84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 01:30:01.29 ID:8glhMSM3o [8/86]

【6月29日(金)】

京太郎「え、合宿!?」

久「ええ、咲達から提案があってね」

咲「染谷先輩のメイドバッセンで、力のなさを痛感したから……」

和「相手はプロの方でしたけど、それでも――」

咲「龍門渕高校の人達は、そのプロ相手の親善試合でノーノーリレーを行った……」

和「今のままじゃ、いけませんから……」

まこ「それで合宿か……」

穏乃「でもさー、土日だけの合宿で効果あるの?」

久「まあ、やらないよりはマシでしょってとこね」

久「さすがに授業を休ませるわけにはいかないし」

久「もう大会まで一週間しかないからね」

88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 01:37:44.86 ID:8glhMSM3o [9/86]

猿野「合宿じゃ~~~~~~~!」

京太郎「わーっ! どっから持ってきたその神輿!」

猿野「合宿はお祭りじゃーーー! 戦争だコラーーーー!」 ワッショイワッショイ

猿野「合宿と言えば身内との戦いっ!」

猿野「激しいレギュラー争い、そして!」

猿野「恋の争奪戦のヨ・カ・ン」 クネクネ

咲「嶺上開花」 ドカン

猿野「ギャ~~~~~~ッ二本指顔面ツモッ」

久「あーはいはい、練習前に無駄なエネルギー使わない」

久「それに、今回の合宿だけど……」

久「須賀君と猿野君はお留守番よ」

猿野「え」

京太郎「え」

91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 01:44:52.47 ID:8glhMSM3o [10/86]

猿野「テメー部長コラ人が下手に出てりゃ言いたい放題いいやがってェ~~~~!」

猿野「こちとら合宿の噂小耳に挟んだ時点からワクワクして夜通し荷造りしてたんだぞコラ~~~~ッ!」

まこ「荷物ってのはまさかその背中に背負った卑猥な道具のはみ出た風呂敷じゃないじゃろうな……」

猿野「男女差別はよくないですってなんかの教科書にも書いてあっただろうが!」

猿野「ちょっと学生議会長で年上美乳だからって調子乗ってんなよ~~~!」

久「落ち着きなさい」 マナ悪ツモのような動作で鋭くはたく

猿野「ひでぶっ!」

久「仕方ないでしょ、急だったから一部屋しか取れなかったんだし」

久「さすがに覗き常習犯を同行なんてさせられないわ」

久「須賀君は、まぁ、ある意味とばっちりね。あと乳は関係ない」

猿野「ぐぐぐ……変態差別じゃねーか!」

猿野「一寸の虫にも五分の魂、ウッフンの変態にもゴムの魂っつって変態だってゴムを付ける程度の優しさはだなァ~~~~!」

久「咲」

咲「嶺上開花」 もいっこ、ドカン

猿野「うわらばっ!」

京太郎(咲が躊躇なく肉体破壊出来るようになってる……)

久(咲はやっぱり侮れないわ……このままなら、捕手破壊のテクニックも間に合いそうね……)

94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 01:59:53.19 ID:8glhMSM3o [11/86]

[部室]

久「そんなわけで、そろそろ出るわ」

久「今からついたら向こうじゃ今日は親睦会しか出来ないけど」

久「チームプレイの練習にはなるでしょう」

京太郎(チームワーク高めるんなら俺達も連れて行かなきゃダメなんじゃ……)

京太郎(……とは、言えないよなあ) チラリ

猿野「……きゅう」 ←気絶させられ柱に縛り付けられている

京太郎(……ああはなりたくないしな)

久「居残り組の行動は任せるわ」

久「切磋琢磨しながら練習に打ち込んでもいいし」

久「息抜きや親睦深めたりしてもいいし」

久「勿論勧誘活動をしてくれてもいいわよ」

95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:02:13.03 ID:8glhMSM3o [12/86]

和「部長、そろそろ車が出ますよ」

久「ん、りょーかい」

久「それじゃ、行ってくるわ」

優希「土産は買ってきてやるからなー」

京太郎「おー、頼むわー」

京太郎「……さて、と」

京太郎「どうすっかなぁ」

京太郎「まず猿野をどうするかだよな……」

京太郎「こいつ、連れて歩くと問題起こす気もするんだよなあ」

京太郎「まず大事なのは、今日の用事にこいつをつれていくかどうかだ」


『どうする? >>97』

100 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:09:06.47 ID:8glhMSM3o [13/86]

京太郎「よし、放置だ」

京太郎「どうせ練習メニュー与えてもやらんだろうし」

京太郎「本気出せばロープも切れるだろうから、このままでよし」

京太郎「それより今日は何をするかだよなー……」


『どうする? >>103』

104 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:21:42.31 ID:8glhMSM3o [14/86]

[街中]

京太郎「とりあえず町をうろつきにきたわけだが……」

京太郎「どうやって勧誘できそうな相手を見つけたらいいんだ……?」

???「いたっ」

京太郎「あ、女の子同士でぶつかってる」

京太郎「大丈夫かな……」

???「すまない、少し気が逸っていて気が付かなかった」

???「いやこっちこそごめ――あああ! お前、天江衣!」

衣「む? そういうお前は風越の……」

華菜「ここで会ったが100年目! 今日こそ決着をつけてやるし!」

衣「面白い、返り討ちにしてやる!」

舞「おいおい、あれ、龍門渕の天江じゃないか?」 ザワザワ

葉子「うわっ、マジじゃん。一緒にいるのは……風越の……」 ザワザワ

京太郎(……一部の人が騒ぎに注目し始めたな)

京太郎(風越……龍門渕……)

京太郎(確か、風越はウチの県の強豪校で、龍門渕はそこを破って去年の甲子園で台風の目になったんだよな……)

105 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:25:03.37 ID:8glhMSM3o [15/86]

華菜「……ここは目立ちすぎるな」

華菜「天江、いつもの場所で勝負だし!」

衣「……いいだろう、叩きのめしてやる」 ザッザッザッ

華菜「逃げるなよ!」 ザッザッザッ

京太郎「……行っちゃった……」

智美「ワハハ。残念だなー。王者のバッティングが見られるかと思ったのに」

ゆみ「まぁ仕方あるまい……こんな街中だ」

京太郎「……結構、さっきの二人に気付いて反応してる人いるんだなぁ……」

京太郎「……ん?」

京太郎「さっきの二人に反応した人いっぱいいたし、その中から適当に高校生っぽい人を選んで声をかけたら……・」

京太郎「結構な高確率で野球に興味がある人間を捕まえられるんじゃないか?」

106 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:31:14.31 ID:8glhMSM3o [16/86]

京太郎「そうと決まれば……!」

京太郎「えーっと、反応したのは……」

京太郎「結構多いな……」

京太郎「さすが、去年長野を熱狂の渦に巻き込んだだけはある……」

京太郎「あ、あの人なんてよさそう」

京太郎「お、丁度人気のない方に向かってったぞ」

京太郎「よ、よし、声をかけるぞ~~~!」

京太郎「勇気を出して……」

京太郎「すみませーーーーーん!」 ダッ

>>110「……?」

115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:52:20.05 ID:8glhMSM3o [17/86]

モモ「…………?」

京太郎「あ、えと……すんませーん……」

モモ「……?」 キョロキョロ

京太郎「いや、貴女貴女」

モモ「わ、私っすか!?」 ビクッ

京太郎「え!? あ、うん」 ビクッ

京太郎(そこまで驚かれたことに驚いたー……)

モモ「まさか……私に気がつくなんて……」

モモ「もしや同じタイプのスタンド……?」 ブツブツ

京太郎(……もしかして俺は電波さんに声をかけてしまったんだろうか……) タラーリ

モモ「……あの」

京太郎「は、はい」

モモ「私……存在感薄くないっすか?」

京太郎「へ?」

京太郎「いや、全然……」

モモ(どういうことっすか……?)

モモ(能力が失われたのか、この人には効かないのか、それとも何か私の知らない弱点がこの能力にはあるのか……)

京太郎(そんだけ立派なモノが2つもぶらさがってたら、むしろ存在感抜群としか言えない……) チラッチラッ

116 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 02:58:56.52 ID:8glhMSM3o [18/86]

モモ「って、あーーーー!!」

京太郎「!?」 ビクッ

モモ「せ、先輩見失っちゃったじゃないっすか!」

モモ「ううううう……」

京太郎「……ひょっとして、誰かを尾行中だったりとかした?」

モモ「!!」 ギクッ

モモ「……これは決して言い訳のような行為でなく」

モモ「誤解を解くための正当な解説であるという前提の元言わせてもらうと……」

モモ「私は野球部が恋愛で崩壊しないよう先輩達の秘密の逢引を調査していただけであって」

モモ「決してストーカーの類ではないっす!」

京太郎「尾行自体は認めるんだ……」

117 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 03:22:12.28 ID:8glhMSM3o [19/86]

京太郎「……って、やっぱり野球部なんだ」

モモ「やっぱり……?」 ケゲンソウニ

京太郎「あ、えと、さっきあっちで有名校のエースが戦ってたじゃん」

京太郎「それへの視線が、野球好きの人のものだなって」

モモ「……そんな前から気付かれてたんっすか……」

モモ「そういう貴方も、何でかユニフォームですし、野球部の人っすよね」

京太郎「ああ……」

京太郎「何でか知らないけど、部長に日中ユニフォームを着るよう言われたんだよな」

モモ「変な人っすね……」

119 名前:人もいなくなってるだろうし、そろそろ寝るかも。昼頃様子見て人いたら再開。[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 03:26:47.84 ID:8glhMSM3o [20/86]

モモ「それで、どこの野球部さんっすか?」

京太郎「ああ、清澄ってとこだけど……わかる?」

モモ「うーん……申し訳ないっす」

京太郎「まぁ、人数不足で今まで大会出てなかったみたいだしなぁ」

モモ「奇遇っすね、うちもっすよ」

京太郎「え、そうなの!?」 パァァァァァァ

京太郎(てことは、まるっとこっちに取り込むチャンス!?)

モモ「でも、今年に入ってようやく人数が集まったんっすよー」

モモ「私なんかを必要としてくれた先輩のためにも、今年は頑張らないと!」

京太郎(げっ、むしろピンチ!)

モモ「お互い勝てるといいっすね」

京太郎(ものすごい引き抜きにくい雰囲気だぞ……) タラー

京太郎(どうしよう、それでもいきなり誘うか、外堀を埋めるか、諦めるか、誰か友人紹介でも頼むか……)

京太郎(一応手は色々あるけど……)

モモ「…………?」

モモ「どうかしたんっすか?」

京太郎「ああ、いや、えーっと……」

京太郎「なんか、突然なんだけどさ、>>120」

122 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 03:35:40.93 ID:8glhMSM3o [21/86]

京太郎(あ、でも待てよ……既に部を結成してても引き入れることは可能だよな……)

京太郎(むしろ二軍は充実してるし……)

京太郎(こっちが吸収されるかもしれないけど、オケツに入らずんばなんとかってやつだ!)

京太郎(それに将を射んと欲すればほにゃららっていうしな!)

京太郎(このバストを仲間にするためにも、なんとしてでも馬を射る!)

京太郎「その先輩って人、会ってみていいかな」

モモ「……あ?」 ギロリ

京太郎「!?」 ビクッ

124 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 03:41:35.93 ID:8glhMSM3o [22/86]

モモ「何で貴女が先輩に……」

モモ「ま、まさか貴方も先輩を狙って……!」

モモ「それでまずは将を射んと欲すればまず馬を射よの精神で私に声を……!?」

京太郎「だあああああああああああ!!」

京太郎「違う! 違う! 全然違うっ!」

京太郎(馬と将がそもそも逆だし!)

京太郎「そもそもそんな下心はないし!」

京太郎(……それは嘘だけど)

モモ「……じゃあ、何でなんっすか」

京太郎「俺、一応ベンチメンバー含めて人員確保に今でも走り回ってるからさ」

京太郎「実際に、上にたって人を集めた人の話を聞いて参考にしたいんだよ」

京太郎「それに君が慕ってる相手なんだったら、君からどういう所に惹かれたのかを聞いて、参考にできるかもしれないし」

モモ「……なるほど」

京太郎「わかってもらえた?」

モモ「つまり私に先輩の魅力を語れってことっすね!!」

京太郎「!?」

125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 03:47:19.42 ID:8glhMSM3o [23/86]

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

モモ「……と、まあそんな感じで先輩は練習試合でも快刀乱麻の大活躍を……」

京太郎(な、長い! そして想像以上につまらない!!)

京太郎(顔も知らない第三者についての自慢話ってこんなに面白くないのか……)

モモ「ん? どうかしたんっすか?」

京太郎「いや、その先輩がホントに好きなんだろうなあと……」

モモ「え、えへへへへ」 テレテレ

京太郎(この感じじゃあ、相当ぞっこんラブなんだろうなぁ……)

京太郎(多分、イケメンなんだろうな……)

京太郎(将を射ようとして馬に轢き殺されかねん……)

京太郎(素直に諦めるか、そうでないなら何か策がいるぞ……)


『どうする? >>128』

130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:01:15.71 ID:8glhMSM3o [24/86]

京太郎(ここは一旦諦めるか……)

京太郎(その先輩とやらのお宝写真をエサに釣るか)

京太郎「そういえば、えーっと、あんたはどこの学校……?」

モモ「鶴賀学園っす」

京太郎「あー……?」

モモ「ま、知らないっすよね」

京太郎「ごめん、えと……」

モモ「……?」

京太郎「いや、名前……」

モモ「ああ、東横っす。東横桃子」

京太郎「東横さん、か。ごめん東横さん」

京太郎「おたくの先輩の話はもっと聞きたかったんだけど、呼び出しくらっちゃったから……」

モモ「それは残念っす」

京太郎「それじゃ、またどこかで会えたら」

モモ「さよならっす」

131 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:03:19.89 ID:8glhMSM3o [25/86]

京太郎「……さて、相手が鶴賀という名前の学校ということは分かった」

京太郎「あと、名前も」

京太郎「先輩の名前も語らせた時に加治木ってことは聴きだしたし」

京太郎「秘蔵写真を撮ることも夢ではないな!」

京太郎「……でも、今日その先輩は街に繰り出してるんだよな……」

京太郎「顔知らないのに見つかるかな?」

京太郎「後日調べてから撮り直した方がいいのか、今勢いのままに探すべきか……」

京太郎「うーん」


『どうする?  >>134』



135 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:19:26.03 ID:8glhMSM3o [26/86]

京太郎「まぁ次の機会だな。さすがに他校に絡むなら作戦くらい立てておきたいし」

京太郎「となると、また振り出しか……」

京太郎「どうやって部員候補生を探すかなー……」


『どうする?  >>138』

139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:27:41.88 ID:8glhMSM3o [27/86]

京太郎「よく考えたら、長野で部員を集めるのって割りと無茶だよなあ」

京太郎「学内で他の部活から引き抜くならともかく……」

京太郎「野球部から引き抜くのは、多分並大抵のことじゃない」

京太郎「ましてやさっき学習したけど、うちは無名だ」

京太郎「チームメイトを捨ててまで来てくれるか冷静に考えると……」

京太郎「……」

京太郎「……いっそ、県外に出てみるかあ」

京太郎「とりあえず近場の大都市ってことで名古屋……」

京太郎「いや、ちょっと近すぎるかな?」

京太郎「大阪辺りに行ってみよう」

京太郎「確か大阪は激戦区だし、強豪校のベンチなんかが引き抜けるかも!」

京太郎「去年の龍門渕みたいにダークホースになりえるって言いくるめられるかもしれないし!」

京太郎「よーし、いっくぞー!」

140 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:31:03.41 ID:8glhMSM3o [28/86]

[新大阪]

京太郎「ここが新大阪かぁ……」

京太郎「思ったより何もないな……」

京太郎「新っていうから超未来的なのかと思ってたのに……」

京太郎「もしかして、普通の大阪の方が栄えてるのかな」

京太郎「まだ新しいものに周りが追いついていない的な」

京太郎「ウェーブレースとマリオ64しかなかった時のニンテンドー64的な」

京太郎「デッドオアアライブと花火ゲーしかなかった頃のPS2的な」

京太郎「……とりあえず、大阪ならどこが栄えているのか、誰かに聞いてみようかな」

京太郎「テレビではよく大阪の人は気がよく親切って言ってたし」

京太郎「えーっと、とりあえずあそこの人に聞いてみよう」

京太郎「すみませーーーーーん!」

>>142「?」


144 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:39:13.04 ID:8glhMSM3o [29/86]

洋榎「?」

京太郎「うっ」 ビクッ

京太郎(目付き悪! こわっ!)

京太郎(しまった……大阪といえば親切フランクなにーちゃんねーちゃんなイメージだったけど……)

京太郎(こわーい顔したチンピラなんかも大阪のイメージだった……!)

洋榎「何や自分……」 ジロジロ

京太郎「ええと、その……」 オロオロ

洋榎「もしかして……」 ジー

京太郎(ひいいいいいいいいい!!)

京太郎(もしかしなくても喧嘩は売ってません!)

京太郎(だから許してっ! 喧嘩には発展させないでえ!)

洋榎「…………ナンパか?」 マガオッ

京太郎「…………へ?」

145 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:43:27.24 ID:8glhMSM3o [30/86]

洋榎「うっわーマジでーナンパかー!?」

洋榎「うっへーナンパとか初めてやでー」

洋榎「いやーウチも捨てたもんちゃうやん!」

洋榎「っかー! 恭子に自慢のメールしたろ!」 メルメルメルメル

洋榎「いやもうホント自分人を見る目あるでー」

洋榎「関西の次世代スーパースター愛宕洋榎とはウチのことやで!」 ドヤドヤァ!

洋榎「まーこっちゃスターばっかで埋もれとるけど潜在能力は――――」

洋榎「って誰が荒川の噛ませやっちゅねん!」 ズビシィ!

京太郎(な、なんだこの人……)

146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 04:51:49.51 ID:8glhMSM3o [31/86]

洋榎「そういや自分、名前何て言うん?」

京太郎「あ、えっと、須賀です」

洋榎「へー、カッコイイ名前やん」

洋榎「大阪太郎やのうて京太郎っちゅーのが、微妙に気に食わんけどな」

京太郎「そんなことを言われましても……」

洋榎「まぁええわ」

洋榎「んでガースーは新大阪に何しに来たん?」

京太郎「えっ」

洋榎「えっ」

洋榎「何や自分、ひょっとして観光客か」

洋榎「まぁ、ここあんま遊ぶ所と違うから不思議には思ったけど」

洋榎「てことは改札くぐって一目惚れされたっちゅーわけかー」

洋榎「いやー自分でこの美しさがおっそろしいわー」

京太郎「は、はは……そうですね……」

洋榎「……いや、そこはツッコんでくれへんと、さすがにちょっと恥ずかしいんよ?」

148 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 05:08:04.35 ID:8glhMSM3o [32/86]

洋榎「ま、旅行客っちゅーことは、あれやな」

洋榎「聞き方を間違えとったわ」

洋榎「ワッツパーパスユア……いや違うな……ワッツパーパスオブユア……えー……」

洋榎「ーアナターノモクテーキナァ~ンディースクワァ~~~~~?」

京太郎「もうバリッバリに日本語になってる……」

京太郎「しかも何の目的なのか省いてるし……」

京太郎(……まあ、よくわからないけど、多分、ネタの一貫なんだろうなぁ)

京太郎(……この人……もし『スーパースター』と呼ばれていることが真に存在するならば……)

京太郎(自然に進めばまた仲間に引き入れそこねしかも関係も一旦リセットするはめになる……)

京太郎(ならばいっそ戯れてみよう)

京太郎(このネタ混じりの答弁と――!!)

京太郎(今なら反間を買おうと狙いを外したことを言おうと、ギャグの一種で誤魔化せる!)

京太郎「俺が大阪まで来た理由は>>150」

京太郎「そして――貴女に話しかけたのは、>>!53が理由です」

149 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 05:08:51.45 ID:8glhMSM3o [33/86]
下は>>153の間違い
そろそろ過疎だし寝る
一応人が昼頃再開して人がいたら長々やる予定

157 名前:>>155 なるほどそういうものなのか。サンクス。[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 12:39:21.03 ID:8glhMSM3o [34/86]

京太郎「大阪まで来たのは、野球の練習です」

洋榎「まー自分、ユニフォームやしな」

洋榎「合宿か何かか?」

京太郎「合宿……?」

京太郎「うっ、頭が……」

洋榎「?」

京太郎「……いや、まあ、合宿には置いていかれたというか……」

京太郎「今はエア合宿というか……」

161 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 12:52:52.01 ID:8glhMSM3o [35/86]

洋榎「あー自分補欠なん」

京太郎「いや、一応レギュラーなんですけど……」

京太郎「他のメンバーが女子ばっかりで……」

京太郎「女子だけが合宿に……」

洋榎「ふーん」

洋榎「うちらと逆やな」

京太郎「逆?」

洋榎「大阪は東北に輸出する余裕があるくらいの野球選手の産地やからな~」

洋榎「男女混合になる前から盛んやっただけあって、男子の選手がやっぱり強い地域やねん」

洋榎「まぁ、それでもうちや荒川みたいに男子を余裕でぶっちぎれるのもおるんやけどな!」 ドヤドヤァ!



162 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 12:57:12.09 ID:8glhMSM3o [36/86]

京太郎「……でも俺の逆ってことは、合宿置いていかれたんじゃ……」

洋榎「あ、それ言っちゃう!? 言うてまう!?」

洋榎「まぁアレやで」

洋榎「置いてはいかれたけどウチのせいちゃうしな」

洋榎「去年までならちゃんと合宿も行けたんやけどな~~」

洋榎「新しゅう監督代行が頼りなさすぎんねん」

洋榎「合宿所抑え忘れて急遽空いてる旅館にねじ込むハメになるし」

洋榎「おかげで全員では行けないからベンチ入りした男子だけが行っとるし」

洋榎「あのオバハン、ルールもまともに知らんのもあって、ホームランバッターばっか贔屓しよるからなぁ」

洋榎「ムッキムキの男子ばっか集めおって」

洋榎「善野監督帰ってこーへんと、千里相手に負けるんちゃうやろな……」 ハァ

京太郎「な、なんか苦労してるんですね……」

163 名前:>>159 すばら[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:02:00.79 ID:8glhMSM3o [37/86]

洋榎「まー、せやけど落ち込んでたってしゃーなしや」

洋榎「とりあえずエアキャンプでもしとこーか思てな」

洋榎「一人でやるのもアレやから、ここで待ち合わせしとってん」

京太郎「あ、あの!」

洋榎「ん?」

京太郎「そのエアキャンプ、ご一緒してもいいですかっ!」

洋榎「まぁええでー」

洋榎「多い方が楽しいやろ」

洋榎「それにエア合宿で新大阪まで来るっちゅーとこが気に入ったわ」

洋榎「梅田やなくて新大阪におるっちゅーことは、わざわざ新幹線辺りで遠出してきたんやろ」

洋榎「無碍に断ったら女が廃るで」

165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:05:17.89 ID:8glhMSM3o [38/86]

京太郎「あ、ありがとうございますっ」

洋榎「はいはいどーいたしましてー」

京太郎「それで、あの……」

京太郎(後から切り出したら「そんな魂胆やったんかーい!」って怒られそうだし、素直に言っておこうかな)

京太郎「お、俺、部員探しに来たんですっ」

洋榎「は?」

京太郎「それで、その、話しかけさせてもらったっていうか……」

洋榎「……よーわからんけど、大会まで一週間くらいしかないのに、この時期にそんな漫画みたいなことしとるんか」 ホヘー

洋榎「自分なかなかオモロイな」

166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:09:12.75 ID:8glhMSM3o [39/86]

京太郎「それで、その……」

洋榎「ていうか、転校とかしてすぐ大会なんて出られたっけ?」

洋榎「引越しとかもあるやろうし、コッチで探すの遅いんちゃう?」

京太郎「あ、そのへんは何とかなるみたいです」

洋榎「ふーん」

洋榎「あー、まあ、じゃあ一応紹介しとこかな」

京太郎「?」

洋榎「おーいこっちこっち」 ブンブン

洋榎「待ち合わせしとった奴が丁度来たからな」

洋榎「まぁ引き抜くかはともかくとして……」

洋榎「ウチが認めとるゴッツイ選手やで」

京太郎「…………この人が……」 ゴクリ


『洋榎とエアキャンプするために来た人物 >>169』

170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:19:25.28 ID:8glhMSM3o [40/86]

洋榎「紹介しよう」

洋榎「我が姫松の誇る燃える闘魂・爆熱クローザー」

洋榎「末原ァァァァァァァッきょォォォォォうこォォォォォォォォォォ!」

恭子「格闘技のアナウンスの真似やる度クオリティ落ちてますね」

恭子「ていうか、クローザーに爆熱とか縁起悪いから勘弁して下さいよ……」

恭子「そんで、そこの人はどなたです?」

恭子「うちの部員とちゃいますよね」

京太郎「あ、えと、清澄高校の須賀です」

恭子「姫松の末原や、よろしゅう」

洋榎「そんでウチが」

恭子「自分、三年?」

京太郎「いや、一年です。末原さん……は?」

恭子「ウチらは二人共三年やな」

洋榎「聞けや」

171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:22:09.64 ID:8glhMSM3o [41/86]

洋榎「ちゅーか清澄ってどっかで聞いたことあるな」

京太郎「あ、知ってるんですか」

洋榎「あーっと言わんといてや、自力で思い出s――――」

恭子「去年のベストナイン・原村和のいる学校ですね」

洋榎「…………」

京太郎「ええ、まぁ」

恭子「一応チェックはしとったけど、あそこ部員の人数足りてなかったような……」

京太郎「えと、一応出られるくらいにはなりました」

京太郎(中学生かぬいぐるみを入れてだけど……)

恭子「ふーん。おめでとう」

京太郎「あ、でもでも、まだちょっと戦力が足りないというか……」

京太郎「ぶっちゃけ部員になってくれる人を探してこっちまで来たというか……」

175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:33:54.52 ID:8glhMSM3o [42/86]

恭子「うーん、部員集めかぁ……」

恭子「ちょっとこっちじゃ難しいかもなぁ」

恭子「どうしても甲子園出たいからって転校するような連中は、最初から東北にでも行っとるやろうし……」

京太郎「末原さんのお友達とかは……」

恭子「うーん……漫ちゃんは可能性を秘めとるからあげたくないしなぁ……」

洋榎「そーいや漫はどーしたん?」

恭子「……冗談でバッセン連れてった時に罰ゲームを設けまして……」

恭子「まぁ単純に、お茶の奢りではあったんですけど……」

恭子「まさか無安打はないやろ思って無安打やったら静岡行ってお茶っぱつんでこい言うたら……」

洋榎「漫はホンマに当たればデカイけど当たらんとしょっぱいなー」

176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:37:37.40 ID:8glhMSM3o [43/86]

京太郎「お、俺としてはお二人が来て下さっても……」

恭子「はは、冗談やろ」

洋榎「大阪屈指の名門のレギュラー引き抜こうとするたぁ、なかなかやるやん」 ゲラゲラ

洋榎「しかもウチは主将なのに」

恭子「……まぁ主将はともかく、私は凡人ですけどね」

恭子「クローザーとはいっても、対左専用みたいなものですし」

洋榎「まぁ、あのオバハン男の速球派中継ぎをクローザーにしたがってはおるからなぁ」

恭子「まぁ、凡人なりに精一杯死守してみますよ」

179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 13:49:16.05 ID:8glhMSM3o [44/86]

京太郎(やぱり猿野や穏乃みたいにハイ入ります、とは行かないか……)

京太郎(……でも、絶対無理って感じじゃないな)

京太郎(頻繁に通って口説けば落とせるかもしれない……)

京太郎(けど、大阪まで通うのはしんどいな……)

京太郎(地元の他校の連中――例えばさっきのおっぱいちゃんなんかは何とかできそうだけど……)

京太郎(ゲームとかだと、イベント起こせば仲間になるよな……)

京太郎(何か引き込めるいい口説きをする必要があるな)

京太郎(とりあえず、ついていって、付け入る隙をまったり、周辺事情を探った方がいいかもしれない)

洋榎「……おーい、聞いとる?」 ブンブン

京太郎「あ、す、すみません……ぼうっとしてて……」

洋榎「恭子から聞いたけど、自分長野から来たんやろ」

洋榎「折角やし、何やるかはそっちに決めさせたるわ」

恭子「ちょっとだけなら観光してもええし」

洋榎「何ならウチの自慢の設備も見したるでー」 フフン

京太郎「あ、じゃあ>>182」


184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:01:37.89 ID:8glhMSM3o [45/86]

京太郎「その自慢の設備とやらを見せてもらっていいですか」

京太郎「どんな特訓したらいいのかの参考になるかもしれないですし」

恭子(いや、今から参考にしても遅いやろ)

洋榎「おっしゃ、ほんなら行くでー!」

恭子「……部外者入れて大丈夫ですかね」

洋榎「まーええやろ、いけすかんオバハンは合宿所やし」

洋榎「レギュラー陣ごそっとおらん今、ウチの言うことに逆らえる奴はおらんからな!」

洋榎「ほな、いくでー!」

185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:08:07.09 ID:8glhMSM3o [46/86]

[姫松高校]

洋榎「ここがっ!」

洋榎「名門っ!」

洋榎「姫松高校やでー!!」

京太郎「うおお、でかいっ!」

京太郎「グラウンドも凄い……」

洋榎「せやろー! せやろー!」

洋榎「あ、あとウチらの秘密の筋トレ施設見せたるわ」

洋榎「あまりのスゴさにチビルで!」

恭子(ええんやろか、ここまで他校にオープンして……)

186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:10:55.82 ID:8glhMSM3o [47/86]

京太郎「……このドラム缶は?」

洋榎「ドラム缶風呂に使うやつやな」

京太郎「……こっちの鬼の金棒みたいなやつは?」

洋榎「あーそれスイングスピードあげようと思って作った奴やな」

京太郎「つくった?」

恭子「男子との体格差に限界を覚えた主将が、型破りなトレーニングでパワーアップだーとか言って」

恭子「自作してきたよくわからないトレーニング器具ですよ」

洋榎「まー、妹や恭子にも手伝ってもろたんやけどな」

恭子「主将はどんなトレーニングにもとりあえず手を出しますからねえ」

洋榎「だってその方がオモロイやん」







187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:19:48.56 ID:8glhMSM3o [48/86]

京太郎「へー。でもその甲斐あってレギュラーなんですね」

洋榎「まー、色々付きあわせてもうた恭子含め、何にでも参加してゴキゲン取ってるからや言う奴もおるけど……」

洋榎「そこらの胡麻擂りベンチウォーマーと一緒にしてもろたら困るわ」

洋榎「……うちは格が違う」

恭子「まぁ実際、主将はどんな練習にも暇さえあればオモロそうとか言うて参加してたおかげで」

恭子「何でもござれなプレイヤーですからねえ」

恭子(まあ、だからこそ便利屋みたいにベンチを暖めさせられてたりすることも多いんだけど)

洋榎「ふっふん、大阪のイチロー愛宕洋榎とはうちのことやで!」 ドヤドヤ

京太郎「そんな凄い選手だったんですか……」 ヘー

洋榎「なんやウチのことホンマに知らんのかい!」

洋榎「こら思い知らせたらんとアカンな~~」


188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:30:37.94 ID:8glhMSM3o [49/86]

[姫松高校グラウンド]

洋榎「と、いうわけでうちらもユニフォームや」

京太郎(……着替えてる間敵地のグラウンドに放置されるなんて……)

京太郎(あの人達が戻って来たら来たで何か視線が痛い……)

洋榎「よし自分!」

洋榎「うちらのスゴさを分からせたるわ」

洋榎「自分、ポジションは」

京太郎「一応、ライトを……」

京太郎(守備にも慣れてきたし、合宿から帰ってきたらコンバート話が出るかもしれないけど)

洋榎「おっしゃ、野手やな」

洋榎「それやったら……」

洋榎「おーい、そこのおまえ!」

由子「その呼び方は酷いのよー」

洋榎「すまんすまん、いっぺん言うてみたかったんや」

189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:37:39.50 ID:8glhMSM3o [50/86]

洋榎「まぁ頭抜けて最強のウチのスゴさはバッティングで分かってもらうとして……」

洋榎「ウチだけじゃないことも分かってもらいたいからな」

洋榎「由子、捕手やってもろてええか」

由子「いいけど、捕手は専門外だから、後逸とかやりそうなのよー」

由子「リードも出来ないし……」

洋榎「かまへんかまへん」

洋榎「投げるのは『考えるクローザー』こと恭子やからな!」

恭子「カッコ悪い通称つけるのやめてもらってええですか」

洋榎「まずは恭子の変化球の多彩さに驚けや!」

洋榎「そしてウチのバッティング技術のスゴさに驚けい!」

190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:47:59.04 ID:8glhMSM3o [51/86]

洋榎「勝負は10球勝負や」

洋榎「安打は1本4点、ツーベースは5点」

由子「スリーベースが6点で、ホームランは7点なのよー」

恭子「ボール球は見送れば1点ということで」

洋榎「それで操作方法なんやけど」

京太郎(あ、もう嫌な予感しかしない)

洋榎「人がおったら1球1球勝負する方法考えとったけど……」

洋榎「この感じじゃ1レスでサクッと決めた方がよさそうやな」

洋榎「ちゅーわけで、安価先のレスの書き込み時間で得点を決めるで」

洋榎「秒より細かいあっこの数値をそのまま得点にするわ」

00:00:00.【00】
      ↑
      ここ!

洋榎「いやー、ウチもついに解説役が出来たかー」

洋榎「あの清澄の大将の専売特許や思われたらたまらんからな」

洋榎「ほんなら、いつものいくでー」

ドガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

京太郎「うわーっ!?」 ガバッ

京太郎「……案の定夢か……」

191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:49:57.43 ID:8glhMSM3o [52/86]

洋榎「人様ンとこのグラウンドで爆睡とかやるやないか」

洋榎「そんな気楽なガースーに、うちらのスゴさを分からせたるわ!」

洋榎「自分、ポジションは」

京太郎「一応、ライトを……」

京太郎(守備にも慣れてきたし、合宿から帰ってきたらコンバート話が出るかもしれないけど)

洋榎「おっしゃ、野手やな」

洋榎「それやったら……」

洋榎「おーい、そこのおまえ!」

由子「その呼び方は酷いのよー」

洋榎「すまんすまん、いっぺん言うてみたかったんや」

洋榎「まぁ頭抜けて最強のウチのスゴさはバッティングで分かってもらうとして……」

洋榎「姫松の強者はウチだけじゃないことも分かってもらいたいからな」

洋榎「由子、捕手やってもろてええか」

由子「いいけど、捕手は専門外だから、後逸とかやりそうなのよー」

由子「リードも出来ないし……」

洋榎「かまへんかまへん」

洋榎「投げるのは『考えるクローザー』こと恭子やからな!」

恭子「カッコ悪い通称つけるのやめてもらってええですか」

洋榎「まずは恭子の変化球の多彩さに驚けや!」

洋榎「そしてウチのバッティング技術のスゴさに驚けい!」

洋榎の得点 >>193の上記説明部分

194 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 14:52:41.16 ID:8glhMSM3o [53/86]

洋榎「…………」

京太郎「……あの」

恭子「…………」

由子「9点なのよー」

洋榎「…………」

京太郎「…………」

恭子「…………」

199 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:11:00.52 ID:8glhMSM3o [54/86]

洋榎「……まあ、あれや」

洋榎「恭子は相手の弱点をチクチク攻めるタイプやし」

洋榎「つまりデータをわんさか取られとるチームメイトほど恭子を苦手とするわけで」

洋榎「にも関わらず2割打つとか結構凄いことと言えるんちゃうかなー」

洋榎「ましてや恭子は全国区の投手やし!!」

洋榎「それにほら、野球は3割打てたらいい方っていうしな!」

京太郎「はぁ……」

洋榎「自分今うちら姫松を雑魚思っとるやろ!」 ムキー!

京太郎(めんどくさい人だ……)

201 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:20:03.31 ID:8glhMSM3o [55/86]

洋榎「せやったら打ってみ! 恭子の球!」

洋榎「そんじょそこらのヤツじゃ打てへんで!」

洋榎「恭子! 全力でやったれ!」

恭子「分かってますよ」

恭子「どんな相手にだろうと負ける可能性を考慮して全力を尽くします」

洋榎「それでこそ恭子や!!」

京太郎「…………」

洋榎「ってなんやねんその覇気のない顔はァ!」

京太郎「いや、まあ、だって……」

京太郎(笑うべきなのかとかわからないし……)


202 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:23:47.31 ID:8glhMSM3o [56/86]

洋榎「手を抜いたなんて言い訳されたら困るで!」

洋榎「せや、やから罰ゲームをつけよか!」

恭子「えっ」

由子「無謀なのよー」

洋榎「やかまし!」

洋榎「ウチが負けるわけあらへんやろ!」

洋榎「ウチが負けたら何だって言うこと聞いたるわ!」

洋榎「たこ焼きだろうがなんだろうが奢ったるし、裸踊りだってやったるわ!!」

京太郎「いや、別に裸踊りは見たくは……」 ジー

洋榎「だ、誰が色気のない体やねん!」

京太郎(言葉には出してない……)

洋榎「いいからはよバッターボックスいけ!!」

京太郎(……まあ、実際西の名門校のクローザーの球を受けるなんてこと、滅多に出来ない経験だしな)

京太郎(よし、本気を出すぞ!)

京太郎(そして何かを掴むんだ!!)


京太郎の点数 >>205の上記説明部分

211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:28:22.98 ID:8glhMSM3o [57/86]

恭子「…………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

京太郎「…………」 ┣〝┣〝┣〝┣〝┣〝┣〝┣〝┣〝

洋榎「なん……やと……」

由子「きゅ……91点……なのよー……」

恭子「…………」 ドサッ ←グラウンドに膝をつく

洋榎「嘘やろ……まさか、こんな……」

216 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:35:26.51 ID:8glhMSM3o [58/86]

ザワザワザワザワ

絹恵「なんや、人だかりできとるやん」

絹恵「って、あれ? お姉ちゃん?」

絹恵「今日は末原先輩と自主トレなんじゃ……」

絹恵「……え、なんなんこの空気」

絹恵「どうかしたんですか……?」

由子「……どこもやってる打撃練習……」

由子「あれで、この部始まって以来の91点なんて数値が叩きだされたのよー」

絹恵「ええ、ほんまですか!?」

絹恵「す、すごい……」

絹恵「まさかお姉ちゃんが叩きだしたん?」 ワクワク

221 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:41:34.80 ID:8glhMSM3o [59/86]

由子「ううん……残念ながら、主将はその10分の1よー」

絹恵「えっ」

由子「……投手が投手だから、仕方ないけどね……」

絹恵「……まさかとは、思いますけど……」

絹恵「お姉ちゃんの10倍打った人って、同じ投手相手にやったわけやないですよね……?」

絹恵「グラウンドで崩れ落ちとる末原先輩からそんなに取ったわけやないですよね……」

由子「…………」

絹恵「嘘やろ……」

絹恵「しかもあのバッターボックスの人、うちの生徒ちゃうやん……」

絹恵「しかも千里のユニフォームともちゃう……」

絹恵「どないなっとるんや……」

223 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:47:19.69 ID:8glhMSM3o [60/86]

末原(どないなっとるんや……) カタカタ

末原(バッターボックス立つ前の素振りがあまりに素人臭かったから……) カタカタ

末原(ボール球に手を出すのか試してみてもうた……) カタカタ

末原(でもまさか……) カタカタ

末原(あれからストライクが全然入らなくなるなんて……) カタカタ

末原(普通の投球させてーな……) カタカタ

末原(めげるわ……) カタカタ




226 名前:猿とタコスとワカメは鍋の奪い合いに夢中で会話に入ってこない[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 15:58:33.32 ID:8glhMSM3o [61/86]

[合宿所]

咲「何か悪いな、京ちゃん達だけ置いてきちゃって」

和「まぁ、覗き云々に須賀君は関係ありませんしね」

久「ああ、あれね」

久「一応意図があってのことよ」

咲「意図?」

久「あの子、バッティングぶっちゃけ下手くそでしょ」

和「歯に衣着せませんね」

久「本当は長い目で見たらバッティングとかやらせるべきだったんだろうけど……」

久「大会に間に合わせるため賭けに出たからね」

久「でも咲達じゃ相手が悪すぎるし、適当な相手を捕まえて自分の成長を分かってもらいたいなって」

久「自信なくされても困るし」

咲「京ちゃん、そんなに強くなってたんだ」

久「……一緒に練習した相手やコーチのクセが移ることは、まあそれなりにあることだからね」

久「四球を量産する咲と、投手心理の分析でボールを見極める和……」

久「二人のクセが移ってたら、優秀な四球マシーンになると思わない?」

久「これならミート力はいらないし」

和「そんな都合のいいこと普通はありえません」

久(咲の力を散々見ておいてありえないって言い切れる所が凄いわ)

227 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:03:44.62 ID:8glhMSM3o [62/86]

[姫松高校 グラウンド]

洋榎(こいつ、男だけあってパワーはある……)

洋榎(弾道も結構高いし……)

洋榎(ホームランも量産しとった……)

洋榎(せやけど、異質なんはこの四球数……)

洋榎(そら恭子は割りと息を吸う用にボール球投げる投手やけど、この数は異常やで……)

洋榎(なんやねん48ボールて)

洋榎(こいつ……恭子の言う所のマモノに愛された子なんか……?)

234 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:20:02.04 ID:8glhMSM3o [63/86]

京太郎「俺が……こんな点を……」

京太郎(確かに末原さんのボールはそこそこ速いけど……)

京太郎(ノックの時の咲の打球ほどじゃない……)

京太郎(咲の打球と違ってボールの回転から変化を予測することに失敗しても傷は負わないってのも、リラックスに一役買ってる……)

京太郎(ボールばっかで調子が崩れてど真ん中に放ったところを見逃さなきゃ、俺でもバットに当てられたし……)

京太郎(俺、もしかして、意外と強くなってる?)


▼筋力ポイントがぐーんと上がった!
▼技術ポイントがぐーんと上がった!
▼敏捷ポイントがぐーんと上がった!
▼ミートが上がった!
▼パワーが上がった!
▼パワーヒッターが身についた!
▼選球眼が身についた!
▼慎重打法が身についた!

▼必殺技『須賀ファントム』を覚えた!

242 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:30:58.67 ID:8glhMSM3o [64/86]

洋榎(思い出したわ……)

洋榎(去年の奈良大会)

洋榎(あの名門・晩成高校で1年の秋からエースやっとった小走を、イップスに陥れた松実姉妹の妹……)

洋榎(異常なほど、投球がアイツの頭部に集まってきとった……)

洋榎(結局小走は4回対戦して4回とも頭部への死球)

洋榎(最後には悪質なプレイと判断され、小走は退場させられてもーた)

洋榎(そのショックで投げられなくなり、レギュラーからも落ちたと聞く……)

洋榎(それの亜種っちゅーことか)

洋榎(くそっ、マモノっちゅーんはとんでもない連中ばっかやんけ)

洋榎(……ウチも、肩並べて戦いたいわ……)

247 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:38:37.50 ID:8glhMSM3o [65/86]

洋榎(むかーし奈良だかで旋風巻き起こした若きホープがイップスで五感亡くしたとかいう話を聞いたけど……)

洋榎(とりあえず恭子は大丈夫そうやな)

洋榎(あいつはメンタルも強いし、そっとして立ち直るのを待つか……)

洋榎(それよりも、ウチやな)

洋榎(らしくもなく、凹んでもーとるわ)

洋榎(……なんぼ打たれ強いいうても、やっぱりタダの美少女やからな~~)

洋榎(こんだけギャラリーに聞こえるようにディスられたら傷付くわ)

洋榎「……ま、ええわ」

洋榎「本題入ろか」

洋榎「敗者には敗者のプライドっちゅーもんがある」

洋榎「罰ゲーム、言うてみ」

洋榎「胸を張って実行したるわ」

京太郎「じゃあ>>250」

255 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:49:06.75 ID:8glhMSM3o [66/86]

京太郎「FAで清澄に来て下さい!」

洋榎「…………!」

京太郎「うちには愛宕さんの力が必要なんです!」

洋榎「…………」

京太郎「周りは色々言ってますけど、俺、愛宕さんは凄い選手だと思いましたから」 ニコリ

洋榎「…………」

京太郎「らしくないっすよ!」

京太郎「もっとこう……ウチに目をつけるとはさすがやでーとか言ってくれないと」

洋榎「……せやな」

洋榎「ウチほどの選手になれば、FA獲得したくもなるわな!」

257 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 16:55:41.55 ID:8glhMSM3o [67/86]

恭子「…………主将」

洋榎「……すまんな、恭子」

恭子「いえ……私こそ、力になれずすんませんでした」

洋榎「ええて」

洋榎「お前が打たれたんやったらしゃーないわ」

洋榎「多分、他の誰も抑えられへんかったわ」

恭子「……ホントに、行っちゃうんですか」

洋榎「…………」

洋榎「約束、やからな」

中岸「おいおい、主将ボロ負けだぜ」 ザワザワ

梅垣「どーなるんだよ、おい」 ザワザワ

洋榎「こーなってもうたら、居続けるわけにゃいかんやろ」 寂しく笑い

洋榎「あ、別に陰口辛くて逃げるんとちゃうで」

洋榎「……こんなミソッカスがトップ張っとったら、下に示しつかへんし、下も混乱してまうわ」

洋榎「主将ってだけでアルプスにも回せず足引っ張るのもイヤやしな!」 ニカッ

洋榎「ま、しゃーなしや」

恭子「主将……」

恭子「辛かったり……嫌だったら……泣いたり、だだこねたり、してもいいと思います」

恭子「かっこわるくても、それがチームの弱体化に繋がっても――――」

恭子「私個人は、そうしてほしいです……」 ポロポロ

洋榎「…………」

258 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:04:29.39 ID:8glhMSM3o [68/86]

洋榎「……ごめんな……」

洋榎「でも、ウチはウチであり続けなあかんねん」

洋榎「ウチにいろんなもんを託して野球を諦めてもーた女の子のためにも」

洋榎「姫松じゃなくなっても、かっこ良くなくなっても、笑顔で野球せなあかんねん」

洋榎「ウチらしく、ちゃんと矜持を貫いて、な……」

恭子「…………」

洋榎「……でも、確かに辛いっちゃ辛いわ」

洋榎「まっさかこんなことになるなんて思ってもみなかったしな」

洋榎「ホンマ辛いわ……姫松が好きだから」

洋榎「このチームで全国に出られんまま終わるのが、本当に辛い」

恭子「すんません、主将……」 ポロポロ

恭子「すん……ません……」 ヒグッエグッ

洋榎「ええて」

洋榎「せやから今日を糧に、強うなってや」

洋榎「多分今日の失態のせいでレギュラーからは落ちるやろうけど、恭子なら這い上がれる」

洋榎「全国で、試合しようや」 ニコッ

恭子「……主将……」

洋榎「洋榎でええよ。もう、主将やなくなるしな」

恭子「……うちのせいで……」 グスッ

洋榎「ほんまに気にせんでええて」

洋榎「……それに、ある意味納得しとるから」

洋榎「ホンマ、恭子が打たれてこうなるならしゃーないで」

洋榎「ウチの中で日本一のクローザーは、やっぱり恭子やからな」 ニカッ

洋榎「……だから、お前で打たれてよかったよ」

洋榎「なあ、親友」

洋榎「お前で終われてよかったよ」 ウルッ

270 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:21:33.32 ID:8glhMSM3o [69/86]

絹恵「え、え、どういうことなん?」

絹恵「え、お姉ちゃん転校するん!?」

由子「……それも清澄――長野に行くのよー」

絹恵「え!?」

絹恵「何でそんな無名校にお姉ちゃんが……」

由子「……でも、これでよかったかもしれないのよー」

絹恵「!?」

由子「主将は、ヘラヘラしてるし常に優れた成績を残してるからパッと見はわからないけど……」

由子「見えない所ではいっぱい泥をすすってるし、挫折してきてるのよー」

由子「荒川憩や千里山の黄金時代と3年間同じなせいで、結局一度も甲子園の土を踏めないままだったし……」

由子「それに加え、赤坂監督代行の男性重視パワー重視の采配……」

由子「今回の事で初の女性主将に反感持ってた人らは一気に不満を爆発させるだろうし」

由子「大会ではベンチウォーマーの可能性すら相当ある……」

由子「主将の可能性を伸ばすことを考えたら、きっと転校して環境を変えた方がいいのよー」

由子「男性部員と女性部員との壁は厚いし、女性部員は年々減ってきてるしね」

由子「……私も、もうベンチに入れそうにすらないし、満足に練習に付き合うことすらできなくなっちゃってるのよー」

271 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:28:37.94 ID:8glhMSM3o [70/86]

[新大阪]

洋榎「……待たせたな」

京太郎「ああ、いや……」

京太郎「こっちこそすんません、今日長野まで越してきてもらっちゃって」

京太郎「なにせ監督にお願いして早急に手続きしないといけないもんで……」

洋榎「ま、しゃーないわ」

洋榎「ウチもわがまま言うて引き継ぎ資料作成手伝ってもろたし」

京太郎「まあ、雑用なら慣れてますからね!」

洋榎「……本当なら、直に引き継ぎたかったんやけどな」

京太郎「…………」

洋榎「副部長は合宿行っとったし、合宿場まで行くわけにもいかんかったからしゃーなしや」

洋榎「……電話は、向こうついてからするわ」

洋榎「決心鈍ったらイヤやし」

京太郎「…………」

京太郎(く、空気が重い……)

京太郎(初対面の時が嘘みたいに暗い雰囲気だ……)

京太郎(まぁそりゃ無理やり引きぬいたから無理ないかもしれないけど……)

京太郎(姫松への未練で練習集中出来なかったり、部員と仲良くしてくれなかったらどうしよう……)

275 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:34:22.43 ID:8glhMSM3o [71/86]

絹恵「お姉ちゃん!!」

洋榎「!?」

洋榎「絹恵……何しとん……」

由子「荷物持ってもらってたのよー」

由子「はい」 ドサッ

洋榎「なんやこれ」

由子「部室においてあった、主将……じゃなくて洋榎ちゃんのお手製トレーニング器具と」

絹恵「お姉ちゃんの服とか小物」

洋榎「……別に使ってくれてもよかったんに」

由子「なーに未練たらたらみたいなこと言ってんのよー」

絹恵「そうよ」

絹恵「大体まるで姫松の部室や家が自分の帰る場所、みたいな感じで名残惜しそうにしてたけど……」

絹恵「どっちにももう、お姉ちゃんの居場所なんてないんやから!」

277 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:42:25.46 ID:8glhMSM3o [72/86]

京太郎(誰だろうこの人達……)

京太郎「妹さん?」

洋榎「ああ……」

洋榎「怒っとるんか、勝手に家出ること決めたの」

絹恵「ちゃうわ!」

絹恵「姫松のユニフォームとか、未練がましく綺麗に畳んで置いとかんといてよ!」

絹恵「ゴミになるだけなんやから、そっちで処分し!」

絹恵「大体自惚れてもらったら困るで」

絹恵「お姉ちゃんおらん方が家静かやし、部屋広くなるし」

絹恵「部屋も散らからないし、チャンネル争いもなくなるし」

絹恵「むしろ清々したくらいや」

洋榎「…………」

由子「それに、わかってたと思うけど、男性部員からはあんまり洋榎ちゃんの評判よくなかったのよー」

由子「色気もないし、ムカつくだけだって」

漫「そ、それに!」

京太郎(この子誰だろう……額に『茶』って書いてある……)

漫「も、もう愛宕先輩のポジションは、私が奪っちゃいましたからっ」

漫「私の方が一発あるし、愛宕先輩なんてポイーですっ」

由子「恭子なんて、洋榎ちゃんが全然打てなかったせいで不調と言い訳も出来ず、残ってた二軍監督にレギュラー外されちゃったのよー」

由子「洋榎ちゃんを『絶対に許さない、顔も見たくない』言うてたわ」

由子「まあ、あれだけの憎悪を意地できるなら、来週の大会までに新レギュラーの梅垣さんくらいなら倒して早々復帰してくれると思うのよー」


280 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:46:54.89 ID:8glhMSM3o [73/86]

漫「そ、そんなわけだからっ! あの、その……」

由子「洋榎ちゃんなんかもう要らないってことなのよー」

由子「元・友人として、三行半してトドメをさしてあげにきたのよー」

絹恵「あんだけ醜態晒して、妹として恥ずかしいわ」

絹恵「どこへなりとも行っちゃってや」

絹恵「ほんならな!」 ザッザッザッ

漫「あ、待って!」 タッタッタッタッタッ

由子「それじゃ、ロンググッバイなのよー」

由子「私も顔すら見たくないし、大阪に帰ってきたら激怒するのよー」

由子「それじゃ、精々清澄の中で外様としてお通夜やっててねー」 ザッザッザッ

洋榎「…………」

洋榎「やかましいわ、クソが!」

洋榎「お前らに言われんでも、誰が大阪に戻るか!」

洋榎「戻ってきたとしても、お前らなんかにゃもう会ってやらんわ!」

洋榎「姫松よりも有望な清澄でチビる程活躍して悔しがらせたるわボケ!」

洋榎「……ボケ……」

282 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 17:52:40.58 ID:8glhMSM3o [74/86]

[新幹線内]

京太郎「あ、あのさ……愛宕さんは……」

洋榎「洋榎でええ」

洋榎「あの乳だけのボケ妹がずっと一緒の学校やったで、苗字で呼ばれることに慣れとらんねん」

洋榎「ったく、ほんまにボケナスどもやで」

洋榎「あーあ、いっそすっきりしたわ!」

洋榎「ま、外様だけど部活のテッペン取ってくつもりなんで、よろしく~~~」 ヒラヒラ

京太郎「は、はあ…・・・」

京太郎(よくわからないけど、元気が出たならよかった……のかな)

洋榎「ほーんと……バカばっかやったわ……」

洋榎(捨てられんけど大事な思い出として、大会が終わるまでは押入れにでも入れておくと思っとったんかなぁ)

洋榎(裏に書いてるのに、表に若干透けとるし)

洋榎(……ま、しばらく見せたくないんやろうし、見ないでおくわ)

洋榎(それにしても、元とはいえ主将のユニフォームに文字書き殴るとかホンマに酷い連中やで……)

洋榎「…………………」

車掌「切符を拝見します」

京太郎「あ、はい。二人分です」

洋榎「…………全員一緒にってわけには……いかないよな……」 ポツリ

京太郎「ん?」

京太郎「ごめん、なんか言ったか」

洋榎「…………いや、何でもないわ」

287 名前:パワポケの絵面想像しながら書いてるからついつい京太郎がパワポケ君の口調になってまう[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:08:40.12 ID:8glhMSM3o [75/86]

洋榎「……年上相手にタメかいな」

京太郎「あ、すんません……つい」

京太郎(いろんな意味であんまり年上っぽくないんだよな……)

洋榎「まあええわ」

洋榎「強さが正義っちゅーのがウチの考えやからな」

洋榎「勝者は敗者を呼び捨ててええ」

京太郎「それって逆に言えば、洋榎さんは俺に敬語を……」

洋榎「ああん?」 ギロリ

京太郎「な、なんでもありましぇん……」

京太郎「そ、それより! ポジションってどこなんですか?」

洋榎「全部や」

京太郎「へ?」

洋榎「ぜ・ん・ぶ」

289 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:14:23.57 ID:8glhMSM3o [76/86]

京太郎「……ツッコむところ?」

洋榎「ちゃうわ!」

洋榎「……うちな、昔はピッチャーこそ花形だと思っとったんや」

洋榎「まぁせやけど、ウチはごらんの通りタッパもそんなにない」

洋榎「かといって男子に対抗出来るよう変化球を極められるほど肘は頑丈やなかった」

洋榎「まぁそれで一時期泥沼はまっとったんやけど、絹恵とか、周りの連中に色々言われてな」

洋榎「……まあ、あいつらのこと思い出すとアレな気分になるから詳細は省くけど」

洋榎「真のスターはポジションがどこだろうとスタートして輝いとるっちゅーことに気が付いたんや」

洋榎「そんで、守備の練習とか始めたんやけど」

洋榎「いやーこれがおもろーてな」

洋榎「いろんなポジションの練習混ざっとる内に、いつの間にかどこでもそこそこ守れるようになったんや」

京太郎(そういえばこの人、どんな練習でもアクティブに混ざってるとか言ってたな……)

洋榎「まぁ、でも、特に得意なポジションっちゅーたら>>292かなぁ」

295 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:28:14.64 ID:8glhMSM3o [77/86]

洋榎「ファーストやで!」

京太郎「……あんま守備技術いらないような……」

洋榎「アホ!」

洋榎「一番確かなキャッチングが求められるポジションやで!」

洋榎「飛び来る暴投を華麗に捕まえキャッチすることの快感ったらないでー」

洋榎「ファーストってだけで、ダイビング決めた時にどよめき起きたりするしな!」

京太郎「ああ、そう……」



[ステータス]
一/他  愛宕 弾道1 BDBCBB
人気者 ムラッ気 広角打法 固め打ち アベレージヒッター サヨナラっ娘 逆境○ チャンスメーカー ムードメーカー 対左打者◎ ヘッドスライディング
体当たり ゲッツー崩し 天然芝○ サブポジ○ 
100km コントロールD スタミナD カーブ1 フォーク1  ピンチ○

298 名前:>>296 甲子園で敵対するチームのエースとして能力組んでたから……[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:32:34.39 ID:8glhMSM3o [78/86]

[新大阪 路地裏]

恭子「こんなとこまで走って来てたとは驚きやわ」

絹恵「…………」

由子「新幹線は無事出発、洋榎ちゃんは振り返りもしなかったのよー」

絹恵「…………そうですか」

漫「……寂しく、なりますね」

絹恵「……ま、しゃーないですよ」

絹恵「お姉ちゃんが負けたのがあかんのですし」

絹恵「むしろすんません、姉が迷惑をかけて」

恭子「いいわよ、レギュラー落ちは自分の力不足のせいだし」

漫「……この時期からまたレギュラーになるには、今回みたいな不測の自体が起きて、急遽入れ替わるしか方法ないんですけどねえ」

由子「洋榎ちゃんは3年間レギュラー落ちの危機と縁がなかったから、コロっと嘘に騙されてたけどねー」

恭子「……泣きたい気分やけど、自業自得すぎて泣けないわ」

恭子「やから……私の代わりに、泣いてもろてええ?」

絹恵「う……」

絹恵「うわああああああああああああああああああああん!」 ダキッ

絹恵「お姉ちゃん……お姉ちゃん……!」 ギュウウ

恭子「…………」

303 名前:パワポケのあの自嘲とか入り交じった弱々しい笑の表現がわからんちん[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:37:05.42 ID:8glhMSM3o [79/86]

漫「うちらどーしましょーねー」

漫「女性部員少ないし、ますます肩身が狭くなりますけど」

恭子「漫ちゃんはまだええやん」

恭子「ポジション奪った言うんは嘘やったけど、来年嘘が真になるかもわからんし」

由子「私達はもうアルプスの上で引退確定しちゃったのよー」

恭子「ほんま、どうしようか」

漫「先輩……」

恭子「うちは漫ちゃんの成長見守るだけでも十分楽しいんやけど」

由子「いっそのこと、絹ちゃんの助っ人としてサッカー部にでも入るとかー」

漫「……いっそありですけどねえ、女子サッカー部」

漫「私、走るの嫌いじゃないですし」

恭子「まーでも、今から運動部は入れてもらえへんやろうなぁ」

恭子「……いっそ、麻雀部とか作ってみる?」



▼『サヨナラ男』が身についた!
▼愛宕洋榎が仲間になった!

306 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:42:46.99 ID:8glhMSM3o [80/86]
きりがいいし、腹減ってきたんで一旦『セーブして終わる』で。
深夜は人集まらないっぽいことを聞いたんで、続きは明日の昼間かな?
もしかしたら夜10時くらいからちょっとだけやるかも。


>>305
試合形式は一応考えてはある。
能力値の高さによる補正あり+何狙いかによる難易度調整もありで。

314 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 18:49:25.32 ID:8glhMSM3o [81/86]

>>311
右 須賀 弾道3 FCDFEE 帳尻合わ 【パワーヒッター】NEW 【サヨナラ男】NEW 代打○ 体当たり 走塁△ エラー 【慎重打法】NEW 【選球眼】NEW

完全に猿野コースに育ってやがる

320 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 22:38:32.69 ID:8glhMSM3o [82/86]
>>319
まさにそのとおり

投下ペースクッソ遅くなっていいなら、ぽちぽち投下してこうかしら

322 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 22:46:23.75 ID:8glhMSM3o [83/86]

[部室]

京太郎「ここが部室だ」

洋榎「おお、せっま。うさぎ小屋か」

友子「よ! 元気?」 ヒョッコリ

洋榎「うわあ!?」 ビクッ

友子「ようこそ清澄高校野球部へ!」

友子「須賀くんからメールで聞いてるわ」

友子「転入関係は私の能力に任せておいて」 ニッコリ

洋榎(能力……?)

友子「で、元気?」

洋榎「おう、元気やでー! 元気が一番や!」

友子「ならよかった!」

友子「てっきり友達と離れ離れで落ち込んでるかと」

洋榎「……大丈夫や、ウチは」 ニコッ

友子「よかった」

友子「ホント、元気が一番よ」

友子「あんなふうになっちゃだめよ?」

猿野「………………」 ぷ~~~~ん←縛られ続け蝿がたかっている

洋榎「わ~~~~~~~ッ!? 腐った死体!?」

325 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 23:09:23.05 ID:8glhMSM3o [84/86]

京太郎(い、1日中放置されてたのか……)

猿野「誰が腐ったミカンだこらァ~~~~~~~~ッ!」

洋榎「うおっリビングデッドの呼び声ッ!」

猿野「うらァァァ~~~一日死体だった気持ちがわかんのか新入りがァァァ~~~!!」

猿野「トイレにだって行けねえのに少年誌だって理由で漏らせもしねえんだぞーーーーー!」

猿野「お前に決壊すら許されない膀胱の気持ちがわかんのかーーーーーーっ!」

洋榎「知らんがな」 ジュウロクモンキック

猿野「ひでぶっ!」



326 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 23:18:54.48 ID:8glhMSM3o [85/86]

猿野「や、やりやがったなテメーーーッ!」

猿野「所属と姓名とポジションとスリーサイズを名乗ってあとメアド教えやがれ~~~~ッ!」

友子「新手のナンパ?」

洋榎「元姫松高校野球部所属愛宕洋榎!」

洋榎「西のセサルの洋榎とはウチのことや!」 ドーン

猿野「西のサセル……? ビーッチ」

洋榎「セサルや!」

洋榎「スリーサイズは秘密、ポジションはファースト他全部!」

猿野「ナ、ナニィ~~~~~~!?」

猿野「どーいうことだワンコっち!」

猿野「俺のポジションとだだかぶりじゃねーか!」






330 名前:猿野の再現ぐうむず。あいつ絡めると咲キャラまでミスフルノリになるで。[saga] 投稿日:2012/06/16(土) 23:27:49.10 ID:8glhMSM3o [86/86]

京太郎「いや、だって、お前めっちゃエラーするし……」

京太郎「最悪代打がいいかなって」

猿野「なんだとテメー!!」

猿野「あんだけ派手にダイビングプレーしてやってるじゃねーか!」

京太郎「意味もなく横っ飛びにして全部安打にするのがダメっつってんだよ!」

京太郎「後ろに控えてるの守備素人の俺なんだぞ!」

友子「まあ、右方向が鬼のように守備の穴ではあるわね」

335 名前:>>334 すまん、ちょいと席外してた。安価出したら終わる。[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 00:54:03.53 ID:rJz2Shuxo [1/13]

洋榎「ふふん」

洋榎「こんな筋肉ダルマがレギュラーやったら余裕で定着できるわ」

猿野「ナ、ナニィ~~~~~~!?」

猿野「チームの弱さをなじるのはともかく、俺をバカにするのは許さ~~~~~~んッ!」

京太郎(ええーーーーーーー!?)

洋榎「ほっほう、ならやるか!?」

洋榎「今のうちは打撃勝負で勝ちたくてしゃあないんや!!」

猿野「こいやあああああああ! 清澄の爆弾魔の実力見せたるわー!」

友子「不吉な……」

友子「もう暗いけど、須賀君はどうする?」

友子「帰る? 練習してく? それかどっか行くとこでもあるとか?」

京太郎「>>336」


345 名前:いきなり始まるよー[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 22:55:50.40 ID:rJz2Shuxo [2/13]

京太郎「もうちょっと付き合うことにします」

京太郎「猿野は俺と同じタイプの選手っぽいから、洋榎さんがどう鍛えるかみたいですし……」

京太郎「名門のエースだった人がどんな練習するかも気になりますから」

京太郎「それじゃ、俺は混ざってきます」

京太郎「おーい、俺も入れてくれー!」 タッタッタッタッタッ

友子「……うーん、すっかり須賀君も野球馬鹿ねぇ」

友子「滞在費ケチってこっちに残ってよかったわ、いいもの見れたし」


347 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 22:58:04.87 ID:rJz2Shuxo [3/13]

京太郎「俺にも練習を……」

洋榎「何や混ざりたいんか」

京太郎「って何かよくわからないことになってるーーーーー!?」 ガビーン

猿野「くっ……まさかこの俺がここまでやられるとはな……」

京太郎「いや、普通に野球してたらそんな丸出しのケツに無数のバットが突き刺さることもないし」

京太郎「ダンベルに首が挟まったりスパイクが手に装備されてたりすることもないから」

洋榎「これぞ大阪特訓名物・地獄ノックや!」

京太郎(どのへんにノックの要素があったんだろう……)



348 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:00:10.15 ID:rJz2Shuxo [4/13]

洋榎「自分も地獄ノックやったろか?」

京太郎「いや、あの、フツーのノックでお願いします」

京太郎「俺まだ守備全然出来ないんで……」

洋榎「ほんなら二人一緒に特訓したるわー」

洋榎「自分ポジションどこなん?」

洋榎「どこだろうとウチ教えられるで」

京太郎(そういえば、人がいないから仮でライトに置かれたけど……)

京太郎(これだけ人数がいてコンバートもできそうな形になったんだから)

京太郎(守りたいとこ守ったって許されるんじゃないか?)

京太郎(……俺が守りたいのは……>>350)


351 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:06:59.32 ID:rJz2Shuxo [5/13]

京太郎「レフトです!」

猿野「あれ、お前ライトじゃなかったっけ?」

京太郎「とりあえずで置かれてただけで、俺はレフトがやりたんだよ!」

洋榎「ふーん、まあええんちゃう」

洋榎「やりたいとこやるのが一番やで」

洋榎「ほんで“向いてる”とこをやるのが二番や」

洋榎「姫松で見せたバッティングを安定して出来るんなら」

洋榎「例えスリーベースファクトリーでも置いておきたい所やからな」

洋榎「守備に自信があんまないなら、ツーベースが高確率でスリーベースになるライトよりは向いてるやろ」

洋榎「肩はまぁ人並みにあればいいから、とりあえずはキャッチングやろなー」

洋榎「とりあえず習うより慣れろやな」

352 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:10:51.25 ID:rJz2Shuxo [6/13]

洋榎「んで、サル」

猿野「あん?」

洋榎「お前コンバートな」

猿野「…………はああああああああああああああ!?」

洋榎「当たり前やろ」

洋榎「ポロリもあるよなんてレベルじゃきかないくらいこぼしまくるキャッチングで置いとけるかい」

洋榎「今のお前の守備やったらトーテムポールファーストに置いてるんと変わらへんで」

洋榎「それになにより――」

洋榎「清澄には、ウチがいるっ!」 ドヤッ

猿野「ふざっけんなよジト目ェェェ!」

猿野「それじゃぁまるで俺が使えないから回されるみたいじゃねーか!!」

洋榎「みたいじゃなくてそのまんまじゃー!!」

京太郎(何か煽り屋濃度高まり過ぎじゃないかこの野球部……)

354 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:13:07.99 ID:rJz2Shuxo [7/13]

京太郎「でもファースト以外置く場所なんてないと思うけど……」

京太郎「DH制じゃないし……」

猿野「DHCじゃないとは何だコラァァァァ!」

猿野「俺はこう見えて、あれだ、あらゆる部門で第一位だっつーの!」

洋榎「モテナイ部門第一位」 プッ

猿野「んだとコラァァァァ!」

洋榎「バットを刺しやすい尻第一位」 ププッ

猿野「お前で記録塗りかえるぞテメーーーッ!」

京太郎「わあああああ、出場停止になるからヤメロ~~~~~~~っ!」

356 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:19:15.98 ID:rJz2Shuxo [8/13]

猿野「先に言うけど、ライトはやだぞ」

洋榎「あ、嫌なん?」

猿野「ったりめーだ!」

猿野「何で俺がコイツの出世の穴埋めみたいにならなきゃなんねーんだ!」

洋榎「肩強いからイケる思ったんやけどなー」

京太郎「無理ですって、こいつ高く上がった打球目で追いかけられないやつですよ!」

猿野「うるせー!」

猿野「それになんか外野って地味な感じでイヤなんだよ!」

京太郎「全国の外野選手に謝れよ!!」

洋榎「まー、普段教室の輪から外れた外野を常に守っとるんやもんな、野球でくらい内野守りたいか」

猿野「そうそう、つねに外野、つねにそとでキャッチボールすら出来ずに棒立ち……」

猿野「って誰が一人ぼっちのティーパーティーだコラァァァァ!」

猿野「一人ぼっちでクリスマスにネズミーランド行っちゃ悪いか!」

猿野「今時オヒトリサマが出来ねー奴の方がおかしーんだよ!」

猿野「一人カラオケ一人焼肉上等じゃーっ!」

猿野「一人セクロスとかむしろグローバルスタンダードだろーが!」

京太郎「いや、それは二人でやるのが普通だろ……」

猿野「え、なにおまえ見せ合うのが趣味なの?」 ドンビキ

洋榎「さすがに引くで……」 ドンビキ

京太郎「えっ」

358 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:23:30.78 ID:rJz2Shuxo [9/13]

京太郎「いや、そういう意味じゃ……!」

洋榎「んでコンバート先なんやけどな」

京太郎「いや聞けよ! むしろ聞いてください!」

猿野「何だよ露出癖、こっちゃ真面目な話し合い中だぞ」

京太郎「違うっつってんだろ!」

京太郎「だからさっきのやつで俺が言いたかったのは……」

洋榎「あのな、ガースー」 ハァ

洋榎「うちらめっちゃ大事な話しとんねん」

洋榎「どーでもええシモネタだったら後にしてくれへん?」

猿野「全く最低だな」 ハァ

京太郎(ええええええええええ………………)

359 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:31:20.80 ID:rJz2Shuxo [10/13]

洋榎「んでコンバート先だけど、サードとかどうや」

洋榎(捕手も二遊間も論外やし)

猿野「サードだぁ?」

洋榎「そうそう。意外とイケるんちゃう」

洋榎「サードのセンスは感じないこともないで」

洋榎「それに最近サードは和製大砲」

洋榎「つまりチームで一番力のある人気の日本人選手のポジションって感じやしな」

猿野「…………」 ピクッ

猿野「ほっほう……一番力のある人気者…・・」

猿野「いいだろう、その大役、引き受けてやらァ!」

洋榎「さっすが、清澄の和製大砲やな!」

猿野「そうと決まればさっそく練習じゃー!」 タッタッタッタッタッ

洋榎「よっしゃ、しごいたるでー!」 タッタッタッタッタッ

京太郎「あ……おーい……」

京太郎「行っちゃった……」

京太郎(サードは部長が守ってるの、猿野も知らないんだっけ……?) タラリ

京太郎(…………)

京太郎(ま、いっか)

京太郎(最悪ライトを見つけて猿野は代打の切り札にでもすればいいし)

361 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:40:52.60 ID:rJz2Shuxo [11/13]

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

夜遅くまで特訓に励んだ……

洋榎「ま、とりあえず形にはなったようやな」

洋榎「ガースーはやっぱりレフトのセンスありやで」

京太郎「まじ!? よっしゃ!」

洋榎「猿野の方は、まあ、もうちょいかかりそうやなぁ」

洋榎「この調子だと本職はあくまでファーストになりそうやな……」

洋榎「一応最低限サードの技術は教えこんだけど……」

洋榎「そう簡単にサブポジの域は出そうにないわ」

洋榎「しっかし久々に外野練習したら疲れたわー」

洋榎「送球カンが戻ってきたからええけど」

京太郎「……あと大会まで一週間、それまで出来るだけ成長したいっすね」

洋榎「せやなぁ……」

洋榎「まぁでも今日はさすがにもう遅いし、解散やな」

京太郎「そうですねー……」

京太郎(どうしよう、まっすぐ帰ろうかな……?)

A:疲れたし真っ直ぐ帰ろう
B:洋榎先輩を送っていこう
C:レフトを守れた喜びを伝えたいし誰かに会ってから帰ろう
D:ちょっと寄り道して帰ろう

>>363

365 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:45:46.71 ID:rJz2Shuxo [12/13]

京太郎「じゃあ俺、寄る所があるんでこれで……」

洋榎「おーう。おつかれさんさんさんころり~」

猿野「またなー」

京太郎「おーう。それじゃ!」 タッタッタッタッタッ

洋榎「ほんならウチも帰るかー」

洋榎「ほななー」 ザッザッザッ

猿野「おう、じゃーなー」 ザッザッザッ

洋榎「…………」

洋榎「……あれ?」

洋榎「ノリで歩いて来てもたけど……」

洋榎「ていうか転校させられて引っ越してきたはええねんけど……」

洋榎「うち、今日からどこで暮らしたらええんやろ」

洋榎「………………あれ?」

370 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/17(日) 23:51:20.96 ID:rJz2Shuxo [13/13]

京太郎「……そういえば勢いで荷物まで持ってきてたけど……」

京太郎「洋榎さん、泊まるあてあったのかな」

京太郎「明日一日使って物件探して引っ越したらいいと思ってたのに」

京太郎「何かいきなり大荷物抱えてやってきてたけど」

京太郎「…………」

京太郎「まあ、いくらなんでも引越し先の宛や宿泊先の宛もないのにあんな荷物でこない、よな……?」

京太郎「とりあえず今日は>>373に寄ったら帰ろう」


375 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:00:41.19 ID:mOSrPuPGo [1/38]

京太郎「と、いうわけで神社に来たものの……」

京太郎「……この神社、家から相当遠いんだよなあ……」

京太郎「……今日はカラオケボックスで寝泊まりかな……」

京太郎「そこまでして神社に来た理由は>>377」


379 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:08:25.40 ID:mOSrPuPGo [2/38]

京太郎「小走先輩が、今日もいるかもしれないし……」

ドン!

京太郎「うわっ!?」

やえ「いたた……」

やえ「すまない、だいじょう――――!?」

京太郎「あ、小走先輩」

やえ「きょ、京太郎!」

やえ「今日もくれたのか……」

やえ「連絡をくれたら待っていたのに……」

やえ「それとも、私には関係のない用事だったのか……?」

京太郎「……俺が今日ここにきた理由は……>>382」

384 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:22:11.26 ID:mOSrPuPGo [3/38]

京太郎「君を勧誘に来た!」

やえ「!」

京太郎「君の力を、俺達清澄に貸してほしい!」

やえ「……」

やえ「その言葉は、正直とても嬉しい」

やえ「必要としてくれたことに、素直に感謝の気持を述べたい」

やえ「でも……」

やえ「私はこれでも、晩成の看板を背負っているし……」

やえ「そもそももう、イップスで投げることは出来ない投手だ」

やえ「打者としての能力も微妙」

やえ「悔しいが……にわかじゃ助けにならんよ」 自嘲めいた笑み浮かべ

京太郎(そりゃそうだ、よその学校から引き抜くのは並大抵のことではできない)

京太郎(……洋榎さんを誘った時にそれは痛感した)

京太郎(何か食いつきたくなる条件か、口説き文句が必要だ)

京太郎(だから、電車でずっと考えた)

京太郎(どうやれば、勧誘に乗ってくれるか)

京太郎(そして出した答え。それは>>387)

393 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:32:52.55 ID:mOSrPuPGo [4/38]

京太郎「そのイップス、大会までに治してみせる」

やえ「な……!」

やえ「イップスが、そんな簡単に治るわけが……」

京太郎「治る!」

京太郎「確かに正当なやり方じゃ無理かもしれない」

京太郎「俺のやり方は王道だから、間に合わない可能性も大きかった」

京太郎「だけど荒治療を覚悟できるなら……」

京太郎「俺よりも凄い人を紹介できる」

やえ「…………」

京太郎「阿知賀のレジェンド」

京太郎「奈良の人なら、知ってるよね」

京太郎「俺は長野県民だから、大阪で小耳に挟むまで知らなかったけど……」

京太郎「ここ50年で唯一奈良県大会で晩成が敗退した年――」

京太郎「奈良県代表阿知賀高校をベスト4まで導いた阿知賀のエース・赤土晴絵」

京太郎「あの人は今、長野県でトレーナーをやっている」

397 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:38:05.00 ID:mOSrPuPGo [5/38]

京太郎(……しばらくフルボッキの続くという悪夢の始まったあの日)

京太郎(何故か記憶がなくて何があったか分からないまま過ごしてたけど……)

京太郎(大阪で阿知賀のレジェンドの話を聞いて、帰りの新幹線で洋榎さんと気まずかったから間を持たせるためググってみて全てを思い出した)

京太郎(あの日、俺は阿知賀のレジェンドの無茶な改造手術を受けたんだ!)

京太郎(でもそんなことは大した問題じゃない)

京太郎(大事なのは、あの人が病気の治療とかもプランとして提案していたこと)

京太郎(あの人なら、小走先輩を助けられるかもしれない)

京太郎(幸い、大阪行く前に鶴賀のおっぱいちゃんを追っかけた際に適当に貰ったチラシの中に)

京太郎(レジェンドクリニックとかいう露骨に阿知賀のレジェンドをコピーに使ったチラシが混ざってた)

京太郎(連絡はちゃんと付く……)

京太郎(時期尚早な気もするが、しっかりリハビリさせるには、土日前の今しかない!)

401 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:44:22.33 ID:mOSrPuPGo [6/38]

やえ「…………」

やえ「正直に、言う」

やえ「嬉しさ半分と、戸惑い半分」

やえ「素直に、飛びつけないでいる……」

京太郎「何で……」

やえ「別に、京太郎を信じていないわけじゃないさ」

やえ「阿知賀のレジェンドが、かつて『奈良県の恥辱』とまで呼ばれる惨敗を喫し、イップスにまで陥ったのは知っている」

やえ「なのにまた野球に関わっているということは、恐怖などを乗り越える術を身に着けたということだろう」

京太郎「じゃあ……」

やえ「……でも、さ」

やえ「怖い、というのもあるし」

やえ「晩成の生徒として、阿知賀のレジェンドの世話になるのは癪だという想いもある」

やえ「だが、何より――――」

やえ「私は、晩成が好きなんだ」

京太郎「…………」

やえ「友もいる、恩師もいる、3年間共にあったチームメイトがいる」

やえ「それに、私を慕ってくれる後輩もいたしな」

京太郎(やっぱり、すんなり事を運ばせるには好感度が足りなかったか……)

京太郎(でも、小走先輩は迷っていると言った)

京太郎(拒絶されるほど好感度が低いというわけではない)

京太郎(考えろ、京太郎っ!)

京太郎(ここでの俺の一手が、全てを左右してしまうぞっ!)

どうする? >>405

409 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 00:57:03.28 ID:mOSrPuPGo [7/38]

京太郎「君が欲しい!」

やえ「!」

京太郎「晩成高校との付き合いに比べたら、俺達の付き合いなんて僅かなものだ!」

京太郎「晩成高校生徒全員の小走先輩への思慕と比べたら、多分俺の感情なんて些事なんだろう!」

京太郎「でも知ったことか!」

京太郎「誰かと比べてどうこうじゃない」

京太郎「そんなの関係なしに、俺は小走先輩が欲しいんだ!」

京太郎「誰かと比べられただけで、諦めることなんて出来るもんか!」

やえ「…………」

京太郎「嬉しいと思ってくれたんだろ」

京太郎「断る理由に、晩成しか挙げることが出来ないだろ」

京太郎「だったら俺に、小走先輩を求める気持ちを抑える理由なんてない!」

412 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:05:22.83 ID:mOSrPuPGo [8/38]

京太郎「俺は考えるのが得意じゃない」

京太郎「だから……」 ギュッ ←手を握る

やえ「!?」 カァァッ

京太郎「俺は君に出来ることをする」

やえ「な、何を……」 ワタワタ

京太郎「今から君をレジェンドクリニックに連れていく」

やえ「!?」

京太郎「どうせもう終電はないし、行く所もないだろう?」

京太郎「時間はかかるけど、行けない距離じゃないし」

やえ「だ、だがしかし……」

やえ「こんな時間には開いていないだろうし……」

京太郎「いいから!」

京太郎「俺を信じてくれ」

やえ「…………」

やえ「とっくに、信じているさ」

やえ「最初から、疑ってなどいなかった」

京太郎「疑わないことと信じることは別だ」

京太郎「俺を信じて、ついてきてくれ」

416 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:12:37.35 ID:mOSrPuPGo [9/38]

やえ「…………」

やえ「でも、やっぱり私は……晩成を……」

京太郎「それでもいいよ」

やえ「……?」

京太郎「どんだけじっくり考えても晩成に残りたかったら、それでもいいよ」

京太郎「だから、レジェンドクリニックに――」

やえ「え、え?」

やえ「いや、でも、行ったからには清澄に――」

京太郎「……俺はさ」

京太郎「一人で苦悩しながらも毎日こんな遅くまで練習してる小走先輩を純粋に応援したいんだ」

京太郎「だから自分で最初は何とかしてあげたかったし、こうして治してくれる場所も見つけてきた」

京太郎「そりゃあ清澄に入ってくれた方が俺は嬉しいけど、一番は小走先輩が笑ってまたグラウンドに立ってくれることだよ」

京太郎「だから別に、小走先輩をレジェンドクリニックに連れてくことと、清澄入りは交換条件じゃないよ」

京太郎「どっちも単なる俺のわがまま」

京太郎「治りもせず一人神社で選手生命を終わらせられるくらいなら、俺だって小走先輩には晩成高校に戻って活躍してもらいたいし」 ニッ

やえ「京太郎……」

419 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:21:46.71 ID:mOSrPuPGo [10/38]

京太郎「それに小走先輩は良い人すぎるんだよ」

京太郎「そんなに晩成が好きなら、適当に清澄入るって口約束して」

京太郎「イップス治ったら約束なんてそっちのけで晩成戻ってもいいんだし」

やえ「……さすがにそんな恩知らずなことはできんよ」

やえ「それに、良い奴という点なら京太郎も変わらんだろう」

京太郎「いや、そんなことは……」

京太郎(結局嘘を隠し通しちゃってるし……)

やえ「……それに……」

やえ「面白い、人だよ」 クスッ

京太郎「……褒めてるの。それ?」

やえ「ああ、勿論」 フフッ

やえ「……それで……」

やえ「そのレジェンゴクリニックとやらはどのくらいかかる?」

やえ「一応トレーニング後でくたくたなんだ」

京太郎「あ、そっか……すんません浅慮で」

やえ「いや……嬉しかったよ」

やえ「今すぐ連れていきたいと思ってくれたってことだろう?」

やえ「……タクシー代は私が持つ」

やえ「一緒にタクシーで行こう」

425 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:35:40.82 ID:mOSrPuPGo [11/38]

[レジェンドクリニック]

京太郎「ここだ」

やえ「……廃ボーリング場にしか見えないが……」

京太郎「なんでも、安く買い取れたのがここだったらしいよ」

やえ「ふぅん……確かに、名前が書いてあるな……」

京太郎「ここの正式名称、長いんだよなあ……」

『阿知賀レジェンド赤土晴絵ベースボールコーチングティーティングプロデューシングその他もろもろ総合クリニック』

やえ「何でもかんでも説明しようとして逆にわかりにくくなってる……」

京太郎「看板も何故か書道用の和紙だし、文字も素人が無理してやったの丸わかりな墨汁製だし……」

やえ「しかも字が汚くて『しヅェンド』とか『ワリニッワ』にしか見えない……」

京太郎「ていうか、外人向けに英語が添えられてるのも何かむかつくな……」

やえ「最後の方なんて『SONOTA-MOROMORO』とか書いてあるぞ……」

京太郎「英語じゃねえ……」

やえ「しかも『LEGEND』が『REGEND』になってる……」

京太郎「レジェンドクリニックじゃなくレジェンゴクリニックと略したくなるクオリティだな」

やえ「な、なあ、大丈夫なのか?」

やえ「入り口の時点で神社で得た信頼感が凄い勢いで霧散しているんだが…・・・」

427 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:47:29.77 ID:mOSrPuPGo [12/38]

京太郎「ま、まあ、大丈夫だろ、多分……」

京太郎「コーチングの上手い選手にもアホはいっぱいいるし……」

やえ「そ、そうだよな、頭の良さや字の綺麗さは関係ないよなっ」

やえ「そ、それで、どうやって入るんだ?」

やえ「明かりすらついていないが……」

京太郎「そりゃ勿論……」

ピンポーン

京太郎「すんませーん」

やえ「…………」

京太郎「…………」

やえ「出てこないな……」

やえ「もしかして、私の説得に時間をかけすぎたせいで、今日はもう来ないと思って帰ってしまったんじゃ……」

やえ「だとしたら、すまない……」

やえ「私のせいで……」

京太郎「いや、それはない」 キッパリ

やえ「いや、わからないじゃないか」

京太郎「分かるよ」

京太郎「だって別に予約とったり約束してたわけじゃないし」

やえ「…………え?」

428 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:50:01.62 ID:mOSrPuPGo [13/38]

京太郎「大丈夫、チラシでは住み込み可のバイト募集とかしてたし」

京太郎「住み込んでる人がいるはず!」

京太郎「チャイムを鳴らせば起きてきてくれるはず」

やえ「京太郎……」

やえ「お前も……馬鹿だったんだな……」

京太郎「へ?」

やえ「いや……まぁいい」

やえ「夜中にそんだけピンポンしたら迷惑だが……」

やえ「良い人すぎると言われたばかりだ」

やえ「少しくらい、エゴを通そう」

やえ「……インターホンより、私にいい考えがあるぞ」 ニッ

429 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:54:17.50 ID:mOSrPuPGo [14/38]

やえ「さて、これは何だ?」

京太郎「……野球ボール?」

やえ「そうだ」

やえ「では、これの用途は?」

京太郎「?」

京太郎「そりゃ、投げたり、打ったり……」

やえ「そう、その通り」

やえ「普通、野球ボールを見たら投げたり打ったりするものだと考える」

やえ「だから……」

ガシャーーーーーーーーーーーーーーン!

京太郎「ちょ、おま!?」

京太郎「何ダイレクトでガラス窓をボールで破……!」

やえ「こうやっても、馬鹿な高校生が投げるか打つかでボールを放り込ませただけで、まさかダイレクトアタックをしたとは思われまい」 ニッコリ

やえ「とりあえず起きてすっ飛んでくるのを待って、起きてこないようだったらボールを取りにいくために入らせてもらおう」

やえ「無断で」 ニッコリ

京太郎「……関西人、こえー……」

432 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:56:55.92 ID:mOSrPuPGo [15/38]

灼「曲者……!」

京太郎「わわっ!」

やえ「すみませーん、キャッチボールしてたら暴投しちゃって……」

やえ「あ、あの……」

やえ「ここ、あの阿知賀のレジェンドさんが経営しているって本当ですか?」

やえ「お会いしたことはないんですけど、凄い人だって聞いてて憧れて……」

灼「…………本当」 ←悪い気はしない

やえ「本当ですか!?」 パァァァァ

やえ「私、ちょっと今イップスに陥っていて……」

やえ「焦って直そうとしてこんな時間にキャッチボールをしてたんですけど」

やえ「結局暴投しちゃって……」

やえ「本当にごめんなさいっ」 ガバッ

灼「そ、そんな……頭を上げて……」

434 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 01:59:49.39 ID:mOSrPuPGo [16/38]

京太郎「あの、助手さんですよね」

灼「あ、被験者一号……」

京太郎「えっ」

灼「……いえ、なんでも」

京太郎「まあ、いいか」

京太郎「住み込みなんですか?」

灼「うん……晴ちゃんもここに住んでる……」

灼(だから、これ以上バイトなんていらないのに……)

灼(お客さんも来てないのに……)

灼(バイトを雇ったら私が道路工事なんかで稼いだ金を居候に渡さなきゃかと思うと、少し辛い……)

京太郎「あ、あの?」

灼「ごめんなさい、なんでした?」

437 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 02:10:29.15 ID:mOSrPuPGo [17/38]

京太郎「いや、その……」

京太郎「コイツのイップス、阿知賀のレジェンドだったら直せないかなって」

京太郎「俺を短時間であんだけすごくできた偉大な人なら――」

京太郎「厚かましいけど、お願いできないかなって」

灼「……うーん……」

灼「できなくはない、と思う」

灼「はるちゃんは、凄い人だから」

京太郎「ほ、本当か!?」

やえ「な、治して貰えるんですか!?」



439 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 02:19:03.82 ID:mOSrPuPGo [18/38]

灼(……私は……はるちゃんが野球をやらない姿なんて見ていたくない……)

灼(凛としていた所だけを見ていたかった……)

灼(だけど……福岡で社会人野球をしてるって話をクロから聞いて、貯めてたお小遣いで福岡まで追っかけて……)

灼(それがエイプリルフールの冗談だって分かったのは、触覚を取り戻したばかりで盲目状態のはるちゃんで……)

灼(見ているのが辛くて、涙が止まらなくなって…・…)

灼(だけどあの人は、見えないのに、慈しむようにボールとバットを触ってたから……)

灼(つい、傍にいてしまった)

灼(また野球をプレイする姿を見せて欲しくて、高校もやめてずっと傍にいてしまった――)

『赤土さん、見えますか……?』

灼(ようやく視力も回復して、介護してたのが小娘だって分かったら情けなさで心が折れちゃうんじゃないか……)

灼(そんな不安を押し殺して、目の包帯を外した日の、はるちゃんの第一声)

『きみ……ネクタイの子――――』

灼(あれから、私は決めたんだ)

灼(絶対に、はるちゃんをまたグラウンドに立たせるって)

灼(肉体は相当衰えてるし、就職活動とかで更に色々劣化したのは否めないけど……)

灼(同じイップス患者を治療する内に、昔の感覚を取り戻してくれるかもしれない――)

灼(そう思って、この仕事を薦めたんだ)

灼(そのためにお金も稼いだし、労力だって惜しまなかった)

灼(これはきっと、そんな私に神様がくれたチャンス)

灼(拉致ったわけでない初めてのお客さん――それもイップス治療だなんて、願ったり叶ったり)

灼(ここで逃しちゃいけない)

灼「――全力で、治させて頂きます」

灼「それこそ、全国大会までに」

443 名前:『盲目状態のはるちゃんを見た時で』の間違い[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 02:28:33.33 ID:mOSrPuPGo [19/38]

灼「それこそそちらが時間さえよろしければ、今からでも治療をさせて頂きたいくらいです」

やえ「ほ、本当ですか!?」

京太郎「やったな、小走先輩!」

やえ「あ、でも、先生にご迷惑じゃ……」

灼「大丈夫ですよ、最近もっぱら昼夜逆転生活なので、この時間は元気です」

京太郎「それは違った意味で大丈夫じゃないような……」

灼「確か今日はやることがなくて久しぶりに全田ー少年の事件簿を1話からネットで違法視聴し直しているので……」

灼「今から声をかけたら、解決編を見てキリがつき次第来てくれると思われます」

やえ(今すぐ来てはくれないのか……)

京太郎(初見ですらないっぽい口ぶりなのに…・・犯人もトリックもわかってるだろ……)

灼「それまでは私が問診などを行いますよ」

灼「時間があれば、プレースタイルについてなども相談に乗りますし」

京太郎「へえ……お嬢ちゃんも野球についての相談とか出来るんだ」 悪意0

灼「……これでも、小1までは地元の草野球チームで投打に活躍の2番打者を務めてましたから」 イラッ

やえ「これは予想以上に期待できるクリニックみたいだな……」 ゴクリ

灼「それじゃあ、呼んできます」 ザッザッザッ

444 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 02:30:08.33 ID:mOSrPuPGo [20/38]
大分人も減ってきたし(平日やし残当)今日はこのへんで『セーブして終わる』します。
安価まで行こうかななと思ってたけど、レジェンドと色々会話させてたら4時とか行きかねないし。
明日は……何時になるかちょっと読めないっすわサーセン。
平日は昼集まらない的なこと聞いたんで、やるなら平日は夜になるかな。

455 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 21:26:12.31 ID:mOSrPuPGo [21/38]

ジャーンジャーンジャーン

やえ「な、なに!?」

京太郎「この音楽……館内放送?」

晴絵「TENGA痴ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ――」

晴絵「怪我を治せと私を呼ぶッ!」

やえ「え、何あの人……なんでわざわざ出してきてまで脚立の上に乗ってるの……?」

京太郎(何かちょっと紹介したのがもうしわけなくなってきた)

晴絵「とうっ!」 シュバッ

グキッ

晴絵「~~~~~~~~っ」 ゴロゴロゴロ

やえ「なあ……もしかしてこれが我が晩成に土をつけたレジェンドじゃないよな……」 ドンビキ

京太郎「……何か……ごめん……」

456 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 21:29:08.58 ID:mOSrPuPGo [22/38]

晴絵「あ、阿知賀のレジェンド・晴絵推ッ参!」 ズビシィ

やえ「うっわ……恥ずかしいポーズ……」 ポロット

京太郎(前の時よりマイナーチェンジされて余計にダサくなっとる……)

晴絵「…………」 体操座りでイジイジ

灼「わ、私はカッコイイと思うよあのポーズ」 アセアセ

晴絵「そ、そうかな?」

灼「うん」

晴絵「そ、そうだよね……人の好みは千差万別だしね!」

晴絵(やっぱり前回の失敗から特撮夜通し見続けてきた成果は出たわね!)

458 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 21:46:30.88 ID:mOSrPuPGo [23/38]

やえ「なあ……不安しかないんだが……」 ヒソヒソ

京太郎「う、うん……」

京太郎(た、多分……)

やえ「ほ、本当に私の選手生命を全て賭けても大丈夫なのか……?」 ヒソヒソ

京太郎「まあ、ほら、あれだ……」 ヒソヒソ

京太郎「あんな人だけど、俺よりも腕がいいのは確かだから……」 ヒソヒソ

京太郎(……まあ、経験0の俺よりはマシなことしてくれるだろ……)

やえ「…………わかった」

やえ「覚悟を決めよう」 ハァ

やえ「はじめまして、阿知賀のレジェンドさん」

やえ「私の名前は小走やえ」

やえ「そちらの方から聞いているとは思いますが……」

やえ「去年1試合で4回も頭部への死球を出し退場させられて以来、投球ができなくて……」

やえ「インコースに投げようとしてもアウトコースに大きく外れてボール球になるくらいなんです」

やえ「……治して、もらえますか……?」

459 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:02:59.80 ID:mOSrPuPGo [24/38]

晴絵「ふふ……任せなさい」

晴絵「我に秘策あり、よ!」 ドドーン

晴絵「灼の問診票から見るに……」

晴絵「貴女のイップスの原因は頭部に当ててしまったことによる罪悪感がメインみたいね」

晴絵「死球のせいで点を奪われたこと――」

晴絵「それ自身は、多分大きな影響を与えてないわ」

京太郎「そうなんですか?」

晴絵「……というのも……」チラッ

灼「……その試合晩成高校は33-4で大勝を収めている」

晴絵「うん……それで、松実妹への死球は全く影響を与えてないのよね」

晴絵「更に最終打席ではアウトコースへの球が逆玉で頭部に吸い込まれているってデータがあるわ」

晴絵「だから『インコースがトラウマ』っていうのもしっくりこない」

晴絵「となると、考えられるのは……」

灼「結果だとかコースだとかそういう細かいこと抜きに、『当ててしまう』という行為に恐怖を感じている可能性が高い」

灼「結果にも影響がなかったあの死球でトラウマになる要素があるとしたら、相手に怪我をさせたこと」

灼「退場となった最後の死球で、クロの頭部は綺麗に決まったスイカ割りの直後みたいになっていた」

灼「多分、それがトラウマになってる」

465 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:12:43.32 ID:mOSrPuPGo [25/38]

灼「それに第一打席の後は眼帯を装備してたし」

灼「第二打席では瞼から激しい出血をしていた」

灼「それらを見てコントロールにどんどん精彩を欠いていたのは明らか」

灼「間違いなく、怪我をさせてしまうのでは、という不安がイップスの原因」

やえ「……随分、詳しいんだな」

灼「………………」

灼「やっぱり、覚えていない、か」 自嘲めいた笑み

灼「お久しぶりです」

灼「……阿知賀のクローザーだった鷺森です」

やえ「!」

やえ「す、済まない……少しど忘れを……」

灼「お気遣いなく」

灼「王者が踏み倒した蟻ん子の顔を覚えているわけなんてありませんし――」

灼「私は結局投げることもなくずっとベンチでしたから、覚えてなくて当然です」

灼「それに、それだけあの試合の記憶がクロ――松実姉妹の妹の記憶一色だということでしょう」

やえ「確かに……そうだな」

やえ「晩成のエースとしての最後の試合なのに、思い出すのは放ったホームランでなく血濡れのあの女ばかりだ」

やえ(あと……数合わせなのか入っていたジャージを着たニホンザルも……)

466 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:17:44.22 ID:mOSrPuPGo [26/38]

晴絵「え、嘘、阿知賀の選手だったの?」

灼「…………うん」

灼「はるちゃんが見てきた通り、あの試合のあと阿知賀野球部は解散しちゃったけど」

灼「ごめんね、阿知賀を守れなくて……」

晴絵「……言ってくれたらよかったのに……」

灼「……阿知賀の看板に泥を塗っちゃったから、言い出せなくて……」

京太郎「あ、あの、小走先輩に新たな罪悪感植え付けるのは勘弁してもらっていいっすか……」

晴絵「ああ、ごめんごめん、脱線したね」

灼「まあとにかく……怪我をさせる恐怖心を乗り越えることが大事です」

灼「……そこで、はるちゃんが考えたとっておきの作戦があります」

灼(さぁはるちゃん、カッコイイところを持ってって)

灼(そして、また私に凛としたカッコイイ姿を見せて……!)

470 名前:観客席からはそこまで血まみれかどうか見えないから……[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:27:13.20 ID:mOSrPuPGo [27/38]

晴絵(えーっと、カッコヨくオトナの指導者っぽくするにはどうしたらいいのかしら……)

晴絵(勿体ぶって回りくどい例え話から入るとそれっぽいかな……?)

晴絵「おほん」

晴絵「例えば――スピリタスに飲み慣れたあとファジーネーブルを飲んだらジュース感覚になっちゃうこととかあるでしょう?」

京太郎「ないですね」

やえ「ていうか未成年に何て例え話をしてるんですか」

晴絵「え?」

晴絵「ええと、じゃあ、ほら、あれ」

晴絵「わかりやすく身近な野球で例えましょう」

晴絵「ホームランを楽々打てるようになれば、ツーベースくらい楽々打てると思わない?」

京太郎「思いません」

やえ「役割分担全否定ですか」

京太郎「ちょっとさすがにその発言は……」

やえ「京太郎、この人本当にレジェンドなのか……?」

晴絵「あ、いや、今のは間違いで、ええと」 アタフタ

471 名前:なお、サルが混ざってても何も言わない審判に試合を止める気などない模様[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:36:16.13 ID:mOSrPuPGo [28/38]

灼(これ以上放っておくと不味いか……)

灼「高山トレーニングというのをご存知ですか」

京太郎「まあ、名前くらいなら……」

灼「ものすごーく大雑把に言うと、酸素を薄くしてやるトレーニングです」

灼「酸素の薄い環境、言うならばものすごーく大変な環境で運動をするのに慣れると……」

灼「それより簡単な環境ではもっとよく動けますよ、みたいなものです」

やえ「つまり……高山トレーニングを私にしろと?」

灼「いえ」

灼「言うならば、『ものすごーく難易度の高いやつをやれるようになることで、それより低い難易度のものを容易く出来るようにしよう』です」

灼「九九の暗記に戸惑っていた小学生が、因数分解をマスターすることで九九を軽々出来るようになる、とでもいいますか……」

灼「HARDモードになれることで、EASYモードを楽々こなせるように、と」

京太郎「この場合、EASYモードはボールを投げることになるのか?」

灼「いえ、この場合は人に死球を与えてしまうことになります」

灼「それを容易く出来るようになれば、恐れず普通のプレーも出来るようになりますから」

やえ「私にとってそれは全然EASYじゃないんだが……」

灼「それもHARDモードに慣れたらEASYに思えるようになりますよ」

京太郎「EASYモードがボールを当てることなら……HARDは?」

灼「HARDもボールを当てることです」

灼「あまりに違うことをしても意味ありませんし」

灼「ここでは、殺傷能力が高いボールを使用します」

やえ「殺傷能力が高いボール……?」

灼「……ここがどこだかお分かりですか?」

京太郎「ま、まさか……」

灼「はい」

灼「小走さんには、ボーリング玉で死球を与えるのに慣れてもらいます」


473 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:41:23.04 ID:mOSrPuPGo [29/38]

京太郎「いや、ダメだろそれは……新たなトラウマが出来上がるぞ……」

晴絵「私の愛読していた野球漫画でも、イップス克服シーンがあったわ」

晴絵「その漫画ではね、敢えて頭部への死球を受けてみせるの」

晴絵「それで、子供の与える死球程度じゃ死にはしないこと」

晴絵「だから全力で投げても平気だってことをアピールして」

晴絵「恐れずに投げる勇気を与えたのよ」

京太郎「いや、それなら普通のボールでやらないと、このボールだと死にますって……」

灼「む……」

灼(この人、はるちゃんのこと信じてない……)

晴絵「まーまずは適当にマネキンかっぱらってきて……」

灼「はるちゃんは頑丈だもん!」

灼「ボーリング玉なんかじゃ死なない!」

晴絵「………………………………え?」

479 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:52:35.86 ID:mOSrPuPGo [30/38]

京太郎「いや、フツーは死ぬんじゃ……」

灼「はるちゃんはレジェンドだもん!」

灼「レジェンドは死なない!」

晴絵(ごめんね灼……レジェンドだって人の子なんだよ……)

灼「はるちゃんは……」

灼「はるちゃんは五感を失ってもグラウンドに戻ってきた凄い人だから!」

晴絵(灼……今だけは再起のシーンでなく、一度ズタボロになってた程度のタフ度だって所を思い出してほしいよ……)

やえ「べ、別にマネキンでもいいのでは……」

灼「マネキンの破壊作業で何とかなる程度だったらイップスにはなってないです」

晴絵(ちょっともう口出す隙がない……)

やえ「さすがに人を殴打するのには抵抗感が……」

灼「分かってます」

灼「いきなりそこまでやる必要はありません」

灼「まずはステップアップということで、バッターボックスに人が立った状態でボーリング玉を投げる所から初めてもらいます」

やえ「しかし……レジェンドが怪我で倒れでもしたら私としても困るんだが……」

灼「ですが……私では背が低すぎて、一般人の頭部の位置と大分異なっちゃいますし……」 チラッ

京太郎(やば、こっち見られた!?)

京太郎(お、俺のパシリの血が告げている……!)

京太郎(俺が生贄にされかねないとっ!)

どうする >>482

A:その役、俺が引き受けよう!
B:ならしょうがない、頑張ってレジェンドさん!
C:怪しすぎる、小走先輩を連れて逃げ出そう!

488 名前:なお、Bだと灼ルートを予定していた模様[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 22:59:30.10 ID:mOSrPuPGo [31/38]

京太郎「その役、俺が引き受けよう!」

晴絵「!」

灼「!」

京太郎「入院経験者にこの役目を任せて、また倒れられたら今度こそ小走先輩投げられなくなりそうだし」

やえ「だ、だが……」

やえ「お前に当たるかもしれないと思うと、とてもではないが……」

京太郎「それなら大丈夫」

京太郎「俺、何もかも思い出したんだ」

京太郎「俺は既に麻酔と称してボーリング玉で殴られて生還した実績がある!!」

晴絵「!」 ギクリ

灼「!」 ギクリ

京太郎「どうもこんな発想が出ることや無事受けきると言わんばかりの自信はおかしいと思ってたが……」

京太郎「ボーリング玉で殴打されて後遺症もなく生還という俺という過去の情報があったからこそだったんだな」

491 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:04:23.40 ID:mOSrPuPGo [32/38]

京太郎「だから、こい! 遠慮無く!」

やえ「………………」

晴絵「……いってやれ」

晴絵「カッコつけたいんだろ、あの少年も」

灼「……カッコつけさせてやるのも、いい相棒の条件」

やえ「……仕方あるまい」

やえ「容赦無く投げ込んでいくぞ!」

京太郎「おう、来い!!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

激しく時が流れる……

493 名前:>>490 一応Bだとレジェ灼独白が予定されてたよ!Aでも多分幸せになるやろ(適当)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:10:21.19 ID:mOSrPuPGo [33/38]

晴絵「なかなか投げられるようになってきたじゃないか」

灼「次、インハイ」

やえ「……せい!」

やえ(まずい、すっぽ抜け――――)

やえ(駄目だ、京太郎に当てるわけには――――)

やえ(だが……京太郎のため暴投するわけにも……!) ビュッ

ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

京太郎「!」

晴絵(当たるッ!?)

グンッ

ズバーン!

京太郎「……お、思わず尻もちついちまったけど……」

晴絵「顔面付近へのボールが……」

灼「ナナメに鋭く落ちてストライクゾーンに入った……」

やえ「……随分……ゲーム的な動きだ……」

やえ(……だが……今の指の形は覚えている……)

やえ(もし、この変化を野球ボールでも安定して叩き出せれば……)

496 名前:>>489 Aは小走先輩パワーアップイベントでありルート確定ではないんだすまない[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:16:58.04 ID:mOSrPuPGo [34/38]

そして ・ ・ ・

やえ「…………」 ビュッ

ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ズバーン!

やえ「や、やった……」

やえ「投げられるようになったぞ!!」

晴絵「とはいえ……」

灼「やっぱりまだインコースへのストレートは逆玉しがちですけどね」

京太郎「でも、スローボールならいけるじゃないか!」

やえ「ああ、京太郎のおかげで、インハイからど真ん中へ落ちるボールも身につけられたし……」

やえ「胸元に速球は放れないが、スローボールとそのくらい遅い鋭いカーブで翻弄出来れば十分私は戦える!」

灼「あまりにも落ちすぎるので、捕手がよほどのキャッチングに優れていないと、そのカーブは低めに使えませんけどね」

晴絵「高めボールゾーンからストライクゾーンど真ん中への落ちるボールとか、また随分ゲーム的なウイニングショットを手に入れたものねぇ」

498 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:21:47.14 ID:mOSrPuPGo [35/38]

やえ「これで……これでまたマウンドに立てる……!」

晴絵「おめでとう」

晴絵「あ、料金なんだけど……」

やえ「あ。はい。じゃあコレで」

京太郎「く、クレジットカード……!?」

灼「あんな社会的信用などという高すぎるハードルを超えた者だというの……?」

晴絵「そーいえば、一応野手も目指してたんだっけ?」

やえ「あ、はい」

晴絵「守備の送球でもイップス出ないかチェックはしておきたいし……」

晴絵「念のため、野手転向するならどこ目指してたか聞いてもいいかしら」

やえ「あ、はい」

やえ「一応、イップスに陥ってからは>>500の練習をしていました」

504 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:33:30.42 ID:mOSrPuPGo [36/38]

京太郎「え、ライト?」

晴絵「どうかしたのか?」

京太郎「いや、うちのチーム、丁度ライトが足りてなくて……」

晴絵「なんだ、二人はチームメイトじゃなかったのか」

やえ「…………」

京太郎「……小走先輩は、あの晩成のエースなんですよ」

京太郎「もうすぐ始発も出ますし、多分、すぐにでも電車に乗って晩成に行きたいんでしょうね」

京太郎「だから、これが最後のチャンスだと思って、言います」

京太郎「清澄に――俺に、力を貸してください」

505 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:44:24.28 ID:mOSrPuPGo [37/38]

やえ「…………」

やえ「……正直……」

やえ「私の心は、変わっていない」

京太郎「…………」

やえ「京太郎の言った通り、晩成の仲間達の元へと飛んでいきたいという気持ちもある」

やえ「だが――居場所があるのか、という恐怖もある」

やえ「そしてだからこそ、逃げるようにして清澄に入っていいのかという迷いだってある」

やえ「何より――――」

やえ「京太郎。お前と一緒に甲子園を目指したいという気持ちがある」

やえ「半々」

やえ「本当に半々なんだ」

京太郎「…………」

やえ「でも――決めなきゃ、いけないんだよな」

やえ「……多分ここからは、理屈の世界じゃないんだろう」

やえ「本当に、ただの直感」

やえ「後悔する日が来てしまうかもしれないけれど――」

やえ「それでも私は、その直感を信じたい」


<やえの勧誘の成否判定方法>
>>508は好きな数字を書いて下さい。
その数字と、>>508の書き込み時間コンマの数値との合計値で決まります。
合計値が40~99だったら勧誘成功。
40未満、もしくは100以上ならやえは晩成高校へ行ってしまいます。

519 名前:意外と皆挙げる数値が謙虚だった。40とか言い出すかと思ってたのに。[saga] 投稿日:2012/06/18(月) 23:54:43.37 ID:mOSrPuPGo [38/38]

やえ「……本当に、迷った」

やえ「けど……」

やえ「私は晩成に帰るよ」 寂しく笑い

やえ「今ここで逃げるように清澄に行ったら、お前に胸を張って会えない気がするから」

やえ「…………」

やえ「……もう敵同士になるけど……」

やえ「京太郎の信頼を、裏切る形になっちゃったけど……」

やえ「まだ……私のことを友だと思ってくれるか……?」

京太郎「当たり前だろ!」

京太郎「そりゃあ、晩成に行っちゃうのは悔しいけど……」

京太郎「俺は、小走先輩のことが好きだから」

京太郎「だから、先輩が思う道をまた歩けるようになってくれたことが嬉しいよ」

京太郎「だから――甲子園で会おうぜ、ライバル!」 ニカッ

やえ「……ああ!」



▼耐エラーが下がった! ブッブー
▼ケガ△が身についた! ブッブー

522 名前:>>516,>>446に捧ぐ1レス番外編[saga] 投稿日:2012/06/19(火) 00:05:13.76 ID:7hJSOMu2o [1/78]

【その頃の愛宕ネキ】

洋榎「うう……どないなっとんねん……」

洋榎「長野、終電なくなるの早すぎちゃうかー……」

洋榎「カラボもネカフェもあらへんし……」

洋榎「どんだけ大自然やねん……」

洋榎「ホテルも卑猥なヤツしか見つからへんし……」

洋榎「自然豊富で公園だけは見つかったからええけど……」

洋榎「でも屋根傍とか良い場所にはベテランホームレスが陣取っとるしなぁ……」

洋榎「……眠たいわあ……」

洋榎「いきなり大阪から出てきたもんなぁ……」

洋榎「みっちり守備練したりもしたし……」

洋榎「……明日に備えて寝るべきなのは分かっとるんやけどなぁ……」

洋榎「長野って治安どうなんやろ」

洋榎「……ベンチで寝てても、財布盗られたり犯されたりしーひんよな……?」

洋榎「……」

洋榎「アカン。ごっつ寂しい……」

洋榎「そら独り言も出るでー……」

洋榎「…………今何時やろ」 パカッ

携帯を開くと、そこには満面の笑みでレギュラー取得への意気込み落書きと共に移る姫松仲良しグループのプリクラ待ち受けが

洋榎「…………」

洋榎「……大阪帰りたい……」 グスッ