take112 @ ウィキ
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take112 @ ウィキ
ja
2007-08-13T09:32:40+09:00
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考え中
https://w.atwiki.jp/take112/pages/16.html
2007-8-12
長女がYMCAのキャンプより帰宅。機嫌が悪い。八つ当たり気味。去年もこうだったという(記憶がない)。
さて、これをどう考えよう。
1. 心理学的解釈:楽しいキャンプが終わってしまったため、「もっと遊んでいたい」という気持ちが解消すべき心理状態として残り、キャンプ=外、の対称である家族=家、を攻撃することで心理的満足を得る。
2. 社会学的解釈:価値観の異なる提示(YMCAのキャンプ)を受けて、それを理解しつつあった者が、再びもとの価値体系(家族)の中に戻ったとき、旧来の価値体系を否定しようとする行動に出る。
どちらが正しい、というよりどちらも正しくないかもしれないが、以下検討を試みる。
1. について、これが正しいとすると、キャンプ以外の行動であっても、家族を交えない楽しい行動はすべてこういう機序を起こす可能性がある。でも、学校の行事ではどうだろう?泊りがけの行事がないので比較できないが、遠足や運動会ではこういったことは起こらない。また、心理的満足の方法は他にもあると思う(わがままをいう、泣き出すなど)が、攻撃パターンだけというのも解せない。
2. についても、「学校の行事だって、価値観の異なる提示があるじゃないか」という反論はあると思う。ただ、思うに、学校の行事は「家庭」構造をベースにしており、それを否定するような価値観の提示は行われていない(家族を大切にしましょう、というメッセージは絶えず伝えられる)。これに対して、キャンプではより実際の「家族」構造と切り離された擬似家族的な価値観(私生活領域への関与、リーダーのいうことを聞いてチームのみんなと仲良く)の提示と強化がなされているのではないかと思う。また、YMCA主催であることが、家族とは異なる価値観(宗教)と結びついていることも挙げられると思う。(ことの是非は、父母の叱責ではなく、宗教的メッセージによって判断される)
もしかしたら異なる「価値体系」というより異なる「社会体系」と言った方が適切かもしれない。
しかし、この点を検証するにはもう少し事例が必要。他の子でも起こる、とか。子供だけで里帰りをさせた場合、戻ってきてどういう反応をするのだろうか?攻撃的にはならないように思うのだが。
2007-08-13T09:32:40+09:00
1186965160
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読書ノート(人間関係の心理学 第4章)
https://w.atwiki.jp/take112/pages/15.html
*図解雑学人間関係の心理学 斉藤 勇 ナツメ社 2003年7月20日 第5刷
第4章 表情とコミュニケーション
1. 瞳孔の心理的反応
人は好きなものや関心のあるものを見たとき、瞳孔が拡大する。
ヘスHessの実験:被験者に赤ん坊やヌードの写真を見せると、異性のヌード、赤ん坊(女性)のときに瞳孔が拡大することを確認した。さらに、同一の女性写真で瞳孔のみ拡大修整した写真に対して、より瞳孔が開き、好意度が上がることが分かった。
2. 座席選択における心理(空間心理)
クックCookの実験:いくつかの場面で、どこに座るかを聞いたもの。1.会話場面では直角か対角の位置、2.協力場面では隣り合わせ、3.単独場面では距離のある斜めの位置、4.競争場面では正面向き、が多く選ばれた。
また、外向的性格と内向的性格に分けると、外向的性格では正面が、内向的性格では斜めの位置が好まれる。
3. パーソナルスペース(空間心理、ホール)
4つのPersonal spaceに分類
1.親密ゾーン:自分の体の半径50cmくらいの円の中。恋人や家族など
2.対人的ゾーン:半径50cm~1m。プライベートな関係
3.社会的ゾーン:半径1~3m。フォーマルな人間関係
4.公的ゾーン:半径3m以上。個人的な関係が成立せず、相手は公衆となる。
4. 非言語的コミュニケーション(ボディランゲージ)
マーラビアンの一般公式:対人態度=0.55F(表情)+0.37V(音声)+0.07C(会話内容)
音声には声の調子(パラ・ランゲージ)も大きな影響を持つ。音声の要素は、声の大きさ・高さ、話のスピード、イントネーションなどが含まれる。
2. 好意を決定する5つの要因
A.相手要因(相手の魅力) B.自己要因(性格・状態・興奮度) C.相互的要因(態度や好みの一致) D.相互作用要因(接触回数) E.環境的要因(物理的<物理的近接性など>・地理的環境)
3. 単純接触の効果(ザイヤンスZajonc)
人は何回か顔を合わせているだけで好意を持つし、接触の回数に応じて好意も増す。
ザイヤンスの実験(記憶の実験):写真を見た回数を変え、記憶のテストをするとして合わせて好意度も評価させると、回数が多い・多くなると好意度が増す。
4. 外見的魅力と好意度
ウォルスターの仮説:人は魅力のある人と恋人になると自尊心が傷つくため、自分より魅力のある人を避け、同じくらいの魅力の人を求める。
ウォルスターの実験:コンピュータによるダンス相手の紹介という設定で、実際にはランダムに引き合わせたところ、外見的魅力度(評価者がチェック)と好意度は一致していた。
5. 外見的魅力による性格評価のバイアス
ディオンの実験:教師を志望する大学生を被験者として、教師の日誌から子供の性格を判断させる。同一の日誌に別々の子供の写真がつけられているが、魅力的な写真の子供のいたずらは一時的と判断され、そうでない場合には性格によるものとされた。
6. 社会的交換理論
人間関係における心理と行動を市場原理によって説明するもの。心理的報酬と心理的コストをキーとして用いる。
フォアFoa & Foa:心理的報酬は愛情→サービス→物品→金→情報→地位→(愛情)の6つであり、特定性と具体性という2次元上に円環状に並べられる。特定性では愛情から金へと下がり、具体性ではサービスから情報へ下がる。隣接する報酬同士の交換が適切である。
7. 好意の互恵性(好意を示した人には好意を返す)
アロンソンとリンダーの実験:自分に対する印象を7セッション聞かされた被験者が評価者に対して持つ好意度は、終始P、初めNのちPの場合に好意が示され、初めPのちN、終始Nではそうではなかった。*PはPositive、NはNegative
8. 情緒の2要因説(生理要因と認知要因があり、情緒の大きさは生理要因で決まる)
ダットンとアロンの実験(つり橋の実験):つり橋を渡る男性被験者に女性がアンケートを行い、詳しい説明については電話して欲しいと告げる。この場合の電話してくる比率を図ったところ、つり橋で行った実験での比率(半数)が高く、固定された橋の場合(13%)より高かった。
9. Feeling Good 効果(グリフィット)
雰囲気が良いと好意も増す。
グリフィットの実験:性格判断を依頼された被験者を、高温多湿・適温の室内条件で比較。高温多湿状態では意見が異なる人に嫌悪を、適温ではニュートラルな反応(同じ意見の人には好意)を示した。
10. 尽くすことによって好意を持つ
ジェッカーとランディの実験:被験者はテストを受けた後、しかめ面をした実験者から、研究資金不足を理由に報酬を返還するよう要請される。要請を受けなかった被験者は実験者に対してあまり好意を持たなかったのに対し、要請された被験者は好意を持つことが確認された。
11. 自尊理論(ウォルスター)
人は自己評価が下がったときの方が恋に落ちやすい。
ウォルスターの実験:性格検査の結果を聞きに来た女性被験者は男性にデートに誘われる。その後、非常に低い性格検査の結果を聞かされた後で男性に対する好意度を聞くと、好意を示すことがわかった。
12. 認知的バランス理論(ハイダーHeider)
P(自分) O(相手) x(趣味や話題)の3つの間に+とーの関係を考えると、この3つの関係はバランス状態に向かう。
13. 意見が同じ方が好意度は増す
バーンByneの実験:被験者の意見を事前にアンケートで調べておき、他人のアンケート結果を元に知能や適応性を評価させた。この際、同意見の多さよりも、比率の方が好意に影響することがわかった。
14. マッチング仮説(マーステインMurstein)
結婚において最小のコストで最大の報酬を得ようとすると、身体的魅力が同等の人にプロポーズすることになるだろう。
マーステインの実験:99カップルの写真(A)について魅力度を8段階評価。さらに写真をばらばらにしランダムに組み合わせた場合(B)とでカップルの魅力度の差を比較。0.5%以下のカップルがAでは60%であったのに対して、Bでは49%となった。
15. 物理的距離と心理的距離は正比例する
フェスティンガーの調査:学生寮に入った新人が誰を友達とするかについて調査。新入6ヵ月後では「隣人」41%、「1部屋おいて隣」22%「2部屋」16%「3部屋」10%であった。
14. 社会的交換理論による説明
「同じ趣味の人を好きになる」のは、そのことによる心理的利得が大きいから。
15. SVR理論(マーステインMurstein)親密化の発展段階
第1段階:刺激Stimulateステージ:出会いにおいては外から見える刺激が重要。
第2段階:価値Valueステージ:価値観の類似性が重視される。
第3段階:役割Rollステージ:相互に相補的な関係となる。
16. 親密度の発展プロセス(レヴィンガーLevinger)
第1段階:接触度0
第2段階:一方的知覚段階
第3段階:直接接触段階
第4段階:相互作用段階(低・中・高)相互作用が深まる要因として価値観の共有、共感、同情、相補関係など
関係が発展する要因として、距離の近さ、環境のよさ、社会・経済的状況、性格など
17. 愛の三角理論(スターンバーグ)
愛の構成要素は3つ:a.親密性 b.情熱 c.コミットメント
これが異なる強度で結びつく結果、8つのタイプが出来上がる(カッコ内は強い部分)
1.完璧愛(abc) 2.好意愛(a) 3.夢中愛(b) 4.虚愛(c) 5.情愛(ab) 6.友愛(ac) 7.愚愛(bc) 8.悲愛
18. 恋愛の6タイプ(リーLee)
多くの個人の恋愛物語から分析
基本:a.情愛(エロス) b.遊愛(ルダス) c.友愛(ストーゲ)
組み合わせ:d.狂愛(マニア ab) e.利愛(プラグマ bc) f.神愛
19. 自己開示
ルービンの実験:実験者が例示した文章の横に被験者が文章を書く。実験者の文章には3段階の深さで自己開示があり、被験者の書く文章もそれに応じて深くなった。
20. 親和欲求
シャクターSchacterの実験:電気ショックを受けると告げられた被験者が、人のいる待合室といない待合室のどちらを選ぶか。電気ショックが強いと言われた被験者の多くは相部屋を選び、痒い程度と言われた被験者はどちらでも良いと応えた。
ジョーンズJonesの実験:孤独感の強い学生を調査(UCLA孤独尺度)。孤独感強い学生は自尊心が低く、自己評価が低い。また異性と15分間話した際の相互作用分析では否定的な感情を持つことが分かった。
2007-07-19T16:53:19+09:00
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読書ノート(人間関係の心理学 第3章)
https://w.atwiki.jp/take112/pages/14.html
*図解雑学人間関係の心理学 斉藤 勇 ナツメ社 2003年7月20日 第5刷
第3章 好き嫌いの人間関係
1. 好意的人間関係
実験社会心理学では対人好悪の研究を行っている。
2. 好意を決定する5つの要因
A.相手要因(相手の魅力) B.自己要因(性格・状態・興奮度) C.相互的要因(態度や好みの一致) D.相互作用要因(接触回数) E.環境的要因(物理的<物理的近接性など>・地理的環境)
3. 単純接触の効果(ザイヤンスZajonc)
人は何回か顔を合わせているだけで好意を持つし、接触の回数に応じて好意も増す。
ザイヤンスの実験(記憶の実験):写真を見た回数を変え、記憶のテストをするとして合わせて好意度も評価させると、回数が多い・多くなると好意度が増す。
4. 外見的魅力と好意度
ウォルスターの仮説:人は魅力のある人と恋人になると自尊心が傷つくため、自分より魅力のある人を避け、同じくらいの魅力の人を求める。
ウォルスターの実験:コンピュータによるダンス相手の紹介という設定で、実際にはランダムに引き合わせたところ、外見的魅力度(評価者がチェック)と好意度は一致していた。
5. 外見的魅力による性格評価のバイアス
ディオンの実験:教師を志望する大学生を被験者として、教師の日誌から子供の性格を判断させる。同一の日誌に別々の子供の写真がつけられているが、魅力的な写真の子供のいたずらは一時的と判断され、そうでない場合には性格によるものとされた。
6. 社会的交換理論
人間関係における心理と行動を市場原理によって説明するもの。心理的報酬と心理的コストをキーとして用いる。
フォアFoa & Foa:心理的報酬は愛情→サービス→物品→金→情報→地位→(愛情)の6つであり、特定性と具体性という2次元上に円環状に並べられる。特定性では愛情から金へと下がり、具体性ではサービスから情報へ下がる。隣接する報酬同士の交換が適切である。
7. 好意の互恵性(好意を示した人には好意を返す)
アロンソンとリンダーの実験:自分に対する印象を7セッション聞かされた被験者が評価者に対して持つ好意度は、終始P、初めNのちPの場合に好意が示され、初めPのちN、終始Nではそうではなかった。*PはPositive、NはNegative
8. 情緒の2要因説(生理要因と認知要因があり、情緒の大きさは生理要因で決まる)
ダットンとアロンの実験(つり橋の実験):つり橋を渡る男性被験者に女性がアンケートを行い、詳しい説明については電話して欲しいと告げる。この場合の電話してくる比率を図ったところ、つり橋で行った実験での比率(半数)が高く、固定された橋の場合(13%)より高かった。
9. Feeling Good 効果(グリフィット)
雰囲気が良いと好意も増す。
グリフィットの実験:性格判断を依頼された被験者を、高温多湿・適温の室内条件で比較。高温多湿状態では意見が異なる人に嫌悪を、適温ではニュートラルな反応(同じ意見の人には好意)を示した。
10. 尽くすことによって好意を持つ
ジェッカーとランディの実験:被験者はテストを受けた後、しかめ面をした実験者から、研究資金不足を理由に報酬を返還するよう要請される。要請を受けなかった被験者は実験者に対してあまり好意を持たなかったのに対し、要請された被験者は好意を持つことが確認された。
11. 自尊理論(ウォルスター)
人は自己評価が下がったときの方が恋に落ちやすい。
ウォルスターの実験:性格検査の結果を聞きに来た女性被験者は男性にデートに誘われる。その後、非常に低い性格検査の結果を聞かされた後で男性に対する好意度を聞くと、好意を示すことがわかった。
12. 認知的バランス理論(ハイダーHeider)
P(自分) O(相手) x(趣味や話題)の3つの間に+とーの関係を考えると、この3つの関係はバランス状態に向かう。
13. 意見が同じ方が好意度は増す
バーンByneの実験:被験者の意見を事前にアンケートで調べておき、他人のアンケート結果を元に知能や適応性を評価させた。この際、同意見の多さよりも、比率の方が好意に影響することがわかった。
14. マッチング仮説(マーステインMurstein)
結婚において最小のコストで最大の報酬を得ようとすると、身体的魅力が同等の人にプロポーズすることになるだろう。
マーステインの実験:99カップルの写真(A)について魅力度を8段階評価。さらに写真をばらばらにしランダムに組み合わせた場合(B)とでカップルの魅力度の差を比較。0.5%以下のカップルがAでは60%であったのに対して、Bでは49%となった。
15. 物理的距離と心理的距離は正比例する
フェスティンガーの調査:学生寮に入った新人が誰を友達とするかについて調査。新入6ヵ月後では「隣人」41%、「1部屋おいて隣」22%「2部屋」16%「3部屋」10%であった。
14. 社会的交換理論による説明
「同じ趣味の人を好きになる」のは、そのことによる心理的利得が大きいから。
15. SVR理論(マーステインMurstein)親密化の発展段階
第1段階:刺激Stimulateステージ:出会いにおいては外から見える刺激が重要。
第2段階:価値Valueステージ:価値観の類似性が重視される。
第3段階:役割Rollステージ:相互に相補的な関係となる。
16. 親密度の発展プロセス(レヴィンガーLevinger)
第1段階:接触度0
第2段階:一方的知覚段階
第3段階:直接接触段階
第4段階:相互作用段階(低・中・高)相互作用が深まる要因として価値観の共有、共感、同情、相補関係など
関係が発展する要因として、距離の近さ、環境のよさ、社会・経済的状況、性格など
17. 愛の三角理論(スターンバーグ)
愛の構成要素は3つ:a.親密性 b.情熱 c.コミットメント
これが異なる強度で結びつく結果、8つのタイプが出来上がる(カッコ内は強い部分)
1.完璧愛(abc) 2.好意愛(a) 3.夢中愛(b) 4.虚愛(c) 5.情愛(ab) 6.友愛(ac) 7.愚愛(bc) 8.悲愛
18. 恋愛の6タイプ(リーLee)
多くの個人の恋愛物語から分析
基本:a.情愛(エロス) b.遊愛(ルダス) c.友愛(ストーゲ)
組み合わせ:d.狂愛(マニア ab) e.利愛(プラグマ bc) f.神愛
19. 自己開示
ルービンの実験:実験者が例示した文章の横に被験者が文章を書く。実験者の文章には3段階の深さで自己開示があり、被験者の書く文章もそれに応じて深くなった。
20. 親和欲求
シャクターSchacterの実験:電気ショックを受けると告げられた被験者が、人のいる待合室といない待合室のどちらを選ぶか。電気ショックが強いと言われた被験者の多くは相部屋を選び、痒い程度と言われた被験者はどちらでも良いと応えた。
ジョーンズJonesの実験:孤独感の強い学生を調査(UCLA孤独尺度)。孤独感強い学生は自尊心が低く、自己評価が低い。また異性と15分間話した際の相互作用分析では否定的な感情を持つことが分かった。
2007-07-19T16:25:39+09:00
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読書ノート(人間関係の心理学 第2章)
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*図解雑学人間関係の心理学 斉藤 勇 ナツメ社 2003年7月20日 第5刷
第2章 対人認知と自己呈示
1. 第一印象(初頭効果、アッシュAsch)
Aschの実験:人物の特徴を読み上げて印象を聞くもの。同一の特徴を順序を入れ替えて読むと「順序が効果を持ち、最初に受けた特徴によって印象が分かれる」(印象形成のゲシュタルトモデル)
2. 中心的特性効果
ケリーによる実験:同一人物(心理学の先生)の紹介において、一語(冷たい・暖かい)だけ異なる略歴を事前配布し、印象形成を見るもの。この結果、印象形成(後者に「思いやりがあって、社交的でユーモアがある」と答えた割合が多い)と積極的参加度(発言数)に違いが生じた。
3. 自己呈示の分類(テダスキとノーマンTedeschi & Norman)
「戦術的・戦略的」と「防衛的・主張的」の2×2に分類。
戦術的→比較的短時間
戦略的→長期的関係を前提
防衛的→弁解・言い訳など低く評価されることを逃れるための自己呈示
主張的→自己宣伝・売込みなど
弁解(戦術的×防衛的)→無力感(戦略的×防衛的)など
4. 主張的自己呈示の分類(ジョーンズとピットマンJones & Pittman)
1.取り入り 2.自己宣伝 3.示範 4.威嚇 5.哀願
それぞれについて「相手に喚起させたい感情」「典型的な行為」「相手に求める評価」「失敗した場合の評価」を作成
5. 取り入りの自己呈示における同調
ジョーンズJonesらの実験:上司(裁量権あり・なし、人間関係重視・課題重視)と部下(上司のタイプを知らされる)に分け、予備的ゲーム→相互に知り合う(上司の意見に自分の意見を書き上司に提出)→本ゲーム を行う。この結果、自由裁量権があり、かつ、人間関係重視の上司の場合に同調が起こった。
6. 自己呈示のバイアス(男らしさ・女らしさ)
プリナーとチェイクンの実験:満腹になるまで食べるよう指示された女性被験者は同席者(女>男、魅力なし>あり)によって、「満腹になる」まで食べる量が変わる。
7. 復讐における自己呈示
ウォーケルWorchelの実験:第1faseで自分の書いたエッセーを批判された被験者は、第2faseで批判者を対象とした電気ショックを与える係りとなる。このとき、より強い批判を受けた場合に電気ショックの強さを上げる傾向があった。さらに被験者が匿名よりも顕名の方が強くなった。
8. 自己誇示的自己呈示(欧米人に多い)と自己卑下的自己呈示(日本人に多い)
マーカスとキタヤマ:日本人は相互依存的自己を持ち、欧米人は独立的自己を持っているから、と説明。
9. 性格の判断(共変の原理 ケリー)
事象の原因として相手の性格に帰する場合、4つの条件と3つの性質の立体モデルで考える。
4つの条件:相手の人(実体)、判断する人(々)、時、状況
3つの性質:
1 弁別性(一般的他者との比較)
2 一貫性(時や相手によらず起こる)
3 合意性(自分以外の判断者による合意)
10. 予測の自己実現性(ピグマリオン効果)
第一印象が当たるのは、第一印象に従った相互作用がなされることによる。
ローゼンバークらの研究:知能テストの実験を行い、その結果を教師のみに教える。実際の結果とは関係なく、教師に「良い結果」だったと伝えられた生徒は6ヵ月後のテストで成績が伸びており、「そうでない」と伝えられた生徒は伸びていなかった。
2007-07-17T17:25:01+09:00
1184660701
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読書ノート(免疫の意味論)
https://w.atwiki.jp/take112/pages/11.html
*免疫の意味論 多田富雄 青土社 1993年4月20日 第1刷
第1章 脳の「自己」と身体の「自己」
>episode 神経管キメラ ニワトリにウズラの卵を使って、発生途上の胚の神経管の一部を入れ替える。しかし、キメラとなったニワトリはやがて衰弱して死ぬ。ニワトリの免疫系がウズラ由来の細胞を「非自己」の異物として認め、拒絶するからである。ところが、神経管移植の際にウズラから「胸腺」になる原基を取って移植すると拒絶反応は起こらない。
命題 「自己」と「非自己」を規定しているのは脳ではなく免疫系である。
解題 「自己」と「非自己」を識別するのは「組織適合抗原」であり、MHC(主要組織適合遺伝子複合体、major histocompatibility complex)と呼ぶ遺伝子群。人間ではHLA(human leukocyte antigen)抗原と呼ばれる。MHC抗原は、細胞の表面にあるタンパク質で、人間では少なくとも6種類の分子が知られている。MHC遺伝子は、人間では第六染色体上に集合して存在する。この6種類のタンパク質とその組み合わせをリンパ球系のT細胞が認識し、排除しようとする。
第2章 免疫の「自己」中心性―胸腺と免疫の内部世界
>episode B.C.409年カルタゴはシチリアのセリヌス(現セリヌンテ)を攻略した。その後、シラクサを攻撃したがペストが発生し、B.C.406年には撤退。B.C.398年に再度シラクサを攻略したが再びペスト禍に遭った。前回でペストを耐過したシラクサ軍には病人が少なかったが、新しく編成したカルタゴ軍には患者が続出し、戦闘どころではなかった。
命題 免疫系からみた「自己」と「非自己」とは何か。
解題 人間では「胸腺(Thymus)」の重量は、10代前半で35gに達し、その後密度でみると40代で50%、60代で25%に縮小する。この胸腺からサプライされる細胞が(胸腺の頭文字をとって)T細胞と呼ばれるリンパ球であり、「非自己」を強力に排除するための免疫反応の主役となる。
T細胞は胸腺から出て行く段階で役割が決まっており、以下のものを含む。
・ ヘルパーT細胞:免疫反応を増強させる働き
・ サプレッサーT細胞:免疫反応を抑制させる働き
・ キラーT細胞:細胞に取り付いて殺す
これらのT細胞は、細胞の表面に「自己」と「非自己」を見分けるTcR(T細胞抗原レセプター、T cell receptor)分子を備えている。
T細胞は直接「非自己」を発見するのではなく、「自己」に入り込んだ「非自己」を認識するらしい。
例えば、アルブミンが人間の血液中に入った場合は、
①マクロファージ(白血球系細胞)によって捕食され、分解される
②分解されたアルブミンの断片がマクロファージの表面に出てくる
③マクロファージ表面にあるHLA抗原(クラスⅡHLA抗原)は細胞表面と内部を循環しており、この過程でアルブミンの断片と結びつき、細胞表面に浮上(「抗原の提示」)
④T細胞が、TcRによりHLA抗原に付いたアルブミンの断片を認識
⑤T細胞が活性化し、遺伝子が活動して様々な活性分子が合成され、最終的にアルブミンに対する抗体が合成される。
という機序をとる。
胸腺でのT細胞の製造
①造血幹細胞が胸腺に入って分裂増殖を始めると、遺伝子が動き出しTcRの遺伝子がつなぎ合わされる。
②TcRを持ったT細胞ができると(第一段階)胸腺上皮細胞上のHLA抗原を認識できるか、(第二段階)自己のHLA抗原と強く反応して排除してしまわないか、が試される。(96~97%のT細胞がふるい落とされる)
第3章 免疫の認識論―ネットワーク説をめぐって
命題 抗体について。B細胞の選択と教育のシステムは?
解題 抗体を作る細胞をB細胞(Bone Marrow=骨髄に由来)と呼ぶ。抗体分子をレセプターとしてもち、抗原を認識すると大量に抗体分子を合成分泌し始める。抗体分子は免疫グロブリン(Immunogloblin、Ig)というタンパク質に属し、H鎖(Heavy Chain)とL鎖(Light Chain)のポリペプチド鎖を持つ。
・ H鎖 V遺伝子(Variability)突然変異を頻繁に起こす(人間のH鎖には数百個)
D遺伝子(Diversity)多様性(4個)
J遺伝子(Joining)連結(4個)
・ ネットワーク説(ニールス・K・イェルネ)
抗体分子はお互いに反応しながらひとつのネットワークを作っている。あらゆる「自己」は、「自己」にとって新しいものではあり得ない。(チョムスキーの生成文法論を引いている)
抗体がどのようにして「非自己」と反応するレパートリーを用意できるか、という問題についての回答を与えているが、一方で、反応の大きさ、方向性(正・負)・時間・質が決定されるかという問題についての回答にはなりえていない。また、T細胞やインターロイキンの研究が進むにつれて、固有の働きを持つ分子のエスタブリッシュメントシステムがわかって、ネットワーク説は急速に力を失った。
第4章 体制としての免疫―インターロイキン王国の興亡
命題 T細胞はどのようにしてB細胞の増殖、分化、成熟、タンパク合成を助けるのか。
解題 B細胞刺激因子としてインターロイキンが脚光を浴びた。
IL(interleukim、インターロイキン)=白血球(leukocyte)間の情報伝達分子。現在11種類が認められている。また、インターロイキンと同じカテゴリーに入る分子としてサイトカイン(cytokine)と総称されるものがある。
・ IL1 脳の発熱中枢に働いて発熱を起こさせることなど
IL2 他のT細胞についてその増殖を促す(谷口維紹)
IL3 造血細胞に働いて増殖と分化を促す(新井賢一)
IL4 抗体のクラス転換に関与する(本庶佑)
IL5 B細胞に抗体を合成するよう指令する(高津聖志)
IL6 B細胞が抗体を合成する際の後期過程を指令する(平野俊夫、岸本忠三)
・ 1つのインターロイキンは複数の反応に関与している。これは元々同じ元祖遺伝子の重複によって生じたことで、発現制御に共通の調節性エレメントを用いるためと解される。
・ インターロイキンの有する冗漫性と曖昧性の上「自己」は成立している。
第5章 超システムとしての免疫―自己の成立機構
命題 T細胞、B細胞、インターロイキンという別々の免疫細胞はどのようにしてできてきたのか。
解題 すべて、1種類の造血幹細胞と呼ばれる原始的な細胞に由来する。幹細胞は、胎児発生の過程で、まず肝臓内に出現し、出生後は骨髄中にある。この幹細胞がT細胞、B細胞、マクロファージなどに分化すると、細胞表面にCD(cluster of differentiation)分子と呼ばれる、特徴のある糖タンパク質が現れる。
造血幹細胞がT細胞になるかB細胞になるかは、細胞が分化する際の環境による。胸腺に入ればT細胞に、骨髄内のストローマ細胞が指令を行うとB細胞へ分化する。TcRのレパートリーもT細胞が成熟する環境によって決定される。免疫系は、単一の細胞が分化する際の場に応じて多様化し、流動的なシステムを作る。それからさらに「自己」に適応して多様化と機能獲得を行っていく。このような変容と自己組織化を超システムと呼びたい。
その超システムが機能するための条件として
1. システムの構成メンバーが十分に多様であること
2. 多様な要素が、自己言及的なやり方で補充可能であること
3. それぞれの構成メンバーが、単一あるいは複数の役割分担を持ち、相互調節関係を持つこと
この超システムは、その構成メンバーに一定以上の障害・欠落が生じたときに破滅に至る脆さを持っている。その典型例がエイズと老化である。
第6章 スーパー人間の崩壊―免疫系の老化
命題 超システムの崩壊として、老化現象を考える。
解題 個体の老化は分裂能力の低下だけでは説明できない(造血・免疫系細胞は老人から採ったものでもよく増殖する。試験管内で適当な条件を与えるとほとんど永久的に分裂し続ける)。老化は分裂能力の低下や老化物質のようなものが重層的に様々な臓器で起こって超システムとしての個体を崩壊させる過程。
免疫系における老化:老人の方がインフルエンザにかかりやすく治癒も遅れる。胸腺の退縮にやや遅れて、T細胞系の免疫機能の低下が起こる。この抗体の生産能力が低くなる頃から、「自己」の細胞の核と反応するような抗体が作られ始める。この結果、結成中のIg(免疫グロブリン)の量は年齢とともに上昇する。「非自己」との中和抗体をうまく作れなくなるのはこのためである。
胸腺の加齢による退縮は、偏ったレパートリーの自己増殖と幹細胞から胸腺の選択・教育を受けることなくサプライされるT細胞が増える(自己との反応)ことで、超システムの原則が失われ、「自己」の同一性が崩壊する。
第7章 エイズと文化―RNAウイルス遺伝子の謀略
命題 超システムの崩壊として、エイズを考える。
解題 エイズウィルスの粒子は、ヘルパーT細胞の表面にあるCD4(糖タンパク分子)に結合する。結合したウィルスは酵素作用で被膜を脱ぎ、中身だけ細胞内に入るが、ここで逆転写酵素を使ってRNAをDNA(プロウィルス)に読み替える。このDNAが細胞核のDNAに入り込み、遺伝子の一部となって複製を行っていく。
こうしてCD4を持ったヘルパーT細胞が血液中からほとんど消失するとエイズが完成する。抗体は作られるが、結合する被膜のタンパク質をコードする遺伝子にはインフルエンザの十倍以上の速さで突然変異が起こるため、追いつけない。
人工的に作ったCD4を血液中に加えても急速に消失してしまう(試験管内ではうまくいく)。ウィルスに直接働くジオキシニクレオシド誘導体という化学製剤だけが臨床に応用されている。私とルナール純子氏は、人間の新鮮血清中に含まれるB因子と呼ばれるタンパクが、他の血清分子との協同作用でエイズウィルスに感染したT細胞の死を防ぐことを発見した。
第8章 アレルギーの時代―あるいは相互拒否の論理
>episode イタリアのジローラモ・カルダーノは1552年、セント・アンドリュース大司教の喘息を往診することになった際、白鳥の羽毛が入った枕を取り上げることで、喘息を治癒した。
また、1902年モナコでクラゲの毒の研究をしていたフランスのポルチェとリシェは、きわめて少量のクラゲ毒でショック死してしまう犬がいることを発見し、アナフィラキシーショックを発見した。
命題 アレルギー(allos<変わる>とergon<力>の合成語)はなぜ増加したのか、その意味するところは何か。
解題 アレルギーの機序は以下のとおり(花粉症の例)
1. 粘膜に捕らえられた花粉のタンパク質が溶け出し、マクロファージがそれを貪食する。
2. マクロファージ表面上に浮き出てきたタンパク質の断面に対して、ヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞が発見し、抗体を合成する。
3. この際、サプレッサーによる抑制が働かないと、アレルギーを起こす抗体の生産が高まる。
4. アレルゲンと反応したB細胞は、ヘルパーT細胞(IL4とIL5)の指令によって、抗体(IgE)を生産する。
(アレルギーを起こす抗体、IgEと呼ばれる免疫グロブリンは、1966年石坂公成、照子によって発見された。血清中の濃度は1cc中に1/100万gしかない。)
5. IgEは体内のいたるところにある肥満細胞と血液中の好塩基球(特殊な白血球)の表面に強固に結合する。(アレルギー準備状態)
6. アレルゲンと反応したIgE抗体は、肥満細胞と好塩基球に存在する毒性を持ったアミン化合物(ヒスタミン、セロトニンなど)を遊離する。
7. ヒスタミンは平滑筋を収縮(喘息)させ、血管を拡張し(血液成分が漏れて蕁麻疹が起こる)、メディエーターと呼ばれる分子を新たに合成し、分泌する。
アレルギーの発症差は、遺伝的(アレルギーを抑制する働きの方が遺伝する/九大 笹月健彦)に決定されている。
アレルギーの増加要因として、子供の鼻や喉の感染症の変化が重要と考える。青洟には多数の細菌があり、免疫系を強く刺激していたはずである。こういう化膿菌に対してはIgG抗体は作られるが、IgE抗体の生産は抑制される。抗原によってはIgG生産を促すTh1ヘルパーT細胞が選択的に刺激されるからである。
これまで共存してきた雑菌という本来の敵を失った局所の免疫系が、過剰の拒否の姿勢を示しているように見える。
第9章 内なる外―管としての人間
命題 人間を消化管という管を内腔とした巨大な管と見たとき、消化管の免疫学的意味について
解題 消化管粘膜下の血管の周囲、粘膜固有層には多くの免疫系細胞が分布するが、中でもB細胞が一番多い(全身のB細胞の70~80%が存在)。消化管は外部と接触する場であり(腸の内部は「外界」)、それに対応するための強力な免疫学的戦略が配備されている。
粘液には共通して抗体が含まれ、それも血液中には少ないIgAに属している。IgAは一日で4g(体重60kgの人)生産される。IgGが0.034g、IgMは0.008g、IgEは2/10万gであることから、IgAが突出して多いことがわかる。
免疫グロブリンには、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEがあり、IgGとIgMは抗原の破壊白血球の遊走、炎症などの強烈な反応を起こす。これに対してIgAは炎症も起こさず、破壊もしない。アレルギーも起こさないが、大量に存在することで抗原を中和し、抗原が過剰に増えるのを抑えるといったゆるやかなバリアーを作っていると思われる。
消化管は、外界の異物を拒否するのではなく、「寛容」(特異的に免疫反応を起こさなくなる現象)になるための働きかけをしているらしい。
第10章 免疫系の叛乱―自己寛容と自己免疫
命題 自己免疫の意味について
解題 「自己中毒の恐怖」"horror autotoxicus"(自己に対する免疫は元々起こらないようにできている)と語ったパウル・エールリッヒ(1908年ノーベル賞)にかかわらず、ほとんどすべての臓器に自己免疫性の病気がある。
これは、T細胞ほどには、B細胞の自己反応性の排除がはっきりしていないこと、B細胞では抗原の刺激を受けるとIg遺伝子に高頻度で突然変異が挿入されることがある。にもかかわらずB細胞が自己抗体を作らないのはT細胞からの指令がないからだとされている。
しかし、試験管内での培養結果からは、T細胞は自己とも反応する。自己反応性T細胞は完全には消去されていない。T細胞の指令がないという以上に複雑なメカニズムが働いているらしい。
考えられものとして以下の2つを挙げる
1. 自己反応性のB,T細胞は過剰に存在する自己抗原と反応した結果、「無能力(アネルギー)」になってしまう。
2. 自己反応性T細胞がサプレッサーT細胞を強力に刺激し、自己破壊を起こさないようなメカニズムを働かせているらしい。
いろいろな自己免疫疾患が、特定のHLAの型と強い相関を示している。自己抗原が入り込みにくいHLA分子を持っている人では、自己反応性T細胞が呼び覚まされず、そういう形での自己免疫病は起こらないはずである。
第11章 免疫からの逃亡―癌はなぜ排除されないか
>episode イタリアの孤島サルディニアは様々な他民族に征服されてきたが、土着の民族性は2000年にわたって維持された。この要因のひとつに風土病がある。サルディニアには悪性のマラリアがはびこり、内陸までの征服を許さなかった。しかし、島民の方は地中海性貧血という遺伝病を持ったため(発症率で20%、遺伝子保有で70%に達する)、赤血球が変形し、マラリアが感染できなかった。
命題 なぜ癌に対して免疫系は積極的な抵抗をしないのか。
解題 なぜ、有効なマラリアのワクチンが開発されないのか。
マラリアの機序は以下のとおり
1. マラリアを媒介する蚊が人を刺すと、唾液腺の中にいたスポロゾイトと呼ばれる時期の原虫が皮膚に送り込まれる。
2. スポロゾイトは血液を通って肝臓に達し、そこで形を変えて増殖し始める。
(この段階で原虫はメロゾイトと呼ばれる)
3. 1個の肝細胞から4万個のメロゾイトが血中に放出される。(激しい発熱悪寒が起こる)
4. メロゾイトは赤血球に入り込み、何段階もの変化を起こしながら増える。
やがて赤血球は破裂し、さらにメロゾイトが新しい赤血球に感染する。
マラリア原虫は頻繁に形を変えるため、抗原性を変化させる。赤血球中にいる間は(赤血球にはHLA抗原は無いので)抗体もリンパ球も触れることはできない。放出されたメロゾイトの表面のタンパク質は深く折り畳まれた形になっていて、抗体と結合できる部分は露出していない。
癌に対する免疫は存在する。「自然」に存在するNK細胞(Natural Killer Cell)がそれである。癌細胞が出現しやすい消化管の上皮などではたくさんのNK細胞が集まっていることで知られている。NK細胞は正常の細胞とは微妙に異なった部分を見つけて細胞膜に穴を空けるような物質を吹き出して殺してしまう。NK細胞の機能は青年期に最も高く、40歳代で半減し、高齢者では著しく低い。
癌抗原の一部はHLAクラスⅠ抗原とともに癌細胞の表面に現れる。癌免疫が起こるためには、まず、癌抗原とHLAクラスⅠ分子が結合できるかどうかであり、その次に、ヘルパーT細胞(CD4T細胞)がHLAクラスⅡ分子に結合した癌抗原を認識する必要がある。さらに、癌抗原によってサプレッサーT細胞が刺激されないことが必要である。
これに対し、癌細胞ではHLAクラスⅠ分子が消えてしまう例がある。また、癌抗原のいくつかは人間が胎児の頃に作っていた分子であり、「自己」と認識されてしまう。HLAクラスⅠ分子に結合し、キラーT細胞によって「非自己」と認識されるような癌抗原は、実は著しく少ない。
癌遺伝子は、実は人間にもともとあった遺伝子を、ウィルスが自分の中に組み込んで持ち出したものであることがわかった。しかし、どんな小さな違いでも免疫系は発見することができるはずである。微細な変化部分を含むタンパクを人工的に合成してうまくHLAクラスⅠ分子に結合させられないか。またHLAを癌細胞に強く発現させられないか。サプレッサーT細胞の刺激を抑制することも考えられる。
第12章 解体された「自己」―再び「自己」について
命題 再び「自己」とは何か
解題 免疫系が見ている「自己」では、人間に寄生しているウィルス(内在性ウィルス)を「自己」の中に包含している。また、マラリア原虫や住血吸虫も「自己」と同様に扱う。これに対して自分の遺伝子でコードされているタンパクでも、甲状腺のコロイドタンパクなどは「非自己」として認識し、免疫反応を起こす。
免疫系が発生してくる環境に存在していた物質の総体が「自己」である、という回答もあるが、母乳タンパクなど、成熟した初めて作り出されるようなタンパク質があることから、これも否定される。
正確には免疫学的「自己」というものが存在しているわけではない。反応する「自己」、認識する「自己」、認識される「自己」、寛容になった「自己」というように、「自己」は免疫系の行動様式によって規定される。そうすると、「自己」というのは、「自己」の行為そのものであって、「自己」という固定したものではないことになる。現代の免疫学は、「自己」の行為が「自己」を規定するという部分について理解しようとしているのである。
(ねずみの同系統では移植できるが他系統には移植できないなど)移植が成立するかどうかを決定している因子は、組織適合抗原といい、最も強力な抗原を主要組織適合抗原、それを決定している遺伝子座をMHC(主要遺伝子組織適合遺伝子複合体)と呼ぶ。人間のそれはHLAである。
免疫は、ウィルスや細菌の感染防御にとりあえず成功している反面、自己免疫も決してまれな事例ではない。「自己」と「非自己」は互いに曖昧につながっている。それにもかかわらず「自己」の同一性はその時々で保たれている。その「自己」も、時とともに変貌する。
2007-07-17T15:19:53+09:00
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読書ノート(人間関係の心理学 第1章)
https://w.atwiki.jp/take112/pages/12.html
*図解雑学人間関係の心理学 斉藤 勇 ナツメ社 2003年7月20日 第5刷
第1章 人間関係の中の自分
1. 「自己意識状態」と「外部意識状態」
フェニングスタインFeningstein:どちらの傾向が強いかで性格が異なると論じ、自己意識性格テストを考案している。
2. 「私的自己意識」と「公的自己意識」
自己内部を意識する心理状態と外部から見られることを意識する心理状態
ハスの実験:TVカメラを向けたときと向けないときで「額にEを描く」という実験を行い、どちら向きに描くかを調べた。結果、TVカメラを向けられた方が外部から見たEを描く人が多かった。日米比較では日本のほうに多い。
3. 「自己評価」:「好意的評価」と「否定的評価」
自己意識と自己評価の間にギャップが生じる場合、不快感が発生するため、そこから逃れようとする(逃避)。
ギボズとウィックランド:女性から「好意的評価」or「否定的評価」を与えられたときに、その前に行った作業(女性に伝える音声の吹き込み)の分析について、自分のものを選ぶか、他人のものを選ぶか⇒好意的評価の場合は自分の声を長く聞き、否定的評価の場合はあまり聞かなかった。
4. 「私的自己意識」と「公的自己意識」による行動の違い
私的自己意識の高いときは、より自分の信念や価値観に基づいて行動するが、公的自己意識の高いときは他者の期待に沿う形で行動する。
フローミングFloming, Wal Ken & Lopyanの実験:電気ショック実験で、操作者に「自分が見える鏡を置く」場合と「自分を観察する人物がいる」場合に分ける。前者だと電気ショックは弱め、後者だと強めになった。
5. 「絶対的評価」と「相対的評価(社会的=対人的比較)」
人はあることに確信を持とうとするとき、「物理的真実性」と「社会的真実性」の2つの基準を持つ。物理的真実性(100泳げる)は社会的真実性(私だけ泳げる or みんな泳げる)を担保しない。
6. 自己評価は社会的比較による
モスとガーゲンの実験:自己評価を含むアンケートを前半は1人で、後半は"優秀"そうな人と一緒に行う。⇒アンケート後半では自己評価を下げた。("優秀でな"さそうな人の場合は評価を上げた。
7. 対人比較欲求
フェスティンガー:社会的比較をするのは、快適な生活のために自己評価を明確にし、安定させたいため。⇒同じような位置の人と比較する傾向を持つ。
ムーサ&ローチの実験:飛びぬけて美人だと思っている女子学生は心理的に不安定になる。(対人比較による社会的真実性やサポートが確保されないため)
8. 能力における社会的比較
能力には客観的な優劣が存在するため、自信や自尊心が満たされているときは「向上志向(自己高揚)の社会的比較」に、そうでないときは「下向志向(自己防衛)の社会的比較」に向かう。
9. 自己確証フィードバック行為
スワン&リードの実験:女子学生に自己主張的かどうかのアンケートを行い、そのアンケートと(結果?)と性格について、男子学生より質問を受けることとする。この際、「自己主張的な」人は自己主張的な質問項目を、「そうでない」人は控えめな質問項目を質問してもらうように言うことが確認された。
10. セルフ・モニタリングSelf-monitering(スナイダーSnyderによる理論)
自分と相手との関係や自分が置かれている状況を監視しながら人間関係を進めている。さらに、高モニターの人と低モニターの人がいる。
11. セルフ・プレゼンテーション Self-presentation
対人場面で相手から高い評価や好意、報酬を得たいという思いから、それに合った自分を相手に見せること。様々なストラテジー(対人方略)があり、モニタリングによってここのストラテジーが選択される。
実験:自己性格アンケートを行い、3週間後に再度行う。再アンケートの前に、異性に結果を伝えることを説明したところ、異性の情報(家庭的な人を好む)に沿った回答が増加した。
12. セルフ・ハンディキャッピングSelf-handicapping
試験前の言い訳や弁解などに現れる心理
バーグラスの実験:偽薬(知的促進or知的妨害)を用意し、被験者には事前にテストを受けさせる。結果が良かったと告げられた者は、2回目のテストに当たって「知的妨害薬」を、結果が悪かったと告げられた者は「知的促進薬」を、被験薬として選択した。(自尊心が満足した者は、それを傷つけられるのを恐れると解釈される)
13. 自己評価維持方略(テッサーによる)
悪口・非難(同僚の昇進をねたんでいう)、栄光浴(同郷の先輩の自慢)などの、自尊心の防衛の仕方を理論化。
「人は自尊心を高める(回復する)ために、自分にとってさして重要でない分野では栄光浴を、重要な分野では非難・悪口を用いる」
14. 顕著性(相手にとって注視の的になること)によるリーダーシップ
テイラーの実験:2者間の会話を聞いてどちらにリーダーシップがあるかを判定する実験で、観察者は実際の距離よりも顔の見える者にリーダーシップがあると評価した。
15. 自己標的バイアス(自分が注目・批判を集めているという過剰な思い込み)
フェニングスタインFeningsteinの実験:<自分の成績が悪い>20%に対して、<隣の人の成績が悪い>は8%。8人の集団で「デモンストレーションをする人を選ぶ」と言ったときの<自分が選ばれる可能性>を高く評価した。
16. 自己認知スタイル
抑うつ的自己スタイルを持っている人は自分の悪い点・状況にのみ注意を向けてしまう。
ダリーンバーグ&ビジネスキーの実験:テストを受けた後の自己意識調査によって、抑うつ的でない人は成功した場合の方が自己意識が高まったのに対して、抑うつ的な人は失敗した場合により自己意識が高まった。
17. 帰属理論(ハイダーHeider、ナイーブ<素朴な>心理学に基づく)
「人は、人の行動を見たとき、そこには原因があると知覚し、その原因を行為者当人か、環境のどちらかに求める。」また、これによってその対応行動が異なる。
行為者当人:能力的原因と動機的原因
環境:課題の困難性と運
18. 帰属原因マトリックス(ワイナーWeiner)
帰属原因を「外的・内的」と「固定的(能力など)・変動的(運など)」で分類。
1. 内的×固定的要因 → 能力・能力不足
2. 内的×変動的要因 → 努力・努力不足
3. 外的×固定的要因 → 課題・課題困難性
4. 外的×変動的要因 → 運・不運
これによる対応行動の変化とプライド・羞恥心のモデル(バー・タルBar-Tal)
ワイナーはさらに統制可能性を加えて2×3のモデルに修正している。
19. 行為者-観察者帰属バイアス(ニスベット)
行為者は変動的要因(不運)に、観察者は固定的要因(能力)に帰属しがちである。
ニスベットの実験:ボランティアを2回頼む際、2回目に対する行為者(頼まれた人)の考えと観察者(それを見ていた人)の予測が異なっており、観察者の方が行為者の性格にそれを帰した(あの人はそういう人だから次も・・)。
20. 自己高揚帰属バイアス
人は成功原因を内的要因に帰属し、失敗したときには外的要因に帰属する傾向がある。この場合を自己高揚帰属バイアス、この逆を自己卑下的帰属バイアスと呼ぶ。人間関係を重視する場合には自己高揚帰属バイアスは生じない。
21. 自己中心性バイアス
ロスRoss & Sicolyの調査:夫と妻それぞれが、どれくらい家事をしていると思っているかの調査。自分がより多く(長く)家事を負担しているという結果から、自分の貢献を高く見積もり、相手の貢献をより低く見積もるという自己中心性バイアスが生じていた。
22. 自己関連付け効果
自分と関連していることはよく覚えているが、関係ないことは覚えていない。
ロジャースRogers, Kuiper & Kirkenの実験:モニター上の単語に合わせて次の質問のどれかが表示される。1 大文字ですか? 2 ○○と韻を踏んでいるか? 3 ○○と同じ意味か? 4 あなたに当てはまるか? この後、単語を思い出させると4が最もよく思い出される(平均再生回数 1 0.05 2 0.08 3 0.14 4 0.30)。
2007-07-17T15:14:18+09:00
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