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孝治とグリムモンはスーツェーモンに報告した。
「そうか…グリムモンは何者かに操られていたのかもしれんな…。そして、御前たちも敵をデリートせず、正気に戻す方法を手に入れたか…」
「スーツェーモン、話してくれるんだろう?」
「…必要か?」
「あぁ…これからの役に立つと思うから…」
「…そうか…」

                 Evolve15『闇に堕ちた者
                          スーツェーモンの過去』

「あれは…9年前くらい前のことだった…。とある森に2体の互いに愛し合っていたデジモンがいた…。その彼等を落としたデジモンの名は…」
スーツェーモンは息を呑んだ。
孝治とグリムモンも息を呑んだ。
「スーツェーモン…」
孝治とグリムモンはショックを受けた。
スーツェーモンは再び話を続ける。

その名はアグモンとテイルモン。
2体の力は桁外れのように強かった。
しかし、決して弱いものを蹴落とすような真似はしなかった…。
「うんしょ!うんしょ!」
1体の幼年期デジモンがとても高い木についている木の実を取ろうとしていた。
丁度、アグモンとテイルモンが通り縋った。
「どうしたの?」
テイルモンがその幼年期デジモンに聞いた。
「あの木の実を取りたいの!」
幼年期デジモンは頑張って酸の泡を吐いてその木の実を落とそうとする。
しかし、全く違うところに当たって割れる。
「もっと落ち着いて狙えば、きっと当たるよ」
アグモンがアドバイスした。
「本当?」
「本当さ」
アグモンはニコッと笑って返した。
幼年期のデジモンはまず、落ち着いた。
2体はその様子を伺っている。
そして、その幼年期デジモンが泡を吐いた。
その泡は見事に木の実の根元の部分に当たって、木の実は落ちてきた。
「わーい!!有難う!」
その彼らもニッコリと笑った。
その笑顔はまるで自分もやりたいことをやり遂げたような、そんな嬉しさがこっちまで伝わってきた。
そんな優しい彼等に、ある日悪夢が襲い掛かった。

当時、現在のようにユニオンは東西南北の別々ではなかった。
テイマーたちに緊急クエストを渡された。
そのクエストは「危険なほどの力を持つ2体のデジモンを除去せよ」との事だった。
そう…それはあの優しい彼等のことである。

アグモンとテイルモンは散歩していた。
しかし、突然気配を感じた。
そして、叢からいきなりデジモンたちが襲い掛かってきたのだ。
『ゴブリンストライク!!』
『DJシューター!!』
『メテオスコール!!』
『アイスファントム!!』
4体のデジモンの攻撃が彼等に襲い掛かった。
しかし、彼等はすぐにその攻撃を避けた。
「何なのよ、アンタ達!」
テイルモンが言った。
その4体のテイマーらしき人間が現れた。
「ユニオンのテイマー!?どういうことだ!」
『紅焔!!』
地面から灼熱の炎の渦がアグモンとテイルモンを包み、襲った。
『ウアァァァァァァァァァァァッ!!』
彼等は倒れるが、すぐにまた立ち上がった。
「ほぅ…太陽のプロミネンスにも匹敵するというこの技を食らっても倒れないとはな…やっぱり危険な存在だなぁ…」
赤き鳥の姿をしたデジモンのテイマーが言った。
「でも、すぐに楽にしてやる…」
「テイルモン…逃げるよ…」
「ウン…」
彼等はその場から去った。
「逃がすな!!」
他のテイマーとデジモンもその後を追う。

そうして、彼等は多数のデジモンの攻撃を受けながらも、何とか生き延びることが出来た。
「大丈夫?」
「え、えぇ…」
そして、雨が降ってきた。
彼等は木の下で雨宿りをした。
しかし、そうしてる余裕も無かった。
「追われてるのにこんなところで雨宿りとは随分余裕があるなぁ…」
赤い鳥を連れたテイマーが彼等に言った。
「どうして…どうして私達が追われなきゃいけないの!?」
テイルモンがそのテイマーに言った。
「クックック…」
そのテイマーは薄気味悪い笑い声を上げた。
しかし、そのテイマーは答えない。
『紅焔!!』
「テイルモン!離れろ!!」
アグモンはそう言いながら、テイルモンを押して、その攻撃から守った。
そして、アグモンは2体分の紅焔を受けた。
「ウアァァァァァァァッ!!」
「アグモン!!」
「フハハハハハハハハハ!!いい気味だ!」
アグモンはその場に倒れこんだ。
「アグモン、大丈夫!?」
「冥土の土産に教えてやるよ…。この情報を流したのはこの俺だ」
『何!?』
赤い鳥のデジモンも彼等もびっくりして、同じ台詞で返した。
「”御前達が危険”だと…」
「どうして…そんな…」
「俺が弱いデジモンを苛めてると、てめぇらが割り込んでそれを止める。俺は、そんなてめぇらが気に入らなかったんだよ!てめぇらみてぇなヒーロー気取ってる奴が気に入らねぇんだよ!!」
「御前…そんなことのために…!!」
赤い鳥のデジモンが言った。
「てめぇは俺の言うことだけを聞いてれば良いんだ!!」
『蒼雷!!』
『金剛!!』
『霧幻!!』
3つの攻撃が、アグモンとテイルモンを襲った。
『ウワァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』
「ほら、お仲間が来たぜ!」
「き、貴様!!」
そして、3体のデジモンが現れた。
「クッ!!」
赤い鳥のデジモンはその3体のところへ飛んでいった。
すると、その3体を連れてきた。
「なるほど…そういうことであったか…」
青い竜のデジモンが言った。
「どおりで可笑しいと思った…」
白い虎のデジモンが言った。
「全ては貴様の仕業であったか…」
「な、何だよ…」
「行け!ここは我々に任せよ!!」
赤い鳥のデジモンはアグモンとテイルモンに言った。
アグモンはテイルモンの腕を自分の首の後ろに通して、起き上がらせ、ゆっくりとその場を去った。

そうして、彼等はなんとかその場を凌ぐ事が出来た。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫よ…このくらい…」
しかし、進んでいると、地面が割れているところに来てしまった。
「ダ、ダークエリア…」
地面と地面の間にはダークエリアの闇エネルギーが溢れている。
当時、まだ不完全であったデジタルワールドは、所々地面が割れ、ダークエリアの闇エネルギーが溢れているのだった。
「見つけたぞ!!」
そして、遂に追い詰められた。

赤い鳥は他の3体に自分のテイマーを任せ、アグモンとテイルモンを探していた。
「一体何処に…ん!?」
赤い鳥は追い込まれている彼等を見つけた。
「あれは…ダークエリア…まずい!!」
赤い鳥は全力で彼等のところへ急いだ。
しかし…。
『アイスファントム!!』
青い炎が彼等の足元を攻撃した。
そして、彼等は爆風で飛ばされた。
「ウワァァァァァァァァ!!」
「キャァァァァァァァァ!!」
彼等はダークエリアの闇エネルギーの中に入っていってしまった。
赤い鳥がスピードを上げて彼等を救い出そうとするが、ダークエリアの強い力で行くことが出来なかった。
「クッ!!」
赤い鳥は無理に入ろうとすると、吐き出されるかのように飛ばされる。
「くっそぉぉ!!!」
赤い鳥は悔しさでいっぱいだった。

「………」
孝治もグリムモンも思わず黙ってしまった。
「その後、私のテイマーは私の告げ口により、イグドラシルの裁きを受け、排除された。それからだ、我等四聖獣がユニオンを持つようになったのは…」
「それで、その2体はどうなったんだ?」
「………」
スーツェーモンは深刻な顔をした。
「彼等は…確かに現在生きている」
「生きてるのならそれで…」
「ところが…」
スーツェーモンが孝治の話を中断させた。
「あの頃の彼等の面影は何一つ残ってない。まるで別人のようだ…」
「ど、どんな風に…変わってしまったんだ…?」
「…彼等の心に優しさは全く無い。多くのデジモンを大量に殺戮している…」
「………」
「無力というのは…私のような奴を言うのではないか…?」
「無力…」
「助けられるのに、助けることが出来なかった。本当の無力とは出来るものを出来ないものだと私は思う…」
「…野暮な話を…聞いちゃったな…」
「いや、何れ話さなければならなかったからな。今日はもう帰るがいい」
孝治は渋々と帰っていった。
「…そう…彼等があぁなってしまったのも、私の原因…」
スーツェーモンはあれから彼等に出会った時の事を思い出した。

「御前達は…あのときの!!」
赤い鳥は大量にデジモンをデリートしている2体のデジモンに言った。
「私達がダークエリアに送られて以来ね…」
「何故…こんなことを…!!あんなに優しかった御前達が何故!!」
「僕達は分かったんだよ。自分が無力だって…。だから、こうして僕達は有力者になったんだ」
「邪魔をすると言うのなら、容赦しないわよ」
アグモンの左手とテイルモンの右手にはそれぞれ包帯がグルグル巻きになっている。
彼等はその包帯を取った。
すると、大きな力が赤い鳥を襲い、致命傷にまで至らしめた。