今日も平和な白玉楼。妖夢はせっせと庭仕事です。
「……ん?」
ふと切った枝葉の中に紛れ込んだ、極彩色の小さな物体。
「毛虫か」
かぶれたらいけないので、刀の先で器用に摘み取って、妖夢はもぞもぞと蠢く毛虫をしげしげと眺める。
幼い頃から庭仕事をしてきた妖夢には、こういう虫の類はへっちゃらなのだ。
「よ~む~、何してるの?」
後ろから聞こえた主の声に振り向く妖夢。
……今からして思えば、この時点で取り返しのつかない失敗だったのだが
「小腹が空いちゃったから、お菓子とお茶を、出して、ちょう、だ……い……?」
だんだんと尻すぼみになっていく声に、妖夢は首を傾げた。
はて。そういえば、なんだか幽々子さまの顔色が青くなっていくような?
「っきゃあぁぁぁーーー!!」
急に上げられた悲鳴に、何事かと妖夢は周囲の気を探る。
そして、ふと主の視線を辿ると、その先には、白楼剣の上で雄雄しく反り返る毛虫。
「……あれ? 幽々子さまって、毛虫が苦手でしたっけ……?」
幻想郷広しと言えど、蝶といえば真っ先にこの人なのに。
「苦手も何も何よっ何なのよそれっ? 早く捨てちゃってよー!」
どうやら、毛虫が蝶の幼虫であることも知らなかったようだ。いやこいつは蛾かもしれんけど。
まさかこんな所に弱点があろうとは。きゃーきゃーと涙目でいやいやと首を振る幽々子に、
(……幽々子様……)
そんな、コトを、
(……可愛い……)
思って、しまった。
「や、やだ。ちょっと、なんで近づいてくるのよっ!?捨ててよソレー!」
じりじりハァハァと近づいてくる妖夢に、恐慌の頂点に達した幽々子は……
ばぼーん! と3WAYレーザーを放った。
「みょん!」
避けられることなど出来るはずもなく、直撃を受けて吹き飛ぶ妖夢。
そして。
……すぽっ。
毛虫は、晴れて幽々子の胃袋に収まった毛虫一号の栄誉を受けたのだった。
「……きゅう」
そしてそのまま幽々子も昏倒する。
ぎゃふん。
というわけで正解は、
「妖夢が庭仕事中に捕まえた毛虫を幽々子に見せたら幽々子が怖がって取り乱し、それを面白がってしまった妖夢が弾幕を食らい、そのはずみで毛虫が幽々子の口に入った」
でした(長ぇよ
ちなみに、みょん編だと
「藍がなにやらショックを受けてぶつぶつうなされている。原因を突き止めろ!」
で、正解は
「野性の本能でGを取ってきて自慢げに見せびらかしてきた橙にショックを受けた」
となる予定でした。
ついでに、トリップは#Gです。