あれは14の時だった
セコンドで父
バトゥロの応援をしている最中
血気に逸る挑戦者は、散々父を罵倒した挙句に、
不意に赤コーナー、セコンドの私に近付いて、こう言った
「ヘーイ!ビチビチィビィーッチ!」
「今からテメェの親父をキャンバスに沈めて、俺がチャンプでイットーショーだ!!」
「テメェにゃあ特別、祝賀会のストリッパーやらせてやんよ、
メーンイヴェントだぜ!ウヒィィイイヨォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
捲し立てるように罵声を浴びせかけ
「ギィヤァーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ………Peッ!!」
散々嘲らった挙句に、顔面にツバを吐きつけて来たのだ
私は、ショックでただただ固まった。
カァアア~~~ン!
気が付くとゴングが鳴っていた
それは…凄惨な試合となった
ゴングが鳴るや否や、肉がグラブで打ち抜かれる音が木霊し続ける…
それは今まで聞いた事も無いような強い打撃音であった
それは今まで聞いた事も無いような強い打撃音であった
それは今まで聞いた事も無いような強い打撃音であった
そして……カンカンカンカァ~~~~~ン
10秒もしない内に試合は決着した
挑戦者は『肋骨』が、8本『粉砕骨折』をし、呼吸すら困難状態であると言う
そしてこの試合を理由に父はリングを降りた
『私はボクサーとして相応しくない』との事だった
いいや。…違う。
原因は明白じゃあないか。
私が…
私があの時、傷ついた顔をしてしまったから……
…『強く生きよう』。
この時、私はその言葉の意味を理解した気がする
それはこの世の残酷に立ち向かう為に必要な事だからだ。
そして…!『大切な何か』を失わないその為にであるからだ!!!