すがくんち!



    ---須賀 京太郎の朝は早い。なぜなら、彼と姉妹を含めた4人の食事は彼の当番だからだ。
          毎日の用意が大変かと聞かれれば、yesと答える。だが、それが辛いかと聞かれればnoと答える。
          大事な家族のためならば、今日も台所へ花道オンステージ。


    「・・・ずずず、うん。うめぇ」


    おいしいらしい。よかった。


    自身の料理に自信をもったつかの間、なにやらどたばたと騒がしい音が聞こえる。
    これを聞くたび、今日が始まるなと思うと同時に、もうちょい静かに出来ないものかと考えてしまう。割りと切実に。


    「京ちゃんただいまー!」

    「おかえりしずのーお兄ちゃんと呼びなさい」


    へっへーと笑いながらぎゅーっと京太郎の背中へとダイビング抱きつきを開始したジャージを
    身に纏った小柄な少女の名は穏乃。京太郎の妹だ。後、下は履いている。多分、きっと、めいびー。


    「ごっはんーごっはんー♪」

    「できたから。兄ちゃんみんな起こしてくっから、ご飯よをっとけ」

    「おっけーっ!」

    「ん、いいこだ」

    わしわしとしずの頭をなで、彼は姉妹達の寝室へと向かう。
    さぁ、今日も日常開始だ!


---須賀京太郎の朝は早い。なぜなら、家族を起こさなければならないからだ。
      いい加減一人で起きなさいとは思うが、ここで起こしてしまう辺り我ながら甘いなーとは思うのだが、
      ここでやめられないのが自分なんだと自己完結。


「小蒔ねーさーん朝だおー」

「ぐーぐー」

返事がない。寝たふりをしているようだ。なにやってんだかと頭を抱えそうになったが、
それをしても仕方がないしとがちゃりと彼女の部屋のドアを開ける。そこには一人の眠りひめが。


小蒔は彼ら一家の中では最年長だ。頼れる存在と言えば京太郎ではあるが、
一番すごいのは小蒔だ。何がすごいかっつったら...色々すごいのだ。


その彼女は、ぐーぐーと寝たふりをしている。なぜそんなことをしているかは知らないが、バレバレだと思う。
彼女としては、ばれないと思っているのだろうか、少し口元がにやけている。


改め彼女を見ると、ある一部分に目がいく。そう、圧倒的なバストだ。
姉妹間では、圧倒的な質量を誇るそのおもち、同じ同好会の玄が見れば大歓喜ものだろう。
これは今のうちにげふんげふん。なんでもない。頼めば触らせてくれるだろうしと考えつつ、
彼女の柔かなほっぺを両の手で、引っ張った。


「ふぇぇぇぇえっ!?」

「おーやわらけー」

これはやみつきになりそうだ。と、思った。

「ひょーふむひふぁいれるー!」

「いってることわかんないけどだいたいわかった」


さすがにもういいかなーと考えつつ、ふるんっと柔らかな姉の方から手を離した。涙目だったし。


「もー京くん。駄目ですよ!女の子にこんなことしちゃ、めっです」

「寝たふりしたわるいこも?」

「・・・ナンノコトデスカ」

「目ぇー逸れてる逸れてる」


本当この人素直だよなー。と考えつつ、さてそろそろ妹もおこさにゃと部屋を出る。
そこで小蒔にちょっと待ってと呼び止められた。なんぞや?



「おはようございます!京くん」にこっ

「おう、おはよ。小蒔姉さん」ニカッ

    ---須賀 京太郎の朝は早い。早いったら早い。クロックアップ並なのだ。
          ハギヨシはフリーズ。間違いない。あの人人間じゃない。きっと。絶対。


    「淡ーおきてこーい」

    「・・・」


    寝てるなーこれと少しあきれてしまう。隣の部屋の小蒔姉さんの絶叫を聞いてなかったんだろうかと思うが、寝てたんだろう。
    あの子一度寝たら中々起きないからなーとお兄ちゃん少し心配
    しゃーないとがちゃりと扉を開く。相も変わらずごっちゃりした部屋だ。たまには片付けしてほしい。切実に。
    そんな部屋のすみに置かれたベッドの上で、淡は寝ていた。

    「すぴー、すぴー」

    タオルケットと枕をベッド隅に蹴っ飛ばし、お気に入りの抱き枕を抱きしめ寝ていた。
    綺麗な金髪の長い髪を乱し、よだれを滴ながら、だ。

    「・・・・」イラッ

    イラついた。なにこの子は昨日ホラー映画鑑賞に付き合わせておいて自分だけ
    スリーピングしてんのかしら?これはお仕置きが必要だねと思いつつ、彼女の抱き枕を腕の中から拝借。

    「よいしょおっっ!」


    それを顔面に叩きつけた。セイハーっ!


    「ふにゃっっ!?」


    多く見積もってもぽすんっとしか音のでない一撃だったが、それでも夢の国へと
    旅立ってた淡にはこうかはばつぐんだったようだ。ざまぁ。

    「こらーきょーたろー!なにこの美少女あわちゃんの顔になにするのー!」

    「だからさー、何でお前らお兄ちゃんって呼ばないの?君たちは何で頑なに俺のことを名前呼びするんだよ」

    「それは淡ちゃんが高校百年生だからだよっ」ドヤッ

    「うぜぇ」

    「辛辣だーっ!」


    まーいいやーと、淡はベッドから降りた。いいんかい。


    「いいのー。あわちゃんはかんよーだからね。それよりきょーたろー、朝ごはん?」

    「あぁ、お前の好きな甘い卵焼きもあるぜ」

    「やたっ」

    じゃあ、すぐに用意用意と目の前の妹はかわいいからとお気に入りのピンクのパジャマを上を
    ばっと脱ぎ出した。当然妹は先ほどまで寝ていたので、ブラなんて着けていない。なのでみえる。
    高校に入学してから1カップ大きいのに変わった肌色の柔らかく、それでいてハリのある双丘。
    そして、その頂にあるピンク色のそれも、すべて丸見えなのだ。


    「んじゃ、パジャマ洗っとくなー」

    「さんきゅーきょーたろーあいしてるー♪」

    「あいあい。俺も愛してるよー」


    まぁ、だからどうしたという話なのだが。兄妹だし。とりあえず京太郎は爆発すればいい。割りと本気で。


    んじゃーいくかー、おー、と交わしながらお互い部屋を出る。
    さて、学校から帰ってきた頃くらいには洗濯物乾いてっかなーっと洗濯時間を算出。主夫ってすごい。


    「ねーきょーたろー」

    「んー?」


    「おっはーよございますっ!」ペッコリン!


    「あぁ、おはよ。淡」




    ----須賀京太郎の朝は早い。なぜなら、学校に通わなければならないからだ。
     学生って辛いな。出来ることなら眠っていたい。まじで。


    木場屋私立麻亜張高等学校(こばやしりつまあじゃん)2-B。それが彼のクラスだ。
  クラスの人数は45人。全校生徒数は4000強。少子高齢化とは何だったんだろうか?


    そこはまぁいいといわんばかりに、彼と双子の妹の淡は教室に入った。双子だけど。うん、平気。


    「おはー」「はよー」「ぐっもーにん」

    「おはようさん」

    「おっはーよー♪」


    次々と交わされるあいさつの応酬。いつも道理の光景だ。ロボとか妖怪もいるが、そこまで気にすることでもないだろう。


    「おはようございます。京太郎君」

    「お。おはようっす、ハギヨシさん」


    彼のクラスメイトにしてこのクラスの学級委員長龍門渕 透華のお着きの執事。京太郎の一番の友人なのだが・・・

    「今日はブレザーなんすね。女子の」

    「ええ、ブレザーです。女子の」


    性別不明。それがハギヨシの二つ名だ。なぜか入学式からこの執事は制服を男女交代交代で来てきている。
  なぜだろう。執事のたしなみなんだろうか。いや、そんなバトラーがいても困るが。


    「あ、京太郎君またうちに来ませんか?衣様も君をお待ちしていますよ」

    「アッハイ」


    まぁいいか。この学校で今さらハギヨシさんの服装に疑問を持つ人間もいるまい。さて、今日の一時間目はなんだっけかな。


---須賀 京太郎の朝は早い。なぜなら、授業を受けなければならないからだ。
    なぜ授業中の居眠りはあんなに心地よいのだろうか。やめ、て先生・・・・無理で、す。


彼の席は一番後ろの列の左端。つまりベストポジション(すやすやの)だ。
校庭の方から降り注ぐ日光が気持ちいい。夏場は死ねるが。


数学教師のはやりん先生が謎呪文詠唱中なので、ちらっと校庭での体育風景を見ることにした。仕方がないね。
見れば三年生の女子学生がみんなで準備体操を行っているではないか。
うちの高校の指定でみんな半パンを装着している。
他の男子連中はなぜブルマじゃないのかと血の涙を流していたが、しょうがない。大人はPTAが怖いんだ。

それに、短パンだってそう悪いものじゃないと思うんだ。
確かにブルマに比べたら装甲は強化されたかもしれない。
だが、あの健康的な服装から時たま覗くおみ足こそ我々が求める理想郷なのではないかと5・6時間語りたい。

あ、竜華先輩だ。手を振ってくれてる。・・・昼御飯は竜田揚定食しよう。


「京太郎く~ん?なにしてるのかな?」

「はやりん先生をどうやってデートに誘うか考えてました」キリッ

「・・・ふぇっ!?う、うん。ならしょうがないね!が、頑張って☆」

「はーい」


はやりん先生はご機嫌みたいだ、よかったよかった。さて、昼飯は誰と食べようか。



※はやりん先生とのデートが確定しました。




    ---須賀 京太郎は昼も早い。ダッシュだ。なぜなら、今はお昼の時間。
          廊下及びに食堂は、午後の授業と部活のためのエネルギーを確保したい生徒達の戦場となる。弱肉強食。慈悲はない。


    「というわけで、席げっとー」

    「よっしゃ」


    授業終了のチャイムと同時に三階の窓から飛び降りて食堂までのルートをショートカットした須賀ツインズ。
    楽々四人がけの席をゲットした。まだ窓から飛び降りてこない一年生はこれから先、
    食料争奪戦に苦労するだろうと同情する京太郎。残念だけどこれ、日常なのよね。


    「おばちゃーん!あわちゃんオムライスねー!」

    「俺ミックスフライ定食ご飯大盛で」


    竜田揚とは何だったんだろうか?


    「おいしそうだねー♪」

    「だなー・・・って、あれいちごじゃん」

    「あ、ホントだ。おーいイチゴー!」


    気づけば満席となっていた食堂の中に、見知った人物を見つけた。
    ウェーブのかかった髪と広島弁が特徴の女子、佐々野いちごだ。
    よく佐々木と間違えられる。強く生きてほしい。でも涙目にはなって欲しい。


    「あ、京ちゃんとあわちゃんじゃ」

    「どしたのイチゴ?」

    「ちゃちゃのん出遅れて、席とれんかったんじゃ・・・」

    「そりゃ、あれだな」

    「うん、あれだね」

    「?」

    「「窓から飛べばよかったのに」」

    「そんな方法考慮しとらんよ・・・」

    がっくりとうなだれるちゃちゃのんを尻目にいそいそと各々のお昼ご飯を
    テーブルの上に置く双子マジマイペース。ちゃちゃのん頑張って。まじがんばって。


    「じゃあ、いちごも一緒に食べようぜ?」

    「え、ええんか?」

    「どんときていーよイチゴ!」

    「ふふ、じゃあお言葉に甘えるけぇの」

    ちゃちゃのんを交えた三人でお昼ご飯を開始する。京太郎のお昼ご飯は
    チキンカツ・エビフライ・アジフライの黄金色が眩しいミックスフライ定食。キャベツの千切りはシャキシャキである。

    まず、チキンカツにはソース。ざっくり噛んだ瞬間じゅわっと溢れる
    肉汁の甘味とソースの甘辛な味が絶妙だ。次にキャベツを一口、シャクッと。
    うむ、濃い味の口の中をリセットしてくれるキャベツフライ系定食にはなくてはならない相棒のような存在だ。

    「・・・delicious(まいうー)」

    次はお前だ。アジフライ。お前にもソースと言いたいが、ここは味に変化を求め、
    ソイソース・・・醤油をさっとかけていただく。骨ごと、かぶりつく。

    うん、骨ごといただくことで柔らかさとパリッとした食感が同居しており、
   それを醤油のしょっぱさが引き締めてくれる。さらにここでキャベツ。も一回キャベツ。 うん、すばらだ。

    「・・・ほぅ」

    まずいまずい。おいしいため息が出てしまった。次だ次。エビフライ。
    お前はタルタルソースでっ・・・て、なにやってんだか俺は。
    なにちゃちゃのんピックアップ回で食事描写やってんだよ。男の食事風景とかむさ苦しい。

    「そういえばイチゴー」

    「なんじゃ?」

    「イチゴ一人なら食堂でなくてもよくない?」

    そういえばそうだ。いちごのお昼ご飯はお弁当。ちっちゃな赤い弁当箱だ。穏乃なら足りないって嘆くんだろーなー。

    「それはな、まこと一緒に来たんじゃけどまこは会長に呼ばれてもうて・・・」

    「あー、なる」

    あの人ならやるだろーなーと考えつつ、味噌汁をずずっと飲んでいると、くいっくいっと淡に袖を引かれた。なんだよ?

    「まこって誰?」

    「あー、ワカメ」

    「分かった!」


    双子の意志疎通余裕です。

    「・・・本人の前でいったらあかんよ?」

    「「はーい」」


    返事だけはいい兄妹の声に吹き出しつつ、お弁当を食べるいちご。かわいいなー。
    今年は同じクラスになれなんだし来年こそはと意気込む京太郎。まぁ、意気込んだところでどうにもならんが
    気合いの問題である。

    『ごちそうさまでした!』


    カンッ!