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――――なぁ香夜、覚えているかい?





オレは未だに夢を見るよ。


もう何年も前、お前が平家の元へ行くと言った日の事を……。








「何でだよ! ウチに住めばいいじゃないか。
 何で平家なんかに……」


「ごめんヒノエ。ヒノエと兄姉になりたくなかったんだ……」




 駄々をこねるオレに対して、お前は驚くほど冷静だったよな。

泣きそうになる顔を誤魔化そうとふと空を見上げると夕日が沈みかけていて、香夜との別れが近づいていると思い知らされた。






「そろそろ行かなくちゃ。さようなら、ヒノエ」


「…文、書けよな」






 返事代わりに頷いた香夜の顔は少しだけ寂しそうだったのを覚えている。



これが、オレの初恋。




 香夜からの文は、始めの方は何通か来ていたものの、時間が経つにつれ途絶えていった。



今どうしているかがわからない。

それが、こんなに不安になるなんて。



不安に耐えきれなくなったオレは、烏を香夜の元に付けさせた。

…もちろん、厳密にね。





 17歳になった今でも烏にお前の事を探らせているのを知っているかい?
全部お前が気になっていたからだよ。






なのに……。