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ある日、ひとつの石を拾った。
特に何も考えてなかった。ただ、きれいだなと思っただけ。
今思えば、このことで僕の運命は決まっていたのかもしれない。
…綿貫 忠志

DIGITAL DESTINY

僕は、退屈していた。
平凡な毎日に退屈していた。
何も起こらず、毎日決まった時をすすむだけ。
退屈だった。
たぶん、心のそこで、何かが起こるのを待っていた。

放課後、僕はゆっくりと家へと向かう。
思えば、道草するのも日課になっていた。
少しでも、いつもと違うことを探していた。
でも、見えるのは変わらない景色。
僕は変化がほしかった。
でも、その願いは叶わなかった。
そう、これまでは…
僕はひとつの石を拾った。緑色に光る、きれいな石。
特に何も考えてなかった。ただ、きれいだなと思っただけ。

家では、母さんが待っていた。
父さんは今日も仕事で忙しいらしい。
「お帰り、忠志」
「…ただいま」
僕は一言挨拶すると、部屋にこもった。
…もし、学校がなかったら僕はひきこもりになっているに違いない。
そう考えるとおかしくなってくる。
僕は拾った石を置き、部屋においてあるパソコンの電源を付けた。

忠志…

声が聞こえる。
でも、ここには僕しかいない。
声が聞こえるなんておかしい。
きっと空耳だろう。そう思い、画面の方を向いた。

忠志…

また聞こえる。
何故?何故僕の名前を呼ぶの?
僕は不安になってきた。
でも、こんなこと母さんには話せない。
きっと、信じてもらえない。
僕は怖かった。
僕毎日に退屈していた筈だった。でも怖い。
僕は変化を待っていた筈だった。でも怖い。
僕は部屋を出た。
部屋のパソコンが光っていたことには気づかなかった。

僕は居間に居座り、夕食を食べた後も自分の部屋にもどらなかった。
でも、もうすぐ寝る時間だ。戻らなければならない。
僕は、ゆっくりと部屋のドアを開く。
…そこには、緑色のイモムシがいた。
いや、イモムシのようなものと言ったほうがいいだろう。
イモムシとは呼べないくらい大きいのだ。
「忠志、やっと来てくれたんだね」
イモムシがしゃべった。
常識的に考えればイモムシがしゃべるなんてありえない。
でも、これはイモムシじゃない。そう考えると納得がいく。
これは、僕が望んだ変化なんだ。
しゃべるイモムシ…面白いじゃないか。
「君は、何でここにいるの?」
「忠志を迎えに来たんだよ」
迎えに?何処へ?
僕の頭の中はすでに思考能力を失っていたのだろう。特に不思議に思わなかった。
でも、そのイモムシはお構いなしに僕のパソコンの前に来いといった。
僕はそのイモムシの言うとおりにした。

「行こう、DWへ」

DWって何処?
僕がそんなことを聞く暇はないまま、体が浮かんでいるような感覚を覚えた。
いや、実際に浮かんでいるのだ。
なぜなら、今僕のパソコンが僕を吸い込もうとしているから。
「わ、ちょ、ちょっと待ってよ!」
藁をも掴むようにして掴んだもの、それは例のきれいな石であった。
僕は、何もできずにパソコンの中に吸い込まれていった。

TO BE CONTINUED…