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怖いくらい暗い、真夜中の森の中。
生い茂る草木の匂いも、揺れる葉や木の枝も、
今の俺にとって、警戒の対象となるには十分すぎるモノだった。

俺の名前は阪本。(ガキ命名)
以前はとある人間の家に住んでいたのだが、
ある日を境に、ガキと娘の家、「東雲研究所」に住む事にした。
と、そういう自己紹介的なものは置いておくとして。
まず、俺が言いたいのは――

『これは一体なんだってんだよ。』
――ってことだ。

ついさっきまで俺はガキや娘と一緒にいたはずだろ。
……だってのに、なんで急にこんな事になっちまったんだ。
いつの間にか、いつも俺が首に巻いているスカーフと共に首輪が填められている。
一体なんなんだよ首のコレは。
首輪は普通、犬とかが着けるもんだ。
大体、猫っていう生き物は首輪とかこういうのが苦手なんだよ。
ああもう。 苦しいったらありゃしないぜ。
ま。 ガキにロープで首を括られた時よりかはマシだがな……

だが……一体どうするか……

まず俺は、禁止エリアとか武器とか、そんな細けぇ事は苦手だ。
その前にちょっと待て。
俺がこのディパックとやらを開けられると思ってんのか……。
言うまでもないし、言われるまでもない。
答えはひとつ。

無理だ。 開けられん。

ヒトとは体の造りが違うって事が分からないのか?あの蛙野郎は。

嗚呼。 やべぇな。
なにがやべぇって、いろいろやべぇ。
部屋に居た時にちらっと見回したが、結構な数の参加者がいやがった。
しかも、人間以外の生物までもがこの殺し合いに呼ばれていた。
俺がまずやべぇと思ったのはそれだ。
人間以外と言っても犬や蛙ならまだいい。

だが、何者だあいつらは?
どう見てもこの世の生き物じゃねえだろアレは。
特に俺がヤバいと感じたヤツ……
白色の「アイツ」……
あいつの得体の知れない「なにか」には俺も肝を冷やした。
とにかくヤバかった。
アイツ以外にも、ヤバそうな奴等がかなりいたな。
本当に、なんで俺なんかが参加させられたのか、わからねえ。

……はぁ……


……死ぬかも…………






ディパック……どうするか……
持てないから置いて行くしかないか……仕方ないが。

ん……?

よく見るとこのディパック、何か書いてあるな。
どれどれ……?

【ディパック(動物用)】
このディパックは、赤いボタンを押すことでディパックの開閉ができ、
青いボタンを押すことでディパックの大小が調節できるように設計されています。

「……随分と、取ってつけたような展開だな。
俺が猫だから救済的な事をしたわけか?
なんか知らねえけどムカついてきた。 動物だからってナメてやがるんじゃねえのか、あの蛙野郎」
ま。 ウダウダ言ってても仕方ないか。
とりあえずこのディパックを小さくしてみるか。
えっと……青いボタンを押すんだったよな……?


△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼


「これでよし……っと」

ふう。 これで持ち歩けるぜまったく……
それにしても、ホントに小さくなるとは思わなかったな。
まさか『ボタンを押した途端、俺が持ち運べる程度のサイズに早変わり。』っていうSFチックな光景を見る事になるとはな。
とりあえず、一段落ついた所で行くか。
ま。 なんとかなるだろうよ。
…………たぶん。





一方その頃、
阪本がたった今、リアルタイムで行動しているこの森に、参加者がもう一匹いた。

「……これはいったいどういうことなのにゃ?」

白色の猫だった。
頭に小判を着け、二足で立っているその猫は、あろうことか自ら人語を口にしていた。

見た目は普通の猫に見えなくもない。
しかし彼は正確に言えば猫ではない。
ポケットモンスター。
縮めて「ポケモン」と呼ばれる、動物とはまた違う生き物なのである。

彼のポケモンとしての名は「ニャース」という。
しかしポケモンのニャースという生物は「ニャー」としか喋れず、二足で歩くこともない。
では、何故彼が普通のニャースとは違う事ができるのか。
その理由は至ってシンプル。

努力の結果である。

彼は元々ただのニャースであった。
しかし彼は、ある理由から立って歩く練習をし、そして人間の言葉を覚えた。
彼が普通のニャースと違う事ができるのは、そのためである。

しかし、その代償として、彼は普通のニャースとしては生きられなくなってしまった。
二足歩行になった事で元々の俊敏だった動きは遅くなり、他のニャースからは気味悪がられた。
彼はその後、「ロケット団」という組織に入団し、ムサシとコジロウという仲間に出会った。


そして――ニャースは今、殺し合いの参加者として夜の森の中にいた。

「まずい……まずいのにゃ。 まさか殺し合う事になるにゃんて……!
ああ、一体にゃーはどうすればいいのにゃー!」

嘆きながら地面に座り込むニャース。
しかしそんな事をしても、始まってしまった殺し合いを止める事は最早できない。

できないのだ。






殺し合いの舞台に立たされたニャースがまず始めに行ったのは――

栄養の摂取。 もとい食事だった。

ニャースはボタンで自分好みの大きさにしたディパックからパンを取り出し、口にした。
パサパサしてあまり美味しくはなかったが、この際だから仕方ないと思い、淡々とパンをかじり続けた。

食事を終えたニャースは、自分に支給されているはずの個別武器を確認する事にした。

「武器とかそんなもの見た事もないのににゃ……
一体どんなものが入っているのかにゃあ……?」

まず、ニャースが取り出した「武器」。
それは薬だった。
青色と白色をしたスプレー式の薬。
ニャースはそれがなにかを知っていた。

「キズぐすりだにゃ。 ケガとかした時には役立ちそうだにゃー。
でも武器じゃないじゃにゃいかー! これだけ渡されても意味ないにゃーっ!」
ニャースはそう言うと、ディパックに手を突っ込み、他の武器を探した。
乱暴に奇妙な感触の「空間」をまさぐっていると、何やら堅いものに手が当たった。
ニャースは恐る恐るそれをディパックから取り出す。
そして彼が見たもの。
それは、どこからどう見ても「拳銃」だった。

「これが人間が使うテッポーとかいうやつかにゃ?
説明書があるのは助かるにゃー。 にゃーじゃ使い方が分からんからにゃー」

その後ニャースは説明書に目を通し、大まかな使い方を覚えた。
そして、数々のシークエンスを経て、ニャースは本格的に行動を開始した。





「いつもは夜の森なんて怖くにゃいはずにゃのに……
今のにゃーにとってはあのギャラドス並みに恐ろしいにゃー……」

銃をその小さな手で握りながら、森の中を歩く。
ニャースの手では拳銃もかなり持ちにくいであろう。
それでもニャースは武器を携え、森を歩き続ける。
仲間と再び逢うために。


▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


「……あれは……!?」

森の中を歩いていたニャースは、暗闇の奥に光るなにかを見た。

(にゃっ……?)

それは二つの黄色い目だった。
暗闇に紛れ、妖しく揺らめいている。

(ヤバい……にゃ……
なんか知んにゃーけど、なにかがいるにゃ……!)

その目はニャースにたちまち近付いていく。

(にゃ……にゃ……)

そして、声が響いた。

「おい。 お前――」


『 死 ね よ 』


ニャースはその影がそう言ったような気がした。
ニャースの心には死に対する恐怖が膨張し、そのまま風船のように破裂した。

「ニャニャーッ!まだにゃーは死にたくにゃいにゃァーッ!」


パン


――何かが弾ける音がした。

そしてその影は、赤い筋を垂らして崩れ落ちた。


「にゃ……まさか、この赤いの……血……じゃにゃいか?
にゃーが……撃っちゃったからなのにゃ……?

にゃーは……にゃーは……別に殺そうとはしてなかったにゃ……
でも……にゃーが……あいつを…………」

殺 し た の か に ゃ ?

「に……にゃ、にゃああああぁっ!」

ニャースは一目散に逃げ出した。
一時錯乱したとはいえ、自分が誤射してしまった事には変わりない。
そのせいで――殺しに手を染める結果となった。
その恐怖で一匹の猫は逃げ出した。
血を流す黒い影を置き去りにして。


【C-2/森/一日目・深夜】
【ニャース@ポケットモンスター】
[状態]:健康、強い恐怖心、錯乱状態、誰かを撃った事による罪悪感
[装備]:FN 1906(残り5/6発)
[道具]:基本支給品、キズぐすり@ポケットモンスター、FN M1906
[思考・状況]
基本:ムサシ、コジロウと再会する
1:そんなつもりじゃなかった
2:逃げる
3:怖い、怖すぎる
4:ムサシとコジロウに会いたい






「……やべぇ……すげえ痛てぇ」

俺は蹲っていた。

森を歩いていたら、草陰の奥に誰かがいたのでつい話しかけた。
そして、撃たれた。

運良く急所に外れはしたが……
このままじゃいずれ出血多量で死ぬぞコレ……
やべえよなぁ。 これはさすがに。
やっぱ、この状況下で迂闊に話しかけるのはやめた方がよかったな……いまさら後悔しても遅いが。

マジやべえな……


本当に……死ぬかもしれん…………


【C-2/森/一日目・深夜】
【阪本さん@日常】
[状態]:腹部に銃創
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、個別支給品1〜3
[思考・状況]
基本:くだらん。 俺はやらねえぞ。
1:痛い……
2:死ぬかもしれん
3:ガキ……娘……
[備考]
※ 阪本はまだ死んでいませんが、傷を放置すると死に至る危険は大いにあります。
なお、ニャースは阪本を撃ち殺したと勘違いしています。


【キズぐすり@ポケットモンスター】
ポケモンではおなじみのキズぐすり。
軽い傷ならこれひとつで治ります。

【FN M1906@現実】
ベルギーの銃器メーカー、FN社が開発した自動拳銃。
全長5インチ程の小さな銃で、ポケットに入るサイズのため、護身用として人気を博した。
人気ゆえに400万丁もの生産が行われたとされる。


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