FS『…それで私、その子と一緒に県下最強の名門校へ進学しようとしたんですけど…』
狂堕狼『肝心の相手は別の高校へ行ってしまったんですね』
FS『そうなんですよ…約束してた訳じゃないですけど、同じ高校へ行くつもりだと話してたのに!』
狂堕狼『連絡とかはしてなかったんですか?』
FS『それが、中3の秋くらいからあんまり連絡が取れなくなっちゃって…』
FS『だからこそ、こうやってすれ違っちゃったのが余計に悔しいなーって思うんですよ』
狂堕狼『なるほど』
FS『そういえば、狂堕狼さんも麻雀部に入っているんですよね?』
狂堕狼『確かにそうですけど…それが何か?』
FS『こういう書き方するとアレですけど、私の高校って本当に強い人が多いんですよ』
FS『それに対して、友達が進学した学校の麻雀部は最近になって再結成されたばかり…』
FS『名の知れた打ち手が監督を務めるそうなんですけど、急ごしらえのチームじゃ勝てないに決まってます』
FS『けど私…あの子のことも応援したいって気持ちがあるんです。どうしたらいいでしょうか?』
狂堕狼『…実は俺のいる麻雀部も、急ごしらえで作られたようなもんでして』
FS『えっ?』
狂堕狼『けど全員、インハイを目指して必死に練習してます…俺だけは男子なんで蚊帳の外ですけど』
狂堕狼『ひたむきに麻雀を打つ姿を見るに、負けるだなんて少しも考えてはいないでしょう』
狂堕狼『ですからきっと、FSさんの友達も同じように頑張っているんじゃないでしょうか?』
狂堕狼『どちらを応援するかは…それこそどちらも応援すればいいと思います』
狂堕狼『勿論友達を表立って応援は出来ないでしょうが、心に思うことくらいは出来るはずです』
FS『…狂堕狼さん』
狂堕狼『?』
FS『ありがとうございます。私、なんだか吹っ切れたような気がします!』
FS『どちらも自分にとって、かけがえのないものだと思いますから…無論勝つのは先輩達でしょうけど』
FS『…後、狂堕狼さん達も頑張ってくださいね!』
初瀬(いやー…こういうややこしい話を相談できる人がいるっていいよね)
京太郎(ウチ以外にも、同じようなことをしてる麻雀部があったんだな)
初瀬(狂堕狼さんのいる麻雀部は勝てるのかな?)
京太郎(出来れば、FSさんの方に勝って欲しいなー)
初瀬(ひょっとしたら、狂堕狼さんに会えるかもしれないし)
京太郎(FSさんにも会ってみたいしな…)
なお、県大会の結果は
FS=最初の瀬の直訳から(The first shallows)
最終更新:2013年10月14日 14:54