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私にとって、今暮らしているここが世界のすべてだった。
外国といっても実感は沸かない。
でも、海岸できれいな貝殻を拾ったときから、すでに運命は変わっていたのだと思う。
…大島 唯

DIGITAL DESTINY

私は、今暮らしているところしか知らない。
外国はもとより、遠くの地のことすらしらない。
だからこそ、私は新しい世界にあこがれていた。
そのことを友達に話すと笑われるだろうから、このことを誰にも話したことはない。
私は上手くやっているのだろうか。
それはよくわからない。

海岸を歩いてみた。
特に意味はなかった。ただ、歩きたかった。
そして、自分が知っている『世界』の端を見たかった。
その先には海が広がっている。
遠くには私の知らない国があるのだろうか。
そんなことを考えながら歩いていた。
その途中、きれいな貝殻を見つけた。
あまり見たことのない形をした青い貝殻。
私は気に入ってそれを持ち帰ることにした。

家に帰る。そこに親はいない。
親は共働きで、帰ってくるのはいつも遅い。
だから、私が自分で夕飯を作っている。
私は、何も言わずに部屋に入る。
そこには何故か変な生き物がいた。
四足で白い、赤い髪をした変な生き物。
「待ってたよ、唯」
私は素早くドアを閉めた。

部屋の中から必死に私を呼ぶ声が聞こえる。
どうやらあの生き物は言葉をしゃべれるらしい。
その声にだんだん泣き声が混じってきた。
私は仕方なしにドアを開けた。
そこには、涙を流して私に飛びつく子供のような生き物がいた。

「じゃ、行こっか」

泣き止んだその生き物は不意にそんなことを言う。
当然私には意味がわからなかった。
でも、その生き物はお構いなしだった。
「行こう、新しい世界へ」
『新しい世界』、その単語さえ聞かなかったら私は抵抗していただろう。
部屋に置いてあったパソコンが私を吸い込みだしたのだ。
でも、私は抵抗しなかった。
私は、飛び込むようにパソコンの中へ入っていった。
海岸で拾った、きれいな貝殻と一緒に…

TO BE CONTINUED…