ハギヨシ「…よもや、これほどとは」
京太郎「……」
ハギヨシ「須賀君、どうかお気を確かに」
京太郎「俺はいつだって正気ですよ…ハギヨシさん」
ハギヨシ「あなたを魔物にしてしまったのは私の責任。是が非でも止めさせていただきます」
京太郎「やれるものなら!」
風と共に去り逝くがいい…ロン、裸単騎大四喜(サウザンド・ウインド)!
ハギヨシ「…かはっ!」
京太郎「ありがとうございました。あなたが居なければ、俺はこの高みに至れなかった」
ハギヨシ「そ、それは…高みなどではありません…あなたが至ったのは…む、むこうぶちの…」
京太郎「それならそれでいい。俺は人を超えた存在に慣れたのですから」
ハギヨシ「魔物をも超え、魔を支配した人間…魔人。私が…私があなたを、そのようなものにしてしまった」
ハギヨシ「その在り方は…あなたの望んだ仲間達との栄光とは程遠いものです」
ハギヨシ「魔人である限り…孤独からは、永遠に逃れられない…それでも、あっ、あなたは」
京太郎「…誰も必要ない」
ハギヨシ「!」
京太郎「自分は、むこうぶちですから」
ハギヨシ「…す、須賀、君…」ドサッ
ハギヨシ(須賀君…衣様…そして透華お嬢様、申し訳…ございません…私は、ここまでのようです)
ハギヨシを屠った京太郎は、その後も数多の有望な雀士と戦った。
ただひたすら強さだけを追い求めて。
その圧倒的な雀力は、対峙した雀士全てに敗北と死を与えた。
常人では対峙することすらかなわず、激しい出血の後死に至った。
…京太郎は元々、麻雀部に貢献したくてハギヨシに師事していた。
ハギヨシはその一環として、彼に麻雀の技術を施したのである。
京太郎の、皆ともっと一緒に麻雀を楽しみたいという望みに応えて。
咲「…京ちゃん」
京太郎「果たしてここまで来たか」
咲「ねえ、元に戻ってよ…帰ってみんなと一緒に麻雀しようよ」
京太郎「……」
咲「お願いだから」
京太郎「…そんなの、聞ける訳がないだろう?」ニタァ
咲「どうしてっ!」
京太郎「俺はもっと強い奴と麻雀を打ちたくて…その結果、多くの命を奪ってきた!」
京太郎「今更止められる訳がないだろ…麻雀って、こんなに愉しいんだからさあ!」
咲「い、嫌…嫌ぁ!」フルフル
京太郎「嫌な訳がないだろう、咲?お前だって、麻雀で誰かの懐から勝利を奪ってきただろう!」
咲「あ、ああ…」ポロポロ
京太郎「麻雀はっ!奪い合うだけのものだっ!相手の何もかもを奪い尽くして、楽しむものだっ!」
京太郎「俺を止めたければ…俺の全てをお前が奪ってみろ!」
咲「うっ…うわああああああああっ!」ゴッ
京太郎「そうだ…それでいい!咲、麻雀って愉しいよな…一緒に愉しもうぜ!」ゴッ
咲-Saki- ムダヅモ編 episode of side-K
最終更新:2013年11月01日 22:59