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漆黒の空に数機の機影がサーチライトで照らし出される。一機は青と白のカラーリングが施されたネオタートルシップ。さらにその脇を固めるように銀色の新型ゾイド、RZ-029ストームソーダーが2機着陸体勢に入っている。俺は、そんな光景を基地の通路の窓から見ていた。

「遂に来ましたね。アーク隊長。」

俺の隣に立つ、ヘンリー・ライトリー少尉が言った。しかし、彼が興味を持っているのはネオタートルシップでここに来た人物ではなく、おそらく新型ゾイドのほうだろう。
「そうだな」と言いつつ、俺はまた通路を歩きだす。後ろではまだ、ヘンリーが窓の外を眺めていた。


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爆音と共に、夜の来訪者は着陸を済ませた。私、エリー・ベッケロイドはたった今着陸したばかりの新型ゾイド(たしかストームソーダー)を見上げた。

「こんな時間にフライトプランなんてあったー?」

耳を塞ぎたいのを我慢し風ではためくスカートを押さえながら、少し離れた場所で作業していた、同僚のケベック・カミンスキー軍曹に怒鳴った。

「はい。さっき隊長が、臨時でヘンダーソン大佐が来ると言ってました!」

彼もまた、新型機のエンジン音にかき消されないように怒鳴った。
は?なにそれ?私知らないけど…?
などと考えている間にネオタートルシップのタラップが降り、数人の人影が降りてきた。グレイ・A・ヘンダーソン大佐…私たち特殊工作師団第107連隊の連隊長で、アーク曰く「本部で一番信用できる人物」だそうだ。
何度か顔を見たことはあるけど、作戦行動を共にするのは初めてだ。

私はケベックの視線を無視して格納庫に戻った。


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タラップを降りた私に一番に歩み寄ったのは、護衛機部隊の隊長リリー・サムウェルズ空軍大尉だ。

「ご苦労さまです」

彼女は疲れも見せず敬礼した。私は「君こそ長距離護衛任務ご苦労だった。どうだね?ストームソーダーは?」と聞いた。
RZ‐029ストームソーダーは、我が軍初のオーガノイドシステム搭載機のうちの1機で、従来機とは比べものにならない性能を有すると聞いている。

「加速性能が段違いです。少々旋回機能の俊敏さに難がありますが…。現状では、これが限界でしょう。」

なかなか要点を押さえた答えだ。その直後、急に彼女がストームソーダーのほうを向き、ため息をついた。あまり感情を顔に出さない彼女にしてはめずらしい。
しかし、理由はすぐにわかった。ウィレーク・サドアンカ陸軍少佐が走って来たのだ。

「お久しぶりです大佐。…それと、大尉」

ウィレークはちらりとリリーのほうを見た。私の記憶では、二人は昔恋仲だったようだが、この戦争が始まった頃、戦争に対する意見の違いから、今の状況になってしまったらしい。

「あぁ。最前線は久しぶりなんでな。サポート頼むぞ。」

私はジョークを言いつつ、基地の入り口へと向かう。リリーとウィレークも私につづく。

ちょうど入り口を入ったところで、ウィレークが少し小走りで私の横に出て、「大佐の部屋はこちらになります。」と言った。

「それより、アーク隊長を呼んでくれ。彼の部隊が遭遇したと言う、敵新型ゾイドの話を直接聞きたい。」

とウィレークの顔を見ながら言った。彼はなるほど、と言う顔で「わかりました。」と言い通路を走っていった。