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**358 ID:QtHakYso あの悪夢から1ヶ月、平穏な日々が続いていた 男とミュウツーは共に並びながら相変わらず旅をしている 「さて、そろそろ次の町か。今度はどんな強敵が待ち受けてるのかな」 「たとえどんな敵であろうと私が必ず勝利をあなたにささげましょう」 期待で思わず口をついたセリフにミュウツーが真面目に答える 男は笑いながら、ミュウツーの頭を撫でる 「ありがとうな」 その笑顔を見てミュウツーは思う 主、あなたのその笑顔のためならば、私はどんな事にも耐えられるでしょう たとえ地獄の業火であろうと、私のあなたへの思いを燃やす事は出来ない。どうかあなたの側においてください。主。と 次の町は何もない田舎町だった。かろうじてポケモンセンターがあるがあまりはやっていなさそうだ しかし、それ自体はあまり問題にはならなかった。 ポケモンセンターで仲間の治療をし、少し休憩をしたのち、情報収集をかねた観光を行う 今回もいつもと変らない、なにより今回は静かな町だ、しばらくは平和な日々をおくれるだろう。 ミュウツーはそう思いながら男と共にポケモンセンターの自動ドアをくぐる。 しかし、今回はいつもとは違っていた。 ポケモンセンターのカウンターの横、そこには・・・少しくたびれた白衣を着た男、オーキド博士がいたのだ。 「よぉ、男、それにミュウツーも、久しぶりじゃのう」 ミュウツーは自身の体温が急激に下がるのを感じていた。 ---- **359 ID:QtHakYso 「博士!お久しぶりです、どうしたんですかこんなところで?」 「ハハハ、お前たちにとっては“こんなところ”かもしれんがここいらには珍しいポケモンが沢山いての、ここにもわしの研究所があるんじゃよ」 オーキドは事もなげにそういうとミュウツーの方を一瞥した 「ミュウツーは・・・元気かの?」 「ええ、もちろ・・・ん。あれ?ミュウツーそんなところで何してんだよ」 見るとミュウツーはまだ自動ドアをくぐったところでじっとオーキドを見ていた、ミュウツーの存在を感知している自動ドアが何度も開閉を繰り返している。 「あ・・・え・・すいません」 ゆっくりと男の側へと歩み寄る。男の隣までくると、“ギュ”っと男の服の裾を強く掴んでいた 男は少し不思議に思いながらも、以前の事を思い出す 「大丈夫、今日は注射なんかしないよ、ですよね博士?」 「ん・・?あ、ああ。もちろんじゃとも、あの時は怖がらせてすまなかったのお」 オーキドが白々しく謝る、しかしその目はずっとミュウツーの顔を凝視していた ミュウツーはというと、じっと顔を伏せてオーキドの顔を見ないようにしている、よくみると小さくカタカタと震えていた。 「あれ?ミュウツー?どうした?寒いのか?」 その震えに気づいた男はミュウツーの額と自分の額を合わせる 「ヒャゥ!ア、ある・・あるあるあるあるあるあるるる・主!?」 あまりの不意打ちに何事が起こったのかとミュウツーの体がはねる、視界いっぱいには男の顔、これはミュウツーの理性を吹き飛ばすのに効果はばつぐんだった。 「熱は・・ちょっとあるかな?」 「熱?」 オーキドは男の背中を見ながらニヤリと笑う ---- **360 ID:QtHakYso 「おお、それはいかん。実はこのへんでポケモンだけがかかる特殊なウィルス性の風邪が流行ってての。急いで検査したほうがいいかもしれん」 オーキドは早口でそうまくし立てた 「え?本当ですか?うわ、早くなんとかしてやってください」 男はオーキドに懇願する、その状況をみて慌ててミュウツーは理性を呼び戻した 「あ、いや、ちがいます!!!違います!風邪なんかひいてません!これは・・・その・・と、とにかく検査なんて必要ありません!!」 ミュウツーのあまりの必死さに思わず男もたじろいでしまった。しかし男は引き下がらない 「でもなぁ、風邪は引き始めが肝心だって言うし、ちょっと調べてもらうぐらいした方がいいんじゃないか?それなら注射は必要ありませんよね?オーキド博士」 「ん?んん、ああ、そうじゃな、とりあえず調べてみてからでも遅くはないじゃろ、なにしろ新種のウィルスなんでな、他のポケモンにうつらないとも限らんしのお」 まずい、このままでは、またオーキドのおもちゃにされてしまう、なんとかしてその場を逃げ出したいミュウツーは頭をフル回転させた。 「でわ、行こうか、わしの研究所はすぐ近くにある」 遅かった、オーキドがそう言い出すと、男がミュウツーの腕をひっぱて歩き出してしまったのだ 「嫌!嫌です!嫌イヤイヤイヤ!!!!!!!!お願いしますなんでも!なんでもしますから検査だけは!!!」 まるで赤子のように駄々をこねるミュウツーを見て男もついイラっとしてしまう 「いい加減にしろよ、注射はしないっていってるだろ?これもお前のためなんだ、あんまり我侭いうとお前の事嫌いになっちゃうぞ」 その言葉に一体どれほどの威力が篭っているのか、男は知らなかった、無知とはなんと恐ろしいのであろうか 「イ、、イヤ!!!!!!!!イヤダ!ごめんなさい!なんでも!なんでもします!検査も受けます!実験にも耐えます!だから!だから嫌いにならないで!!嫌いにならないで!」 とうとうミュウツーは泣き出してしまった・・・しかし男はそこで気付くべきだったのだ『実験に耐えます』というセリフを聞いたとたんオーキドが焦った顔をした事に、それがミュウツーの最後のSOSだったということに。 「大丈夫、ごめん、いいすぎた、お前の事嫌いになるなんて嘘だし、そんな事絶対にない、だから、検査、うけてくれるな?」 「・・・はい・・・」 男の言葉にもう頷くしかなかった、耐えよう、これも主の命令だ、大丈夫以前も耐えた、今度も耐えて見せよう。ミュウツーは覚悟を決める。しかしそれとは逆にオーキドは再び笑みを浮かべるのだった ---- **361 ID:QtHakYso 研究所につくともうオーキドの思うがままだった 唾液を採取した時点で『ウィルスの反応がある』 更に『見た事がないタイプだ、人間に感染するかもしれない』 加えて『一応男も検査をしよう』 男の血液を採取し『男は大丈夫だ、しかし感染するかもしれないから治療中は近づかないようにしてくれ』 あっという間にミュウツーは何もない地下室に監禁されてしまった ミュウツーは目を閉じ、静かに男が最後にかけてくれた言葉を思い出す 『痛い事があるかもしれないけど頑張れ!毎日見舞いにくるから!大丈夫!すぐ治る!』 何度も何度も男の顔を思い浮かべ、その言葉を噛み締めながら反芻を繰り返す。 ―大丈夫、大丈夫、私は大丈夫、これは主の命令、だから耐えられる、これが主の望み、だから耐えられる、たとえそれがどんな地獄であろうとも、主のためならば- “ピチャン” と水音がした、何事かと目を開ける、自分の増しただった、手で顔に触れる 「これは・・・泣いているのか?」 自分が泣いている事に気がついてしまう、なぜだ?私が・・・恐れている?怖がっている?耐えられないかもしれないと、恐怖を感じている? そう考えてしまうともうダメだった、以前の実験を思い出し体が小刻みに震えだす。 「ア、、ア、あ、ああ、、ああああ、あああ、だいじょうぶ!私は大丈夫!!!ダイジョウブダイジョウブダイジョウブダイジョウブ」 “ギィ” 重い扉がゆっくりと開かれ、一人の男が入ってくる。ミュウツーは床に腰をおろしたまま、部屋の隅へあとずさる。そこにはオーキドが楽しそうな顔をして立っていた。 「さて・・・はじめるとするかの?」 ミュウツーは己の震えを止めることができないまま、その恐怖の元凶と対峙することとなった。 ---- **362 ID:QtHakYso 「さて、ミュウツー君、君は世界でただ一体、唯一無二の存在じゃ」 オーキドが部屋の中を右へ左へ、ゆっくりミュウツーとの距離をつめるように歩きながら話しはじめる 「つまり、ワシのようなポケモン研究を生業としている人間にはとても興味深い存在である」 じわじわと近づいてくるオーキドにミュウツーは壁に背をはりつけ、これでもかというほど小さくうずくまってしまっていた 「ワシ以外にも君の事を調べたがる人間もおおいじゃろ。しかしワシが研究しつくしてしまえば、他の研究者に追われる心配もなくなる。これは君のためでもあるんじゃよ。」 “カツン”オーキドの足が下を向き丸まっているミュウツーの視界に入る 「もちろん協力してくれるね?ああ、わかってるとは思うが君を調べて欲しいというのは・・・君の主である男の命令だということも忘れずにの?」 「・・・は・・・はい・・・」 「ん~?聞き取れんのお」 「・・・はい・」 「なんじゃって?『私は主の命令など聞けません?』これはこまったのぉ。男に報告せねば」 「ちがう!そんな事は一言も!」 ミュウツーはこの部屋にきて初めて顔をあげ、必死で言い返した。しかしオーキドはそんなミュウツーをみてニヤニヤと不気味に笑いながら見下ろしている 「おかしいなぁ、なんだか嫌がっているようにみえたが?そうか、仕方ない、無理に検査することもないしのお、今回はやめておくとするか?」 なんだ?私はこいつの実験につきあわなくてもいいのか?ほんの一瞬見えた希望の光を逃すまいとミュウツーは必死で手を伸ばそうとする 「まぁ、主人の言う事を聞かずに検査をいやがるポケモンを男が手元においておくとは思えんが、まあそれもミュウツー、君が選んだ結果じゃろうて、ワシは無理強いはしないぞ?」 オーキドが何を言っているのか、ミュウツーはその時理解した、一瞬見えた光に手が届くただのマヤカシに過ぎないことに更なる落胆を覚え、ミュウツーは口を開く 「ど、、、どうか、、私の事を、、、調べてくだ・・・・さい」 「そうかそうか、そんなに言うのでは仕方ない、このワシが、このポケモン研究の第一人者であるこのワシが直々にお前さんの生態調査をやってやろう、ありがたく思うがいいぞ!」 何もない部屋の中、オーキドの笑い声だけがいつまでも響いていた ---- **363 ID:QtHakYso 「とはいっても、今回もさほど長い時間がとれん。男が町を離れようとしないんじゃ・・・まったく、頑固というかなんというか、そんなにワシを信用できんのじゃろうか」 どの口を持ってそんな事をいっているのだろうか、しかし男がこの町に、近くにいてくれるというのはミュウツーにとってこの上ない喜びだった 「以前も少し試したんじゃが、君のコピーを覚えてるかね?あの時は時間もない上に君の特殊な細胞をどうしても人工的に増やす事ができなかった、しかし君が死んでしまったらどうなる?  世界でただ一匹といわれる貴重なポケモンをなくしてしまうのはやはり惜しい。そこでじゃ」 オーキドが何やら部屋の隅にあるスイッチを押す。『ウィーン』という機械的な音と共に反対側の壁が天井に吸い込まれていった。そこには・・・おびただしい数のメタモンが“詰まっていた” 壁がなくなったことで、そのメタモンがこちら側に少しづつ侵食を始める 「ポケモンが卵を産むというのは知っているじゃろ?そこにはルールがあるんじゃが・・・。ポケモンをグループに分けたとき、ある条件さえそろっていれば異種のポケモン同士の配合でも卵が生まれることがある」 ミュウツーの背中に今まで感じたことがないほどの悪寒が走る、メタモンは部屋の半分まで侵食をはじめていた 「君はこの世にただ一匹。となると、お前さんのあいては異種間の交配しかない。そこで異種であればほとんどのポケモンと交配が可能ポケモン。やはり相手はメタモンしかおらんじゃろ」 メタモンの一匹がミュウツーの足に触れた、慌てて足をひっこめるが、元々壁に背中をおしつけていたミュウツーに逃げ場はなかった。 「お前さんのためにこれだけのメタモンを集めるのは苦労したんじゃぞ?まあ存分に楽しんでくれたまえ」 オーキドはいつのまにか部屋の外にいた、部屋のガラス越しにミュウツーの姿を観察している 「さぁ・・・“交配実験”の開始じゃ、うまくいけばワシもミュウツーの所持者になれる。さらに絶滅の危機に瀕しているポケモンをすくったと言う事で  ワシのポケモン研究家としての地位もあがる。さあ、早く卵を。わしの前にお前の卵をみせておくれ」 ミュウツーは立ち上がり部屋のすみで必死に壁をひっかく。しかしときすでに遅く天井からもメタモンが迫ってきていた 「ヒイイ!」 「さあ・・・さあ・・・さあ・・・さあ・・・」 もはやオーキドの声も無数のメタモンの中に吸収されていく 「イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダあああああああああああああ主主主主主主主主主主主主主主主イイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」 メタモンがミュウツーの膝の上まで迫ってきていた ---- **374 ID:QtHakYso “ドガアン”!!! 「リザードン火炎放射!!」 部屋の天井がくずれ、そこからリザードンに乗った男が降りてきた、突然の落盤とリザードンの火炎放射で部屋にいたメタモンたちは慌てて逃げ出す。 「な!なにごとじゃ!」 オーキドが割れたガラスから実を乗りし、部屋の中に入ってくる 「男!これはどういうことじゃ!?わしの研究所を!!」 男はメタモンから開放され床に倒れこんでいるミュウツーの肩を抱き起こす、ミュウツーは完全に気を失っていた。“キッ”とオーキドを睨む。 「ジョーイさんに聞いた。このあたりに珍しいポケモンなんていない、変な病も流行ってなんかいない、それにこの町に研究所なんてないって。これはどう言う事ですか!!」 メタモンの粘液にまみれたミュウツーの顔を拭いてやりながら。男は怒りに震えた声でそう叫んだ 「な・・・く、余計な事を・・・。まあ待て、話し合おうじゃないか、ミュウツーは世界でただ一匹だけじゃ、もし何かあったら絶滅してしまう。そのための研究じゃよ、嘘をついたのは悪かった。しかしこれは必要な・・・」 「黙れ!!!」 休むまもなく慌てて言い訳を制止し、男はミュウツーの体をリザードンに預け、ゆっくりと歩みより、、オーキドを殴った 「な、お前!今なにをしておるのかわかっておるのか!?ワシはポケモン研究の第一人者オーキドじゃぞ!お前がトレーナーになれたのは誰のお陰だとおもっとる!!」 オーキドの口からは血がボタボタとたれていた 「確かに、俺がポケモントレーナーになれたのはあなたのお陰かもしれません。でも!こんな事されて黙ってるなんて俺には出来ない!!」 「く、い、いますぐポケモン協会にいって貴様のポケモントレーナーとしての資格を剥奪してくれる!」 「ああ、いいとも!自分のポケモンをこんなにされてまでトレーナーにでいたいとは思わないね!」 そういうと男はポケモン図鑑をオーキドに向けて思い切り投げた。オーキドは慌てて避けたが、図鑑は壁に当たり、完全に二つに割れてしまった。 “バキ”という音に反応するように、リザードンに抱えられていたミュウツーが目を覚ます しかしその両の瞳に光は宿っていなかった。 ---- **375 ID:QtHakYso ミュウツーはゆっくりと立ち上がる、そして両足を引きずるように、ゆっくりとオーキドの方へと近づいていった 「ミュウツー、気がついたのか!?ごめんな、もうこんな事絶対させないから・・・・ミュウツー?ミュウツー?」 ミュウツーは男の声に反応を示さなかった、オーキドの元へと歩みを続ける。 「おいミュウツー!どうしちゃったんだよ!ミュウツー!?」 オーキドの側までいくとその両肩をおもむろに掴む“ヒッ”オーキドが怯え振り解こうとしたが、その力の前に成す術もなくつかまり、宙釣り状態となった 「な、なんじゃ?わ、わしを[ピーーー]のか?」 「おい、ミュウツー!・・ミュウツー?」 「・・・・だから・・・でも・・・・わた・・・」 ミュウツーは何事かをつぶやいていたとても小さな声で・・・何度も何度も・・・ 「主をトレーナーに、なんでもします、主の夢なんです、私はどうなってもかまいません、図鑑を返してください、お願いします、私ならどうなっても、主はポケモンマスターになるんです、トレーナー資格を・・・」 それはとても純粋な願い、メタモンの大群というあまりの恐怖にその自我を心の奥に沈めてしまったミュウツーのただ一つの祈り、それは愛する主の事。 「ミュウツー、、、もういい、もういいんだ」 男はミュウツーを力強く抱きしめる・・・リザードンの力を借り、オーキドからその身を引き剥がしても、ミュウツーの願いは止まらなかった・・・ ---- **376 ID:QtHakYso ミュウツーが目を覚ましたのはポケモンセンターでの事だった 「あれ・・・ここは?」 「あ、ミュウツー目が覚めたか?」 そこには男がいた 「あ、主?ここは?私は一体?」 「ん?どうした?」 「いえ、あの、ここはどこでしょうか?」 ミュウツーは考える、確か次は田舎町に行くといって出発したところまでは覚えているんだが・・・一体ここはどこの町だろう。そんなミュウツーをみて男は一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔に戻す 「なんだ、何も・・・覚えてないのか?・・・・そう!お前ここにくる途中で急に倒れたんだよ、えーと、なんだったか、そう日射病!日射病にかかって!」 なんだか慌てた男の様子にミュウツーも不思議そうな顔をする 「主?日射病?この私が?・・・違う・・・なにか・・なにか恐ろしい事があった気が・・・」 なんだろう、何かを忘れている気がする、とても、とても怖い事があったような気が、、、 「何もないって、そ、そうだ!ちょっとまってろ!?」 慌てて言うと男はポケモンセンターを出ていった。20分ほどして男が戻ってきた時には手には麦わら帽子をにぎっていた。それをそのままミュウツーにかぶせる。 「これは?」 「お前にプレゼント、もう日射病にならないようにな。怖い事なんてあるはずないだろ?お前は俺の最強のポケモンなんだから!」 男にまっすぐと目を見られ、あまりの恥ずかしさに慌ててそらす。そうだ、私には主がいる、何を恐れる事などあるのだろうか。 「はい!申し訳ありません、二度と太陽になど負けぬよう以後気を引き締めます」 そこには真夏の太陽よりも眩しい麦わら帽子をかぶったミュウツーのとびっきりの笑顔があった。 それ以降、オーキドの消息はわからなくなり、その町を出る時には新品のポケモン図鑑が男のポケットに納まっていたのだが・・・詳しい説明はやめておこうと思う、ミュウツーの笑顔を曇らせないためにも。
**358 ID:QtHakYso あの悪夢から1ヶ月、平穏な日々が続いていた 男とミュウツーは共に並びながら相変わらず旅をしている 「さて、そろそろ次の町か。今度はどんな強敵が待ち受けてるのかな」 「たとえどんな敵であろうと私が必ず勝利をあなたにささげましょう」 期待で思わず口をついたセリフにミュウツーが真面目に答える 男は笑いながら、ミュウツーの頭を撫でる 「ありがとうな」 その笑顔を見てミュウツーは思う 主、あなたのその笑顔のためならば、私はどんな事にも耐えられるでしょう たとえ地獄の業火であろうと、私のあなたへの思いを燃やす事は出来ない。どうかあなたの側においてください。主。と 次の町は何もない田舎町だった。かろうじてポケモンセンターがあるがあまりはやっていなさそうだ しかし、それ自体はあまり問題にはならなかった。 ポケモンセンターで仲間の治療をし、少し休憩をしたのち、情報収集をかねた観光を行う 今回もいつもと変らない、なにより今回は静かな町だ、しばらくは平和な日々をおくれるだろう。 ミュウツーはそう思いながら男と共にポケモンセンターの自動ドアをくぐる。 しかし、今回はいつもとは違っていた。 ポケモンセンターのカウンターの横、そこには・・・少しくたびれた白衣を着た男、オーキド博士がいたのだ。 「よぉ、男、それにミュウツーも、久しぶりじゃのう」 ミュウツーは自身の体温が急激に下がるのを感じていた。 ---- **359 ID:QtHakYso 「博士!お久しぶりです、どうしたんですかこんなところで?」 「ハハハ、お前たちにとっては“こんなところ”かもしれんがここいらには珍しいポケモンが沢山いての、ここにもわしの研究所があるんじゃよ」 オーキドは事もなげにそういうとミュウツーの方を一瞥した 「ミュウツーは・・・元気かの?」 「ええ、もちろ・・・ん。あれ?ミュウツーそんなところで何してんだよ」 見るとミュウツーはまだ自動ドアをくぐったところでじっとオーキドを見ていた、ミュウツーの存在を感知している自動ドアが何度も開閉を繰り返している。 「あ・・・え・・すいません」 ゆっくりと男の側へと歩み寄る。男の隣までくると、“ギュ”っと男の服の裾を強く掴んでいた 男は少し不思議に思いながらも、以前の事を思い出す 「大丈夫、今日は注射なんかしないよ、ですよね博士?」 「ん・・?あ、ああ。もちろんじゃとも、あの時は怖がらせてすまなかったのお」 オーキドが白々しく謝る、しかしその目はずっとミュウツーの顔を凝視していた ミュウツーはというと、じっと顔を伏せてオーキドの顔を見ないようにしている、よくみると小さくカタカタと震えていた。 「あれ?ミュウツー?どうした?寒いのか?」 その震えに気づいた男はミュウツーの額と自分の額を合わせる 「ヒャゥ!ア、ある・・あるあるあるあるあるあるるる・主!?」 あまりの不意打ちに何事が起こったのかとミュウツーの体がはねる、視界いっぱいには男の顔、これはミュウツーの理性を吹き飛ばすのに効果はばつぐんだった。 「熱は・・ちょっとあるかな?」 「熱?」 オーキドは男の背中を見ながらニヤリと笑う ---- **360 ID:QtHakYso 「おお、それはいかん。実はこのへんでポケモンだけがかかる特殊なウィルス性の風邪が流行ってての。急いで検査したほうがいいかもしれん」 オーキドは早口でそうまくし立てた 「え?本当ですか?うわ、早くなんとかしてやってください」 男はオーキドに懇願する、その状況をみて慌ててミュウツーは理性を呼び戻した 「あ、いや、ちがいます!!!違います!風邪なんかひいてません!これは・・・その・・と、とにかく検査なんて必要ありません!!」 ミュウツーのあまりの必死さに思わず男もたじろいでしまった。しかし男は引き下がらない 「でもなぁ、風邪は引き始めが肝心だって言うし、ちょっと調べてもらうぐらいした方がいいんじゃないか?それなら注射は必要ありませんよね?オーキド博士」 「ん?んん、ああ、そうじゃな、とりあえず調べてみてからでも遅くはないじゃろ、なにしろ新種のウィルスなんでな、他のポケモンにうつらないとも限らんしのお」 まずい、このままでは、またオーキドのおもちゃにされてしまう、なんとかしてその場を逃げ出したいミュウツーは頭をフル回転させた。 「でわ、行こうか、わしの研究所はすぐ近くにある」 遅かった、オーキドがそう言い出すと、男がミュウツーの腕をひっぱて歩き出してしまったのだ 「嫌!嫌です!嫌イヤイヤイヤ!!!!!!!!お願いしますなんでも!なんでもしますから検査だけは!!!」 まるで赤子のように駄々をこねるミュウツーを見て男もついイラっとしてしまう 「いい加減にしろよ、注射はしないっていってるだろ?これもお前のためなんだ、あんまり我侭いうとお前の事嫌いになっちゃうぞ」 その言葉に一体どれほどの威力が篭っているのか、男は知らなかった、無知とはなんと恐ろしいのであろうか 「イ、、イヤ!!!!!!!!イヤダ!ごめんなさい!なんでも!なんでもします!検査も受けます!実験にも耐えます!だから!だから嫌いにならないで!!嫌いにならないで!」 とうとうミュウツーは泣き出してしまった・・・しかし男はそこで気付くべきだったのだ『実験に耐えます』というセリフを聞いたとたんオーキドが焦った顔をした事に、それがミュウツーの最後のSOSだったということに。 「大丈夫、ごめん、いいすぎた、お前の事嫌いになるなんて嘘だし、そんな事絶対にない、だから、検査、うけてくれるな?」 「・・・はい・・・」 男の言葉にもう頷くしかなかった、耐えよう、これも主の命令だ、大丈夫以前も耐えた、今度も耐えて見せよう。ミュウツーは覚悟を決める。しかしそれとは逆にオーキドは再び笑みを浮かべるのだった ---- **361 ID:QtHakYso 研究所につくともうオーキドの思うがままだった 唾液を採取した時点で『ウィルスの反応がある』 更に『見た事がないタイプだ、人間に感染するかもしれない』 加えて『一応男も検査をしよう』 男の血液を採取し『男は大丈夫だ、しかし感染するかもしれないから治療中は近づかないようにしてくれ』 あっという間にミュウツーは何もない地下室に監禁されてしまった ミュウツーは目を閉じ、静かに男が最後にかけてくれた言葉を思い出す 『痛い事があるかもしれないけど頑張れ!毎日見舞いにくるから!大丈夫!すぐ治る!』 何度も何度も男の顔を思い浮かべ、その言葉を噛み締めながら反芻を繰り返す。 ―大丈夫、大丈夫、私は大丈夫、これは主の命令、だから耐えられる、これが主の望み、だから耐えられる、たとえそれがどんな地獄であろうとも、主のためならば- “ピチャン” と水音がした、何事かと目を開ける、自分の増しただった、手で顔に触れる 「これは・・・泣いているのか?」 自分が泣いている事に気がついてしまう、なぜだ?私が・・・恐れている?怖がっている?耐えられないかもしれないと、恐怖を感じている? そう考えてしまうともうダメだった、以前の実験を思い出し体が小刻みに震えだす。 「ア、、ア、あ、ああ、、ああああ、あああ、だいじょうぶ!私は大丈夫!!!ダイジョウブダイジョウブダイジョウブダイジョウブ」 “ギィ” 重い扉がゆっくりと開かれ、一人の男が入ってくる。ミュウツーは床に腰をおろしたまま、部屋の隅へあとずさる。そこにはオーキドが楽しそうな顔をして立っていた。 「さて・・・はじめるとするかの?」 ミュウツーは己の震えを止めることができないまま、その恐怖の元凶と対峙することとなった。 ---- **362 ID:QtHakYso 「さて、ミュウツー君、君は世界でただ一体、唯一無二の存在じゃ」 オーキドが部屋の中を右へ左へ、ゆっくりミュウツーとの距離をつめるように歩きながら話しはじめる 「つまり、ワシのようなポケモン研究を生業としている人間にはとても興味深い存在である」 じわじわと近づいてくるオーキドにミュウツーは壁に背をはりつけ、これでもかというほど小さくうずくまってしまっていた 「ワシ以外にも君の事を調べたがる人間もおおいじゃろ。しかしワシが研究しつくしてしまえば、他の研究者に追われる心配もなくなる。これは君のためでもあるんじゃよ。」 “カツン”オーキドの足が下を向き丸まっているミュウツーの視界に入る 「もちろん協力してくれるね?ああ、わかってるとは思うが君を調べて欲しいというのは・・・君の主である男の命令だということも忘れずにの?」 「・・・は・・・はい・・・」 「ん~?聞き取れんのお」 「・・・はい・」 「なんじゃって?『私は主の命令など聞けません?』これはこまったのぉ。男に報告せねば」 「ちがう!そんな事は一言も!」 ミュウツーはこの部屋にきて初めて顔をあげ、必死で言い返した。しかしオーキドはそんなミュウツーをみてニヤニヤと不気味に笑いながら見下ろしている 「おかしいなぁ、なんだか嫌がっているようにみえたが?そうか、仕方ない、無理に検査することもないしのお、今回はやめておくとするか?」 なんだ?私はこいつの実験につきあわなくてもいいのか?ほんの一瞬見えた希望の光を逃すまいとミュウツーは必死で手を伸ばそうとする 「まぁ、主人の言う事を聞かずに検査をいやがるポケモンを男が手元においておくとは思えんが、まあそれもミュウツー、君が選んだ結果じゃろうて、ワシは無理強いはしないぞ?」 オーキドが何を言っているのか、ミュウツーはその時理解した、一瞬見えた光に手が届くただのマヤカシに過ぎないことに更なる落胆を覚え、ミュウツーは口を開く 「ど、、、どうか、、私の事を、、、調べてくだ・・・・さい」 「そうかそうか、そんなに言うのでは仕方ない、このワシが、このポケモン研究の第一人者であるこのワシが直々にお前さんの生態調査をやってやろう、ありがたく思うがいいぞ!」 何もない部屋の中、オーキドの笑い声だけがいつまでも響いていた ---- **363 ID:QtHakYso 「とはいっても、今回もさほど長い時間がとれん。男が町を離れようとしないんじゃ・・・まったく、頑固というかなんというか、そんなにワシを信用できんのじゃろうか」 どの口を持ってそんな事をいっているのだろうか、しかし男がこの町に、近くにいてくれるというのはミュウツーにとってこの上ない喜びだった 「以前も少し試したんじゃが、君のコピーを覚えてるかね?あの時は時間もない上に君の特殊な細胞をどうしても人工的に増やす事ができなかった、しかし君が死んでしまったらどうなる?  世界でただ一匹といわれる貴重なポケモンをなくしてしまうのはやはり惜しい。そこでじゃ」 オーキドが何やら部屋の隅にあるスイッチを押す。『ウィーン』という機械的な音と共に反対側の壁が天井に吸い込まれていった。そこには・・・おびただしい数のメタモンが“詰まっていた” 壁がなくなったことで、そのメタモンがこちら側に少しづつ侵食を始める 「ポケモンが卵を産むというのは知っているじゃろ?そこにはルールがあるんじゃが・・・。ポケモンをグループに分けたとき、ある条件さえそろっていれば異種のポケモン同士の配合でも卵が生まれることがある」 ミュウツーの背中に今まで感じたことがないほどの悪寒が走る、メタモンは部屋の半分まで侵食をはじめていた 「君はこの世にただ一匹。となると、お前さんのあいては異種間の交配しかない。そこで異種であればほとんどのポケモンと交配が可能ポケモン。やはり相手はメタモンしかおらんじゃろ」 メタモンの一匹がミュウツーの足に触れた、慌てて足をひっこめるが、元々壁に背中をおしつけていたミュウツーに逃げ場はなかった。 「お前さんのためにこれだけのメタモンを集めるのは苦労したんじゃぞ?まあ存分に楽しんでくれたまえ」 オーキドはいつのまにか部屋の外にいた、部屋のガラス越しにミュウツーの姿を観察している 「さぁ・・・“交配実験”の開始じゃ、うまくいけばワシもミュウツーの所持者になれる。さらに絶滅の危機に瀕しているポケモンをすくったと言う事で  ワシのポケモン研究家としての地位もあがる。さあ、早く卵を。わしの前にお前の卵をみせておくれ」 ミュウツーは立ち上がり部屋のすみで必死に壁をひっかく。しかしときすでに遅く天井からもメタモンが迫ってきていた 「ヒイイ!」 「さあ・・・さあ・・・さあ・・・さあ・・・」 もはやオーキドの声も無数のメタモンの中に吸収されていく 「イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダあああああああああああああ主主主主主主主主主主主主主主主イイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」 メタモンがミュウツーの膝の上まで迫ってきていた ---- **374 ID:QtHakYso “ドガアン”!!! 「リザードン火炎放射!!」 部屋の天井がくずれ、そこからリザードンに乗った男が降りてきた、突然の落盤とリザードンの火炎放射で部屋にいたメタモンたちは慌てて逃げ出す。 「な!なにごとじゃ!」 オーキドが割れたガラスから実を乗りし、部屋の中に入ってくる 「男!これはどういうことじゃ!?わしの研究所を!!」 男はメタモンから開放され床に倒れこんでいるミュウツーの肩を抱き起こす、ミュウツーは完全に気を失っていた。“キッ”とオーキドを睨む。 「ジョーイさんに聞いた。このあたりに珍しいポケモンなんていない、変な病も流行ってなんかいない、それにこの町に研究所なんてないって。これはどう言う事ですか!!」 メタモンの粘液にまみれたミュウツーの顔を拭いてやりながら。男は怒りに震えた声でそう叫んだ 「な・・・く、余計な事を・・・。まあ待て、話し合おうじゃないか、ミュウツーは世界でただ一匹だけじゃ、もし何かあったら絶滅してしまう。そのための研究じゃよ、嘘をついたのは悪かった。しかしこれは必要な・・・」 「黙れ!!!」 休むまもなく慌てて言い訳を制止し、男はミュウツーの体をリザードンに預け、ゆっくりと歩みより、、オーキドを殴った 「な、お前!今なにをしておるのかわかっておるのか!?ワシはポケモン研究の第一人者オーキドじゃぞ!お前がトレーナーになれたのは誰のお陰だとおもっとる!!」 オーキドの口からは血がボタボタとたれていた 「確かに、俺がポケモントレーナーになれたのはあなたのお陰かもしれません。でも!こんな事されて黙ってるなんて俺には出来ない!!」 「く、い、いますぐポケモン協会にいって貴様のポケモントレーナーとしての資格を剥奪してくれる!」 「ああ、いいとも!自分のポケモンをこんなにされてまでトレーナーにでいたいとは思わないね!」 そういうと男はポケモン図鑑をオーキドに向けて思い切り投げた。オーキドは慌てて避けたが、図鑑は壁に当たり、完全に二つに割れてしまった。 “バキ”という音に反応するように、リザードンに抱えられていたミュウツーが目を覚ます しかしその両の瞳に光は宿っていなかった。 ---- **375 ID:QtHakYso ミュウツーはゆっくりと立ち上がる、そして両足を引きずるように、ゆっくりとオーキドの方へと近づいていった 「ミュウツー、気がついたのか!?ごめんな、もうこんな事絶対させないから・・・・ミュウツー?ミュウツー?」 ミュウツーは男の声に反応を示さなかった、オーキドの元へと歩みを続ける。 「おいミュウツー!どうしちゃったんだよ!ミュウツー!?」 オーキドの側までいくとその両肩をおもむろに掴む“ヒッ”オーキドが怯え振り解こうとしたが、その力の前に成す術もなくつかまり、宙釣り状態となった 「な、なんじゃ?わ、わしを殺すのか?」 「おい、ミュウツー!・・ミュウツー?」 「・・・・だから・・・でも・・・・わた・・・」 ミュウツーは何事かをつぶやいていたとても小さな声で・・・何度も何度も・・・ 「主をトレーナーに、なんでもします、主の夢なんです、私はどうなってもかまいません、図鑑を返してください、お願いします、私ならどうなっても、主はポケモンマスターになるんです、トレーナー資格を・・・」 それはとても純粋な願い、メタモンの大群というあまりの恐怖にその自我を心の奥に沈めてしまったミュウツーのただ一つの祈り、それは愛する主の事。 「ミュウツー、、、もういい、もういいんだ」 男はミュウツーを力強く抱きしめる・・・リザードンの力を借り、オーキドからその身を引き剥がしても、ミュウツーの願いは止まらなかった・・・ ---- **376 ID:QtHakYso ミュウツーが目を覚ましたのはポケモンセンターでの事だった 「あれ・・・ここは?」 「あ、ミュウツー目が覚めたか?」 そこには男がいた 「あ、主?ここは?私は一体?」 「ん?どうした?」 「いえ、あの、ここはどこでしょうか?」 ミュウツーは考える、確か次は田舎町に行くといって出発したところまでは覚えているんだが・・・一体ここはどこの町だろう。そんなミュウツーをみて男は一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔に戻す 「なんだ、何も・・・覚えてないのか?・・・・そう!お前ここにくる途中で急に倒れたんだよ、えーと、なんだったか、そう日射病!日射病にかかって!」 なんだか慌てた男の様子にミュウツーも不思議そうな顔をする 「主?日射病?この私が?・・・違う・・・なにか・・なにか恐ろしい事があった気が・・・」 なんだろう、何かを忘れている気がする、とても、とても怖い事があったような気が、、、 「何もないって、そ、そうだ!ちょっとまってろ!?」 慌てて言うと男はポケモンセンターを出ていった。20分ほどして男が戻ってきた時には手には麦わら帽子をにぎっていた。それをそのままミュウツーにかぶせる。 「これは?」 「お前にプレゼント、もう日射病にならないようにな。怖い事なんてあるはずないだろ?お前は俺の最強のポケモンなんだから!」 男にまっすぐと目を見られ、あまりの恥ずかしさに慌ててそらす。そうだ、私には主がいる、何を恐れる事などあるのだろうか。 「はい!申し訳ありません、二度と太陽になど負けぬよう以後気を引き締めます」 そこには真夏の太陽よりも眩しい麦わら帽子をかぶったミュウツーのとびっきりの笑顔があった。 それ以降、オーキドの消息はわからなくなり、その町を出る時には新品のポケモン図鑑が男のポケットに納まっていたのだが・・・詳しい説明はやめておこうと思う、ミュウツーの笑顔を曇らせないためにも。

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