暮里忍軍雑談

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十二月末日、暮里忍軍本部  …の副官詰所。 ここには、首脳会議の間、副官が集められている…何故かは判らないが。 「退屈だよねー、退屈だよねー、ねえ、未済(みずみ)?」 そう言っているのは、まだ、十代後半ぐらいに見える若い男。チーム戊、第一位 空支 才刃(くうし さいは)が、二十代ぐらいの、あぶなげな感じのオニイサン。チーム丙 第一位 陰居 未済(かげい みずみ)に声をかける。 「ああ、そうだな…」 気の無い声で、そう返すと、未済は、煙草に火を付ける。 「私の前で、煙草を吸わないでください。」 無感情にそう言うのは、長い黒髪を持った、図書館司書のような女性 チーム庚 第一位 静実 離亜(せいみ りあ)。彼女はそう言って、再び、持っていた薄い文庫本に顔を落とす。 「そうそう、煙草は体に悪いからねえ。」 そう言ったのは、悪趣味な事にピンクのスーツを着た、ホステスのような男。 チーム壬 第一位 椋涙 残供(むくるい ざんく) 「へいへい、分かりましたよ、へいへい。」 そう言って、煙草を部屋の隅の方に座っていた、哲学者のような男に投げる。 ヒュッ 男の額にあたるかと思った瞬間、煙草は文字通り、消え失せた。 「人で遊ぶな。未済。」 男は薄目を開け、低いバリトンを響かせる。男は、チーム甲 第一位 刹那 愚是(せつな ぐぜ) 「へいへい、済みませんでしたー。」 ちっとも、済まなさそうに言う未済。 「さっきの、どうやったんだろ?」 不思議そうに、首を傾げる、才刃。 基本的に、同じチームであっても、その人の能力の全貌は知らない。(例外として自分自身も知らないと言う事もあるが)だから、こうやって、集ると、こういう事もしてみたくなると言う事でして。 「なんだかねえ。こんな所にじっとしてるのは、余り好きじゃないよ。」 才刃が言う。 「お前は、頭と口と尻が軽いもんな。」 ハハと未済が笑う。 「失礼な、腰も軽いですよ。」 「下品。」 離亜が切って捨てる。 「ま、こんな所じっとしているのも、確かに面白くは無いね。」 残供が、そう言う。 「それさ、反対側の人達はもっとそう思っていると思うよ?」 才刃が、部屋の向こう側にいる六人を見る。 かなり前から直立不動で文字通り瞬き一つしていないのっぽ チーム癸 第一位 角 曲亭(すみ きょくてい) 隅を向いて、体育座りのままコロンと横になっている女性 チーム己 第一位 後山 花実(うしろやま はなみ) テーブルの上で二人でオセロをやっている、髪以外殆ど同じ顔をした男女 チーム丁 第一位 仁宮 一男 一女(にのみや かずお かずめ) その隣で、ひたすら、意味の無い事を喋っているピエロみたいな扮装をした男 チーム辛 第一位 眞島 久斗(まじま くと) 「…そうか?」 とても、そうは見えない 「いや、黄田クンのことを言ったつもりなんだけどね?」 「ああ。」 チーム乙 第一位 黄田 剛西(きだ ごうさい)はそのでかい体をこちらに向けて、射殺すような、目を向けている。 「ある意味、退屈してなさそうだけどね。」 「そうだな。なあ、才刃。暇つぶし用の道具は無いか?ほら人生ゲームとか。」 別に、兄と弟の仲が悪いのは、今に始まったことじゃないので、完璧に流す未済。 「この面子だと、僕しかつっこみ役がいない気がするね…」 「いや、お前だけには、言われたくねえ!」 残供のぼやきを一瞬で返す未済。 「…お前たち、少しくらい静かにしておけ。」 愚是の言葉に、三人は止まる。 だって強いやつが偉いよね、普通 「んじゃさあ、一寸、暇つぶしに兄対弟で何か、勝負しないかい?」 ふと、才刃が言う。 おお、何か割とマシな意見だ。 「面白いな。」 そう言ったのは、黄田。それぞれも、顔を上げて、才刃の方を向く。 「悪くは無いが、何で勝負する気だ。」 愚是が言う。 「うーん。まあ、簡単に腕相撲でもするかい?」 「乗った!」 黄田が威勢良く言って、仁宮の二人がオセロをしているテーブルを強引に中央に持ってくる。 「…いいぜ、やるか。」 やる気なさそうに、未済が言う。 「別に、構いませんよ。」 ペーパーバックから顔を上げて離亜が言った。 「面白いじゃないか。」 笑いながら、残供が言う。 「好きにしてください…」 部屋の隅から花実が言った。 「「わかりましたー。」」 仁宮が言った。 「御意。」 曲亭が無表情に言う。 「んじゃ、やろっか。…そうだな、それじゃあ、水の二人から、金 土 火 木でやって行って、勝ち数の多いほうの勝ちね。」 … 第一試合 椋涙残供 対 眞島久斗 「はい…構えて…始め!」 両者一斉に力を込める! やや、久斗が優勢。 「あ、久斗! 後ろ!」 いきなり、残供が驚いた声を上げ、空いている左手で後ろを指差す! 「え?」 驚いて、咄嗟に、後ろを振り向く久斗…しかし、そこには、何も無い。 「へ?」 疑問に思った隙をついて、ドンと久斗の腕をテーブルに叩きつける! 「卑怯くせー。」 「勝てば良いのさ、勝てばね。」 …全員沈黙 「ああ、次ぎ行こう、次ー。」 第一試合 勝者 椋涙残供 第二試合 静実離亜 対 角曲亭 「はい。構えて…始め!」 ぐぐっと、離亜が力を入れるが、普通に曲亭には追いつけないらしく、カクッカクッと離亜の腕が、テーブルに近づいて行く…バタン!と離亜の腕が、テーブルについた。 「あっちゃあー、残念でしたね。離亜さん。」 離亜は軽く受け流すと、また、文庫本を取りだし、読み始めた。 「ま、離亜さんはウィザードらしいですからねえ。ま、仕方ないでしょ。」 「はいはい、次はお前だぞ、才刃。」 第二試合 勝者 角曲亭   第三試合 空支才刃 対 後山花実 「はい、よーい始め!」 何か、勘違いしている残供の言葉と共に、両者は、一斉に力を入れる! バタン! バタン! 「…は?」 両者は、一斉に自分の腕をテーブルに叩きつけた… 「はい、花実サンの勝ちですねー。」 あっけらかんと才刃が言った。確かに、ほんの一瞬の差ではあったものの、才刃の手が先にテーブルについていた。 「負けた…悔しい…」    そう言って、花実はコロンと体育座りのまま横になった。 …数分静寂。 「おい!言いだしっぺの手前が一番やる気無かったんじゃねえか!」 未済の突っ込みに対して、才刃は飄々と答える。 「だって、僕も離亜さんも肉体戦闘じゃないですしー。勝てませんよー」 …そう言う問題じゃないだろ… 第三試合 勝者(?) 後山花実 第四試合 陰居未済 対 仁宮 一男 一女 「さて、どっちがやる?」 未済の言葉に二人は顔を見交わす。」 「「そうですねえ…」」 「これでどうです?」 二重奏が一つになったと思った瞬間、二人の体が交じり合い、一つになった。 …一つと言っても、顔は左半分が一男 右半分が一女 服は、左半分が一女の赤い服 右半分が一男の青い服、と、本当に二人が交じり合った状態だった。 少なからず、周囲は驚いているが、未済はこの事を知っていたので、そんなに驚けず、むしろ、 「あいかわらず、歪だよなあ…」 と、思っただけである。 「はい、それじゃ、やりましょうか、はい、構えて、始めー。」 その合図と共に、仁宮の右腕は二本になり、二つの腕で未済の手を、押さえ込みに掛かる! 「そうか、こういう意味だったのか、良く分かったぜ…」 これは、未済も知らなかったらしい。 「ま、負けないがな!」 やや、おされ気味だった未済はそう言うと共に徐々に力を上げていき、ググッと、仁宮の腕を、倒していく! ドン!鈍い音を立てて、仁宮の右腕は、テーブルに倒された。 「未済の貫禄勝ちだね。」 第四試合 勝者 陰居未済 第五試合 刹那愚是 対 黄田剛西 「いやーついに、五試合め迄来たねえ?」 「お前が真面目にやらなかったからだろ!」 「…まま、落ち着いて、これでさ、愚是サンの能力が分かるかも知れないじゃん。」 「そうかもな…」 割かし騙されたような気もするが、ここはポジティブに行こうと思い直す未済。 「確か、黄田は鬼の者だったな。」 「そうそう、月里にでも行けば良いのにねー。」 ギロリと未済と才刃を睨む、剛西。 「で、さ、愚是さんって格闘系なの?遠距離系なの?魔法系なの?」 「俺も知らん。」 「私も知らないねえ。」 … 「はい両者構えて!…始め!」 グン!と常人の三倍はゆうに有りそうな剛西の腕が、比較的貧弱な愚是の腕を押さえ込もうとする! 「ふんぬぬぬぬ!」 暑っ苦しい声と共に、思いっきり力を加える剛西だったが、愚是は涼しい顔で、その腕はピクリとも動かない。 「ほう…」 微かに未済が感心したような声をあげる。 「…もう良いか。」 愚是がそう呟くと共に、グン!と剛西の腕は曲がり! ドン!テーブルを爆砕した 「へえ、流石はチーム甲第一位。」 才刃はそう言って、クスリと笑う。 第五試合 勝者 刹那愚是 試合結果   三対二で兄側の勝ち! 「そう、すげーよなあ、あいつ。」 その声がいきなり才刃の背後から聞こえてきた。 はっと振りかえると、そこには、ロッドを手にした、小柄な若い男が立っていた。 男は、丙 紀介(ひのえ きすけ) チーム丙の班長である。 「おや、リーダー終わったんですか。」 未済がいたって平静に言うが、ドアは一度も空いていない! 「うむ、結局単純な報告だけでの。これなら、文書で十分だと思うのじゃが゙ね。」 その声は、才刃の真後ろから聞こえてきた。 心中 やれやれ、とか思いつつ、再び才刃が振りかえると、いつの間に現れたのか、巨漢の老人が立っていた。老人は、戊 轟鳴(つちのえ ごうめい)チーム戊の班長である。 スパン!いきなり、叩かれる才刃。 「簡単に背後を取られるとは修行が足りん!帰るぞ!」 「はあーい。」 自分の頭をなでつつ、不承不承返事をする才刃。 その時、ガチャっとドアが、開き六人が入ってきた。 「…ん?六人?」 未済が不審に思って見渡すと、曲亭の陰から童女と言っても差し支え無いほど小柄な女性が出て来た。 「曲亭。帰るよー。」 曲亭の腕を引っ張って、ドアから、トテトテと出ていった。 「あれが…確か、辛 早苗(かのと さなえ)だったな。」 と、天井から、手足がひょろ長い男が音も無く落ちてきた。 「剛西ー、良い勉強になったなあ。」 意地悪そうにそう言う。彼は、乙 平左(きのと へいざ) 平左は愚是を見る。 「いやーウチのバカがお世話になりましたー。ではでは。…帰るぞ!」 乙の二人は出ていった。 「やれやれ、全く、変な事しないで下さいね?ただじゃなくても、兄と弟の仲は悪いんですから。」 そう言ったのは、黒ずくめの服を纏い、序に黒い縁の眼鏡を掛けた優しそうな顔付きの若手サラリーマンのような男、庚 理裁(かのえ りさい) 「「はいはい。わかりましたー。」」 才刃と未済と残供が声を揃えて言う。 「それじゃあ、残供。帰りますよ。」 そう言ったのは、スーツ姿の女性 壬 可煉(みずのえ かれん) 「ウィ・マダム。」 残供が気取った仕草で一礼すると、二人は出口に向かって歩き出す。 「では、わし等も帰るとするかね。才刃。」 「はあーいー。」 戊ペアも帰った。 「おら!花実!帰るぞ!」 軍服を纏った坊主頭の男、己 断馬(つちのと だんば)が隅っこで転がっている花実を抱えて、出ていった。 「さて、御二人さン。帰りましょウ。」 変な声をしているのは、白一色の不気味な面を被った、太った男 丁 兆次(ひのと ちょうじ) 「じゃア、お先に失礼しますヨ。丙さン。」 「おう、じゃあなー。」 さっきから、兄と弟の仲が悪いと繰り返し言っているが、火の二人は割と仲が良かったりする。 「久斗。帰るベー。」 農家のおっちゃんのような、小太りの中年の男。癸 大次郎(みずのと だいじろう) 「わかりました、わかりました。それでは、皆様、これにて、道化は退場いたします…」 「いいから、行くべ。」 癸の二人はズズズっと床に沈んでいった。 「ドアがあるんだから、ドアを使えよなあ。」 「そうそう。」 紀介が頷く。 「いや、お前も、ドアから入ってきてない!」 未済の突っ込みが入る。 「そういえば、未済。君、結局愚是の能力は解ったのかい?」 やや、未済の顔が渋くなる。 「予想はつきました。」 離亜が本から、顔を上げずに言う。 未済の顔が更に渋くなる。 「恐らくですが、彼に一切の物理攻撃は効かないでしょうね。」 無造作に離亜が言った。 「だ、そうだけど、正解はどうだい?斬風(ざんぷう)。」 紀介が呼びかけたのは、和服を着て、暗い太刀を持ち、青白い肌をした死人のような男。甲 斬風(きのえ ざんぷう) 「当たらずとも、遠からず、としておこう…さて、愚是、行くぞ。」 「はい。」 甲の二人も出て行った。 「んじゃあ、そろそろ、帰ろうか、未済。」 「へいへい。」 「では、私達も帰りましょうか、離亜さん?」 そう言って、理栽は、離亜を見る。 「後、六分待ってください。この本を読み終えますので。」 表情一つ変えずに、本から眼を動かさず、そう言った。 「はあ…」 苦笑する、理栽であった… … 「で、結局、今回の感想は? 未済君?」 帰り道の途中、ふと、紀介が聞いた。 「ふーん…まあ、有るような、無いようなだが…そうだな。」 そこで、一息区切る。 「これ、ただの顔見せだよな。」 はい、その通り!

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