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833 ID:rTKM9MOA0

始めに見たのは薄暗い研究室。
いくつものコードに繋がれてボクは緑の水が入った水槽の中。
見たことも無いものばかりだが、不思議と知らないものはなかった。
ニンゲン・・・キカイ・・・ニンゲン・・・キカイ・・・その二つしかないけれど。
ボクが水槽の中から出るのは何日かに一度の検査の時だけだった。

ニンゲン達はボクを眺めたり、触ったり。
時にはボクの体を傷つけたりした。
遊んでくれる事なんて一度も無かった。ボクはそれが悲しかった。
この狭くて息苦しい地下室が、ボクはとても嫌いだった。

841 ID:rTKM9MOA0

ある日。地下室の中が燃えていた。
隣の水槽に入っていたボクと同じものがニンゲン達を踏み潰していた。
かべは溶けながらも、飛び散る血で赤く染まった。
熱くて熱くて地上に逃げた。
何時間か傍にいたけれど、地下室は完全に崩れ落ちた。
後から出てきたボクと同じものは、何度か雄叫びをあげると
草むらに倒れこみそのまま冷たくなった。
早く土に帰るよう、それの体を念力で細かく分けて埋めた。

これからどこへ行ったらよいのかわからない
どうしたいとも思わない
ただただ何処かへ向かって移動を続けた

847 ID:rTKM9MOA0

何ヶ月そうして彷徨っただろうか
野生のポケモンに襲われる事はあっても重症を負うことは無かった。
歩き続ける事に飽きてしまった。戦う事にも。こうして呼吸をしている事にも。

「・・・!」
背後に生き物の気配を感じた。ニンゲンだ。
地下室以外でニンゲンに会う事は初めてだった。
無意識にそれを警戒した。
「キミ、何てポケモン?」
どうやら敵意は無いらしい。ボクは警戒を緩め・・・
ポケモン?ボクはなんという種族なのだろう。考えた事なんて無かった。
M-8596。地下室のニンゲンはボクをそう呼んでいた。
ミュウの・・・二番目のポケモンと・・・
「ミュウ・・・ツー?」
「誰かのポケモン?」
「ううん。ボクは誰のでもない。今は。」
「じゃぁ、俺の家においでよ。俺のポケモンになって。」
「キミの・・・?ポケモン?」
「そう。パートナーに・・・」

852 ID:rTKM9MOA0

それからボクは彼の家で暮らすようになった。
おいしいものをたくさん食べさせてくれた。
強いポケモンといっぱい戦わせてくれた。
だんだん仲間が増えてきて。毎日が楽しくなった。
ある日僕らは旅に出た。ボクの中に世界ができた。
どんな時もいつもいっしょだった。
ボクはいつの間にか彼が大好きになった。
そうして15年が過ぎた・・・

だけど異変は突然やってきた

855 ID:rTKM9MOA0

彼はボクを戦わせてくれなくなった。
仲間のカイリューも、そんなことを言っていた。
バトルのルールでボクは戦いに参加できないんだよって君は言った。
君は他のポケモンばかりを育てて、ボクに見向きもし無くなった。
大好きだって言ってくれたのにね。そんなのずるいよ。

もっとボクを見てよ・・・

860 ID:rTKM9MOA0

世界は白かった。でも所々に赤かった。
ここにいるのはキミとボク二人だけ。
怒りで我を忘れている君を
ボクは洞窟に連れて行った。
誰も足を踏み入れない。深い深い迷宮。
キミは逃げようとした。僕の胸にナイフが赤い花を咲かせた。
でも傷はすぐにふさがるから大丈夫だよ。
キミがいくらボクを傷つけても。ずっと一緒にいられるよ

洞窟に来てから3年。キミはだいぶやせてきた。
ボクを刺すナイフも、もうさび付いてしまった。
ボクが持ってくる食べ物を、キミは食べなくなった
ボクの見ている目の前で。キミは静かに冷たくなった。

865 ID:rTKM9MOA0

キミの体は黒ずんで。所々がぼろぼろはげた
姿は変わってしまったけれど、今でもキミの事が大好きで
この先何年ボクは生きるのか見当もつかないけれど

キミはずっとボクのキミ


なんか厨っぽくてすまそ。
今更だがヤンデレっで病んデレの事だよな?