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敵護衛は、大型2機と小型4機という構成だった。 グスタフ2機を囲むように先頭にグレートセイバー、両サイドにヘルキャットが2機づつ。もしかしたらまだ光学迷彩で隠れてる奴がいるかもしれないが。そして殿に強化型と思われるレッドホーンという配置だ。 「隊長、どうします?」 ヘンリーはウルフを射撃体勢にしたままで聞いた。 「戦力の差はギリギリ想定内だ。実行する。いつもどおり先手を打って数の差を減らす。」 俺は索敵モードに入っているエリー機のほうをチラッと見た。本来ならば、索敵を継続して続けてもらうつもりだったが、この状況では仕方がない。 「エリー、攻撃の支援、頼めるか?」 俺は仕方なく彼女に言った。 「大丈夫。で?どっちからいくの?」 エリーはモニターを見ながら言った。いつもとは違って、いやにまじめな表情。何かあったのだろうか?…しかし、そんなことなど考えている暇はない。すぐにでも行動を起こさなければならない。 普通ならば、補給部隊の核となるグスタフのみを狙い、撃破後は、即座に撤退したほうがいいのかもしれない。しかし、今回は勝手が違う。敵は守りながらの戦闘であるから機動性を生かせないだけであって。先にグスタフを叩けば、即座に全員でこちらに襲い掛かるだろう。しかし、敵の護衛との戦闘に時間をかければ、グスタフが安全圏に逃げてしまうというリスクもある。しかし、この作戦に全員の命を懸けるわけにはいかない…。俺は決断した。 「先に護衛をやる。ヘンリーはセイバー、エリーとケベックはヘルキャットと狙撃。俺はケツからレッドホーンをやる。」 「「「了解」」」 *==== スコープ内の奴は周囲を警戒しながら、戦闘を進行していた。さっき、アーク隊長はアレのことを「セイバー」と呼んだ。しかし、アレの装甲の色は微妙ながら、通常のセイバータイガーとは違って見えた。そう…まるで、旧ゼネバス帝国がガイロス帝国より譲渡され使用していた、サーベルタイガーのようだ。 「行くぞ、ウルフ。」 俺は、トリガーに指をかけ、アーク隊長の合図を待った。スコープは敵を捕らえていたが、いかんせんこの距離と、この装備の命中精度からみて、撃破は期待できない。ダメージを与えられればいい。 「攻撃開始。」 アーク隊長が静かに、力強く言った。それと同時に俺はトリガーを引いた。放たれた砲火は目標の背面装備、アサルトユニットのレーダー部を焦がした。エリーたちの攻撃をかわしたヘルキャットが視界の端で光学迷彩を起動させたのが見える。グスタフはそのまま前進し、それを守るようにレッドホーンをサーベルが移動する。実に的確な行動をとる連中だ。 俺は隊長のライガーに続き崖を降りる。ブレードライガーは崖の3分の2ほどを降りたところで、地面を蹴りロケットブースターを起動させ、レッドホーンに突撃していく。レッドホーンは回避運動をとるが、間に合うはずもなく、左両足を切り裂かれる。さらにレーザークローを振り上げたブレードライガーに、サーベルが発射した大型のミサイルが迫る。ライガーはシールドを展開し飛びのく。ミサイルはシールドの端に命中し、爆発。シールドは効果を失い消えてしまう。 「ヘンリー!今だ!!」 崖を降りた俺の機体は、ブレードライガーを追い越し、レッドホーンへと接近する。サーベルが俺の愛機に狙いを定める前に、俺の愛機のストライククローはレッドホーンのコクピットの装甲版を押しつぶしていた。 *==== 「カーラント!」 俺はサーベルをホーンの残骸を盾にするように回り込ませた。敵の新型ライガーは、外見こそシールドライガーに酷似していたが、中身はとんでもない高性能だった。特に腹部に装備されたレーザーブレードは接近戦では手をつけられまい。…これもあの「G」と同じくオーガノイドシステムとかいう技術を導入しているのか?そうでなければ説明がつかないほどの技術革新だ。 「…しかし、それは接近戦でのこと。わざわざ敵の間合いに入ってやることもないさ。」 俺は一人言って、ミサイルの残弾を確認する。4発、十分だ。 「ガルム中尉!」 ニックのヘルキャットが姿を現す。どうやら他の連中は崖の上のやつにやられてしまったらしい。 「よし、撤退しろ。死に急ぐことはない。俺は奴のブースターを潰してから合流する。」 「…了解。中尉もどうかしに急がないでください。」 そういってニックの機影はまた消えた。おそらく、あと1、2分もすればグスタフは安全圏に到達できるはずだ。さすがにこの兵力でこれ以上の追撃はありえない。となれば、あとはあの新型ライガーの高性能ロケットブースターさえ潰してしまえば、もはやグスタフに追いつく手段もなくなろう。 シールドを失ったライガーはおそらくウルフの援護を受けながら、攻撃をするだろう。俺はミサイルを発射した。当てるつもりなど最初からない。地面に着弾したそれは土煙を巻き上げる。それに乗じてブレードとの距離をつめる。ウルフは仲間への誤射を恐れ、安全な射撃角度を探すまでの間、攻撃をやめる。その隙にブレードにさらに迫る。ブレードは動じることなくブースターを起動させ、ブレードを展開、突進してくる。俺は迷うことなく機体を前へ向かわせる。 「かかった!」 俺はブレードが機体の前足に到達するかしないかの瞬間に、ミサイルを2発発射した。展開中だったブースターは、激しい炎を出し爆発する。ライガーは衝撃で右にそれた。しかし、かすっただけでサーベルの前足の駆動系は切り裂かれていた。 「なんという威力…!」 俺の機体は前のめりに体制を崩した。そして、走り去るライガーの後ろに、俺を狙うコマンドウルフを見つける。奴の砲撃は俺の機体の下腹部、コアをきれいに打ち抜いた。 [[NEXT>EP2.6]] ----
敵護衛は、大型2機と小型4機という構成だった。 グスタフ2機を囲むように先頭にグレートセイバー、両サイドにヘルキャットが2機づつ。もしかしたら、まだ光学迷彩で隠れてる奴がいるかもしれないが…。そして殿に強化型と思われるレッドホーンという配置だ。 「隊長、どうします?」 ヘンリーはウルフを射撃体勢にしたままで聞いた。 「戦力の差はギリギリ想定内だ。実行する。いつもどおり先手を打って数の差を減らす。」 俺は索敵モードに入っているエリー機のほうをチラッと見た。本来ならば、索敵を継続して続けてもらうつもりだったが、この状況では仕方がない。 「エリー、攻撃の支援、頼めるか?」 俺は仕方なく彼女に言った。 「大丈夫。で?どっちからいくの?」 エリーはモニターを見ながら言った。いつもとは違って、いやにまじめな表情。何かあったのだろうか?…しかし、そんなことなど考えている余裕はない。すぐにでも行動を起こさなければならない。 普通ならば、補給部隊の核となるグスタフのみを狙い、撃破後は、即座に撤退したほうがいいのかもしれない。しかし、今回は勝手が違う。敵は守りながらの戦闘であるから機動性を生かせないだけであって。先にグスタフを叩けば、即座に全員でこちらに襲い掛かるだろう。かといって、敵の護衛との戦闘に時間をかければ、グスタフが安全圏に逃げてしまうというリスクもある。この作戦に全員の命を懸けるわけにはいかない…。俺は決断した。 「先に護衛をやる。ヘンリーはセイバー、エリーとケベックはヘルキャットを狙撃。俺はケツからレッドホーンをやる。」 「「「了解。」」」 *==== スコープ内の奴は周囲を警戒しながら、戦闘を進行していた。さっき、アーク隊長はアレのことを「セイバー」と呼んだ。しかし、アレの装甲の色は微妙ながら、通常のセイバータイガーとは違って見えた。そう…まるで、旧ゼネバス帝国がガイロス帝国より譲渡され使用していた、サーベルタイガーのようだ。 「行くぞ、ウルフ。」 俺は、トリガーに指をかけ、アーク隊長の合図を待った。スコープは敵を捕らえていたが、いかんせんこの距離と、この装備の命中精度からみて、撃破は期待できない。ダメージを与えられればいい。 「攻撃開始。」 アーク隊長が静かに、力強く言った。それと同時に俺はトリガーを引いた。放たれた砲火は目標の背面装備、アサルトユニットのレーダー部を焦がした。エリーたちの攻撃をかわしたヘルキャットが視界の端で光学迷彩を起動させたのが見える。グスタフはそのまま前進し、それを守るようにレッドホーンとサーベルが移動する。実に的確な行動をとる連中だ。 俺は隊長のライガーに続き崖を降りる。ブレードライガーは崖の3分の2ほどを降りたところで、地面を蹴りロケットブースターを起動させ、レッドホーンに突撃していく。レッドホーンは回避運動をとるが、間に合うはずもなく、左両足を切り裂かれる。さらにストライククローを振り上げたブレードライガーに、サーベルが発射した大型のミサイルが迫る。ライガーはシールドを展開し飛び退く。ミサイルはシールドの端に命中し、爆発。シールドは効果を失い消えてしまう。 「ヘンリー!今だ!!」 崖を降りた俺の機体は、ブレードライガーを追い越し、レッドホーンへと接近する。サーベルが俺に狙いを定める前に、俺の愛機のストライククローは、レッドホーンのコクピットの装甲版を押しつぶしていた。 *==== 「カーラント!」 俺はサーベルをホーンの残骸を盾にするように回り込ませた。敵の新型ライガーは、外見こそシールドライガーに酷似していたが、中身はとんでもない高性能だった。特に腹部に装備されたブレード装備は、接近戦では手をつけられまい。…これもあの「G」と同じくオーガノイドシステムとかいう技術を導入しているのか?そうでなければ説明がつかないほどの技術革新だ。俺は一人言って、ミサイルの残弾を確認する。4発、十分だ。 「ガルム中尉!」 ニックのヘルキャットが姿を現す。どうやら他の連中は、崖の上のやつにやられてしまったらしい。 「よし、撤退しろ。死に急ぐことはない。俺は奴のブースターを潰してから合流する。」 「…了解。中尉もどうかしに急がないでください。」 そういってニックの機影はまた消えた。おそらく、あと1、2分もすればグスタフは安全圏に到達できるはずだ。さすがにこの兵力でこれ以上の追撃はありえない。となれば、あとはあの新型ライガーの高性能ロケットブースターさえ潰してしまえば、もはやグスタフに追いつく手段もなくなろう。 シールドを失ったライガーはおそらくウルフの援護を受けながら、攻撃をするだろう。俺はミサイルを発射した。当てるつもりなど最初からない。地面に着弾したそれは土煙を巻き上げる。それに乗じてブレードとの距離をつめる。ウルフは仲間への誤射を恐れ、安全な射撃角度を探すまでの間、攻撃をやめる。その隙にブレードにさらに迫る。ブレードは動じることなくブースターを起動させ、ブレードを展開、突進してくる。俺は迷うことなく機体を前へ向かわせる。 「かかった!」 俺はブレードが機体の前足に到達するかしないかの瞬間に、ミサイルを2発発射した。展開中だったブースターは、激しい炎を出し爆発する。ライガーは衝撃で右にそれた。しかし、かすっただけでサーベルの前足の駆動系は切り裂かれていた。 「なんという威力…!」 俺の機体は前のめりに体制を崩した。そして、走り去るライガーの後ろに、俺を狙うコマンドウルフを見つける。奴の砲撃は俺の機体の下腹部、コアをきれいに打ち抜いた。 [[NEXT>EP2.6]] ----

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