クモノス~一章~


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 優利が殺されてから3日後、咲穂は部屋の掃除をしようと

しばらく使われていない部屋のドアノブに手をかける。しかしその部屋には鍵がかけられていた。

すると未知子が帰ってきた。「咲穂さん、ちょっと」そう大声で呼ぶ。

 咲穂は慌てて階段を下りる。「はい、どうかなさいましたか?」

「悪いけど2階の鍵のかかった部屋だけは使わないでくれる?」

「と、いいますと…」

「今日から私あの部屋で一人っきりになって作業がしたくて」

「でも、会社でもできるのでは・・」

「ここら辺は環境がいいし、静かだから集中ができるの。だからあの部屋は

咲穂さんでも覗いちゃだめ、分かった?」

「あ…はい。それではあとでお茶を・・・」

「あ、いいわ。咲穂さんにあまり手をかけたくないから」

「そうですか・・。分かりました」

 そういうと足早にその場を去っていった未知子。しかし咲穂には疑問が残る。

(なぜあまり帰ってこない未知子が急に来て書斎を使わずに鍵のかかった部屋を使うのか。

それにあの部屋には机も椅子もなかったはず・・・)

掃除をした後ノートに事細かく書かれたことがらを見て咲穂は頭を悩ませる。

(おかしい、きっと何かあるはずだ)そう決心した彼女は2階へと階段を上っていく。

するとあの部屋の近くで物音がする。そっと覗いてみると

未知子が書斎にあった布団や折りたたみ式のテーブルや椅子を持ち出している。

 その時気が付いたが、その部屋の窓からの景色はとても綺麗らしく、初めて未知子が

この屋敷に来たとき、とても気に入ったという話を思い出す。

 すると咲穂は自分の勘違いだったと気がつき、安心した様子でその場を立ち去った。