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8

「なんだと?それでおまえは貸したってのか?」

アークは怪訝そうな顔をした。当然だ、敵地に1人残る事は正気の沙汰ではない。でも私はヘンリーならばちゃんとタイガーを倒して帰ってくるという奇妙な確信があった。

「そう。タイガーなんてヘンリーなら余裕でしょ。」

わざとさっぱりした声を出す。さっきヘンリーにしたように。

「帝国軍の攻撃は今のところ止んでいるが、きっと部隊を再編して討伐しに来るはずだ。それに備えなきゃならない時だってのに…。」

ため息をついたアークに、整備兵が書類を持ってきた。この整備場ではもはやアークとワンツがリーダー的存在だった(私が見るに)。とはいえ、現存するゾイドはアークのライガーとゴルドス2機、ゴドス4機という粗末なものだった。

「じゃあね」

と私はいいその場を後にしようとするが、それをアークが止めた。どうせ、「話がまだ終ってない」とかいうに決まってる…。

「まだ話の途中だぞ、エリー。」

「なによ、トイレも行かせない気?」

私はそう言い、アークが何か言う前にその場を走って逃げた。


= = = = =



しばらくして帝国軍の動きが無くなった。一度部隊の再編でも行なう気なのだろうか?考えていた俺の前に奴は現れた。撤退せず、ここに残ったのだ。

「落ち着けよ、ヘンリー。おまえなら殺れる。」

おれは自分に言い聞かせた。タイガーは徐々に間合いを詰めてきた。俺はそれに合わせて後退しようかと考えたが、思い直し50mmビーム砲を連射し、果敢に向かって行った。タイガーは少しも動じず、ミサイルを発射し斜め後ろに退いた。ウルフが吠える。後ろ足の装甲が吹き飛びその反動でウルフがよろける。しかし、おれは体制を立て直そうとはせずにそのまま機体を地に伏せた。と同時にスモークを放つ。

「どうだ!!」

その角度からタイガーに攻撃をかける。手応えは微妙だったが音は無かった。周囲を見回すが奴の機影は無い。センサーを使用しようと思った瞬間、ウルフの背中に乗っていた砲座がタイガーのアタッククローでねじ切られた。
この体勢でなければコアを直接破壊されてもおかしくは無かった。

「危ねッ…」

攻撃後すぐにタイガーは走り去る。俗に言う一撃離脱戦法と言う奴らしい。スモークが晴れたそこには先ほどの俺の攻撃で破壊されたと思われる連装砲の残骸が落ちているだけだった。