民主党の平野博文衆議院議員による質問主意書

■ 民主党の平野博文衆議院議員による質問主意書


平野議員は、民主党の他の国会議員の方々とともに、
本件リーク疑惑の追及にご協力を頂いている国会議員の一人です。
8月3日に法務省から発表された、「是正措置を要しない」との決定に対し、
わずか数日のうちに、的確なポイントを突いた質問主意書を内閣に提出されました。

平野議員より提出された質問主意書および、内閣からの答弁書の概要をご覧下さい。


① 第一次質問主意書 (平成19年8月8日提出)

平野博文衆議院議員のウェブサイトは、こちら。

平野博文衆議院議員による質問主意書は、8月3日法務省発表の問題点を踏まえた、実に的確なものです。
これに対する政府答弁は、一部の質問に回答しないなど、相変わらずピントのずれた逃げの答弁に終始しています。

本年度新司法試験に関する質問主意書

 司法試験は、わが国の司法制度を担う人材を選抜する試験であり、その試験の公正は、なによりも司法に対する国民の信頼を担保する上できわめて重要である。ところが、本年度の新司法試験の実施にあたり、一部考査委員による不適正な行為があったとされ、試験の公正が疑われる事態となっている。
 従って、次の事項について質問する。

一 問題の発端となった植村元考査委員については、六月に考査委員を解任され、またその不適正な行為についても、八月三日の法務省の発表によれば、特段の是正措置が必要なものではない旨判断されたとのことである。
  しかし、この「不適正な行為」が試験に及ぼした影響の評価について、若干疑問があるので、以下の点について明らかにされたい。

 1 短答式試験問題については、考査委員が学生に情報提供した判例が出題された事は間違いないが、試験に出題される等を明示していない、学生が容易に知りうる重要判例である、結果として正答率に有利な影響が見られない、等の理由により「有利な結果をもたらしたとはいえない」と判断したとの事である。
  しかし、この説明は、判断要素として必ずしも説得的と言えず、かつ法科大学院における今後の指導につき、誤ったメッセージを与えるものではないか。
  すなわち、出題される判例が重要判例であるのは、新司法試験としてある意味当然であるし、考査委員が、重要判例の中からいくつかをピックアップする事は、それ自体事実上、出題される可能性を受験生に認識させるものではないのか。
  同様の事が今後の法科大学院の指導の中で行われても、試験に関する限り不公正とまではいえないということか、うかがいたい。

一の1について答弁
 植村栄治元司法試験考査委員(以下「植村元考査委員」という。)については、従前から差し控えるよう要請していた受験指導を行うなど、司法試験考査委員として不適正な行為が判明したことから、平成十九年六月二十九日付けで司法試験考査委員を解任するとともに、今後、司法試験考査委員・予備試験考査委員として任命しないこととしたところである。
 また、このような司法試験考査委員による受験指導については、今後とも、その再発防止に努めることとしている。
 したがって、植村元考査委員の不適正な行為に関し、平成十九年新司法試験について特段の措置をとらないとしたとしても、御指摘のように「誤ったメッセージを与えるもの」ではないと考えている。


 2 論文式試験においては、短答式試験で考慮した「実際の影響」、すなわち実際の得点の検証が行われていないが、なぜか。
   採点が終了していないということが問題であれば、採点終了前に結論を出す理由は何か。

一の2について答弁
 植村元考査委員の行為が平成十九年新司法試験の論文式試験の答案作成に反映できるような有利な情報を与えたとは言い難いと認められることを踏まえ、司法試験委員会において、採点結果が判明していない現段階においても、再試験等特段の措置を講じる必要はないとされたものである。


 3 短答式試験・論文式試験共に、〝有利な結果とならない〟ことを理由として、再試験等特段の措置は必要がないと結論されている。
  しかし、事前の情報提供が問題となるのは、それによって試験の公正さ、信頼性が失われるからではないのか。
  とすれば、試験について何らかの措置が必要かの判断は、結果として試験結果に影響があったか否かという問題のみならず、試験のプロセス自体に重大な瑕疵があったか否かという点も、試験の適正さの判断、ひいては何らかの措置の必要性の判断の要素としなければならないのではないか。

一の3について答弁
 植村元考査委員の行為は、司法試験の公正さに疑念を抱かせかねない不適正なものであるが、実施された司法試験について特段の措置をとる必要があるか否かは、行為の当否とは別に判断されるべきものと考えている。
 もっとも、司法試験の公正さに対する信頼を損ねることのないよう、植村元考査委員が行ったような不適正な行為の再発防止の方策を検討しているところであり、その検討状況を踏まえつつ、必要な措置を講じてまいりたい。


二 八月三日の法務省公表文書にも「植村元考査委員の件以外」と摘示されているが、本年度の司法試験に関しては、植村元考査委員の事案以外にも、論点の漏洩等の、公正を害する行為があったとの指摘が寄せられたと聞く。
  もちろん、これらの情報の真偽は不明であり、それが試験にどの程度の影響を及ぼしたかも慎重な検討を要するところである。
  しかし、司法試験に特に厳正さが要請されるのは、司法に対する国民の信頼に直結する問題であるからである。
  とすれば、その影響の判断は、当局や考査委員のみならず、広く法曹や法科大学院関係者などによって検証されるべきである。
  そこで、次の点について明らかにされたい。

 1 植村元考査委員の事案においては、当該指導は大学院主催のものではなかったと聞く。
   文部科学省は、法科大学院に対して答案練習会の実施の有無等について調査を行っているが、当該調査において、所属する教員とくに考査委員が、大学院主催ではない形で行った指導等についても調査対象としたか。

二の1について答弁
 文部科学省が実施している「法科大学院における答案練習会等の実態調査」においては、一定の調査対象期間に在籍した新司法試験考査委員である教員を含む全教員について、学生等からの要請による勉強会等も含め、当該教員が指導したすべての答案練習会等を対象として調査している。


 2 法務省ないし司法試験委員会が考査委員に求めた報告とはどのようなものか。

二の2について答弁
 平成十九年六月二十九日付けで、すべての司法試験考査委員に対し、司法試験考査委員の任期中、勉強会、答案練習会等の受験指導をしたことがないかという点について、報告を求めたものである。


 3 法科大学院やその所属教員から寄せられた情報、及び文部科学省・法務省が自ら収集した情報のうち、①考査委員のいる法科大学院において、②授業・答案練習等の手段を問わず、③学生に対し本試験問題と類似する事案・論点・判例等に触れる機会を与えた「おそれ」があるとしているものは、どのようなものがあるか。その全件について、概要を摘示いただきたい。
   またこれらについては、関係資料を含め公開すべきと考えるが、政府の見解をうかがいたい。

二の3について答弁
 御指摘の「学生に対し本試験問題と類似する事案・論点・判例等に触れる機会を与えた「おそれ」があるとしているもの」が、いかなるものを指すのか明らかではないが、法務省及び文部科学省が把握する限り、試験問題の事前漏えいに当たる行為は、認められない。

秋の臨時国会では、是非とも本件漏洩疑惑を、国会の重要な議題として取り上げて下さるよう、お願い申し上げます。
本件は、もはや受験生間の利害にとどまらない司法制度の危機であり、司法制度を利用する国民の利害に直結します。


平野先生による本件リーク疑惑の追及に関しましては、今後もこのページにて特集して行きます。ご期待下さい。

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最終更新:2007年09月12日 19:03
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