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俺は真新しいグリップを握り締めていた。 RZ-028 ブレードライガー。シールドライガーの後継機種であり、断片的ではあるが解析された古代のテクノロジー、「オーガノイドシステム」を搭載していた。敵との交戦で大破した俺のシールドライガーから、コアと数フレームを流用しているが、まったく別の固体といえるものになっていた。 「もうすぐ目標ポイントよ。」 エリーの声がスピーカーから響く。現在、俺の小隊は、帝国軍の補給路攻撃の任務を受け、森林地帯を進行中だった。俺のライガーを挟むような陣形で、先頭にエリーのH1型ウルフ、左右にヘンリーとケベックのA2型ウルフが進行していた。数日前の補給でブレードと共に、やっとケベックにも機体が届いた。 予定では、目標はグスタフ2機、それに護衛のヘルキャットが数機という情報だ。しかし、予定はあくまで予定、これまで共和国軍が複数回補給路を攻撃しているのは明らかだったので、護衛を増やす可能性は十分あった。 「それで新型のテストも兼ねて、か。」 俺はため息をついた。俺は別に、このブレードライガーが嫌いではない。各所の性能向上はめざましかった。しかし、名前の由来にもなっている、「レーザーブレード」という装備での戦闘というものが、どうしても納得いかない。いつでも敵との距離をつめられるとは限らない。それを補うためのブースターや、強化されたAZショックカノンがあるが、やはり、シールドライガーの後継機種といういはいささか用途がかけ離れたゾイドになってしまったように想う。 目標ポイントに近づく。そこは拓けた平野を見渡せる崖の上で、ここから斜面を降り補給部隊を攻撃することになっていた。 未だ目視はできないが、帝国領土のほうを見据えた。 *==== 到着してどれくらいが経つだろう…。設定温度を変えていないはずの空調が、微妙に寒く感じた。私はレーダーを広域モードに切り替え、敵を待った。 今回も、みんなきちんと生きて帰ってこられるだろうか? などと考えていた。 以前…黒い敵新型との遭遇戦まではこんなことは微塵も感じたことはなかった。といったら嘘になるかもしれないが。でも、あんまり気にしたことはなかったはず。 でも、あの一瞬、閃光がシールドライガーを飲み込む一瞬が、また繰り返されるのではないかと、最近そればかり考えては不安になっていた。 アークへのこの気持ちも、取り返しがつかなくなる前に伝えたほうがいいんじゃないか、とも考えた。でも、きっと迷惑だ。こんなこと言ったらあいつ絶対困るに決まってる。中央大陸に戻った旧友のジェシカ・シュナイダーにも手紙で相談してみたが、『好きなんだったら、アタックしかないんじゃない?』と返ってきた。人事だと思って…。 ぼんやりしていた視界の端でレーダーが赤く点滅する。…来た! 「敵機確認!アーク!」 そうだ。まずは生きて帰らなきゃ意味なんてない。だから、目の前の戦いに集中するんだ。 「わかった。ケベック、ヘンリー、いいか、最初の一撃が大切だ。」 アークがお決まりの文句を言う。私のウルフの両脇にケベックとヘンリーのウルフが並ぶ。2機は2連装キャノンを敵が来るほうへと向けた。しかし、敵が森を抜ける直前、私はレーダーを見て目を疑った。 「!?…数が…!アーク!」 やっとのことで絞り出した声に、アークは緊張がにじんだ声で返した。 「ああ、こっちでも確認した!敵は…団体様だ。」 [[NEXT>EP2.5]] ----
俺は真新しいグリップを握り締めていた。 RZ-028 ブレードライガー。シールドライガーの後継機種であり、断片的ではあるが解析された古代のテクノロジー、「オーガノイドシステム」を搭載していた。敵との交戦で大破した俺のシールドライガーから、コアと数フレームを流用しているが、まったく別の固体といえるものになっていた。 「もうすぐ目標ポイントよ。」 エリーの声がスピーカーから響く。現在、俺の小隊は、帝国軍の補給路攻撃の任務を受け、森林地帯を進行中だった。俺のライガーを挟むような陣形で、先頭にエリーのH1型ウルフ、左右にヘンリーとケベックのA2型ウルフが進行していた。数日前の補給でブレードライガーと共に、やっとケベックにも機体が届いた。 予定では、目標はグスタフ2機、それに護衛のヘルキャットが数機という情報だ。しかし、予定はあくまで予定、これまで共和国軍が複数回補給路を攻撃しているのは、帝国軍にも明らかだったので、護衛を増やす可能性は十分あった。 「それで新型のテストも兼ねて、か。」 俺はため息をついた。俺は別に、このブレードライガーが嫌いではない。各所の性能向上はめざましかった。しかし、名前の由来にもなっている、「レーザーブレード」という装備での戦闘というものが、どうしても納得いかない。いつでも敵との距離をつめられるとは限らない。それを補うためのブースターや、強化されたAZショックカノンがあるが、やはり、シールドライガーの後継機種といういはいささか用途がかけ離れたゾイドになってしまったように想う。 目標ポイントに近づく。そこは拓けた平野を見渡せる崖の上で、ここから斜面を降り補給部隊を攻撃することになっていた。 未だ目視はできないが、帝国領土のほうを見据えた。 *==== 到着してどれくらいが経つだろう…。設定温度を変えていないはずの空調が、微妙に寒く感じた。私はレーダーを広域モードに切り替え、敵を待った。 今回も、みんなきちんと生きて帰ってこられるだろうか? などと考えていた。 以前…黒い敵新型との遭遇戦までは、こんなことは微塵も感じたことはなかった。といったら嘘になるかもしれないが。あんまり気にしたことはなかったはず。 でも、あの一瞬、閃光がシールドライガーを飲み込む一瞬が、また繰り返されるのではないかと、最近そればかり考えては不安になっていた。 アークへのこの気持ちも、取り返しがつかなくなる前に伝えたほうがいいんじゃないか、とも考えた。でも、きっと迷惑だ。こんなこと言ったら、あいつ絶対困るに決まってる。中央大陸に戻った旧友のジェシカ・サンダースにも手紙で相談してみたが、『好きなんだったら、アタックしかないんじゃない?』と返ってきた。人事だと思って…。 ぼんやりしていた視界の端で、レーダーが赤く点滅する。…来た! 「敵機確認!アーク!」 そうだ。まずは生きて帰らなきゃ意味なんてない。だから、目の前の戦いに集中するんだ。 「わかった。ケベック、ヘンリー、いいか、最初の一撃が大切だ。」 アークがお決まりの台詞を言う。私のウルフの両脇に、ケベックとヘンリーのウルフが並ぶ。2機は、2連装キャノンを敵が来るほうへと向けた。しかし、敵が森を抜ける直前、私はレーダーを見て目を疑った。 「!?…数が…!アーク!」 やっとのことで絞り出した声に、アークは緊張がにじんだ声で返した。 「ああ、こっちでも確認した!敵は…団体様だ。」 [[NEXT>EP2.5]] ----

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