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5

目の前のゴドスが爆音と共に鉄塊に変った。金属片が手に飛び、傷口から血が出る。

「何が?」

私はあたりを見回す。さっきまで私と話をしていた整備兵が遠くで転がっていた。パニックになるのを何とか堪え、私は愛機の元に走る。途中、会議用のテントの残骸を見つけて私の足は止まってしまう。アークは、ヘンリーは無事だろうか?しかし、その場に転がっている兵士の亡骸を一人一人確認する勇気など、私は持っていない。
限界だった。私は立っていられずその場に座り込んだ。

「エリー!なにやってる!」

ヘンリーの声だ…!私がとっさに振り返ると彼は森の中から走ってきたところだった。「アーク隊長に頼まれた。行くぞ、反撃だ。」彼の目には闘志がみなぎっていた。「アーク、アークはどこ?」私は心配そうな声を隠さずに彼に言った。

「大丈夫、隊長は一足先にライガーで出撃した。」

彼はそう言うと私に手をさしのべた。私はその手を取り立ち上がる。さっきまで不安でつぶれそうだった心臓も、今はなんとかちゃんとしてる。
彼の後ろをついて走る。森を抜けたところにゾイドが数機待機していた。私たちのコマンドウルフとゴルドス、ステルスバイパーだ。このキャンプではゾイドをいくつかの場所に待機させていた。今回の攻撃でその大多数が破壊されたとヘンリーは言っていたが、どうやらここはまだ発見されていないらしい。彼は迷うことなくステルスバイパーに乗り込む。私は相当不信な顔をしていたのだろう、彼はキャノピーを閉める前に「ウルフは整備が途中だったんだ。それに、俺はガキのころからこいつの扱いには慣れてる。」と言った。何の事だかわからなかったが、今はそれどころではない。私はウルフのコクピットに乗り込み機体を起動させる。私とヘンリーの機体が動いたのを確認したゴルドス2機は砲撃を開始した。もうここには守るべき兵力は無いから今度はこっちから。というわけだ。

「敵はやっぱり昨日発見した帝国の部隊?」

私にはそれしか検討がつかなかった。ヘンリーは「そうだ。コングが長距離ミサイルを撃ってきてる。」
ヘンリーは機体をスムーズに動かし進む。さっき言ってた扱いがどうこうというのは、どうやら本当らしい。

「止まれ、そこに何かいる。」

ヘンリーが唐突に言った。私は足を止めセンサーを広範囲に設定する。数m先の開けた場所に敵の姿は無い。しかし、レーダーには微量ながら信号が検出されていた。「ステルス…?」私の知識の限りでは、ここまでのステルス性能を持つゾイドは両軍に存在しないはずだった。しかし、ヘンリーは「そうだな…ヘルキャットだ。」と何の驚きも無いというように口にした。

「ヘルキャット?そんなはずないわ。あれの光学迷彩は視覚まではごまかせないもの。何か新型よ」

「俺たちが教官に叩き込まれた知識は、所詮40年以上前のものってことだ。」

そう言うとヘンリーはバイパーの首を立てた。その動作と同時に発射されたヘビーマシンガンがレーダー上で敵をとらえる。コアを破壊された敵は迷彩を消失させその場に倒れこむ。それはまさに黒と赤に塗装された4足メカ、ヘルキャットだった。

「お見事。」

なんだか馬鹿にされた気分で前進する。