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ベルゼブモンは通路の方を見て言う。
「・・・聞いてたんだろ?」
すると通路からルーチェモンが表れる。
「ばれてしまいましたか・・・」
「当たり前だ。俺をなめてんのか・・・?」
ルーチェモンはふぅっと息をついてから言う。
「なめてませんよ・・・。
 ただ・・・」
「?」
「ついにあなたも“恋の季節”ですかね?」
ベルゼブモンが夕日より赤くなる。
「誰がだ!!」
そう言い、壁を飛び越え行ってしまった。
「・・・いってらっしゃい♪」
ルーチェモンは他の魔王の元へ戻っていった。

 第三十七話 野宿

「・・・・・・っで、どうだったんだよ、ルーチェモン」
リヴァイアモンが額にしわを寄せながら聞く。
今のリヴァイアモンの手に何か握らせたら、デコポンだろうがDSだろうが、握りつぶしてしまいそうだ。
「・・・・・・。」
ルーチェモンは答えない。
リヴァイアモンを除き、魔王達はワクワクしているように見える。
特に、女性だからだろうか、リリスモンの目にはキラキラ何かが輝いている。
よほど“恋の話”が好きらしい。
「ふぅ・・・」
ルーチェモンはため息をつく。
「なんですか、皆さんそろって。やっぱりベルゼブモンが気になってたんですね?」
「うん」だの「ああ」だの、返事が返ってくる。
ルーチェモンは腕組みしながら答える。
「あれでしたよ、青い春。」
『・・・・・・』
魔王達は一瞬、間をおく。
「うおおおぉおぉおおお!!」
「来たか!」
「・・・俺より先に・・・・・・一番年下のくせして生意気な・・・・・・」
「たしかまだ四桁になったばかりだろ?」
しかし、その部屋の隅には、壁をボロボロに崩しながら頭を打ち付ける者がいた。

「待たせたな。」
ベルゼブモンは一同の元へ着地する。
このとき太陽が西に傾き始めていた。
「なんか用でもあったのか?」
隆が聞く。
「別に」
ベルゼブモンが顔を背けていう。
「って言うかさ、どこ行くの?」
ギアモンが聞く。
これは一同に抱かれていた疑問だ。
「・・・・・・。」
ベルゼブモンが目を丸くする。
「お前等・・・それも知らずにここまで来たのか・・・?」
そう言われると、「NO」と答えられなくて、恥ずかしくなる。
「フッ・・・」
あ・・・
笑った。
ベルゼブモンが笑った!
何故かうれしくなる神楽であった。
「ここだ」
ベルゼブモンは地面を指さす。
『は?!』
「地下だ。」
「・・・てかさ、それだったら天井ぶっ飛ばす必要無くね?!」
ギアモンがつっこむ。
「確かに・・・」
翼が共感する。
「いや・・・そうでもしなけりゃ、彼奴等(七大魔王)のいる部屋まで行かなきゃならないし、壁を崩すと天井が落ちて来るかもしれんからな・・・・・・。」
「ちゃんと考えてたんですね。」
美香が感心して頷く。
「いや・・・でもさ」
ギアモンは文句をつけたくて仕方が無いらしい。
「部屋の床を・・・」
「己はわざわざお前等の被害を最小限に抑えてやったんだ!文句有るか?!」
ギアモンがシュンッと小さくなる。
「すいません」
「とにかく、今己達の真下にドルモンのいる所につながる階段が有る。その奥に壁が有るのだが、デジヴァイスが無いと開かないのだ。特殊なシールドが張ってあって、己達七大魔王は入ることも、攻撃する事も出来なかった。」
「じゃあ今すぐ・・・」
そんなギアモンに翼が言う。
「僕は明日の早朝が良いと思う。今行ったって、中で睡眠も食事も摂れるか分からない。だったらここはしっかり準備しておいた方が・・・」
「・・・・・・」
ギアモンは納得いかないような顔をした。
「分かってる・・・・・・分かってるけど・・・」
ギアモンの気持ちも分からんでもない。
自分の追い求めていたモノ、それが目と鼻の先に有るのに・・・
そして言った。
「そうだな、明日にしよう。」
ギアモンは下を向きながら言った。

一同は野営する場所を探す。
アダーモンが言う。
「・・・・・・部屋に戻」
「己はゴメンだ。行くならお前等だけで行け。」
ベルゼブモン即答。
よっぽど魔王達に会いたくないんだな・・・。
神楽は感じる。
するとアンナモンが駆け出す。
「アンナモン?」
美香が呼びかける。
「良さそうな場所があるわ。」
アンナモンはそう言い、木の一角を曲がる。
するとそこには、木々に囲まれた十畳ほどの場所があった。それ以上奥はジャングルのように緑が生い茂っている。
「じゃあここにしよう。」
翼はそう言って、真ん中のあたりに靴でくぼみを作った。たき火の用意をするためだ。
「俺は薪を集めてくる。」
隆が言うと、アダーモンもついて行き、森の中に消えた。
「私達は食料を取りに行きましょうか。」
「そうね。」
美香とアンナモンも木の間を縫って進む。
翼が浅く穴を掘り終えた後に言う。
「僕もタマモンと一緒に薪やら食料やら調達してくるよ。見張りよろしくね。」
「よろしくね。」
タマモンが隆のポケットからちらっと顔を出して言った。
「「「・・・・・・・・・・・・。」」」
残されたのは、神楽、ギアモン、それからベルゼブモン。
次々と仲間が出て行き、完全に取り残されたと言うか、乗り遅れたと言うか・・・・・・。
ベルゼブモンはそこらの木に寄り、腕組みをする。
腕を組むのが癖なのだろうか。いつも気づけば腕組みをしている。
そんなとき、隆が戻ってきた。
「良いモン拾ってきたぜ。」
そう言うと、こちらに丸太を転がした。結構長い。
「それにでも座って待ってたら?」
「あ。ありがと」
すると、またすぐ森に消えてしまった。
神楽はデッドリーブレードを取り出し、丸太が安定するように、一部を平面に削り始めた。
ギアモンが鼻を動かす。
「・・・神楽・・・なんか臭いんだけど・・・」
「!!」
神楽も気づく。
原因は丸太。デットリーブレードで削ったため、腐ってしまった。
「ぎゃあ!」
神楽は悲鳴をあげ、エアシグナルソードに慌てて切り替えた。

丸太と格闘する事10分

「出来た!」
神楽は削った所を下に向け、椅子にする。それに続いてギアモンも神楽の隣に座る。
「「・・・・・・。」」
ベルゼブモンはいっこうに動かない。
「・・・ベルゼブモン、座れば?椅子出来たぜ」
ギアモンが声をかける。
「己はいい」
きっぱり断る。
そんなベルゼブモンに神楽が意を決して声をかける。
「私って・・・誰に似てるの?」
ベルゼブモンは黙り込む。
ギアモンはフゥっとため息を出す。
「神楽、お前って本当に“にぶちん”だよな。」
ギアモンは指をチッチッチッ、と左右に揺らし、横目で神楽を見る。
「にぶちん??」
「お前さぁ、アポロモンにも間違えられただろ?鏡花に」
ギアモンはそう言ったあと、ベルゼブモンをちらっと見る。
おっと危ない、口元がにやけてしまうぜ。
「私ってそんなに曾おばあちゃんに似てるのかなぁ。」
「まぁ少なくとも、鏡花はお前みたいなガキンチョじゃ無かったぜ。もう大人だったからなぁ。」
「うん、お母さんが産まれてすぐ行方不明になったらしいから。」
「彼奴は・・・・・・」
ベルゼブモンは急に口を開く。
2人は黙る。
「彼奴は初めて己を負かした奴だ。」
ポカァ~ン
2人は言葉が出ない。
鏡花はベルゼブモンと戦った。これとイコールで結べるモノがある。
=パートナーで有ったギアモンもベルゼブモンと戦った事になるのだ。
「・・・え・・・待て待て。って事はベルゼブモン、お前は俺と戦った事になんのか?!」
「何故そこにつながる?」
「だって鏡花のパートナーは“俺”だったんだぜ?」
ガン!
神楽はベルゼブモンの上で稲妻が光った気がした。
この事実を認めたくないようだ。
「己はが戦ったのは2本の剣を持った竜戦士だったぞ・・・?」
ギアモンは自慢げに答える。
「それは俺の究極体のナイトフォースギアモンだぜ!!」
ベルゼブモンの組まれていた腕がだらんと落ちる。
「己は・・・己はお前に負けたのか・・・!」
大打撃。
「多分俺はベルゼブモンと戦った時の記憶がまだ戻ってないんだな。」
そしてベルゼブモンが言う。
「・・・彼奴は今どこにいるんだ?」
「「・・・・・・」」
「?」
暗くなった2人の空気にベルゼブモンはついて行けない。
「・・・スカイマウンテンにいるよ・・・。」
神楽が言った。
「そうか。あそこは景色が・・・」
「死んだんだよ!!!」
ギアモンはベルゼブモンの言葉を遮り叫んだ。
「お前も戦った仲だから言っておく・・・!鏡花は死んだんだよ、この俺の手の中で!!」
そう言い、ギアモンはがむしゃらに駆けだした。
「ギアモン!」