人形師
*弐章~中章~
「ただいまー!!」
「やっと帰ったか、材料は集まったか?」
「あぁ、苦労したけど何とか見つかったよ」
「心配したわよ、ちゃんと5時に帰ってこないとダメじゃない」
本心で言っているのかどうか分からないことを言いながら母親が出迎えた。
「ごめんごめん、とにかく人形を早く作ろうよ」
「よし、分かった。ではそこに材料を置いてくれ」
「あっ、うん」
「では、中央に核を置いてお前もそこにいろ」
「あぁ分かったよ」
「・・・カイン~」
どこからかとある少年の声が聞こえた。
「どうしたんだ?レイズ」
「どうしたんだ?じゃないよ僕を置いていくなんてひどいじゃないか」
「あぁ、ごめん人形を作れると思ったら嬉しくてさ」
「ん?カインの友達か?」
「まぁそんなとこ」
「えっとカインのお父さんですか?」
「うむ、そうだ」
「えっと僕はブレイズです。レイズって呼んでください」
「これからもカインをよろしくお願いするよ」
「もうそんなんいいから早くしようよ」
「では始めよう、カインよそこでこう唱えるのだ」
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「 「神々が作る人には自由を人々が作る人には拘束を」 とな」
「分かった」
「神々が作る人には自由を人々が作る人には拘束を」
・・・・・・・・・・・・・・・「うわっ」
突然カインの体から血が噴き出してきた。
人形とは人のなりそこないなのである。それを作ることは一種の罪なのかもしれない
だから、人形作りには苦痛が伴うのだ。
「カイン・・頑張って」
「絶対に成功させるのだぞ」
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