HELP -どうして?-

「たすけてあげる。」

そう言って差し出された手をつかむことはできなかった。

今のこの状況をなんとも思っていなかったから。
どうして僕が助けてもらわなくちゃいけないのかわからなかったら。
誰かに助けてもらうなんてごめんだったから。
僕は助けてもらうほどに弱いものじゃなかったから。

なにもつかむことができずに
踵を返していったあなたに
僕はなにも言えなかった。

拒絶の言葉さえでなかった。

それはあなたの美しさに惚れてしまったから。

好きなものに自分が弱いところなんて見せたくない。
けれど、拒絶してしまえばもう2度と会うことはないから。

どうすることもできなかった。
最終更新:2007年09月07日 13:27