・・良いんですわ、年頃で恋仲の男女が同じ屋根の下にいれば、そういう関係になるのは当然、私が衣を子供扱いしていただけですわ」
 目撃してしまい、納得せざるを得ない状況になってしまった透華は、無理をして逆らう事はせずにそれを受け入れた。
「衣は大人だ、透華よりお姉さんなんだから」
「そ、そうですわね・・いろんな意味で先を行かれてしまいましたわ」
 恋人も処女喪失も、衣に先を越されたことをしみじみと噛み締める透華。
「ところで、透華は本当に京太郎が好きなのか?」
「そ、それは・・本当ですわ・・そうでなければ、夢でもこ、告白なんてしませんことよ」
 衣に訊ねられて、先ほどの告白を思い出して顔を真っ赤にする透華は、恥ずかしいのかそのまま説明をし始めた。
「一が最近幸せそうで、その理由は恋かもと思いました、でも私はその・・恋をしたことが無いので良くわからない、そ、それで考えて・・う、浮んだのは須賀さんだけでしたわ、その男性を知らないと言うのもありますが、須賀さんと過ごしている時の衣が凄く幸せそうで」
「大好きな恋人と一緒に居るのだから幸福なのは至極当然だ」 
「ええ、それで・・須賀さんの様な恋人が居たら良いと思いましたわ、けど・・想像しているうちに須賀さんが良いと思えてきて、でも須賀さんは衣の恋人ですから、駄目だと思っていました、なのに・・」
「ぼ、ボクの・・後をついてきて、京太郎君との・・・」
 一の言葉にこくりと大きく頷く透華。
「ええ、そうですわ、あ、あまりの光景に・・し、しかも、衣に認められてなんて、夢としか思えなくて・・それで・・あんな命令の様な・・こ、告白を・・」
 告白まで至る経緯を説明し終え、ついでにあの告白まで思い出した透華は再び落ち込んでしまう。
「透華、元気出してよ・・その、京太郎君は優しいから大丈夫だよ・・、それに透華はこのままで良いの?」
 もう一度魂が抜けきった状態に戻らないように、一は透華を必死励ます。
「そ、そう・・ですわ、こ、このまま終わっては龍門渕透華の名が廃り・・・いいえ、私自身が納得できませんわ!」
「うん、それでこそ透華だよ」
 一の応援で自らを奮い立たせて、再び京太郎と向かい合う透華、その姿を見て一もほっとすると同時にいつもの透華が戻ってきて嬉しそうにしていた。
「す、須賀さん」
「はい・・」
「先ほどは・・その、し、失礼しましたわ、あんな風な告白で・・」
「い、いえ・・別に」
 変わった告白だと京太郎にも思えたが、透華の性格から考えればむしろあっているとさえ思えた。
「改めて言わせてくださいな、わ、私は・・す、須賀さんの事がす・・すすす、好きですわ、わ・・私も・・ぜぜ、是非に恋人にして・・いただけませんか?」
 先ほどの告白とは違い、顔を真っ赤にして言葉はたどたどしく、どこか自信も無さそうな透華の態度。
 でもそれが逆にお嬢様の龍門渕透華ではなく、一人の透華と言う少女の本音である事が京太郎にも伝わってきた。
「俺も・・龍門渕さんは好きですよ、でも・・女性として見たことは無くて、いつも衣の大事な人だって見ていましたから、少しずつで良いですか・・恋人として好きになるの」
「構いませんわ・・私の魅力でメロメロにして差し上げますわ!」
 好きと言われて安心したのか、いつもの調子を取り戻して自信満々にウインクを決める透華。
「衣も一も良いよな?」
「構わないぞ、透華も京太郎が好きなのは理解できた、今日から透華も京太郎の恋人の一員だな」
「もちろん、透華なら大歓迎だよ」
 念のために確認する京太郎に、衣と一は異論を挟むどころか喜んで新たな恋人の誕生を受け入れた。
「ありがとう、衣、一、今日からは同じ殿方の恋人としてよろしくお願いしますわね」
「うむ、でも恋人としても衣がお姉さんだぞ、忘れるんじゃないぞ」「あはは・・そうだね、まあよろしくね透華」
 お姉さんの部分を強調する衣と、それを聞いて苦笑する一。
 挨拶を済ませた透華が、ふと視線を下にやると・・驚くべきものを目撃する。
「そ、その・・須賀さん・・い、いえ、京太郎さんとお呼びさせていただきますが、よろしいですか?」
「えっ、あっ・・はい、恋人ですしどうぞ」
 恋人とは言えいきなり名前で呼ぶのは躊躇し許可を求める透華、呼ばれること嫌ではない京太郎はすぐに了承した。
「では・・その京太郎さんの、そ・・それは・・」
 透華が指差したのは京太郎の一際自己主張が激しい部分、硬く勃起したペニスだった。
「・・・せ、節操無くてすみません・・」
「い、いえ、それは構わないのですが・・その凄く大きく腫上がって大丈夫なのですか?」
 初めて見る京太郎のそれは、病気の様に腫上がっているように感じ、頬を紅くしながらも心配そうに見つめる透華。
「えっ・・ああ、平気ですよ、これはいつものことなんで」
「京太郎は一度勃起すると、なかなか収まらないからな」「京太郎君の大きいから、初めてみたらびっくりするよね」
 京太郎はもちろん、衣も一も慣れているのか特に焦った様子もないのに驚く透華。
「そ・・そうですの、それにしても殿方のが・・こ、これほどとは・・」
 改めて勃起したペニスを見つめ直して、改めてその大きさに驚く透華。
「どうする透華、するのか、しないのか?」
「えっ・・そ、そうですわね・・・」
 勃起した京太郎のペニスの迫力、衣に問われても微妙に踏ん切りのつかない透華だが。
「そ、その・・・無理しなくても良いんですよ」
 京太郎は透華を気遣って声をかけるが、それが逆に透華のやる気に火を灯す。
「京太郎さん、私を誰だと思っているんですの、この龍門渕透華は逃げも隠れも引きもしませんわ!・・・あっ・・い、今のは・・その・・」
 ビシッとポーズを決めて言い切った透華だが、それが抱いて欲しいと言っている様にも聞こえる事に気付くと途端に顔を真っ赤に染めた。
(わ、私は・・また・・)
 またやってしまったと落ち込む透華を見て、京太郎は顔を近づけて声をかける。
「龍門渕さん・・俺は龍門渕さんとしたんですけど・・良いですか?」
「きょ・京太郎さん・・ええ、よろしくてよ・・」(京太郎さん・・私を気遣って、や、優しいですわね・・衣はもちろん、一が好きになるのも納得ですわ・・)
 気遣っているのはバレバレだったが、透華には京太郎の気遣いが嬉しくて、今までは外から見ているだけだった優しさに触れると胸が熱くなるのを感じた。
「キスしますね」
「あっ、は・・はい」
 ビクッと体を震わせて、両目をぎゅっと瞑る透華に京太郎はゆっくりと顔を近づけて、唇を重ねた。
(今・・か、重なっていますのね・・)
 京太郎の唇の感触を感じて、少し目を開けた透華だが・・京太郎の顔がアップで飛び込んできて、恥ずかしくなり再び目を閉じる。
 そうしているうちに、互いの唇がゆっくりと離れた。
「どうですか?」
 京太郎が尋ねると、透華はゆっくりと目を開けて答える。
「その・・何か話しでは、レモンなんて聞きますが・・よ、よくわかりませんわ、けど・・心と体が・・温かくなって・・それで・・」
 それ以上言葉が出ないのか、頬を染めて黙り込んでしまう透華。
(あっ~照れている透華可愛いな・・)
 キスに戸惑う透華の表情を見て恍惚とする一。
「こ、これが・・恋人同士のキスなのですわね・・す、凄いですわ・・」
「まだだ、こんなものじゃないぞ透華、もっと凄い接吻があるんだからな」
 唇を重ねるキスだけで満足していた透華に、衣は自慢げにディープキスの話をする。
「えっ・・こ、これよりも凄いものがあるんですの!?」
「そうだぞ、今の接吻が幸せな気分になれるモノならば、凄い接吻は身も心も溶けてしまいそうななるほどだ」
 透華に教えられるのが嬉しいのか、先生にでもなった気分で語って聞かせる衣。
(そ、そんなものが・・・し、信じられませんわ、しかし衣が嘘をついている感じもしませんし・・本当なのでしょう、こ、これは確かめねばなりませんわ!)
 少し疑って掛かっていた透華だが、衣の表情と態度かそして言葉に説得力を感じ、もう一度京太郎と向き合うと、すぐさまそれを願いでる。
「きょ、京太郎さん、そ・・その、凄いやつをお、お願いしますわ!」
「わかりました・・じゃあ、いきますね」
 京太郎がそういうと、透華は力の限り目を瞑り・・緊張から体を硬直させた。
(と、透華、あのキスされちゃったら・・どうなちゃうんだろう・・ぼ、ボクみたいに頭が真っ白になるのかな?)
 一が期待の眼差しで見守る中、京太郎の唇が再び透華の唇に重なる。
(これが・・・あれ、さっきと・・変わらな・)
 透華が少し気を緩めたところで、京太郎は舌を押し込んで透華の口内を舐め取る。
(な・・なんですの、これは・・く、口の中が・・きょうたろう・・さんの・・)
 混乱してしまう透華、だが次第に口内を京太郎の舌で犯される感覚に意識の全てを持っていかれる。
「・・・・ふぅ・・」
「・・・はぁぁ・・はぁぁ・・」
 京太郎が唇を離すと、激しき息を吸い込む透華。
「どう・・って龍門渕さん?」
 透華が虚ろな眼差しで息をしているだけなのに気付いた京太郎は、慌てて透華の肩を持って軽く揺らした。
「はぁぁ・・へぇ、あっ・・す、すみません、今のキスが凄すぎて・・・」
(うわぁぁぁ、透華キスが気持ちよすぎてトリップしちゃたんだ)「はぁ・・はぁ・」
 キスで感じていた透華を見て、大興奮した一は息を荒げた。
「どうだ透華、京太郎の凄い接吻は凄まじいかったろう」
「えっ、ええ・・しかし、これは少し危険ですわ、その・・あ、あまりされると、意識もなにもかも吹き飛んでしまいそうになりますわ・・ふぅぅ」
 今のキスを思い出すと、熱が蘇り再び頭が真っ白になりそうになる透華。
(い、いけませんわ、こ、これでは・・京太郎さんにさ、されっぱなしで、殿方に任せるのは嫌ではありませんが、やられっぱなしは性に合いませんわ・・!)
 最初のキスも次のディープキスもリードしたのは京太郎、透華はされるだけ、信頼するものにまかせるのは良いが、ただ一方的にされているのは癇に障り透華は立ち上がる。
「京太郎さん、その・・私をし、したいと仰っていらっしゃいましたわね?」
「えっ・・あっ・・は、はい」(えっ~と・・何か怒った?)
 急に立ち上がった透華を見て、何か不手際があったか考える京太郎、しかし何も思いつかず返事をして透華の出方を窺う。
「で、では・・衣も一も裸ですのに、私だけ着ているのはお、おかしいですわ・・それに着ていてはできないでしょう・・」
(・・・できる、だろう?)(できるよ・・けど、必死になっている透華も可愛いな)
 思い出しながら首を捻る衣と、服を脱がなくてもできる事をわかっているが、もっと透華の色々な面を見たい一は黙っていた。
「うっ・・・」
 一瞬肌を晒すことを躊躇したが、このままでは出来ないと思っている透華は意を決し自分の着ている寝巻きに手をかけた・・・そして。
「こ、これで・・よろしいですの?」
 素早く寝巻きと下着を取って、京太郎に一糸纏わず肌を晒す透華。
(うわぁ・・・透華大胆・・)
「いかがですか私のか、体は?」
「・・・・」
 突然の事にあっけにとられた京太郎はぼうっと見つめていた、それはただ見ていただけなのだが、透華にはその視線が違う意味に感じ取れた。
「や、やはり胸ですの・・?」
「えっ・・?」
 透華に恨めしそうに睨みつけられた京太郎はようやっと声をだした。
「私は胸が無いのではありません、スレンダーなだけですわ!」
 別に言われたわけでもないのに、誤解した透華は無い胸を張って少しツンとした表情で言い切る。
「あっ・・いや、その・・いきなり裸になられたんで、びっくりしただけで・・」
(そ・・そういえば、脱ぐと一言も言っていませんでしたわ・・じゃ、じゃあ)
 あっけに取られていた京太郎の素直な返事に、透華は自分が勘違いしていた事に気付き・・そして。
「っぅぅぅぅぅぅぅ!!」
 恥ずかしさから声にならない声を上げ、しゃがみ込み顔を伏せる透華。
(私は何を・・こ、これでは私が胸を気にしているようではありませんの・・)
 実際気にしているのだろうが、それを決して認めない透華。
(もしかして・・いや、もしかしなくても胸が小さいのを気にしているのか・・う~ん、ここは・・やっぱり・・あれかな?)
 なんとなく透華が落ち込んでいるのも、その理由も分かった京太郎は透華を元気付ける方法を考えると、ある事が浮んできたが、それが良いかどうかはわからない・・でも京太郎にはそれしか思いつかなかった。
「龍門渕さん・・」
「なんです・・んん!?」
 呼ばれて顔を上げた透華の唇を、自分の唇で塞ぐ京太郎、そのまま舌を透華の口内に侵入させて・・ディープキスに持ち込み、一通り嘗め回すと唇を離す。
「な・ななな、なな・・なになに・・なにを!?」
 突然のディープキスに混乱して同じ言葉を繰り返す透華、落ち込んでいたことも悩みも全て吹き飛んだ様子を見て、京太郎は笑って声をかける。
「キレイですよ・・龍門渕さんの裸」
「えっ・・ほ、本当ですの?、その・・私は・・あまり・・その・・」
 やはり自分の胸が寂しいのが気になるのか、直ぐに京太郎の言葉に喜べない透華、そんな透華を見ていた我慢できなくなったのは京太郎ではなく、見守っていた一であった。
「透華!」「きゃぁ、は、一!?」
 一は後ろからいきなり透華に抱きついて、そのまま透華もろとも後ろに倒れこんだ。
「駄目だよ・・京太郎君が褒めてくれているんだから、素直に喜ばないと・・」
「し、しかし・・ですね・・その」
「透華はまだ良いでしょ、はぁぁ・・・ボクよりもあるんだから」
 素直に喜ばない透華を見て、透華と自分の胸を見比べて自分の胸の無さに溜め息をついた一。
「それは・・確かにそうですわね、衣も無いですし・・・」
 衣と一を見れば、自分のバストサイズが捨てたものでは無い気がしてきて少し自信を取り戻す透華、一も少しほっとしながら、自分たちに向けられている京太郎の視線に気がついた。
「ほぉ・・・くすす、ねぇ・・気付いている透華、さっきからじぃ~~~くりと京太郎君に見られているんだよ・・ほら」
 一に言われて、透華はようやく自分がしている格好に気付く、さきほど一に抱きつかれて倒れこんだために、足を広げた体勢になっていることに、そのために先ほどと位置が変っていない京太郎には顔と胸とあそこが丸見えだった。
「きょ、きょきょ、京太郎さん!?」
 先ほど着ていた物を脱いだときにはよく見ていなかった京太郎、しかし今改めて見れば何一つ覆い隠すものの無い透華の肌には、無駄毛も殆ど無く・・おま○こに至っては完全に無毛。
「・・生えてないんですね・・」
「ううっ・・」
 京太郎に悪気は無いのだが、そこも気にしているのか肩を震わせる透華、そんな透華に一がそっと囁く。
「大丈夫だよ・・透華、京太郎君は生えてないのも好きだから・・」
「ええっ・・そ、そうなんですの!?」
 生えているほうが良いと思っていた透華にとって、一の言葉は衝撃的なものであった。
「ねぇ、京太郎君・・京太郎君は、生えていないの・・パイパンも好きだよね」
「前にも言ったけど、好きだぞ・・でも、あんまり関係ないから、生えていようがいまいが好きな人には変わりないんだし」
「京太郎さん・・そうですわね、私は何を下らない事を気にしていたのでしょうか」
 京太郎の言葉に、透華は自分が悩んでいたことが馬鹿馬鹿しくなり苦笑してしまう。
「それよりも透華、京太郎君が辛そうだよ・・ほら」「えっ・・ええっ!?」
 一のちょこんと指差した方向を見て驚く透華、その先にあったのは先ほどよりも反り返り大きく勃起した京太郎のペニス。
「なな、なんですの、さっきより大きくなっていませんこと!?」
「えっ・・いや、完全に勃起するとこれくらいで、さっきは少し小さくなっていたけど・・龍門渕さんの裸を見ていたらまた興奮してきたんで」
「だってさ・・透華の責任だね」
「そ、そうですわね・・」(京太郎さんが私の裸で興奮、なんでしょうこの言い知れぬ胸の・・ああっ、嬉しいんですわ・・ま、まあ私の美貌を持ってすれば当然ですわ)
 自らの体が京太郎を興奮させたその証拠を見せ付けられて透華、喜びと同時に失われていた自信を取り戻す。
「興奮させてしまったのでしたら、責任を取らなくてはなりませんわ」
 照れ隠しからか仕方ないとも取れる透華の言葉に、京太郎よりも衣と一が反応を示す。
「透華がしたくないなら、衣が京太郎とするぞ」「そうだね・・ボクも手伝うよ」
「ちょっと、お、お待ちなさい、私は別に嫌では・・」
 二人の態度に焦りを見せる透華、それを見ていた二人は笑った。
「最初から、そう言えば良かろう」「そうだよ透華、恥ずかしいのはわかるけど、素直に言ったほうが・・くすす、ねぇ京太郎君?」
 あえて多くは語らず、微笑みながら京太郎を見つつ訊ねる一。
「言ってくれた方が嬉しいですけど、龍門渕さんが言い辛いなら無理しなくても・・」
(うっ・・そ、そんな目で、そんな優しい言葉をかけられたら・・切なくなってしまうじゃありませんの、あ・・あまり、我侭を言っていると嫌われてしまうかもしれませんわね・・)
 ここで我を貫き通す道もあるだろう、だけど・・それが最善だとは透華も思ってはいない、今自分がすべき事を考えた透華、答えはすぐに出た。
「その・・京太郎さん、私と・・情交を交わしていただけますか?」
「はい、喜んで・・しましょうか龍門渕さん」
 透華は素直にお願いを京太郎は即座に聞き入れた。
「京太郎さん、その・・お願いがあるんですけど、宜しいかしら?」
「できるだけ優しくはしますけど・・・」
「あっ、そうではなくて・・その、私だけが名前でお呼びするのは・・ですから私の事も、と、透華とお呼び下さいませんか?」
「良いんですか、俺は年下ですよ?」
 プライドの高い透華なら、いくら心を許したといっても年下に呼ばれるのは抵抗を感じるだろう、そう思っていた京太郎には意外な申し出だった。
「構いませんわ、それに衣や一の様に・・恋人として、名を呼ばれて結ばれたいと思います、ですので・・是非に」
 性格もあるだろうが気丈に振る舞っていても、透華も一人の女性、恋をする少女、だから名を呼ばれ好きな相手と結ばれたいと言う気持ちがあるのだろう、恥ずかしそうにする透華のお願いに京太郎はそんなモノを感じていた。
「わかりました・・透華さんって呼びますね」
「あっ・・は、はい、それでお願いしますわ」(名前を呼ばれると胸がきゅんとなりますわ)
 愛おしい人に名を呼ばれ透華はとても心地よい気分を味わう。
「透華さん・・始めますね」
「は、はい、覚悟はできていますわ!」
 始める前からガチガチに緊張している透華、そんな透華の緊張を和らげる為にそして挿入の準備をするために、なるべくゆっくり丁寧に優しく透華の乳房に手で愛撫する京太郎。
「・・ひゃぁ!?」(京太郎さんが、わ、私の胸を・・)
「透華さんのおっぱいは・・と言うか、肌全体にハリがありますね・・・」
 透華のさわり心地は衣や一とは違っていた、衣や一が柔らかい感触なのに対して、透華の肌は押せば跳ね返る・・そんなハリの様な感触を感じる京太郎。
「そ・・その、それは褒めていただいと受け取ってよろしいんですか?」
「もちろんですよ、それに・・こんな綺麗な裸に文句言ったら・・バチが当たりますって」
 透華は乳房の大きさこそ無いが、形は良く美しい、それに長い金髪にシミ一つ無い肌、衣とは違う意味で人形の様な美しさがあった。
「そ、そうですか、と・・当然ですが・・気に入っていただけてよかったですわ・・」
 京太郎の正直な感想に、内心万歳したいほどの喜びに襲われるが、なんとか抑える透華・・でも顔までには気が回らないらしく頬は緩んでいた。
「ええ・・腰のラインも綺麗ですし・・」
「ひゃぁ!?・・だ、だめ・・ですわ・・そ、そこはこそばゆくて弱いんですの・・」
 京太郎に腰の指でなぞられ、それが駄目なのか声を上げて身をよじる透華、初体験の透華に無理をさせる気の無い京太郎はすぐさま指をどける。
「じゃあ・・今日は止めて起きますね・・・次は、こっちを」
「ええ、そうしていただけると助かりますわ・・って、そ、そこは・・ひぁっ!?」
 京太郎が次に手を伸ばしたのは、透華のおま○こ・・いきなりの一番大事な部分に触れられて驚く透華。
「そ、そこは・・」(そこに触られると、体が・・痺れて)
「悪いけど、少し我慢してくれ・・こうしておけば、少しは楽になるから」
「そうだぞ透華、準備は大切だぞ」
「そうだね、それとも・・ボクみたいに自分でする気、ボクは見られないとこでしていたけど、透華は京太郎君の前で自慰行為する?」
 衣と一、そして恋人になったばかりの京太郎の前での準備とは言え、自慰行為をするなどというのはプライドの高い透華、というよりは見られるのが好きな女子以外はかなりきついだろう。
「うっ・・そ、それは嫌ですわ、お願いします・・京太郎さん、ひっ・・ひゃぁあ!?」
 京太郎の指は指を透華の膣内に挿入して、少し動かしたりしながら膣内を解す。
「ひぁぁぁ・・!?・・・きょ・きょうたろうさんのゆびがぁぁ!!」(じ、自分でするのとは・・違いますわ、京太郎さんの指のほうが・・断然・・)
 自慰行為とは違う、自分の指とは違い動きが予想できない他人の指、それが大好きな人の指となれば透華に何倍も快楽を与えるが、そんな透華の気持ちを知らないのか京太郎の指はゆっくりと引き抜かれた。
「あっ・・・ああっ!」(・・・あ、あれが・・指なんかよりも凄い大きいですわ)
 指が抜かれて残念そうな声を上げる透華、しかし今引き抜かれた指より太い京太郎の勃起ペニスが視界に飛び込んできて、歓喜の声を上げる。
「準備ができたから、そろそろ良いかな?」
「え・・ええ、もちろんですわ、この龍門渕透華の一生に一度のバージンを味わってくださいましね」
「ああ、じっくりと・・味合わせてもらうよ」
 京太郎はペニスを透華のおま○こに押し当て、亀頭で割って入りゆっくりとペニス全体を透華の膣内に入れてゆく。
「あっ・・あはぁ・・」(膣内に・・入ってきていますわ、こ、これが京太郎さんのおちん・・)
 考えているだけなのに、その言葉を思い浮かべるのが少し恥ずかしくなる透華、少しして京太郎の動きが止まる。
「・・どうかされましたの、京太郎さん?」
「あっ、いや、たぶんここから痛くなると思うんですけど、どうしする・・一気にいくか、徐々に奥に入れるか・・」
「ふっ、愚問ですわ京太郎さん、ここはどーんと一気にしてくださまし・・ちまちまとする地味な行為など、この龍門渕透華・・と京太郎さんの情事には・・ふ、不要ですわ!」
 京太郎の質問に、意味もよくわからないまま即答する透華、でも根拠も無く自信ありげに答えるのは透華が透華たる所以か。
(透華は京太郎の言葉の意味がわかっているのか?)(たぶん透華、正確な意味を理解してないね・・でも邪魔するのもな・・)
 衣も一も経験していいるため、京太郎の言葉の意味を理解していた、衣は疑問に思い首を捻るだけだったが、一は折角盛り上がっている二人の邪魔にならないように黙っていた。
「・・わかりました・・じゃあ、いくぞ」
 京太郎もなんとなく透華がわかっていない事は理解していたが、本人の望みを却下するのも気が引けたので望みどおり力を入れて一気に押し込む。
 ズブッッ!
「げふぅぅ!?・・い、いだいでずわ・・ごれは・・?」
 処女膜を貫かれて、破瓜の苦痛に顔を歪めて誰かに理由を尋ねる透華、それに答えたのは京太郎の恋人としては先輩に当たる二人、呆れぎみの衣と苦笑する一だ。
「やはりわかっていなかったのか、それが破瓜の痛み、激痛だが京太郎の女になった証、京太郎に処女を捧げた証とも言えるぞ、京太郎と結ばれたと思えば楽になるはずだ」
「そうだね、激痛だけど・・好きな人を迎え入れたと思うと、とっても幸せな痛みだね」
 衣も一も、つい最近のことだが自分の破瓜の事を思い出して懐かしむように語った。
 二人の説明で、知識が無いわけでは無い透華も思い当たる節があった。
「そういえば・・そんな話を聞いたことがあるような気が・・・痛っ!、こ、これが京太郎さんと結ばれた痛み・・それなら・・耐えられますわ」
 衣と一の言うとおり、京太郎と結ばれた痛みだと思えば、透華は精神的にだいぶ楽になった気がするが、それでも痛い事には違いが無い、そこで痛みを和らげようと気をそらすために透華の頬にキスをする京太郎。
「きょ・・京太郎さん?」
「痛みが引くおまじない・・効果があるかどうかはわかりませんが、それと痛かったら言ってくださいね」
「効果はありましたわ、け、けどその・・・痛いと言われていると、しにくいのでは?」
 キスのおかげで幾分か楽になった透華、しかし痛みを口にするのは抵抗があり・・不安げに京太郎に訊ねる。
「言えば少しは痛みが楽になりますから良いんですよ、それに・・『どうしても無理』ってな事を言わなければ絶対に止めませんから安心してください」
 経験上の事もあり、透華が何を不安がっているかは京太郎にもなんとなく理解できた。
「京太郎さん・・わかりましたちゃんと口にしますわ」
「じゃあ・・ボクも透華におまじない」「衣もするぞ」
 一と衣はそれぞれ透華の左右の頬にキスをして励ます。
「一・・衣、ありがとう、さぁ京太郎さん・・続きを始めましょう」
「わかった・・・いくぞ」
 まだ慣れていない透華のために徐々に腰を動かしだす京太郎。
 ズブ・・ズブ・・
「痛っ!・・痛い・・ですわぁ!?」
 動くたびに透華の顔が苦痛にゆがむ、だが透華からストップがかからないので京太郎は止める事無く続ける。
「透華さん・・こっち触りますね」
 京太郎は透華の乳房に手を伸ばして、優しく揉み解しながら腰を動かす。
「透華、頑張って・・」「そうだぞ、頑張れ透華」
「痛いけど、ま・・負けませんわ、この程度で・・音を上げる龍門渕透華ではございませんわ!」
 一と衣の声援に答えて痛みに耐える透華、そして・・徐々に。
 ズブッ・・ズブッ・・ズブッ
「うっ・・あっ・・い、痛みがだいぶ・・・こ、これはぁぁ!?」
 痛みが徐々に引いてゆき、それに合わせるように徐々に快楽が透華の体を襲う。
「徐々に・・よくなってきたみたいですね・・」
「は・・はい、京太郎さんの愛撫と・・一と衣の応援があって・・ひゃぁぁ!?」
「これで・・大丈夫だね」「そうだな・・流水の如く、後は全てを感じ取るが良いぞ」
 透華の中で快楽が痛みに勝ってきたことを喜ぶ一と衣。
(い、痛みが引くと・・京太郎さんのおち・・が・・中にあるのが・・)
 激痛でわからなかった透華も、痛みが引いた今なら突き上げられる感覚で京太郎のペニスが自分の膣内にあるとより深く感じる、その意識が喜びを生み、それが快楽に変わる。
 ズブッッズブッッズブッッ!!
「きょうたろうさんのぉぉおおきいぃぃ!!すごくわたくしのなかであばれてぇぇ!!い、いかがですかぁぁ・・わたくしの・・なかはぁぁ?」
 処女独特の締め付けだけではなく、京太郎のペニスをしっかり締め付けながらも扱き上げるような、そんな透華の膣内。
「俺のをしっかり締め付けてくれて、凄く気持ちいですよ!」
「うれしですわぁぁぁぁ!!、おくぅぅこんこんされてえぇぇ!!」
 京太郎が喜んでいると事はペニスが突き上げられるたびにわかっていたつもりだった透華、しかし言葉にされるとその喜びは一入だった。
(透華、あんなに乱れてぇ・・そうだよねぇ、好きになった相手のおちんちんで突き上げられているんだから・・当然だよね、でも・・くすす、あっ~乱れる姿も可愛いよ透華)
 透華の痴態を楽しみながら、自らも高ぶりを感じる一。
「透華・・血が出ているけど、しっかりと京太郎のを銜え込んでいるな」
 一との経験からか、京太郎のペニスと透華の膣内、その結合部をまじまじと見つめる衣。
「ひゃあぁぁぁ!、み、みちゃだめぇぇぇ!!、ころもぉぉぉ!」
 衣に見られていることに気付いた透華は顔面を真っ赤にしながら抗議の声を上げようとしたが、京太郎のペニスに突き上げられてそれどころではない。
「うっ・・透華さん、見られてから・・締め付けがきつくぅぅ!」
 乱れていても羞恥心があるのか、それとも単に見られて感じているのか透華の膣内は京太郎のペニスを更に締め付けてゆく。
「だめなのにぃぃ!はずかしいはずですのにぃぃ・・ああ、もっとみてください、きょうたろうさん、はじめぇぇ、ころももぉぉ!!」
 元々目立つのが好きで、人から注目されることが好きな透華、一度認めてしまえば早いもので、三人の視線が透華の快楽にプラスされた透華は一気に上り詰める。
「きょうたろうさん・・わ、わたくしはもぅぅぅ!!」
「いいぞ、俺もすぐにイクから、イっていいぞ!!」
(きょうたろうさんも・・わたくしでかんじて、もうげんかいにぃ!!)
 京太郎も絶頂直前まできているというのは、透華をさらに興奮させて、そして。
 ズブッッッン!!
「い、いきますわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 膣内も快楽も突き上げられ透華は一気に絶頂に達する。
「俺もいくぞぉ、透華ぁぁ!!」
 透華が達すると、絶頂からくる膣内の痙攣が京太郎のペニスを締め付け、京太郎も絶頂に導いた。
 ドクゥゥゥゥン!ドクゥゥゥン!ドクゥゥゥゥン!!
「これがぁぁきょうたろうさんのせいえきぃぃぃぃ!!あふぃですわぁぁぁぁ!!」
 初めての膣内射精は透華の予想を上回っていた、膣内を焼かれるような精液の熱さに自分が京太郎の恋人である事をまさに刻み込まれている錯覚に陥り、それがさらなる喜びと快楽を生む。
「透華まだぁぁぁいくぞぉぉ!!」
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!
「ひっぃぃぃ!!まだくるんですのぉぉぉぉ!?」
 射精の量も透華の予想を上回り驚く透華、でもそれは嫌ではなく嬉しい悲鳴、愛おしい人が自分の膣内で感じて、膣内に収まりきらないほどの射精に驚喜する透華。
「これで・・さいごだぁぁ!」
 ドクゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!
「しゅごいでしゅわぁぁぁ!!・・・わらふしのぉならがぁまっじろにぃぃぃ!!」
 身を捩じらせる射精を膣内で全て受け止めようとする透華、だが収まりきらない一部は結合部の隙間から溢れる、透華の膣内を頭の中を真っ白に染め上げると京太郎の射精は終了した。
「はひぃぃぃぃ・・きょうたろうさんのぉぉ・・せいえきがぁぁ・・」
 荒い息遣いで快楽の余韻に浸りながら、京太郎が快楽を得た証拠である精液の熱さを膣内で感じながら微笑む透華。
「はぁ・・気持ちよかったぞ、透華・・」
「はぁはぁ・・よかったですわ、わたくしも・・・はぁはぁ・・だいまんぞくですわ・・きょうたろうさん」
 わかってはいたものの、京太郎の言葉を聞くとより一層の喜びが透華の心に満ちる。
「そうか・・良かった」
「はぁ・・と・・ところで・・・膣内にまだ熱くて硬い感覚が、こ、これは・・その、京太郎さんのおち・・おち・・ううっ」
 呂律が回らないわけではなく、やはり性器の名を口にするのが恥ずかしく、ただただ京太郎を見つめる透華。
「うん、ああ・・まだ勃起しているからな」
「そ、その・・それはつまり私の体ではまんぞ・・んっ!?」
 勃起したままの京太郎のペニスの感覚に、自分の体は女性としての魅力が無いのかと、ネガティブな言葉を喋ろうとした透華の唇をキスで塞ぐ京太郎。
「何言っているんだ、凄く気持ちよかったし満足したって・・その証拠に・・ほら」
 京太郎がペニスを引き抜くと、透華の膣内から精液が逆流してくる。
「うっ・・はぁぁ、そ・・そうでしたわね、これだけ射精して頂いたのに、気持ちよくないなんて・・」(ふふ・・京太郎さんは本当に優しいんですわね・・)
 自分の膣内に溢れる大量の京太郎の精液を見て、自分の考えが間違いだと思い知った透華は、慰めてくれた京太郎の優しさに喜びを感じる。
「気にするな透華、京太郎は絶倫だからな」
「そのようですね、それで、その・・もう一回しますの?」
「透華さんは初めてで疲れたでしょう、だから休んでいてください」
 京太郎の言う通り、初めての情交に肉体的にも精神的にも、透華は疲労感を覚えていたが。
「確かに疲れはしました、しかし私は京太郎さんにもっと満足して頂きたいのですわ!」
 疲労している事は素直に認めたが、恋人を喜ばせたい気持ちも素直に語る透華。
「ボクも透華の気持ちわかるよ、一度駄目だと思ったのに、折角恋人になれたんだから・・」
「ええ、一の言う通り・・せっかく想いが届いたのでしたら、やはり・・」
 一度は諦めた恋を適えた同士、一と透華は思いが重なる部分も多いのだろう。
「その気持ちは嬉しいんですが、でも・・するとなると」
 ある行為が京太郎の脳裏に浮ぶが、それを話すかを躊躇する、だがそれに代わるように衣が口を開く。
「ふぇらちおをすればよかろう、あれならおま○こも使わずに京太郎を喜ばせられるぞ」
「ふぇらちお・・なんですのそれは、一は知っていまして?」
「えっ・・まあ、あれは透華には少し・・きついかな・・」(京太郎君も思いついたんだろうけど・・透華の事を考えて、黙っていたんだろうね)
 透華に聞かれて素直に説明するかどうかを迷う一、説明したら嫌がっても透華の性格上絶対にやると言いだしそうな気がしたからだ、京太郎もその辺りの事がわかっていて黙っていたのだろう。
「何を言うですの、私は京太郎さんに喜んでいただけるなら、どのような行為でもしてみせますわ!」
 負けん気の強さと京太郎への愛からかしっかりと言い放つ透華。
「よく言ったぞ透華、好きな恋人を喜ばせたいと思うその気持ち、衣にもよくわかる、衣が手伝うぞ」
「ええ、お願いしますわ・・」
「わかりました、ではお願いします」
 透華のやる気に触発された衣もすっかりやる気になってしまい、京太郎もして欲しいという気持ちもあり、二人の申し出を受け入れる。
「はぁぁ、まあいいかな・・ボクはどうしようかな・・」
 一も一人で止める気にはなれないのか、仕方なく事態を見守る。
「それで、フェラチオとはどの様な行為ですの?」
「透華まずは座った方がしやすいと思うぞ、京太郎」
「ええ・・」「ああ・・」
 衣に指示されて透華は起き上がってベッドの上で膝を曲げて座り、京太郎はそんな透華の顔の前にペニスが来るように移動する。
「きょ、京太郎さん・・そ、それにこ、衣こ、これは・・何を?」
 目の前にある、自分との情交の痕跡が残るペニスを見せ付けられて戸惑う透華。
「何って、ふぇらちおをするんだろう・・なら、この体勢の方がやりやすいからな」
 そう言って、衣は京太郎のペニスに顔を近づけて舌を突き出すと、まだ汚れが残るペニスを舐め上げた。
「えっ・・ええっ!?」(そ、そんな、そ、そこは京太郎さんの・・おち、おち・・)
「うん・・・?」
 突然の事態に戸惑う透華、衣はしないのか・・と言いたげな視線を透華に向ける。
「そ、その・・そこは京太郎さんのお・・おしっこが出るところでしょう、その・・そこに口をつけるのは・・」
「うん、そう・・これがフェラチオだよ透華、ボクもするね京太郎君」
 透華に耳打ちをしたかと思うと、一も京太郎のペニスに顔を近づけて、舌を突き出して精液や透華の破瓜の血を舐めとってゆく。
(京太郎君の精液と、いつもと違う味なのが透華のか・・くすす)
 片方は大好きな主でもう片方は大好きな恋人、その二人の味がついたペニスを楽しそうに舌を躍らせて舐め取る一。
「衣・・負けないぞ」
 一のやる気を見せられた衣は対抗心を燃やして、一とは逆側を舐め始める。
(こ、衣、一もあ、あんなに舐めて・・おいしい・・くはないでしょうね、け、けど)
 二人に競い合うようにペニスを舐められている京太郎はというと。
「うっ・・一も衣も・・上手くなったな、くぅぅ・・すげぇぇいい!」
 息も荒くなってきて、二人の舌が動くたびに気持ち良さそうな声と顔を見せる。
(あれが京太郎さんが感じている顔、そんなに京太郎さんを喜ばせられますの・・?)
 恋人が喜んでくれる、それは透華にとってもとても魅力的な事、例えそれが排泄器官という普通なら口をつけたくないところでも、しても良いとそう思えてくる。
 そんな透華の迷いを見透かすかの様に、ペニスについた精液やらを舐めきった衣と一が、ペニスから舌を離して透華に視線を向け訊ねてきた。
「どうした、透華はしないのか?」「やっぱり、好きな人でも、おちんちんを舐めるのは嫌?」
「そ、それは・・その・・」
 躊躇、戸惑い、どうしても嫌なら嫌と言い切れるだろうが、心の迷いがそれを許さない、透華は言葉を詰まらせた。
「衣も京太郎も、無理強いはしないぞ」「そうだね、できないなら無理しなくても・・」
 衣と一の透華を気遣った言葉、しかしそれが迷っていた透華の心を押す。
「うっ、衣、一、私を舐めないでいただきたいですわ、この龍門渕透華がそんな敵を前にして逃げ出すようなまねをする訳ないでしょう!」
 性格からか、あるいは自分を奮い立たせるためか、強気な言葉を吐いて衣と一の間に割り込む透華。
(うっ・・お、大きいですわ・・これが私の膣内に入っていたなんて・・)
 改めて目の前で見る京太郎のペニスは巨大で、こんなモノが自分の膣内に収まっていたとは信じられなくなる。
「・・頑張って、透華」
 一は透華がフェラチオをしやすいように応援しながら一歩下がる。
「一・・」(そ、そうですわ・・京太郎さんは一にとっても愛おしい人、それを譲ってくれたんですから・・こ、ここはその気持ちにも答えなくてはなりませんわ、け、けど・・凄く大きくて、か、硬そうな・・)
 一に譲られて決意も新たに挑もうとするが、目の前で見る男性器の迫力に押されて腰が引ける透華。
「透華、嫌なら無理する必要は無い、けどしたらきっと京太郎は喜んで褒めてくれるぞ」
 惑う透華の心に衣の言葉が染み渡る、京太郎が喜んでくれる、それは魔法の様に透華の心にやる気の炎を灯す。
「衣・・そ、そうでか、京太郎さんも・・その、私がフェラチオをして差し上げたら喜んで頂けます?」
 上目遣いで訊ねる透華、欲しい答えは決まっている、そして京太郎にもそれはわかっていた。
「はい、してくれたら凄く嬉しいですよ、あっ・・でも無理はしなくても」
(ああ、喜んでくれますのね・・でしたら・・もう、迷いなどありませんわ!)
 後半は透華の耳には入らなかった、ただ嬉しいと・・喜んでくれるとわかれば、透華のやる気は一気に燃え上がる。
「京太郎さん!」
「は、はい!?」
「フェ・・フェラチオをさせていただきますわ、そ、その・・不手際があったら仰ってくださいな・・」
「わかりました、それじゃあ・・お願いします」
「はい」
 京太郎にお願いされて返事をすると、透華はゆっくりと京太郎のペニスに舌を近づけ、そして。
 ぺろ・・ぺろ・・ぺーーろ
 先ほど衣や一のしていたのは真似て、竿の部分を舐め上げる透華。
「うっ・・くぅ・・いいですよ、透華さん」
「そ、そうですの・・では続けますわ」(や、やりましたわ、こ、この調子で・・)
 心の中でガッツポーズを決めながら、透華は舌を使い更にペニスを舐め上げる。
「透華、単純に舐めるだけではなくて、時折京太郎のおちんちんにキスしたりすると良いぞ」
「こうかしら・・?」
 衣の恋人の先輩としてのアドバイスを信じて、それを実行に移す透華。
 れろれろ・・ちゅちゅ・・ちゅぱ
「うぉぉ!!・・そ、それも良いですよ透華さん」
「ふふ・・ありがとう衣・・」「どういたしましてだ」
 狙いが成功して、京太郎を喜ばせることに成功させた透華は、衣に笑顔でお礼を言う。
「じゃあ・・ボクも手伝うね、ほら透華見て、京太郎君の鈴口・・先っぽから液が出ているでしょ、あれも舐めとらないと・・」
「こ、これですわね・・」
 少し戸惑うものの、一度始めてしまえば中止する気は無いのか、一に言われたとおり、鈴口から溢れる先走り汁を舐めとる透華。
 ぺろ・ぺろ
「うっ・・に、苦いですわ・・それに臭いが・・は、一、これは何ですの?」
 独特の臭いと味に顔を顰めて、一に正体を尋ねる透華。
「カウパー腺液、先走り汁っていったほうがいいのかな、精液じゃないけど京太郎君が、しっかり感じているって証拠だよ、だよね京太郎君?」
「えっ・・ああ、透華さんの舌が気持ち良くて」
「どう、そう思うと・・あまり嫌じゃないでしょう透華?」
「そうですわね、確かに・・独特の味も臭いも、京太郎さんのだと思えば」
 痘痕も笑窪、不快な味も惚れた相手が喜んだ証拠と思えば、不快感はさほどなく透華は鈴口から溢れる先走り汁を愛おしそうに舐めとる。
「後は・・亀頭を銜え込んで、舌で全体舐めたりストローを吸うみたいに吸ったりすると京太郎を気持ちよくさせられるぞ」
「噛んだり歯を立てたりしちゃだめだよ、京太郎君が痛いから」
「は、はい・・こ、こうですの・・あむぅ」
 口を開けて亀頭を銜え込む透華、口内にペニスから発せられる京太郎の雄の臭いが充満してそれが鼻に抜けた・・。
(ふぁぁ・・強烈な臭いが・・くらくらしますわ・・)
「じゃあ、ボクたちが他の部分をするから、透華はそのまま亀頭を咥えていてね」「衣に任せろ、しっかり透華の手伝いをするぞ」
「・・・ふあ・・ふぁい」
 臭いに思考がやられかけていると、一と衣言葉で自分のすべきことを思い出した透華は京太郎の亀頭を舐め上げる。
 れろれろれろ・・
「き、きくぅぅ・・」
 透華の一心不乱な亀頭攻めに声を上げて体を仰け反らせる京太郎。
「くすす、衣、ボク達も負けられないよ」「もちろんだ」
 そんな京太郎の姿を見て、一も衣も早速・・それぞれの場所に取り掛かる。
 ぺーーろぺーーろ・・はむはむ・・ぺろぺろ
「うっ、こ、衣は・・とにかく、一!?」
 衣が舐めているのは竿の部分、そして一が舐めたり歯を立てず唇ではむはむしたりしているのは玉袋。
「ここも・・きもちいいってきいたよ・・どうかな?」
「こっちも・いいだろう京太郎?」
「ううっ、ど、どっちもいいよ・・」
 二人の舌使いは京太郎に確かな快楽を与えていた、それは亀頭を咥えこんでいる透華にも臭いとなって伝わってくる。
(ふぁあ・・臭いが更に強く・・で、でも負けてはいられませんわ、たしか・・)
 臭いで思考が麻痺しそうになる中、衣に言われたことを思い出して鈴口を吸い上げる透華。
 ちゅぅぅぅぅぅ
「うっ・・うわぁ、い、今吸われると・・か、かなりぃ!」(と、透華さん・・凄い真剣に・・あんなに吸ってくれて、滅茶苦茶プライドが高いのに・・)
 プライドが高いはずの透華が、自分のペニスを銜え込み更には気持ちよくさせようと必死に鈴口を吸い上げている、その事が京太郎に喜びと同時になんとも言えない満足感を与え、それが快楽を増幅させる。
(うん、ここ動いているみたいだけど、そろそろ・・なのかな、衣)
(こっちも・・ぴくぴくしているぞ、いくぞ一!)
 それぞれに京太郎の限界が近いことを悟ると、目で合図を送り透華に合わせて裏筋と玉袋をそれぞれ吸う衣と一。
 ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
「と、透華、で、でるぅぅぅぅぞぉぉ!!」
 興奮と、三箇所を同時に吸われると言う体験した事の無い快楽に、京太郎は一気に絶頂まで持っていかれた。
(き、きますわぁ!!)
 ドクゥゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「うっ!?」(な・・なんでのこれは、こ、こんなに!?)
 透華は覚悟を決めて構えたものの、京太郎の射精はそれを上回る量と勢いで透華の口内を満たす。
(だ・・駄目ですわ、出すなんてことできませんわ・・)「ごく・・ごく」
 喉を鳴らして射精された精液を飲み込むが、初めてではそれが限界だった。
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「うっぼぉ・・げほぉ・・げほぉ!!」
 量が多すぎたためか、それとも勢いが凄すぎたのか、はたまた運が悪かったのか、許容量を超えた精液が器官に入ってむせ返る透華。
 ビクゥゥゥン!!ビクゥゥゥゥン!!
 窮屈な透華の口内から解放された京太郎のペニスは、透華の髪や衣や一の髪や顔に精液を撒き散らして射精を終えた。
「ごほぉ・・ごほぉ・・」
「透華、大丈夫か!?」「透華・・無理しちゃだめだって言ったのに」「透華・・」
 むせ返る透華を心配する、京太郎、一、衣。
 透華は両手を構えて、そこに精液を吐き出していた・・やがて。
「はぁ・・はぁ・・」
 息を整えた透華は、手に吐き出した京太郎の精液を・・次の瞬間、三人は驚きの声を上げた。
「えっ!?」「なぁ!?」「おおっ!!」
「うっ・・く、うっく・こくこく」
 手に口をつけて、吐き出した精液を再び口に入れて今度はゆっくりと飲み込んでゆく。
「はぁぁぁぁ・・・」
「と、透華・・その、無理しなくてもいいんだぞ、美味いもんじゃないんだし・・」
「おほん、何を仰いますの京太郎さん、確かに美味しいとは申しませんが、折角京太郎さんが私のお口で気持ちよくなって頂いた証ですわ、それなら・・全部頂くのが受け取るものの礼儀ですわ」
 息を整え終えて一度咳払いをして、さも当たり前のように笑顔で語る透華。
「うむ、その心意気見事だな!」「わかるけど、透華は凄いね、一度吐いちゃっても飲むなんて」
 衣と一は透華の気持ちが分かるのか、二人は感心して透華に賛辞を送る。
「ふふ、当然ですわ、まあ・・一部飲めなかったのは残念ですが」
 自分の髪や衣や一の節々に降りかかった精液を見て、透華は少し残念そうな顔をしいた。
「いや、最初にしたら十分だと思うぞ、まあ・・ありがとうな衣、一・・透華・・・凄く気持ちよかったよ」
 いつもの調子で頭を優しく撫ぜながら、それぞれにお礼を言う京太郎。
「うん、衣も頑張ったが、今ので一番は透華だな・・」「そうだね・・透華が、あれ?」
 衣は何時もどおり嬉しそうに笑うだけだが、一はある違和感に気付く、そしてそれに気付いたのは一だけではなく、今京太郎に頭を撫ぜられている透華も気付いた。
「・・・・京太郎さん、今さっき・・なんとおっしゃられました?」
「えっ・・・ああっ・・すみません、呼び捨てにしちゃって」
 透華に指摘されて、そして考えてようやく気付いた京太郎は、呼び捨てにしてしまったことを素直に謝る。
「謝らなくても・・・・別に構いませんわ、今はさん付けでなくても」
 透華は嫌そうな顔一つせず、謝る京太郎を止める。
「えっ、で、でも・・呼び捨てはまずいんじゃ」
「外では困りますが、今は京太郎さんの恋人達しかいない甘い一時・・・ど、どうせなら衣や一と同じが良いですから、あ、あと口調も変に畏まらなくても良いですから!」
 呼び捨てにするのを許すついでに、気になっていた自分に対する衣や一との口調の違いを指摘する透華。
「は・・はい、わかりま・・わかったよ、透華」
 また同じような口調になりそうになって、慌てて修正する京太郎、その言葉に満足げな笑みを浮かべる透華。
「よろしいですわ、しかし・・・こうして頭を撫ぜられるのは何年ぶりかしら」
 考え深げに透華は、頭を撫ぜる京太郎の手を見上げた。
「あっ、す、すいません・・つい」
 京太郎が慌てて手をどけようとすると、それを静止するように透華の手が伸びてきて京太郎の手押さえつけた・
「別に良いんですわ、こうされていると、とっても暖かい心地よい気分になりますわ」
「そうだね、京太郎君に撫ぜられていると、とっても気持ちいいよね」「うむ、キスや抱かれているのとは別に幸福感に満たされる、至福だな」
 どうやらこの三人は京太郎撫ぜられるがとても幸せなようだ。
「でも、まさか私が京太郎さんの恋人になるとは思っても見ませんでしたわ」
 つい数時間まえの事を思い出して、しみじみと語る透華。
「衣もだ、でも衣は透華が京太郎を好きでいてくれて嬉しく思う、この幸せをみんなで分かち合えるかと思えば最高だ」
「うん、ボクもまさか透華が加わってくれるとは思わなかったよ、できたら良いなとは思っていたけど」
 歓迎ムードに楽しそうに声高く笑う透華。
「ほほほ、まあ私が三人目と言うのは多少気にはなりますけど、これからも・」
「三人目・・なにをいっているのだ透華は?」
 透華の言葉に感じた違和感を指摘する衣。
「へぇ・・ですから三人ですわよね?
「あっ~、あのね・・透華、その言い辛いんだけど」
 今の透華の言葉で、何を勘違いしているのかを理解した一だが、それを正直に言っていいのか迷う。
「なんですの一、はっきりと言いなさい、京太郎さんの恋人は衣、一、私ですわよね?」
 はっきりとしない一の態度に少し苛立ちながら、事実確認をする透華、それを受けてはっきりとした答えを口にしたのは一ではなく衣だった。
「三人ではないぞ、京太郎の恋人は、ここに居る衣と一と透華、それに優希と咲で今は全部で五人だぞ」
「うん、って言うことなんだよね・・あはは」
 衣がはっきりと言ってしまったので、なるべくショックの無いように話そうとしていた一だが、どうしようもなくなり、ただ苦笑いを浮かべていた。
「そうですか、あの片岡さんと・・清澄の大将も加えて・・五人ですの、ほほほ・・って、ごごごごごご、五人ですってぇぇぇ!!」
 落ち着いた雰囲気に見えたのは、ただ意味を理解するのに時間が掛かっただけ、意味を理解した瞬間、叫び語を上げる透華。
「と、透華、お、落ち着いて」「と、とと、透華さん・・」
 一と京太郎は混乱する透華をなんとか落ち着けようとしたが。
「ご、五人・・五人ってなんですの、っというか・・わ、私がご、五番目ぇぇ・・ふあぁ」
 どうやら他に二人恋人がいるよりも、自分が五番目に出来た恋人というのがショックなようでその場に倒れこむ透華。
「と、透華!?」×2「うん?」
 何が起こったかわからず首を捻る衣と、急いで透華の様子を覗き込む一と京太郎。
「ご・・ごばんめ・・わたくしが・・ごばんめ・・・」
 よほどショックだったのか、透華は気を失いながらでも五番目と繰り返していた。

「はぁぁ、嘘や夢ではありませんのね」
 意識を取り戻した透華は、自分が五人目の恋人であると言う事実を改めて確認して、溜め息をついた。
「黙っていてごめんね、透華」「重大なことを話さずにいて、すみませんでした」
 一は報告していないかった事、京太郎は話せなかった事を謝るが、透華は特に怒った風も無い。
「もう良いんですわ、それに衣は認めているんでしょう?」
「もちろんだ、というか衣が言い出した事だからな」
「なら構いませんわ、というか私が文句を言える立場ではありませんでしょう?」
 衣が他の恋人の容認している上に、自分もその輪に加わっているのだから、それを認めなければ自分の立場も否定することになると透華には分かっていた。
「よかった、これで衣や透華と一緒に京太郎君の恋人でいられるんだね」
 もしも別れる事になったらどうしよう、と思っていた一は透華の態度を見て安堵した。
「ええ、それに五人も恋人が居るなんて凄く目立つじゃありませんの、注目を集めることこの上ありませんわ」
 目立っているシーンを妄想して、楽しそうに笑う透華。
「い、いや・・それは、いい意味じゃない気がするけど・・」
 複数人恋人が居る事が周りに知れ、その中の一人になれば確かに目を引く事は確かだろうが、どちらかと言えば好奇の視線だと思えてならない一。
「言いたい人には言わせておけば宜しいんですわ、折角恋人になれたのですから、私は誰に聞かれても胸を張って京太郎さんが恋人だと言いたい・・いいえ、言いますわ!」
「透華・・そうだね、ボクも言いたいな」(ボクなら黙っている事を考えるけど、透華は凄いな)
 目立つことは気にするが他者の意見には流さ無い、透華の高らかな宣言を聞いて、一は改めて龍門渕透華と言う女性の強さに感心した。
「言いなさいな、そして自慢なさい、自分にはこんな素敵な恋人が居るんだと・・衣もいいですわね、私達が京太郎さんの恋人だと公言しても?」
 世間の噂などは気にしないが、一番で最初の恋人である衣の意志は気になるのか、念のために衣に確認する透華。
「好きにするが良い、京太郎の恋人である事を自慢したい気持ちは良くわかるからな、正し一番の恋人は衣だぞ、努々忘れるな」
「ええ、わかっていますわ」「う、うん、それは当然だからね」
 京太郎の一番の恋人は衣、この事実に透華も一も文句をつける気などまったく無かった。
「私は衣を除いて一番で良いですわ」
「と、透華・・あはは」(透華らしいな・・けど、これでボクも京太郎君の恋人って言えるんだ・・嬉しいな、くすす)
 いかにも透華らしい物言いに苦笑する一、しかし心の中では恋人である事を公言できるのに喜んでいた。
「と言うわけですわ、京太郎さん、これからは公言していくのでお覚悟を」
 衣の許可を貰ったことで何の障害も無くなった透華は、次は京太郎に覚悟を決めるように宣言するが、京太郎の覚悟は優希を恋人に加えた時から決まっていた。
「覚悟ならとっくに決まっていますよ、衣も一も優希も咲も、もちろん透華も大好きですから、自由に公言してくれていいですよ」
「うっ・・」
 躊躇することなく、しかも好きと言う言葉までつけた京太郎の答えを聞いて思わず頬を染める透華。
「京太郎、衣も京太郎が大好きだぞ」「うん、ボクも京太郎君が大好きだよ」
「ありがとうな、衣、一」
 透華が黙り込んでいる間に、衣と一は京太郎の言葉に答えると、京太郎は衣と一にお礼をいいながら順番にキスをする。
「あっ、ず、ずるいですわ、私もだ・・だだ・・だ、大好きなんですから・・」
 面と向かって言うのが恥ずかしいのか、照れくさそうに視線を逸らしながら呟く透華。
「そんな様子で公言できるのか?」「う~~ん、どうだろう・・」
 恋人相手に大好きというだけで照れている人が、周囲に大好きな恋人が居ると公言できるのかと思い首を傾げる衣と一。
「まあ、いいじゃないか、透華も・・ありがとうな」
 呟きとはいえ、ちゃんと答えてくれた透華にお礼を言ってキスをする京太郎。
「京太郎さん、こんな・・こんな事をされたらますます好きになってしまうじゃありませんの、これだけ好きにさせたんですから、ちゃんと責任はとっていただきますわ」
 照れ隠しからか文句を言う透華だが、それは全て惚気にしか聞こえない。
「わかっています、ちゃんと責任は取りますから」
「よろしいですわ、では・・これからは改めてよろしくお願いしますわ、京太郎さん・・・大好きですわ!」
 今度は呟くのではなく、ちゃんと大きな声で言う透華であった。
    終わり




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