人形師
*壱章~後章~
「はぁ 疲れた~なんなんだよこの山はよぉ」
カインは北の山まで来たのだが実際に父親がどこにあるかを言わなかったので、
まずはここに材料があるのか分からないという状況に陥り立ち往生している所である。
「どこにあるか聞いときゃよかったなぁ」
と、思うカインだが今更遅いので山を歩き続けることにした。
「そういや親父が魔人形が出るから気を付けろみたいなことをいってたみたいだったけど
全然こないじゃねえか・・・というか腹減ったし、眠いし、どうするかな~」
実はいまは午後9時というカインの母親がいた時間からかなりすぎている時間なのである
「少し寝るかな~あんまり危なそうでもねぇし」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードカッ
頭に衝撃が走った・・しかし痛くてカインはすぐに意識を失ってしまった・・・
・・・数時間後・・・
「っつ」
あまりにも頭が痛くて声が出ない、何が起こったのかカインにはさっぱり分からなかった。
「はっ何が起こったんだ?つーかココどこなんだよ~」
次の瞬間数人分の足音が聞こえた。
「ふん起きたか。貴様なぜ北の山にいた。」
「何故って人形を作るためだよ」
「っちプロジェクトを邪魔しに来たヤツではなさそうだな」
(プロジェクト?何だそれこいつら何かやるつもりなのか?)
カインは心の中でそう思った。
「まぁいいこれから北の山に近づけないように公開処刑にでもしてやるか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここは北の山の山頂である。あるいてしばらくたつがなかなか街に着かないようだ。
「ん?もう12時か、一人見張りを立てて寝るとするか」
・・・・・数分後・・・・・・・
すーすーすー
( くそ!どうにかして逃げねぇと )
カインがそう思った矢先に見張りに何故か火の玉が飛んできた。
「君、大丈夫?」
声をかけたのは、カインと同じくらいの年齢の優しそうな少年だった。
「お前誰だ?」
「そんなことはいいから早く逃げよう」
「お、おう」
その優しそうな少年は杖らしきものから火の玉を出してカインのひもを焼ききったようだ。
「ここまで来たら大丈夫だよ」
「あ~ありがとう、ところでさぁ何でそんな杖から火の玉がでんの?まさか魔術師とか言たりする人ですぅ?」
「ん~あながち間違っちゃいないかも、魔術師じゃなくて人形師だけどね」
「は?人形ってそこまで出来んの?」
「うんそうだよ。知らなかったの?」
「あぁ今日初めて人形を作る所だったからな」
「そうなのじゃあ街に着いたら一折り教えるね」
「さんきゅー」
こうして謎の少年とカインは街へ向かったのだった。