千早 伍


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ある小春日和の午後。私は昼食の後で椅子に座って、ぼんやりしていたら、
つい居眠りをしてしまい、椅子からずり落ちてしまった。
しかも、落ちる時に後頭部をしたたかに打ち、暫く痛さに悶絶していたら、
その様子を見ていたであろうPが大笑いしていた。
「すごい音したなっ千早!まるで漫画みたいだ、ははははは。」
と、あまりにも馬鹿笑いするのがちょっと腹が立ったので、わざと大袈裟に後頭部を抱えて痛がり、
Pが笑い終えても、まだ痛がってみせると
「…おいおい、大丈夫か?千早。」
と、聞いてきたところを、少しぼぅっとしたふりをして、
「……貴方は誰ですか?ここは一体…?」
と、記憶喪失のふりをして、その普段、本当に真面目に私の事を想ってくれているのか、
Pの驚いて、あたふたする様を注意深く観察してみたいと、
思ったら、ちょうどぶつけたところがこぶになってて、むず痒い。
あ…P、本気で心配してあたふたしてくれてる…。



読書の休憩にコーヒーを飲みつつ時計を見ると
千早がいつもより長く風呂から出てこないことに気がついた
湯当たりでもしてるかなと少し心配になり脱衣所のドアから声をかけると
千早が弱々しい声で呼びかけてきたので思わず脱衣所に飛び込むと
タオルを身体巻いた姿で全身真っ赤になった千早がマットの上に横たわっていた
どうしたんだと尋ねると新曲を湯船の中で歌って練習していたら
気分が悪くなって出たものの眩暈がしてそのまま倒れてしまったのだった
このままにするのも何なので動かそうと思ったが千早は立てそうに無い
仕方ないので失礼するぞと一言かけ、千早をお姫様抱っこして彼女のベッドまで運ぶことにした
あ…あの!と照れくさくなる千早にこっちまで照れくさくなってしまう
こんな華奢な身体であんな透き通った歌声で歌えるなんて凄いなと思うと同時に
めったに見せないしおらしい姿に思わずキュンとなってしまった
その後、ベッドの上に座って俺が持ってきた清涼飲料をちびちびと飲む千早の様子を
大事になってなくてよかったと安堵しつつ観察したい今日この頃の俺



産地直送揚げたてホヤホヤ
「あのプロデューサー、それ何ですか?」
「おお千早、いいところに来たな!一緒に食うか?ガラガラヘビの唐揚げ」
「は?ガラガラヘビ?」
「そうガラガラヘビ。テキサスから産地直送だぞ。これがまた鶏肉に似た癖になるいい味しててなぁ」
「お昼に給湯室で何やっているかと思えばそんな得体の知れない物で唐揚げですか」
「得体の知れないとは失礼な、ガラガラヘビだ。これが本当に旨いんだ
塩と大目のレモン汁かけると旨さが引きたってな。
ほら冷めない内に食べるよろし」
「結構です」
「いいのか?こんな旨い珍味そうそう食える機会無いぞ」
「私、ヘビとかそういうの苦手ですから」
「・・・・そうか。そうだよな。無理強いしてごめん。・・・千早と食べたかったな・・・唐揚げ」
「・・・1つ下さい。鶏肉風味は好きですから」
「おお!これが一番いい揚げ具合だぞ!」



以前、真の大量の衣装の置場に、私の部屋のクローゼットを貸してあげてから、
今日みたいな天気の良い日には窓も開けて、換気をしてあげるのだけど、
その時色々な衣装を見ていると、つい着てみて鏡の中の違う自分に、一喜一憂してしまう。
その中にあの白いゴスロリ服を見つけた。私は改めてその服を着てみた。
鏡の中の私は、まるでフランス人形。確かに可愛いらしいが…。その場に座り込み、ぼんやり考える。
少し前までは歌の為とは言え、人前で派手な衣装を着るだけで気が滅入ってたのに、今はP以外の人に観られるのが……。
昔とは明らかに変わってしまった自分に驚きつつも本来、普通の女の子の様に
お洒落を少しだけ楽しめる事が出来る様になったのも、Pのおかげなのかしら?と少し、ふふっと笑ってしまう。
その時、部屋の外からPの呼ぶ声がして、つい
「はい、何でしょう?」
と、ゴスロリ服のまま応対してしまった。
資料をバサバサと床に落として、
唖然としつつも次の瞬間、主人に甘える犬の目になっていくPに、
どうしようと焦って頬に流れた冷や汗がむず痒い。くっ…。



外回りから事務所に帰って来たら、思いがけない再会が待っていた。
私が拾って事務所で暫く飼っていたあの仔犬が飼い主と共に訪れていたのだ。
聞けば近くの獣医師の所で定期検診の帰りに寄ったとか。
以前とは見違える程の幸せ太りに私は安堵した。
早速、事務所中のアイドル達にもみくちゃにされている仔犬。特にあずささんや亜美、真美が大喜び。
仔犬の方も覚えていたらしく、ちぎれんばかりに尻尾を振っている。
「ほら〜千早ちゃん、この子こんなに大きくなって〜。」
と、あずささんが仔犬を抱えて来た。
久しぶりね…。前と変わらないその目に見つめられ、私は、怖ず怖ずと仔犬に手を出す…。
あ……。やっぱり噛んだ…でも痛くない、仔犬は優しく甘噛みした後、その指を舐める。
「あらあら、駄目よおいたしちゃ。」
と、飼い主が謝った。
「ごめんなさいね、でもこの子は貴女の事を気にいっているのね。」
えっ…?
「この子は気にいったのしか噛みつかないの。やめさせなきゃとしてるのにねぇ…。」
飼い主に抱かれて、仔犬はその首に巻いてるスカーフをガジガジと噛んでいた。
そう、お前…今、幸せなのね…。
そう心での問い掛けに応える様に、仔犬はワンッと一言鳴いた。
別れる時、バイバイと手を振ると、主人の肩越しに仔犬はいつまでも見つめてくれた。
さっき噛まれた手が少しむず痒い…。
あぁっ、また会えますからそんなに泣かないでくださいよ、あずささん、くっ…。



急に私用で3日ほど里帰りしなければならないことになってしまった
その間、千早の事が気がかりだと話すと心配しすぎですよと千早に笑われてしまった
出発の日、駅のホームでなるべく早く帰ってくるからと一言残すと
「プロデューサー、私は大丈夫です。いってらっしゃい」と見送ってくれた
故郷に戻るといつも千早の事が頭から離れず気になって仕方ない
夜になって時間が空くといてもたってもいられず千早と長電話をしてしまった
その後、ようやく用事を済まして帰りの新幹線から降りると
ホームでこっちに手を振る千早の姿を見つけた
「おかえりなさい。プロデューサー」といつもと変わらない様子で話しかける千早に
我慢できなくなって思わず抱きしめてしまった
「プ、プロデューサー!?どうしたんです!?」と慌てる千早の耳元で
「ただいま」と言ってみたときの千早の反応を
俺の帰る場所は千早の隣なんじゃないかな?とふと思いつつ
のほほんと観察したい今日この頃の俺



ふと衣装室の前を通るとなにやら物音と誰かの話し声が聞こえた
こんな時間に誰だろうと疑問に思いドアの前で耳を澄ますと
ガタガタと激しい物音とキャーキャーと騒ぐ複数の女性の声が聞こえる
何じゃ?とドアノブに手をかけたところで突然ドアが開き誰かが飛び込んできた
勢いの強さに思わず尻餅をつき、誰だと胸元を見ると下着姿の千早が
「助けてくださいプロデューサー!」と叫んできた
は?一体なんですか?と呆気に取られていると罰が悪そうな顔で春香と美希が
衣装片手に衣装室から出てきた
何があったのか事情を聞くと千早を着せ替えて遊んでいるうちにどんどんエスカレートして
無理やり露出度の高い衣装を着せようとしたところ千早が逃走
下着姿のままで逃げ回った挙句、そのままドアから飛び出したというのが事の顛末らしい
何やっとるんだお前らはと春香と美希に軽く説教してデコピンして反省させた
千早に下着姿だとアレなのでとりあえず背広を羽織らせてみる
何ともいえないそそる姿に飛び付いてニャンニャンしたい衝動を抑えつつ
怒っているような泣いているような千早を慰めながら観察したい今日この頃の俺



ドラマの打ち上げに一緒に出演した春香と参加した。
監督や脚本家の先生へ一通り挨拶を済ませ、春香と食事をしようと思ったら彼女が見当たらない…。
Pのところかな?と思った矢先、
「ちっはやちゃ〜〜〜ん♪楽しんでる〜〜〜?」
と、いきなり彼女が後ろから抱き着いて来た。
えらくハイテンションな彼女に私は戸惑う。
「だぁめぇよっ、千早ちゃん、もっと楽しまなきゃーあはははは♪」
尋常じゃないその様子に私は彼女が持っているグラスを引ったくると中身を確かめた。
……チューハイだった。おそらく、間違えて、乾杯の時一気に…。
とにかく、頭を冷やさせようと会場の外に引きずって行き、通路の椅子に彼女を休ませる。
だがPを呼びに行こうとする私の手を春香が掴んで離さない。
「やだっ…置いてかないでよ、千早ちゃん…一人は嫌だよぅ…。」
と、彼女は泣き出した。
私は焦って何とか宥めていたら、
「千早ちゃん!どーしてPさんは私の愛に答えてくれないのよぅ!」
と今度は私に不満をぶつけだした。
そ…そんな事言われても、と困っていたら
「千早ちゃん、優しいんだね。そんな千早ちゃんが好きだよ♪」
と、また抱き着いて来た。
えっ…?えぇっ!!ちょっちょっと待って、春香!私達まだ早いわ…じゃなくて!
いけない、落ち着かなくては…と、深呼吸して、あのね、春香、
と答えた先には、とっくに酔い潰れて寝ている彼女がそこにいた。

会場にいるPの携帯には繋がらない…。私はもう諦めて、春香の側にいる事にした。
やれやれと携帯を閉じ、春香を見てみると、私のひざ枕で寝てしまっている。
ふと、私はその持っていた携帯で、そのよだれたらして、幸せそうな顔で寝ている彼女をカメラで撮り、
正気に戻った時に、この画像を突き付けて春香がどういう反応を示すのか、ちょっと興味津々になって、
あわてふためく様が想像できて、笑いを堪えてる口元がむず痒い。P、早く探しに来て……くっ…。



事務所で雑誌を読んでいると机の上に無造作に置かれた千早の携帯が目に付いた
そういえば千早って待受け画面は何にしているんだろうかと興味がわいた
まぁ千早の事だから時計か犬とかの動物画を待受けにしているんだろうなと思いつつ
携帯を開くと待受け画面に映されていたのは俺と千早のツーショットで思わず声に出して驚いた
すると「何やっているんですか?」と声がして慌てて振りむくと赤面した千早がいるではないか
「いやぁ、千早が俺とのツーショットを待ち受けにしてるなんてなぁ」とからかってみると
「プロデューサーも人の事言えませんよ」と千早がポケットから取り出したのは
充電したまま放置プレイしていた自分の携帯
はて、何か変なもの入れてたか?と思い出すと笑顔の千早を待受けにしていたことを思い出した
アーっと叫びたくなるのを必死に堪えつつなんともいえない雰囲気に
「アハハ、考えることが似てるな俺達」と苦し紛れに言ってみた時の
千早の反応をクールに装いながら観察したい今日この頃の俺
携帯に大量の千早の写真がはいっていることを事務所中にバラされたら
俺は恥ずかしさで穴を掘って窒息して死ねる



ふとしたことがきっかけで千早と激しく事務所内で口論になってしまった
「お前なんか大っ嫌いだ!」とつい言うと「私もです!」と返しそのまま事務所を飛び出して行った
もう知るか!とデスクでイラついているとふと千早と一緒に写った写真が目に留まった
そういえばこれ撮った時は結構楽しかったなと思いながら外を見ると
夕方からずっと雨が降り続いている光景が広がっている
少しして冷静になり、数十分経っても千早が戻ってこないので段々心配になってきた
千早が傘を持ってきていないことを思い出すといてもたってもいられず
事務所を出て千早を探すべくスーツが雨で濡れるのもお構いなしに走り出した
少しして公園のベンチで一人座っているずぶ濡れ姿の千早を見つけた
うつむく千早の前で「俺が悪かった。あんな事言って本当にすまない」と謝ると
千早が泣きじゃくった顔で「私のほうこそすいませんでした」と頭を下げた
雨の冷たさで震えている千早を慰めるように抱きしめて
ほんとごめんな、もう泣くなよと少し湿ってしまったハンカチで千早の顔を拭いてやる
冷たい雨の下でだいぶ走ったせいか弱って動けない千早をおぶり
早く帰って風呂に入って一緒に温かい飯でも食べようなと言ってみたときの千早の反応は
どうでもいいから早く千早を温めてやりたい今日この頃の俺


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