マーラズラース

第一話「ただの地獄だ」

波旬は殺されたはずだった。
しかし気づくと、そこは茫漠とした空間。
どこまでも続く高い塔があるだけだった。
天眼は光を失い、ここが何処かはわからない。

そこに現れた金色の蜘蛛が語りかける。
今はこの塔を登れと。
その言葉を無視して、波旬は寝ることにした。
夢に見る謎の光景。

耳に焼き付いて離れない声は一体誰のものか――

そして、目覚めた波旬が見たものは荒廃した大地の姿だった。

第二話「何をしたか言ってみろ」

第七天に八百万存在する死後概念の内の一つ
"神国トラストリム"と呼ばれる唯一の巨大国家が文明の中心となり支配する世界――

工業的な近代科学文明と、精神的な宗教文明が融合した様式を持つ神国トラストリムは、
人間を"神人類"と呼ばれる上位階級が支配し、
厳格でありながらも文明的な階級社会を形成していた。

だが、この世界には神人類も手を焼く程の問題が存在していた・・・

大地の穢れから発生するとされ、
神々や人間、文明を本能的に襲う魔物"ゴーマ"。

現世では神に祈るだけで何の努力もしなかったとして、この世界に送られた人間たちは、
日々ゴーマの襲撃に脅かされながら、神にすがって辛うじて生き残っている有様だったのだ。

曙光の剣による傷と畸形を失った事で、
大きく弱体化しながらも甦った波旬が目覚めたのは、
人類たちが細々と暮らす小さな村だった。

その村にほどなくゴーマが出現。
村人の喧騒とゴーマの臭いにイラついた波旬だったが、そこに神国軍が現れる。

村人もろともゴーマを蹴散らす神国軍。
それに巻き込まれた波旬は猛り、神国軍に襲いかかる。

雑兵を打倒した波旬の前に、
七星天を名乗るワイゼンが飛来した。
波旬を愚弄するワイゼン。

ワイゼンの手が波旬に触れた時、
波旬の理性は振り切れた!

第三話「奴は我ら七星天の中でも最弱」

人類の感情と魂を源とする”マントラ”それは宇宙にまで到達する高度な文明を築き上げた神国トラストリムの基盤となるエネルギー。
エイヴィヒカイトとは似て非なる技術。

波旬の予想外の反撃にあい、
ワイゼンは超高濃度のマントラを使用、惑星に匹敵するほどの肉体へと巨大化する。

巨大隕石の如き驚異の指落としが波旬に迫る。

その凄まじいまでの圧力に、波旬は潰されたかに見えた。
しかし、波旬を苦しめるのはその力の源であるマントラの方であった。

なんだこれは、臭いんだよ。俺はこんなものを許した覚えはない。
酷い悪臭のするそれに波旬の唯我の渇望が爆発、マントラを消し去られたワイゼンの断末魔が木霊する。

力を使い果たし倒れる波旬の前に、
次なる七星天ヤシャが姿を現す。

第四話「神様だ」

ゴーマ・ヴリトラとはゴーマを束ねる存在であり、全てのゴーマの根源。
神国トラストリムでは星の意志であると言われている。

現れるごとに強くなっているゴーマ・ヴリトラを、文明の力が追い付かれる前に完全に倒す。
それが七星天の掲げる大義である。
そこに正義は無くとも、全ての神民と人類の平和な未来を勝ち取るために。

何億もの魂を消費して巨大化したワイゼンを打ち破った波旬。
その前に現れたのは、七星天の一人ヤシャ。

ヤシャは波旬に何者だ何故戦うと問いかるが、波旬は聞く耳を持たない。
ただヤシャが持つマントラの臭いに不快感を爆発させ襲いかかる。

世界を救うという大義を背負うヤシャは、
あくまで冷酷に圧倒的な力で波旬をあしらう。

ワイゼン以上の強さを持つヤシャに、既に大きく消耗していた波旬は勝ち目が無く、
曙光の剣による傷を両断された波旬は、その身を溶岩へと沈めて行った。

―――再び波旬は金色の蜘蛛に出会う。

+ ...
第七天曙光八百万の理天照坐皇大御神に永劫回帰という死後概念がある、それは戒めや成長を願うもの。
基本的には化外を生まぬようにその人にあった死後概念を増やしていく天照だが、
死後概念が増えるに従いそういった戒めや成長を願う世界も少しずつだが増えて行った。
そんな世界の一つでそれは現れた。

流出者チャクラヴァルティン
人には正しい方向へと導く者が必要だと考えたそれは、現世への不干渉を行う曙光へと戦いを挑んだ。
強き世界には強き神が現れるのか、それは曙光八百万の総軍を掠め取り追い詰める。
しかし曙光八百万を守る六柱の求道神達が持っていた矜持による、予想外の反撃によって形勢は逆転する。
一人では敵わないと悟ったチャクラヴァルティンは、相手の攻撃を利用して特異点から弾きだされることで戦線を離脱した。
その際、曙光によって殺された第六天の残滓を掠め取った。

殻にこもり流出の力を抑える事で特異点の落下速度を弱めて時間を稼ぎ、八百万ある世界の内の一つに潜伏したチャクラヴァルティンは、
仲間を作り再び曙光へと挑む為に、一部の人々にマントラという恵みを与え、他の人々を導くようにし、
一方でゴーマを作りだし試練とした。この試練を打ち破った者こそ、仲間に相応しい。

本来、死後概念の世界で再び死んだ者は曙光八百万の元へと戻り、そこで再び夜摩閻羅天によって相応しい世界へと仕分けされる。
これは時間がたつと人の心は変わり、場合によってはその世界の化外となってしまうのを防ぐためである。
しかし、マントラの生成はこの魂を塞き止め血栓としてしまう。永劫破壊ならぬ天照破壊なのである。
ゴーマとはこの歪みにチャクラヴァルティンが形を与えたものである。

チャクラヴァルティンは仲間とするに相応しい者が現れなかった時の最終手段として、第六天の残滓に形を与え波旬を蘇生させた。
自らが戦う前に中途半端に力を付けさせた波旬を曙光と戦わせ、消耗させるという作戦である。

しかしチャクラヴァルティンは知らない
波旬は死の間際、覇吐≒畸形嚢腫≒曙光八百万と向き合い、好きにしろとその存在を許したことを


  • 誰に復讐するんだよwww -- 愛の伝道師? (2012-08-21 19:26:57)
  • ↑覇吐じゃない? -- 名無しさん (2012-08-21 19:32:36)
  • 元ネタがわからない -- 名無しさん (2012-08-21 19:36:15)
  • アスラズラースっていうゲームだと思う。簡単に言うと怒れば怒るほど強くなる力を持った神様が主人公で、主人公が自分を裏切って世界を手にした元仲間の7柱の神様に復讐する物語。 -- 名無しさん (2012-08-21 19:38:19)
  • ↑有難うございます -- 名無しさん (2012-08-21 20:19:51)
  • まさかの七星天…あれ、曙光の面子誰もいない? -- 愛の伝道師? (2012-08-22 12:29:55)
  • 曙光の面子が来るのは、例えるなら穢土に波旬自身が攻めて来るようなもので、話終わっちゃう。弱体化させる為の理由も無いし -- 名無しさん (2012-08-22 13:15:49)
  • じゃ、せめて七星天のボスだけは六条さんでwww -- 愛の伝道師? (2012-08-22 14:25:22)
  • 確かに見た目がアスラとなんとなく似てると思ってけどw -- 名無しさん (2012-08-23 07:37:15)
  • …で、どこの二次小説サイトいけばみられるんです?この小説。


    冗談はさておき、声的にはマキナズラースだよね。 -- 名無しさん (2012-10-07 17:39:18)
  • ↑3六条さんは脱出艇で潰された爺さんか、速攻でやられたナルシスト役だろう -- 名無しさん (2012-10-11 04:22:14)
  • (∴)「すべてがハッキリした。俺の中の自己愛の正体が。気に食わなかった、他人を導いた気になっている塵屑が。助けを求めるだけで自分の足で歩もうとしない滓が。だから、俺は誰にも祈らない、神になるつもりもない。だが、それももういい。よくも、俺の体に、触れてくれたな!!」 -- 名無しさん (2012-10-11 15:53:24)
  • (♂)「兄貴が真人間になった。これでようやく心置きなく…貫抜奔ーーーーーー!!!」 -- 愛の伝道師? (2012-10-11 18:15:28)
  • (≖‿ゝ○)「女神が世界を包めば、もはや誰も犠牲になることなどない。そう、世界は喰らい合う脅威より解放され永遠の楽土を」(∴)「世界の話は聞き飽きたぁ!!」 -- 名無しさん (2012-10-13 07:19:25)
  • これの元ネタじゃ、最後主人公は怒り尽きて消えるんだけど波旬はどうなるんだろ? -- 名無しさん (2013-11-13 23:05:08)
  • 転生して「生きてるだけで最高さ!!」になるんじゃね? -- 名無しさん (2014-01-08 16:24:34)
  • 元ネタの女幹部がエレ姉に似てる。 -- 名無しさん (2015-08-06 23:10:04)
  • 夜叉の中の人、獣殿じゃねえかw -- 名無しさん (2015-10-06 19:19:18)
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最終更新:2015年10月06日 19:19
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