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e_nar_1 | 鳴歌END シーン1 スタート

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;背景(部室 もしくは女部屋)
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<結騎 凛>
「よし。これで完璧よ!」

<西友 鳴歌>
「結騎さん。本当にありがとうございました」

<結騎 凛>
「それにしても驚いたわ。失礼な言い方だけどここまで化けるとは思わなかったわ」

<西友 鳴歌>
「結騎さんのご指導とご協力のおかげです」

<結騎 凛>
「御社くんがたまに、素材はいいのに全く活かせてなくて憎たらしいって言ってたけど、どういうことなのかいまなら分かるわ」

<西友 鳴歌>
「あううぅ」

<結騎 凛>
「でも勝ったと思わないで! 私だってあと2回、変身できるのよ。眼鏡オフで1回、そうしてこの髪留めを外して2回よ!」

<西友 鳴歌>
「か、勝っただなんて思ってないです。いまでも充分負けてます。胸とか、胸囲とか、バストとか色々……」

<結騎 凛>
「全部胸じゃない! それ以外は勝ってるってこと?」

<西友 鳴歌>
「じょ、冗談です。わ、わたしなりに頑張ってみました」

<結騎 凛>
「あはは、それだけ言えるようになれば大丈夫か。それじゃ鳴歌。頑張ってね」

<西友 鳴歌>
「うん。り、凛さんもコンクール、頑張ってください」

<結騎 凛>
「凛でいいってば。凛さんってなんか食品添加物みたいで嫌なのよ」

<西友 鳴歌>
「わ、分かりました。そ、それでは行ってきます。り、凛」

<結騎 凛>
「行ってらっしゃい鳴歌」

…………

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e_nar_2 | 鳴歌END シーン2 スタート

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;背景(繁華街)
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遅い。遅すぎる。

いったい何があったと言うんだ?

まさか事故にでも遭ったんじゃないだろうか?

はっ! ひょっとして痴漢か!

いや待て、まだ5分だ。待ち合わせ時間を5分過ぎただけだ。

まだ慌てる時間じゃない。

西友のようなタイプは、約束の時間より1時間以上前から待ってるイメージがあったので、待ち合わせ時間を過ぎてまだ数分しか経ってないにも関わらず、不安が募る。

駅に電車が止まる度に、人の固まりが改札からあふれて出てくるが、その中に西友は見当たらない。

次の電車なのか? そうだな。きっとそうだ。

;イメチェン後の鳴歌立ち絵(※なければこの辺の描写変更)

<西友 鳴歌>
「お、お待たせしました。遅くなってすみません」

ふと、オレの目の前に立った美少女が、そんな台詞を喋った。

誰だろう? 知り合いにこんなカワイイ女の子は居ないぞ?
男ならいるけどな。

<坂本 隼人>
「えっと。誰かと勘違いしてる?」

<西友 鳴歌>
「い、いくら遅れたからって、そういう態度は酷いと思います」

え? どういうことだ? 訳が分からない。本当に誰だ?

<坂本 隼人>
「ご、ごめん。本当に分からないんだけど? オレたちどこかで会ったことある?」

<西友 鳴歌>
「ほとんど毎日会ってますよ。鳴歌です。わたし、西友鳴歌です」

<坂本 隼人>
「えっ!」

目の前の美少女は、自分のことを西友鳴歌だと言った。

西友だって? ハハッ、冗談だろ。冗談……。

だが、西友と名乗る少女をまじまじと見ると、確かに西友の面影があるというか……うん。まさしく本人だった。

<坂本 隼人>
「ば、化けすぎだろ。なんだその、そのぉ~。あ~くそっ! とにかくそれは反則だ」

<西友 鳴歌>
「なんだか分かりませんが、いきなり反則とか理不尽じゃないですか~。似合ってないなら似合ってないと言って下さい」

くっ! こいつめ。ワザとか?

オレから似合ってるという台詞を引きだすための演技なのか?

<坂本 隼人>
「おまえが鳴歌だということは分かった。そうしてその姿が似合ってるというか見違えたことも認めよう。だがそれで勝ったと思うなよ!」

<西友 鳴歌>
「あ、ありがとうございます!」

<坂本 隼人>
「ちなみにそれってひとりでやったのか? それとも母親に手伝って貰ったのか?」

<西友 鳴歌>
「いえっ、あの、お母さんは、その、化粧とかしない人なので……。だから結騎さん。あ、いえ、凛に手伝って貰いました」

<坂本 隼人>
「結騎か。なるほど。その格好はあいつの見立てというわけか。よかったな」

<西友 鳴歌>
「もう大丈夫ですと何度も言ったのですが、なかなか許してくれませんでした」

いつの間に仲良くなったのか、オレ以外にもちゃんとした友達ができたんだな。

嬉しいと思う気持ちと、少し寂しいと思う気持ちがブレンドされた、なんとも奇妙な感情が胸中にくすぶっている。

いつの間にか、“坂本さん”に頼りきりの鳴歌ではなくなりつつあるようだ。

<坂本 隼人>
「それで遅れたって訳か」

<西友 鳴歌>
「お待たせして申し訳ありません。でもどうしてもこの格好で行きたかったんです」

<坂本 隼人>
「声優のオーディションとはいえ、最近じゃルックスも審査の対象になるらしいな」

<西友 鳴歌>
「ど、どうでしょう。でも同じくらいの実力なら、カワイイ方を選ぶとは思います」

<坂本 隼人>
「そうだな。それが人情ってものだな。その選択は間違ってないと思うぜ」

<西友 鳴歌>
「えっと。私がこういう格好をしたかった理由はふたつほどありまして……」

<坂本 隼人>
「ふたつ? ひとつはオーディション向けだよな? もうひとつはなんだ?」

<西友 鳴歌>
「あの、そのぉ。この街にはあまり会いたくない人がよく遊びに来ていて、できれば鉢合わせたくないというか、気付いて欲しくないといいますか……」

西友はこの繁華街にて会いたくない人物がいるらしい。
いったい誰だ?

<坂本 隼人>
「一種の変装みたいなものか?」

<西友 鳴歌>
「そうです」

<坂本 隼人>
「いつもの鳴歌を知ってるやつになら絶対に気付かれないと思うぜ。なにせオレも最初は分からなかったくらいだからな」

<西友 鳴歌>
「それはそれで少し残念なんですよ」

<坂本 隼人>
「まあいいじゃねえか。それくらい可愛くなったってことだからよ」

<西友 鳴歌>
「そ、そうですか。ありがとうございます」

<坂本 隼人>
「それよりそろそろ行こうぜ。まだ充分間に合とは思うが、せめて歩きながら話さないか?」

<西友 鳴歌>
「そ、そうでした。きょ、今日はよろしくお願いします」

ぺこりとおじぎをする西友。
ポニーテールが揺れ、可愛いうなじが見えてしまい、少しドキリとした。

<坂本 隼人>
「少し急ごう」

オレは鳴歌を連れだって、オーディション会場へと向かった。

…………

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e_nar_3 | 鳴歌END シーン3 スタート

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;背景(公園)※背景が無いなら適当な場所で
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鳴歌をオーディション会場であるスタジオまで送ったあと、オレは第2の待ち合わせ場所である公園にて時間を潰していた。

オーディション会場には予想していたよりも人は集まっていなかった。

それでも100人前後はいたが、こういう一般公募のオーディションにしては少ないんじゃないかと思った。

そのことを西友に尋ねると、意外な言葉が返ってきた。

オーディション会場に集まったのは一次選考通過者であり、ここでは二次選考を行うのだという。

すでに一次選考は終わっており、規定のセリフを音声ファイルで応募し、合格者にこの場所を指定するハガキが届くのだという。

そうして西友に、一次選考を通過したというハガキが届いたというわけだ。

オレを練習に誘ったのは二次審査のためだったというわけだ。

そういうことなら、前もって言ってくれれば、部員全員でバックアップしたのに水臭いヤツだ。

ちなみに一次の応募総数は2000人を超えていたらしい。
声優業って人気があるんだな。

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;※以下の人数は実際の相場というか、現実的な数値を入れる
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一次を通過した猛者たちが100名くらい集まっている。

なんというかギラギラした雰囲気にちょっと気圧されてしまいそうだ。

この中で受かるのは2名だけだというから、倍率は50倍というところか。

大学受験や就職活動より大変そうだ。

まあ鳴歌が練習通りの実力を発揮して、ようやく勝負の舞台に上がれる程度だろう。

緊張してトチったりしたらもうそこで終わりなんだろうな。

うん。まあ最初から上手くゆくわけがない。慰めモードで待機していよう。

オレは暇つぶし用に鳴歌から借りたラノベを公園のベンチで読み耽った。

…………

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e_nar_4 | 鳴歌END シーン4 スタート

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;背景(黒)
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<西友 鳴歌>
「……さん。坂本さん」

<坂本 隼人>
「う、う~ん」

どうやらオレは寝ていたようだ。

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;背景(公園)※背景が無いなら適当な場所で
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<坂本 隼人>
「ああ、鳴歌か。もう終わったのか?」

<西友 鳴歌>
「終わりました」

<坂本 隼人>
「んで、結果はもう分かったのか?」

<西友 鳴歌>
「分かりません。でも多分駄目だったと思います」

<坂本 隼人>
「ちゃんと実力は出せたのか?」

<西友 鳴歌>
「と、とりあえずは」

<坂本 隼人>
「そうか。全力で挑んでダメだったのなら仕方ないな。鳴歌より上手いヤツが居たのか」

<西友 鳴歌>
「沢山いましたよ。自分がいかに井の中の蛙だったのかってことが分かりました」

<坂本 隼人>
「それで諦めるのか?」

<西友 鳴歌>
「いえ、以前のわたしなら多分諦めてたと思います。でもいまは、もう少し足掻いてみようかと思っています」

<坂本 隼人>
「そうか。これから忙しくなるな」

<西友 鳴歌>
「それで、その。今日はこれから……」

<坂本 隼人>
「そうだったな。とりあえずメシ食いに行くか。なにか希望はある?」

<西友 鳴歌>
「お、お任せします」

任されるほど慣れちゃいなんだが、恐らく西友も同じだろうから気が楽だ。

<坂本 隼人>
「ファーストフードとファミレスとカフェ的なものだったらどれがいい?」

<西友 鳴歌>
「えと、カフェ的なものでお願いします」

<坂本 隼人>
「了解」

オレは西友を連れ、目星をつけていたカフェに向かった。

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e_nar_5 | 鳴歌END シーン5 スタート

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;背景(繁華街)
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事前に調べておいたカフェで軽めの昼食を済ませたオレたちは、買い物するほど経済的余裕が無いため、ウィンドウショッピングを楽しみながら繁華街をうろついていた。

<坂本 隼人>
「楽しそうだな」

<西友 鳴歌>
「うん。お店で直に商品を選ぶのって効率悪いなぁって思ってたのですが、やってみると凄く楽しいです」

<坂本 隼人>
「効率悪いって、普通はそうやって買い物するんじゃないのか?」

<西友 鳴歌>
「そうですね。普通はそうなのかもしれませんね。 うちは両親共に出不精なので買い物はネットや通販が殆どなんです」

そうだった。西友の両親はオタクエリートって言ってたな。

通販は確かに合理的かもしれないが、親子揃って買い物とか、そういう想い出を作ってやろうとは思わなかったのだろうか。

<坂本 隼人>
「両親と買い物に行ったことはないのか?」

<西友 鳴歌>
「え? そ、そうですね。なくはないです。あるかないかで言えば、あります」

歯切れが悪いというか、いやに含んだ言い方だな。

あまり聞かれたくないのか、少し困った顔をしている。

ああそうか分かったぞ。

多分あれだ。同人誌とかそういう本を買いに行ったんだな。

ここは無理に聞いたりするのは可哀想だな。

話題を変えるか。

<坂本 隼人>
「そういや夏休みも部活やるって本当か?」

<西友 鳴歌>
「本当です。でも、坂本さんもその場に居ませんでしたか?」

<坂本 隼人>
「居たよ。反対してたの記憶にない?」

<西友 鳴歌>
「あります。でも多数決で決まっちゃいましたよね」

<坂本 隼人>
「そうだな。民主主義っていうのは多数派による独裁だよな」

<西友 鳴歌>
「週に3日だけじゃないですか。それくらい我慢して下さい」

<坂本 隼人>
「オレにとっては休み前とたいして変わらないっていうか、むしろ増えてるんだぜ?」

結騎や西友は毎日やってたのかもしれないが、オレは週に2~3日しか部活に顔を出していない。

<西友 鳴歌>
「結騎さ、凛がサボろうとしたら御社さんを迎えに寄こすと言ってましたよ」

<坂本 隼人>
「なんだと? なんてひどい奴だ。あいつには血も涙もないのか」

<西友 鳴歌>
「あはは、あっ!」

無邪気に笑っていた西友の顔から笑顔が消え、その場に立ち尽くしている。

なにがあったのかと、西友の視線の先を追うと、とあるブティックの前に3人のギャルギャルしい女子校生がたむろしていた。

ティーン向けのファッション誌の読者モデルみたいな格好で、リーダー格と思われる娘はかなりレベルが高く似合っていたが、残りの2人はイマイチだなあと思った。

ああいうファッションに憧れているのだろうかと思ったが、西友の表情は羨望や憧れではない。

怯え、恐怖、困惑などというネガティブな感情が渦巻き、いまにも泣きだしそうな顔をしていた。

こういう時、オレの予想は割と良く当たる。

西友の反応から察するに、あの3人とは知り合いであることは容易に想像がつく。

また、西友の怯えようから、恐らく彼女たちは中学時代に西友をいじめていた当事者というか首謀者なのだろう。

オーディション前に西友が言っていた遭いたくない人物。それがあの3人組なのだろう。

そこまで導き出すのに要した時間は僅か数秒。

オレは西友の固く握られた拳を包み込むようにつかんだ。

<西友 鳴歌>
「あひゃい!」

<坂本 隼人>
「遭いたく無い連中と出くわしたみたいだな」

<西友 鳴歌>
「え、えと、えとその……そうですね」

<坂本 隼人>
「落ち付け鳴歌。言っちゃ悪いが、あいつらはお前のことなんて記憶の片隅に眠らせてるか、あるいはきれいさっぱり忘れ去られてるはずさ」

<西友 鳴歌>
「そ、そうだと思います。でも遭ったら思い出すかも」

<坂本 隼人>
「いまの鳴歌を中学時代の鳴歌だって分かる奴はいねーよ。とはいえそんなキョドってたら目立ってしょうがない」

<西友 鳴歌>
「す、済みません」

<坂本 隼人>
「オレの手を握って、オレの背中だけを見て付いてこい。そうすりゃ絶対に気付かれない」

<西友 鳴歌>
「そ、そうでしょうか?」

<坂本 隼人>
「オレが保証する。もしもバレて何か難癖つけてきたら、その時はオレが守ってやるから安心しろ」

<西友 鳴歌>
「わ、分かりました。ありがとうございます」

西友は固く握った手をゆっくりと開いて、オレの手を握ってくる。

<坂本 隼人>
「準備はいいか?」

<西友 鳴歌>
「い、いつでもどうぞ」

西友の手の平は、緊張した汗で湿っていたので、オレは滑らないよう強く握り返して、繁華街を歩き始める。

例の3人組はおしゃべりに夢中で、通行人に気をかけるほど暇じゃなさそうだった。

このまま通り過ぎるのが無難というかベストなんだろうが、本当にこれでいいのかという煮え切らない気持ち悪さがこみ上げてくる。

このまま何食わぬ顔をして歩けば、10秒足らずで彼女たちをやりすごせるだろう。

だが、何を思ったのか、オレは彼女たちの目の前で立ち止まってしまった。

自分でも驚いたが、オレ以上に西友は驚いていた。

<西友 鳴歌>
「どどど、どうして立ち止まるんですか! は、早く進んでください」

小さな声だが、それでいて切羽詰まった口調で西友が囁く。

<坂本 隼人>
「まあ落ち着いて、オレに任せて」

オレはそういうと、値踏みするように、3人組をじっと見つめた。

すると、オレの視線に気付いた取り巻きのひとりが、「なに見てんだよ」と声を荒げた。

<坂本 隼人>
「ああごめん。どこかで見たかなと思って、なんか雑誌かなんか載ってなかった?」

するともうひとりの取り巻きが、態度を軟化させ、分かってるじゃないか的なことを言ってきた。

<坂本 隼人>
「やっぱりね。ごめんな。ちょっと気になったもんで、応援してるから頑張ってね」

オレはそれだけ言ってその場を去ろうとしたら、リーダー格の娘に呼び止められた。

<リーダー>
「ねえちょっと。後ろのコは貴方の彼女なの?」

もしかして気付かれたか?

<坂本 隼人>
「そうだよ。キミには遠く及ばないけど、まあまあカワイイだろ?」

<リーダー>
「まあまあって、充分カワイイじゃない。貴方どれだけ面食いなのよ」

<坂本 隼人>
「もちろん分かってるよ。謙遜しただけだよ」

<リーダー>
「そう。でもデート中に他の女に声をかけるなんて最低ね。そこの貴女、気を付けた方がいいわよ。こういう奴は二股とか平気でするわよ」

いじめリーダーが鳴歌に優しく声をかける。

<西友 鳴歌>
「そ、そんなこと、ありません。坂本さんは、とても優しいです」

<リーダー>
「そう? 貴女騙されやすそうだから心配だわ。もしDVとか酷い目に遭ったら相談に乗るわよ」

<坂本 隼人>
「しねえよ! オレをなんだと思ってるんだ!」

<西友 鳴歌>
「そうです。坂本さんはそんなことしません!」

<リーダー>
「冗談よ。でも、優しくしてくれるからって、簡単に男を信用しちゃ駄目よ」

<西友 鳴歌>
「い、一応、心に留めておきます」

<リーダー>
「あはは。まさか貴女とこういう話をする機会が訪れるとはね」

いじめリーダーはそれだけ言うと、軽く手を振って、取り巻きと一緒にその場を離れて行った。

あれは完全に気付いてたな。

…………


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e_nar_6 | 鳴歌END シーン6 スタート

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;背景(公園)
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<西友 鳴歌>
「坂本さんひどいですっ!」

<坂本 隼人>
「ごめんごめん。でも話してみて良かっただろ?」

<西友 鳴歌>
「そ、そうですね。憑きものが落ちたとまではいきませんが、かなりスッキリしました」

<坂本 隼人>
「あいつ絶対鳴歌に気付いてたよな。女って凄いな」

<西友 鳴歌>
「あの人はすごいんです。憧れて付きまとっていたら嫌われて、無視されて、そうしたらクラスの女子全員から無視されるようになって」

<坂本 隼人>
「そうか」

<西友 鳴歌>
「でも今日はわたしだって気付いてて、それでも話してくれて」

<坂本 隼人>
「泣くほど嬉しかったのか?」

<西友 鳴歌>
「え? あれ?」

本人は気付いていないのかもしれないが、鳴歌の瞳から大粒の涙があふれ、頬を伝って地面に吸い込まれていた。

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;背景(黒)
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…………

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e_nar_7 | 鳴歌END シーン7 スタート

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;背景(公園 夕方)
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<坂本 隼人>
「今日はいろいろ頑張ったな」

しばらく泣きはらした西友が落ち着くのを待って、オレはそう声をかけた。

<西友 鳴歌>
「そうですね。いままで生きてきた人生の中で、一番内容が濃い日だと思います」

<坂本 隼人>
「そうか」

<西友 鳴歌>
「ところで坂本さん。わたしは坂本さんの彼女なんでしょうか?」

確かにそんなことを言った記憶はあるが、あれはなんというかその場のノリというか方便というか、本意じゃないということは西友にも分かっているはずだ。

<坂本 隼人>
「いや、あれはその。もし本気にしたのなら謝る」

<西友 鳴歌>
「ちゃんと分かってますよ。冗談です。でもこの先いつか、わたしが坂本さんの彼女になるという未来はないんですか?」

い、意外と大胆だな。これはいわゆる告白という奴か?

<坂本 隼人>
「なりたいのか?」

<西友 鳴歌>
「それを女の子に言わせるんですか? 本郷さんの言う通り、男の人って信用できませんね」

<坂本 隼人>
「本郷さん?」

<西友 鳴歌>
「あっ、さっきの人です。それよりどうなんです。あるんですか? ないんですか?」

なんだろう。酒に酔った時以上に積極的な気がする。

この格好や、今日の出来事で気分が高揚しているからなのだろうか。

<坂本 隼人>
「充分に有り得るよ。むしろ大本命だ。これで文句ないだろ」

<西友 鳴歌>
「ありません!」

;SE(体当たり どん!)

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;イベント絵(鳴歌に抱きつかれる主人公)
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軽い衝撃と共に、西友がオレの胸に飛び込んできた。

<坂本 隼人>
「お、おい。オレはただ可能性はあると言っただけで……」

<西友 鳴歌>
「それでも嬉しいんです」

<坂本 隼人>
「オレなんか大したモンじゃねーぞ。いまの鳴歌の容姿なら他にもいい男が」

<西友 鳴歌>
「いまのわたしには坂本さんが一番なんです。もうぶっちゃけますけど、暇さえあれば坂本さんのことを考えてます。色々と妄想してニヤニヤしてます」

<坂本 隼人>
「流石にそれはぶっちゃけすぎだろう。ちょっと引くぞ?」

<西友 鳴歌>
「ご、ごめんなさい。でもわたしはそれくらい坂本さんのことが」

<坂本 隼人>
「分かった。分かったからこれ以上は勘弁してくれ」

<西友 鳴歌>
「やっぱり、わたしなんか迷惑ですよね」

<坂本 隼人>
「う~ん。迷惑というか、この状態で衆目に晒され続けるのは恥ずかしいな」

<西友 鳴歌>
「それはどういう? あっ!」

オレたちは公園のど真ん中で抱き合ってるので、とても目だっている。

;SE(ガヤ音 ざわざわ)

<西友 鳴歌>
「あっ、ああ、あのあの、その、これは……、ご、ごめんなさ~い」

そのことにようやく気付いた西友は、慌ててとびのき、そのまま回れ右してダッシュで逃げだした。

;SE(駆け足 タッタッタ)

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;背景(公園)
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取り残されたオレは、ひとり好奇の目に晒される羽目になったので、慌てて西友を追い掛けた。

…………

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;背景(黒)
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西友は最初に待ち合わせていた場所で待っていてくれたので、比較的簡単に見付かった。

逃げだしてしまったことを謝罪する西友に、オレは気にするなと告げ、電車に乗って途中まで送ってやる。

それから自宅に帰ったのだが、余りにも疲れていたのでそのまま風呂にも入らず寝てしまった。

…………

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e_nar_6 | 鳴歌END シーン6 スタート

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;背景(自室)
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;SE(鳥の声 チュンチュン)

もう朝か。

夏休みはまだ始まったばかりだというのに、疾風怒涛の展開になってきたような気がする。

これからオレと西友がどうなるのか、自分でもよく分からない。

西友のことは嫌いじゃないが、彼女にしたいかと問われると、明確な回答が出せない。

なにせ、西友のことを好きと呼べるほど、オレが彼女について知ってることは少ない。

むしろ知らないことの方が多いだろう。
だからせめて、これから少しずつ知っていきたいと思っている。

さしあたって知りたいのはあれだ。

スリーサイズとかだな。

正確な値じゃなくていい。
水着姿を拝ませてくれるだけでもいい。

そうだ。
そういえば部活の合宿で海に行くんだったな。

海と言えば水着だろう。
その時に、西友のプロポーションは判明するだろう。

制服だと身体のラインがわからないので、太っているのか痩せているのか分からない。

個人的には少しくらいぽっちゃりというかムチムチしている方が好きなんだがどうなんだろう。

あとあれだ。
スクール水着はあざといのでNGだと結騎に通達して貰おう。

西友の水着姿か。
ここはあえて赤いビキニを想像してみよう。

それに加えてポニーテールとのコンボだ。
これはかなり破壊力がありそうだ。

うおお! そう考えると合宿が待ち遠しくなってきた。

オレは朝とは思えないテンションで立ち上がり、早く部活に行きたいと思っていた。

こんなことは入部以来はじめてのことで、オレ自身も、西友の影響で変化しつつあるのかもしれない。

だがそれは悪くない変化だと思った。

朝だと言うのに日差しは強く、カーテンの隙間から洩れる光がオレの肌をジリジリと焦がす。

うん。今日も暑くなりそうだ。
この糞暑い中、学校の部活に行くなんて狂気の沙汰だ!

以前のオレならそう思っていただろう。

いや、いまでもそう思わないでもない。だけどオレは制服に着替え、部室に足を運ぼうとしている。

なんだ。オレも会いたいんじゃないか。

      END

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;鳴歌END END
;ジャンプ(エンドロール.ks)
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