proposal1

「proposal1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

proposal1」(2012/07/14 (土) 18:53:25) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

1.導入〜「教養」の価値〜  文化の享受による人格の完成という意味における「修養主義」とは明治後期に成立した思想であり、以後その思想から分化した様に成立したとされるのが「教養主義」である。この分化の背景として、一つには「"個人の人格を認めない不寛容な伝統的保守的文化に対しての革新的機能"*1」を期待したもの、もう一つに、「学歴エリート階級と大衆との差異化の機能」を期待したものがあるが、両者ともに現代に至るにつれ、必要性に迫られる場面は徐々に減っていき、本来の意味での「教養」という言葉は衰退の一途を辿ることとなった。そのため、今日では「教養」という言葉に従来にはなかった様々な意味や価値が付加されることとなり、我々はその意味や価値を的確に認識することが困難になっている。  そこで我々は「教養」の価値を見出すため「機会」そのものを再構成する必要があると考えた。現状、我々理工系学生にとって、文系科目は「機会」を享受するための一つの扉であるため、そのような扉、またそれを取り巻く環境を整備することを我々の提言とすることにした。 2.提言概略  提言のイメージは以下のようなものである。  目の前に一つの扉がある。扉の向こうには「教養」という名の様々な価値が存在しており、それらは、しっかりとは認識できないが、大変魅力的な光の群であることが覗き穴を覗くことによりぼやけながらも視認できる。このように、多様化している「教養」の価値を自発的に発見するような、覗き穴に当たる部分として存在するのが、「文系導入科目」である。  覗き穴を覗くことで価値を見出すことに成功した学生は、目の前の扉を開け、目の前に広がった光に向かい数ある道を歩み始める。これが「文系基礎科目」の始まりである。  当然、覗き穴が曇ってしまっていたり、扉を開け歩み始めても一向に辿り着かない道ばかりでは、学生の意欲は向上しない。そのため、扉や光への航路の整備も必要であり、そのような機能を持った「情報をもとに繋ぐシステム」の整備も必要不可欠である。 3.提言内容 3−1 文系科目の設計 ●「文系導入科目」  幅広い概念を俯瞰させ、自発的な問題意識の発生により、個人の主観に基づいた「教養」への価値を見出す「機会」を与えることを目指す。 ●「文系基礎科目」  「教養」の価値を認識することに成功した学生たちによって、各々の価値感に基づき、さらなる「能力」「知識」を獲得することを目指し始める。  「文系基礎科目」として用意する講義群としては、既存の講義を整理することで基本的には用意される。講義の統合、分離を始め、獲得できる知識のジャンル、能力のカテゴリーなどにより、大まかなグループ化を施すことで、目的への合理化を行う。また、文系導入科目からの以降も意識する必要があり、それに応じた講義の新設も検討する。 3−2 情報をもとに繋ぐシステム 4.提言の実現による副次的効果    我々の提言による期待すべき学生への効果は前述したとおり、「教養」への価値を個人で定める「機会」を与え、その価値へ向かい一歩を踏み出すことにあるが、この提言が実現した際に、講師に対しての副次的効果をも期待することができる。  既存の文系科目は講義が独立して存在しており、講義間の関連性が希薄であるように見える。一年時の「文系導入科目」におけるPhase2の段階、二年時以降の「文系基礎科目」における既存の講義の再編成、これらにより講義間の関連や連携は必要不可欠であり、それに伴い講師は文系科目全体の目標に対する講義を行うことになる。そのため、講師各々が文系科目全体の目標に対し、講義内で具体的なアプローチを与える必要性があり、その目標に対して具体的な考察を行うことを迫られる。このことは講義のマンネリ化の解消、さらには講師への新たなる刺激となることが考えられる。
35y9 1.導入〜「教養」の価値〜  文化の享受による人格の完成という意味における「修養主義」とは明治後期に成立した思想であり、以後その思想から分化した様に成立したとされるのが「教養主義」である。この分化の背景として、一つには「"個人の人格を認めない不寛容な伝統的保守的文化に対しての革新的機能"*1」を期待したもの、もう一つに、「学歴エリート階級と大衆との差異化の機能」を期待したものがあるが、両者ともに現代に至るにつれ、必要性に迫られる場面は徐々に減っていき、本来の意味での「教養」という言葉は衰退の一途を辿ることとなった。そのため、今日では「教養」という言葉に従来にはなかった様々な意味や価値が付加されることとなり、我々はその意味や価値を的確に認識することが困難になっている。  そこで我々は「教養」の価値を見出すため「機会」そのものを再構成する必要があると考えた。現状、我々理工系学生にとって、文系科目は「機会」を享受するための一つの扉であるため、そのような扉、またそれを取り巻く環境を整備することを我々の提言とすることにした。 2.提言概略  提言のイメージは以下のようなものである。  目の前に一つの扉がある。扉の向こうには「教養」という名の様々な価値が存在しており、それらは、しっかりとは認識できないが、大変魅力的な光の群であることが覗き穴を覗くことによりぼやけながらも視認できる。このように、多様化している「教養」の価値を自発的に発見するような、覗き穴に当たる部分として存在するのが、「文系導入科目」である。  覗き穴を覗くことで価値を見出すことに成功した学生は、目の前の扉を開け、目の前に広がった光に向かい数ある道を歩み始める。これが「文系基礎科目」の始まりである。  当然、覗き穴が曇ってしまっていたり、扉を開け歩み始めても一向に辿り着かない道ばかりでは、学生の意欲は向上しない。そのため、扉や光への航路の整備も必要であり、そのような機能を持った「情報をもとに繋ぐシステム」の整備も必要不可欠である。 3.提言内容 3−1 文系科目の設計 ●「文系導入科目」  幅広い概念を俯瞰させ、自発的な問題意識の発生により、個人の主観に基づいた「教養」への価値を見出す「機会」を与えることを目指す。 ●「文系基礎科目」  「教養」の価値を認識することに成功した学生たちによって、各々の価値感に基づき、さらなる「能力」「知識」を獲得することを目指し始める。  「文系基礎科目」として用意する講義群としては、既存の講義を整理することで基本的には用意される。講義の統合、分離を始め、獲得できる知識のジャンル、能力のカテゴリーなどにより、大まかなグループ化を施すことで、目的への合理化を行う。また、文系導入科目からの以降も意識する必要があり、それに応じた講義の新設も検討する。 3−2 情報をもとに繋ぐシステム 4.提言の実現による副次的効果    我々の提言による期待すべき学生への効果は前述したとおり、「教養」への価値を個人で定める「機会」を与え、その価値へ向かい一歩を踏み出すことにあるが、この提言が実現した際に、講師に対しての副次的効果をも期待することができる。  既存の文系科目は講義が独立して存在しており、講義間の関連性が希薄であるように見える。一年時の「文系導入科目」におけるPhase2の段階、二年時以降の「文系基礎科目」における既存の講義の再編成、これらにより講義間の関連や連携は必要不可欠であり、それに伴い講師は文系科目全体の目標に対する講義を行うことになる。そのため、講師各々が文系科目全体の目標に対し、講義内で具体的なアプローチを与える必要性があり、その目標に対して具体的な考察を行うことを迫られる。このことは講義のマンネリ化の解消、さらには講師への新たなる刺激となることが考えられる。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: