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**666 ID:T/GhpyAo
私は最強のポケモンだと自負している。そして、そう創られたことも受け入れている。
誰よりも強く、誰よりも圧倒的な力を持って、一番に主を守らなければいけない。
私の存在意義は私を受け入れてくれた主の為、我が生涯を持って仕え添い遂げること。
主の栄光は私の力でずっと守っていこうと心に誓い
主の栄光と存在と共に私があるのだ。ずっとそう信じて、それが永遠だと私は思っていた。
ポケットモンスターアメジスト
始まりの前の物語 side mewwtwwo
今、私はポケモンリーグ本部にある特設バトルフィールドと仮設研究室らしき施設に我が愛しの主と来ている。
時代は徐々に変わっている。新種のポケモンたちはどんどんと数を増やしており
私の力がカントー地方以外ではどんな地位を持っているか試してみたいと言う話を
オーキドと言う研究者から持ちかけられた。それが事の発端だ。
他の地方のポケモン達の中から精鋭を集めてきたらしく、私が今まで見たことのないポケモンばかり見掛けてる。
「ふん。イロモノばかり揃えてきて……主、私はこの様なやからには負けはしない」
あちこちにコードや計測器などを括り付けられながらも、今はそれぞれのポケモンの能力を計っているらしく
研究者達は私の数値を見て目を見開いては何度も機械の操作をやり直していた。
少し長い検査で体力を削られているが、そんなものは薄い透明の壁一枚向こうに映る主の顔を見れば疲れも吹っ飛ぶ。
主の笑顔、主の言葉……言葉?何か聞こえてくる。視界を塞がれて鋭敏化された聴覚が研究者達の言葉を拾っている。
「やはり……危険……ありえ………」
「こんなそんざ……れていいのか……」
「まぁま………所詮、エスパータ……はが……くタイプがあれば…どうとでも」
どうやら、私の存在について勝手な議論を始めているらしい。
**667 ID:T/GhpyAo
全く、研究者と言うのは話しにならない。何の権限を持って他者の存在にとやかく言うのか。
害虫、害獣と勝手にレッテルを貼り、ポケモンを駆除する事もある人間も居ることは知っている。
それが彼等の生活の為と言うのならそれは生存競争、弱肉強食の常だ。
それを否定するつもりはない。ただ、研究者と言うのは己の道楽で生命を弄ぶこともある。
この私を作った研究者達の様に。脳裏に僅かに浮かび、思い出すだけでも腹立たしい。
更に主は部屋を途中で出て行ってしまった。ちっ、あの研究者どもめ。
主に何を言ったんだ?気になる集中出来ない。主……アルジ、ARUJI、私の主。
「ミュウツー脳波乱れています。我々の言葉に反応して?」
「ん?まさか、私達の話が……この壁は防音加工がされてますよ?」
「はっはっ、仮に聞こえてもポケモン如きにバトルの命令なら兎も角、崇高な議論は理解出来ませんよ。」
「繋がれてるのも慣れてないんでしょう。何せ、時々言うことを聞かないとも聞いてます」
「やれやれ、全く困ったものですな。なんであんな一個人のトレーナー如きが扱っているのか」
聞こえる侮蔑の言葉。すぐに私は頭に血が上りそうになるが私は怒りと不安を制する。
主は教えてくれた。色々と私達の事でとやかく言われる事は承知しろ。
そして、私がこの実験で成果を見せればきっと私の存在も公認してくれるだろうと。
要は結果を出せば良いのだ。この私の力と主の力を持ってして最強を証明すれば良い。
全ては結果と現実を目の前の空論を交わせるあいつ等に見せ付けてやれば良い。
これが私達の示す現実だと。
**671 ID:T/GhpyAo
ようやく長い検査から解放された。繋がれるのは慣れていた……筈だった。
サカキと言う人間の居た頃など一日の殆どが繋がれっぱなしだった気がする。
それがたかがこの程度の時間繋がれただけでと思ったが原因はすぐに理解できた。
主だ。私は主と時を過ごすことによってそういう弱さを会得してしまったのかもしれない。
主の傍に居ないと不安になり、目に見えないとたまらなくなってしまう。
もし、別れることになったらと一瞬考えただけで背筋は震えて、思考は停止してしまう。
これが、弱さなのか?それともこれは新しい強さなのか?
適応力とは強さの一つである。環境、生命との相対的関係な関係での遣り取り。
何もそれはポケモンと人間だけに限った話ではない。水と植物と大地の関係。
全ての存在と関係はつながっているのだ。そして、私と主の関係は強靭強固でなければいけない。
世界で一番、最強である力を仕わす主との絆もまた最強であると。
「おい、ミュウツー如何した?」
「主……何でもない」
「わっ。こ、こらそんな人前で。子供じゃないんだから」
一瞬、主が視界に見えなかったほど私は思想に耽っていた。
廊下を立っていると目の前には既に主がおリ、私の顔を見上げている。
何たることだと感じ頭を左右に振りながらもすぐに主を抱き締めてしまった。
コレは決して私が寂しかったからではない。繋がれいてた間、私は主を感じられなかった。
まして、視界から見失うなどもってのほかだ。 主と何かが私との間で切れ掛かっていたのだ。
それは私の存在意義に関わることだ。いち早く修正しなければいけない。
私だって人前で抱きつくのは正直言うと照れる。イーブイ位に無邪気ならば
それで良いのだろうが、私も長い年月をそれなりに過ごしてしまっている。
けれど、それとこれとは別だ。多少の周囲の笑いなどは気にしない。
「主、気にするな。少しばかり疲れただけだ」
「ん。やっぱりきつかったか。ごめんな。どうしてもオーキド博士から頼みが断れなくて」
「いや、良い。コレが済めば私達は公式大会でも出れる様になるのだろう?
今までは野良を叩き潰す程度しかなかったが、これでようやく私も主の役に立てる」
「ミュウツー……気にしてたのか?」
**672 ID:T/GhpyAo
不安げに見上げる主の顔を私は見たくなかった。胸が切り裂けそうなほどの不安が連動していく。
私は何もいわずに頭を横に振る。ただ、主の体温とその心臓の鼓動をこうやって感じられるだけで私は今この場に立っていられる。
所詮、その程度のことは些細な障害だ。ただ、私はよりベストを目指さなければいけない。
そのためのこの力。そのためのこの体。出来る事は全てをこなし、後悔を殲滅させる。
主を抱き締めていた手をそっと離しながらも私は自分の念を練り直しを始める。
主の血液の流動、脈拍に合わせて私の念波は精錬されていく。
「主、私は勝つ。例え、どんな相手でも。私の力は今日この日の為にあるのだから」
「ミュウツー俺は……」
「心配するな。いつも通りやれば良いのだ。それとも私は主を心配させるほど弱って見えるのか?」
「いや、そんなことは無い」
「ならば良い。私は主を信じている」
目を僅かに細めながらも主へと笑みを向けていく。そう、私は元々戦闘をする為に創られたのだ。
私は料理も勉強した。人間のことも最近少しずつ解って来ている。
ただ、所詮ソレは付け焼刃で私の道楽の一つに過ぎない。
私は、闘う為に元は生まれてきたのだ。生まれてきた時はそれが解らなかった。
今でも迷う事がないといったら嘘になる。しかし、それも主の為であると思えば何の苦にもならない。
力を行使することがこんなに嬉しいことは無い。これが済めば、私と主が認められるのだ。
今使わないでいつこの力を使う。そんなことが解らない程、私は愚かではない。
**673 ID:T/GhpyAo
「ああ、俺も……お前を信じている」
「そんな事は解っている。では、主、私に命令(オーダー)をくれ」
「解った。ミュウツー。行くぞ」
「YES、sir MyMaster.」
私達は廊下を突き進み、そして扉の向こうに広がったのは巨大な崖に周囲を取り囲まれて
それに食い込む様に無機質な壁とガラスに周囲を囲まれたフィールドへと降り立つ。
天井も十分な高さがある広い空、日の光を久し振りに浴びた様な気がする。
草タイプの光合成と言うのが共感できる様な気がした。
小蝿の様に先ほどからちょろちょろと観測用の機械が私の周りをうろついて何やら蒼い光りを放っている。
主は柵をめぐらせた強化ガラスで囲まれたブースへと移動していく。
マイク越しの音声が周囲の空間へと響く中、私は覚悟を決めて僅かに頷けば
壁のスピーカーからジャッジらしき男の声が響いていく。
「テステス。此方、音声は大丈夫です」
「では、これよりミュウツーの実験試合を開始します」
「行くぞ、ミュウツー!」
「了解した! 全力で叩き潰す!」
**677 ID:tSByF6wo
「第一試合。ヨノワール!
「よし、がんばってね。私のヨノワール♪」
フィールドの向こうからはトレーナーらしき女の声がする。
投擲されたモンスターボールからは灰色を基調とした
随分とでかく、私と同じ位のプレッシャーを感じるポケモンが出てきた。
げらげらと腹の黄色の刺青が笑いながらも、その大きな腕を組んだままニヤニヤと私を見ている。
しばし、にらみ合っていると頭に手を当てたまま、相手のポケモンは私を見て大口を開けて笑い出す。
「おいおい、マジかYO! こんな華奢な御嬢ちゃんが最強のポケモンだって?」
「ふん、図体ばかりでかくても勝てるモノではない」
「はっ、そんな棒切れみたいな腕で俺様に勝てるってか?こいつぁは傑作だ。腹いてぇーーこうかばつぐんだぜ」
「口数が多いな。牡なら行動で示してみたらどうだ?」
「ふっ、つれない嬢ちゃんだ。ま、良いぜ。俺様の腕でその鼻をへし折ってやらぁ」
先に仕掛けてきたのは相手だ。 足が無く浮翌遊しているのかそれとも何かテレポートの類か
一瞬にして間合いを詰められていく。大きな体に加えてそのプレッシャーがより相手を巨大に見える。
ぶんっと大きな腕を振り下ろしていく攻撃はリーチも当たる範囲も大きく、のろい動きとは相殺されてやたら威力が高い。
先ほどから地面にはボコボコと大きな穴を作るほど抉られている。相当なパワーを持っているポケモンだと解る。
やはり、格闘タイプか?それとも、エスパーと格闘の混種か?色々な思想を巡らせながらも相手の動きを見据えている。
**678 ID:tSByF6wo
相手がいらついてきたのか一気に体を引いて飛び掛ってくるのを三原海僅かに頭を避けながらも
私はそのまま相手の腹にカウンターを入る。これで、相手の威力分かなりの打撃を加えられる筈……だった。
「な、打撃技を持ったゴーストタイプだと!?」
「ひゅぅ~、危ない危ない。御嬢ちゃん?俺様をここいらのゲンガーやゴーストと一緒したら痛い目見るぜ」
「そこよ。ヨノワール!シャドーパンチ!」
「あいよぉっ!シャドーーーパアアアンチィッ!!」
「んぐはあああっ!!」
私の打撃は相手の体をするっとすり抜けてしまった。どうやら、相手はゴーストタイプ。
ノーマルな打撃技は通じないと見える。……ありえない。
ゴーストタイプは本来、奴の言う様にゴースト、ゲンガーの様に特殊技が得意なエスパー技に
ナイトヘッドなどを組み合わせたタイプしか見たことがなかった。
それが今目の前のコイツはその大きな腕と薄暗い灰色の体は生きていないの実体と言う事か?
相手の技らしく、暗い影を宿した相手の拳が私の腹に入ればそのまま私は崖へと叩きつけられる。
効果は酷いくらいに効いていて、テンプルに来ている。打撃で効果抜群を受けたのは虫タイプの技以来だ。
脳がぐらぐらとまだ揺れている感じがする。中々、どうして。元の威力もかなり高いらしい。
「へへっ、どうだい御嬢ちゃん?俺様のシャドーパンチはレバーに来るだろう?」
「ふっ、蚊が止まったかと思ったぞ」
「大丈夫か!? ミュウツー、お前がこんなにダメージを食らうなんて」
「心配するな主。さぁ、私にもコマンドをくれ」
**679 ID:tSByF6wo
「解った……ミュウツー、サイコキネシスだ!」
私は再びフィールドの大地へと立つ。ダメージはかなり来ている。
まさか、打撃のゴースト技などがこの世に存在するとは思わなかった。
完璧な私のミスだ。この戦い私がミスをすればするほどダメージが大きい。
ならば、得意分野で責めるまでのこと!
私は乱れた念を練り直してそれを力へとこめる。相手は余裕を見ているのか
そのままじっと立ったまま、手をくいっくいっと此方へと上げていく。
明らかな挑発、そして余裕の笑み。コイツは私の事を相当見くびっている。
「さぁこいや!」
「サイコキネシス!」
まぁ、そんなことは如何でも良い。
要は相手を倒せば良いのだ。途中の会話過程など何の意味も無い。
このすかした牡を地面に叩き伏せる事だけに意識を集中する。
念により繰り出された見えない力が相手を包み込む。
その力が相手を縦横無尽に掴みかかりながらも壁や大地へと激突させながらも
ボロ人形の様に放り投げながらも先ほど私としたのと同じ様に崖の壁へと叩きつけていく。
得意技でもあるこの一撃に耐えられたゴーストタイプは今までに誰一人としていない。
本来、ゴーストタイプはエスパータイプへの対抗存在である。
しかし、それを対抗できた存在などは一匹も居ない……筈だった。
**680 ID:tSByF6wo
「あー? 何かしたか? マジシャベー。おめー、ゴースト相手にこんなん効くと本気で思ってるのか?」
「そんなミュウツーのサイコキネシスで倒れない? なんなんだあのポケモンは!?」
「ふっ、中々タフだな。ここいらのゴーストタイプは皆一撃で沈んでいたが」
脳内がふつふつ煮えたぎりながらも今まで感じたことの無い高翌揚感に支配されている。
これが本来のゴーストタイプの存在。私に対抗できる種の力!
この血沸き肉踊る感覚こそが戦闘本能。これが、まだ見ぬ戦い。そして、解る事がある。
主には私が必要だ。 まだ、世界は広い。私を此処までやりこめる相手が居ることを初めて知る。
ならば、私は主の為にもっと強くならなければいけない。もっと、もっと、もっとだ。
まだ、力は足りない。主の為にまだまだ強くなければ主を守る事が出来ない!
ああ。この様なタイプも世の中には居るのだ。倒さなければ、倒さなければ。
主の為に、私と主のこれからの未来の為にも!
私は声を張り上げる。私は欲する。主の声をそして、その先に切り開かれるであろう勝利を!
「主、私はまだやれる! コマンドをくれ!」
**681 ID:tSByF6wo
此方サイドの書き込みは今夜はこれで〆ます。
また、明日の夜でも再開しますのでなにとぞ宜しく御願いします。
701 名前:アメジストside mewwtwwo[sage] 投稿日:2007/06/27(水) 19:50:05.66 ID:apZMM7Eo
「ミュウツー、19万ボルトだ!」
「YES!…ふんっ、今度は此方が先手を取らせて貰う!10万ボルトォッ!!」
「な!?電気技だと!?」
念の流れが変わる。流動的な流れがわざと自らの肉体の血流をぶつけ合い
バチバチと音を立てながらもそれを摩擦熱と電気へと変えていく。
逆毛立つほどの電力を蓄積され、それを一斉に放射して彼奴へと浴びせ掛けていく。
発光する黄色のスパークはそのまま相手の体を焼き焦がしながらも何とかやられっぱなしの
形勢を戻そうとする。相手も、まさか電気技を使うとは思っても居なかったのか動きが一歩遅れて
それを直撃してしまった様だ。油断大敵。正に字のあって如しと言ったところか。
「な、十万ボルト!? そんなのも使えるっていうの?ええい!もう一回シャドーパンチよ!」
「くっ、御嬢ちゃんしびれさせてくれるねぇ…だが、俺様も黙ってやられる訳にはいかないんでね!」
「それは此方も同じことだ!」
再びインファイトへと持ち込んでくる相手を何とかテレポートで交わしながらも
シャドーパンチだけはどうしても避けられるずに、一回一回大きなダメージを食らってしまう。
しかし、相手の動きは元からのろい部類に入る事と、主が丁度良いタイミングで自己再生のコマンドを出してくれる。
確かに奴のパワーも威力も高いのは承知。しかし、あの大振りな動きとマヒ状態を見れば避ける程度造作でもなかった。
少しずつ体力の消費を感じたのかふらふらになりながらも追撃を放ってくる相手。
しかし、動きはもはや完全に見切っている。あんな攻撃は当たらなければ意味が無い。
**702 ID:apZMM7Eo
「ちぃっ、ちょこまかと!?」
「これでもペースは落としてるぞ?もう一寸ダイエットをした方が良いかもな?」
「なにをぉっ!これで決めてやる!」
挑発を織り交ぜた軽やかなステップで相手の攻撃を寸のでかわしていく。
相手はかっか来ている影響か手に取る様に次の攻撃の流れが解る。
所詮、対私用のタイプ相性とタフさで選ばれただけの木偶の棒。
頭の中はすっかからんでチープな思考と戦術。
タクティクスが足りない。喧嘩だけで成り上がった腕っ節だけの奴と言ったところか。
最後はあっけなく決まってしまった。集中力と煽り耐性の欠片も無かった様だ。
相手が一撃で鎮めようとする大振りの拳を交差させて掌手を腹へと突き出す。
体をすり抜ける拳に相手は再びにやついた笑みを浮かべる。
その相手の余裕と阿呆が今回の勝敗を決するとはあまり勝っても良い気分はしないと感じた。
「其処だ、ミュウツー!10万ボルト!!」
「YES! ふんっ。折られたのはお前の鼻だった様だな。今度はもう少し頭を使う事だ」
「なっ・・・ガがガガガがアガガタタッ!?」
相手の中を通り抜ける拳から放出される電気は相手の内側から電気を走らせて体を焦がしていく。
タフなのは認めるが、まさか内側からやられる経験などないだろう。
放出された電気は体中を駆け巡り相手の残っていた電気の流れと相俟って一気に体力を削ぎ落としていった。
大きく砂埃を立ち込めながらもその場へと体を突っ伏して倒れていく。
すっと拳を引き抜きながらもやられたダメージはすぐに自己再生で回復をする。
「うっそーーん!? 何あれーーー!」
「ヨノワール戦闘不能。勝者ミュウツー! 準備が整え次第、第二試合を開始します」