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目が覚めた時、私の心は、びっくりするぐらいに軽かった。
ナンダか、とても懐かしい夢を見ていたからだろうか・・・
ここは、何処だろう、主様…そうだ…主様は何処だ?
人影が見えた、でも主様じゃない。…体が動かない!?
「な!ここは何処だ!主様は!」
「ふふふふ、気が付いたかね、ミュウツー君」
「お前は…オーキド博士…?」
主様がポケモン図鑑を集めるのを協力している博士で
私とも面識がある。その男がどうして…そして、何故…動けない
体が痺れている…?重たい?何故だ…
「まさかあそこまでダメージを食らっても生きているとはのぅ
尊敬にアタイするわい、流石最強とうたわれるだけの事はある。」
「貴様!私に…ナニ…をシタ…」
「こんな事もあろうかと、ちょいとした注射をな…なぁに、すぐ楽になるじゃろ」
駄目…だ…体が…意識…遠…く………我…こん…所で…
主…様………
「残念じゃったのう、おぬしの会いたがってた男くんは
隣の部屋で寝ておるというのに…ふふふふふ」
「これでよい…フジくん…おぬしの研究はワシがしっかり引き継いでやるからのぉ、
グレンのラボに過去の研究履歴は全て写させて貰った。後はこのサンプルさえ居れば、くっくく…くははははは」
オーキドは高笑いを終えると、ミュウツーの顔に白いハンカチをひらりと載せ
ゆっくりと部屋から出て行った。
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こうして、僕らの町で起こった。この奇妙な事件は幕を閉じたっちゅうわけや。
でも、オーキドは誰にも、ミュウツーの遺体を触らせようとしなかった。
主であるトレーナーにも、や。こんなおかしい事はあらへんと思う。
グレン島の突然の噴火が、オカルトマニア達に与えた影響と多大な話の種を提供したのは
もはや言うまでも無い。その直前のラボの爆発事故、研究員の怪死。謎は深まるばかり
グレン島の噴火はかなり大規模やったらしいけど、ジムリーダーのカツラの活躍で
死傷者はほとんど出なかったらしい。不幸中の幸いってヤツやな。ほんま
噴火する直前、ミュウツーを見たって多くの目撃情報が寄せられた。
あんまりにも情報が大量に入りすぎて、ボクのHPのBBSは大繁盛やった。
どれがほんまの話なんかは、結局全然解らんかったんやけども
どうやら、その筋のオカルトマニアの話によると
グレン島のラボで行われていた実験は、どうやらヤバイもんやったらしい
何でもポケモンのコピーだとか、洗脳だとか。まぁ、なんでそれで爆発してまうんかは解らへんねんけども。
497 ID:qFGVNSw0
これは、ミュウツーが死ななかった。もうひとつの物語。もしもの世界
「ふぅ、主様の唇、暖かい…ん…んふぅ…はぁ」
男は金縛りが解けないまま、ミュウツーに抱擁されていた
どれぐらいの時間が立ったのかは解らない。
洞窟の中は静寂で満たされていて、ミュウツーの興奮した吐息だけが聞こえてくる。
…まだ、動けそうにない。俺は、なすがままされるままに服を脱がされ始めていた。
あぁ、どうしてこんな事に、思考が止まりそうになっていたとき、
真っ暗な世界に突如光が差し込んできた。
「…っは!居ました!カスミさん!ここにミュウツーが!男くんも一緒でうsヴぇ」
言葉を言い切る前に、その声は途絶えた。生ぬるい何かが降りかかってきた。
ブォォォォン バキバキぃ!どぐちゃぁ、びちっびちびちびち
もう一つ、雄叫びが突然と途絶えた。
ミュウツーの息がどんどん荒くなっている…あぁ…もしかして
「ちょっと?どうしたのよ?…え?」
次の光が照らし出したのは、倒れた屈強そうな男、血まみれで首から上は無くなっている。
横には腕が3本取れたカイリキー。もうとっくに絶命している。
「え…ウ…キャアア……………」
また途切れた、女の子の声だったみたいだが、まさか
M「…カスミめ…この女、マタ主様に近づこうとしていた…当然の報いだ…」
あぁ、やめるんだミュウツー!ミュウツー!
唇を動かそうにも、乾ききっていて動かない。水、水が欲しい。
血の匂いが充満してきている、なんて匂い…耐えられない…誰か…助けて…
意識が、どんどんと薄れていく。あぁ…それでいい。それでいいんだ
…こんな事、何かの間違いに違いないんだ。
なんて事や、ジムリーダーが、洞窟から帰ってこうへん
さらに、様子を見に行ったオーキド博士も、同じように帰ってこうへん。
捜索隊が入っても、同じように出てこうへん。どないなってるんや?
僕の家に遊びに来たあの女の子も、洞窟に行ったっきりや
どないしよう。あれから3日もたつのに、未だに捜索隊も何も出てこうへん。
レンジャーは何やっとんねん。今度、僕もちょっと付いて行ってみるわ。
また、この日のエントリーを最後に、このblogは更新されていない。
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最終更新:2007年12月09日 22:43