千早 八


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溜まった仕事を必死になんとか片付けて今日は残業せずに帰れることになった
帰り道になんだかいつもより疲れたなと思っていると
同僚からお土産として高級な入浴剤を貰った事を思い出した
あれ使った風呂に入ったらさぞかし極楽だろうなと思うとなんだか猛烈に風呂に入りたくなった
ならば善は急げということで自宅へと駆け出した
息を切らしながら自宅に辿り着き例の入浴剤を取り出すといい匂いがして気持ちが高鳴る
ウラァアア!と脱衣所に駆け込み妙な気配がするが気にせずに服を脱いで放り
腰にタオルを巻いて、入浴剤を片手に勢いよく風呂場の戸を開ける
すると、ほのかに立ち上る湯気からと「えっ?」と聞き覚えのある声が聞こえた
湯気が晴れるとそこには全裸の千早がマットに座ってこちらを向いていた
千早と目が合い入浴剤のボトルと腰のタオルがハラリと落ちる
一瞬の間を置いて響き渡る悲鳴を背にごめんなさぁい!と風呂場を飛び出した
数分後、風呂から上がった千早が妙に気まずくこっちをチラチラ見てくる
ご、ごめんなと素直に謝ると千早からすごくいい匂いがすることに気がついた
それになんだか髪や肌がいつにもまして艶やかだ
な、なんですかとたじろぐバスローブ姿の千早に
「あれ、なかなかいい感じのやつだったろ。まだあるから好きに使っていいぞ」と
言いつつ彼女をほかほか温かく観察したい今日この頃の俺



家でぼんやりしていると地元の友人から電話がかかってきた
互いに久しぶりに話したからついつい世間話に花が咲いた
「結婚?そんな話あーへんがや。お前だってそうだらぁ?」やら
「ほっかぁ…だもんで、こっちはこっちでよぉけ苦労するわけだがね」
「たぁけ!あんなぁ、俺だってえばりたいっつの!ああ今度あの番組見てみりん」と
懐かしさからかついつい慣れ親しんだ方言で長電話をしてしまった
一時間くらいしてようやく電話が終わると千早が
「プロデューサー、さっきの電話で何て言っていたんです?」と興味深そうに訊いてきた
どうやら俺が方言で話しているの見たのは初めてで驚いたらしい
「ああ、今さっき言ってたのはだな」と簡単に地元の方言を教えてみる
じゃあ千早も少し方言で話してみるかと持ちかけると「えっ?恥ずかしいですから
いいですよ」と遠慮するので
まぁまぁほれ言ってみとしばらく押すと少し気が変わったのかその気になったようだ
「プ、プロデューサー、今度一緒にあっこの店へ夕食べにい……行こまい」と
しどろもどろに言う千早にムッハーと悶えつつほんわかのほほんと観察したい今日この頃の俺



空気が乾燥するこの時期、私は外出から帰ったら緑茶でうがいするのを心掛けている。
Pが風邪の予防になるし喉にも良いから、と教えてくれて、早速ペットボトルの緑茶でうがいしていたら、
「もっと経済的にいこう」
と、安いパックの緑茶を買って毎日、煎れて作ってくれた。
ある日、外回りの営業から事務所に帰って、いつもの様に冷蔵庫から保管しておいた緑茶でうがいをしてみたが、
いつもと異なる、違和感に私は戸惑う。
口に含んだ時の舌に広がる深い味と鼻に突き抜ける心地良い香…ありたいていに言えば、美味しいお茶なのだ。
P、お茶の葉変えたのかしら、とよくよくみればいつも使っているペットボトルのデザインが微妙に違う…?
「あ…!そ、それ…。」
と後ろで驚く声。振り返ると萩原さんが立ちすくんでいた。そう、私は彼女のお茶と間違えてしまってたのだ。
私は慌てて彼女に詫びた。だが彼女は
「冷蔵庫の中のお茶、千早ちゃんのだったんだぁ…たくさんあったから誰のだろうと気になってた。」
と、反対にお茶仲間が出来たみたいに喜んでいる。
言えない…実は殆ど、うがいで使い捨てている、なんて言ったらお茶好きの彼女はどんな顔をするのか…。
「美味しかったでしょ?このお茶の産地はねー…。」
嬉しそうに生き生きとお茶を語る彼女を見て、萩原さんてこんな顔で笑えるんだ…ー、
と、意外な一面を見れて少し驚いていると、そこへタイミング悪くPが帰って来た。
「う゛ー、外は埃っぽいなぁ、おっ調度良い、それよこせ。」
と半場、強引に私の持っているお茶を取り上げて、止める間もなく流しでうがいを始めてしまった。
「プ、P!うがい用はこっちのお茶です!」
私は叫んだ後、しまった、と気付いたが後の祭だった。背中に流れる冷や汗がむず痒い。
数分後、私達は必死で穴の中の萩原さんに土下座していた。
申し訳ありませんP…。私がそもそも萩原さんのお茶でうがいさえしなければ…くっ…!



「……てくださ……デュ………あ……」
先程から千早が俺を起こすべく布団を揺すっている
せっかくのオフなのでもう少し惰眠を貪らせてくれないかと持ちかけるも聞く耳を持ってくれない
「ほら、朝なんですから起きてください」
「断固拒否させてちょうだいな、ちーちゃんよ」
「誰がちーちゃんですか!プロデューサー!」
ムッときたのか千早が布団の端を掴んで一気に取り上げた
薄着のせいで朝の冷気が全身を刺激してかなり寒い
「プロデューサー、そんな薄着で寝ていると風邪をひき――っきゃああああ!」
突然の千早の悲鳴に一気に目が覚め、何事かと千早を見ると
手にした布団で顔を隠しながらプルプルとこちらを指差してくる
なんだろうかとその指先を見てみると朝から元気に大きなテントを設営している股間
それが分かった途端にこっちまで恥ずかしくなって枕で隠した
「な、なんだよ千早!こんなの男の生理現象なんだから仕方ないだろ!」
「いいから早く小さくしてください!」
「早くできたら苦労しない!」
塹壕でもなんでも掘って丸まっていたいと思いつつ千早をのほほんと観察していたい今日この頃の俺
もう婿にいけない…………



一日のスケジュールを終え、千早と誰もいない事務所に戻ってきた
今日も一日お疲れ様でしたと歩いてきた千早が思わず
足元のコードに引っかかって俺のほうへ転倒してまい俺が下敷きになる形で倒れてしまった
いきなりの事にな、何だ?と目を開けると倒れてきた拍子で
上に乗っている千早の腰に手を回して思いっきり抱きしめる形になっている
「すいませんプロデューサー……その、手が…」
鼻の先で顔を赤くする千早に思わずごめんと手をひっめた
大丈夫ですかと尋ねる千早のどことなく甘い吐息がかかりドキドキする
胸元で微かに感じる彼女の膨らみから鼓動が伝わってきて何も考えられなくなってしまっている
しばらくそうしているとなんとも言えない雰囲気に恥ずかしそうに千早が飛び退いた
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「今日はいろいろあって疲れたもんな。コーヒー淹れてきてあげるよ」
そそくさと給湯室に行き、コーヒーを淹れるべくお湯を沸かしながら事務所を覗いて
椅子に座って恥ずかしそうに丸まっている千早をのんびり観察したい今日この頃の俺



今日の仕事が終わり千早と一服するべくコーヒーを淹れてみる
お湯を沸かし、コーヒーの瓶を取り出したところで千早のマグカップが無いことに気がついた
湯飲みでコーヒーっていうもの変だしなと棚を漁っていると
以前、自分が使っていた金属製のマグカップを見つけた
仕方ないかとそれを取り出してコーヒーを注ぎ千早好みの分の砂糖を入れ千早のもとへ持って行く
「はいどうぞ、熱いから気をつけろよ」
「ありがとうございます。プロデューサー?このカっプ」
「ごめん、千早のマグカップなかったからそいつ使ったけどよかったかな?」
「ええ、気にしませんから」
特に気にするわけでもなくコーヒーを飲む千早を見てから自分もコーヒーを飲み一息ついた
それから今日の仕事の事について千早とあれやこれやと話していると
千早がコーヒーに口をつけるたびにどこか嬉しそうな顔をしていることに気がついた
どうしたんだろと思いつつ残りのコーヒーを一気に口に流し込む
「このコーヒー美味しいですね。なんだかプロデューサーみたいに暖かいです」
思わぬ千早の一言で口に含んだコーヒーを噴出してしまった
「じょ、冗談ですよプロデューサー!ほら拭いてあげますから動かないでください」
慌ててハンカチで口元を拭いてくれる千早をな、なんて事言ってくれるんだこの子は!と
驚くがなんか嬉しいかもと思いつつ千早をほんわかと観察したい今日この頃の俺



新曲が初登場でいきなりの堂々の一位のミリオンヒットとなり、
曲を提供してくださった作曲家の先生にそのご報告と御礼に御自宅に伺った。
応接間で先生とPが談笑していると、突然、思い出した様に、
「そうそう、うちの貞吉が君のファンの様なんだ、会ってもらっても構わないかな?」
と、聞いてきた。
「あぁ…!貞吉が?それは構いませんよ、そういえば千早は初めてだよなぁ。」
と、Pも貞吉さんをよく知っているらしい。息子さん?それともお弟子さんか誰かかしら…?
でもPが呼び捨てにするなんて、一体…?
「おーい貞吉っこっちにおいで。」
隣の部屋にいるらしく声を掛ける。と、開いているドアからのそりと貞吉さんは入って来た。
それはとても白く大きなピレネー犬だった。
まるで大きなぬいぐるみのようなふわふわな、それでいてがっしりと逞しく、
じっと見つめるその目は綺麗で優しく、吸い込まれそう…。
ふんふんと匂いを確かめながら私の周りをぐるぐる回る。私は動けず固まっていた…が、
寧ろ恐怖感は感じられなかった。やがて私から離れ、部屋を出ていってしまった。
「ほぅ、どうやら気に入られた様だね。」
先生は目を細めてパイプを吹かす。
「え…?そ、そうなんですか?」
「貞吉は気に入らない相手なら僕の傍を離れないんだ。主人を守ろうとするからね。
逆に出ていくってことは、自分の家の中を好きに回っていいよってことさ。」


Pと先生の仕事の話が続く。私は縁側に座って庭を観ていた。
話が難しくて退屈だろうから、庭でも観てるといい、と気を利かせてくださったのだ。
小春日和の中、よく手入れされた広い日本庭園をぼんやりと観ていたら、貞吉さんが私の傍にやって来た。
そのままごろりと縁側に横たわり、その瞳は私を見たまま。
私はそっとその身体に触れる…やわらかいー…撫でる度に気持ち良さそうに四肢を伸ばす貞吉さん。
その穏やかな瞳は私を眠気に誘うー…。


「…ーはや、千早。」
と、問い掛けに、はっと目を覚ます。えっ…?と見上げるとPが携帯のカメラを片手にニヤニヤしていた。
どうやらつい眠ってしまったらしく、慌てて下に敷いてあった毛皮のクッションからその身を起こす。
え?毛皮のクッション?
恐る恐るよく見たらそれは貞吉さんであったのは言うまでもなかった…。
私はもうパニクって必死に貞吉さんに土下座して謝っていた。顔に付いた抜け毛がむず痒い…。
事務所に帰った後、Pが貞吉さんをクッションがわりに寝ている私の写メを見せてくれた時、また顔から火が出た…くっ…!



もうすぐクリスマスなので折角なので気分を盛り上げようと思い立ち
千早と借りてきたクリスマス映画のDVDを見ることにした
ソファーで隣に座る千早をちらりと見やると小さく笑っていて楽しんでくれているようだった
一緒に見れてよかったなと思いつつ安物のワインを何杯か飲んでいると
暖かな雰囲気とまったりとした映画のBGMのせいもあってどんどん眠くなってきた
「プロデューサー?もしかして眠いんですか?無理して見なくても」
「うーん、最後まで千早と見たいからね。我慢するよ」
眠い目を擦りなんとかクライマックスまでくると眠気が治まってきた
映画がハッピーエンドで終わりスタッフロールが流れ出すと
抑えてきた眠気が雪崩のように押し寄せてきた
ついに我慢出来なくなり、千早の太ももに倒れこんだ
「プロデューサー!?しっかりして下さい」
「ちょっとの間だけこうさせてくれ。なんだか凄く落ち着くんだ」
「……しょうがないですね、本当に少しだけですからね」
「ん~」
千早に膝枕してもらうとあまりの心地よさにすぐに眠りに落ちてしまうそうになる
ちょっとでもこの感触を味わいたくて密かに眠気を堪えつつ
面白そうにこっちを見ている千早をのんびりほんわかと観察したい今日この頃の俺
いつの間にか寝ていたのか目が覚めると千早まで寝てた
後で毛布もって来てやるとしよう


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