小兎


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

・イチゴパンツ(昼休み)/渡り廊下


(廊下)

主「羽生治ー、ほら行くぞ!」
羽「…へいへ~い」

(渡り廊下へ移動)

羽「ふぁぁぁ~あ…‥それにしてもあれだな、春ってどうしてこう……眠いんだ?」
主「さぁな。‥‥‥陽気が心地良いせいじゃないか」
羽「‥‥つーか、なぁんで俺がこれを持って職員室に行かなきゃならんのだーー!!」
主「仕方ないだろ。暁子ちゃんが別の用事で忙しいらしいし。…それにまあ、暇だったんだからいいじゃないか」
羽「………っつってもなぁ…こんな大量のプリント何に使うんだよ‥これこそ資源の無駄使いだな」
主「ん、確かに……………………。何のプリントだろ‥‥‥‥単純に数えても五クラス分はある」

‥ふと、プリントの一番上の行に目がとまる。

『一年 オリエンテーション日程』……

主「あれ…………?」
羽「どうした」
主「これ‥‥‥一年生用のプリントじゃないか」
羽「‥は?……なんで一年生のがうちのクラスにあるんだよ?」
主「…さぁ‥‥さっぱりわからない」
羽「はぁ‥‥‥まったく………」

……………………………

(風が吹く。)

羽「ぅおっ?‥‥ぁ………‥ぁああっっっ?!!!」

いきなり突風が吹いた。

羽生治が持っていたプリントの山の三分の一が宙を舞い、
渡り廊下の下の地面に散った。

羽「やべっ!!俺ちょっと拾ってくる!!」
主「あっ、‥‥おう!」

とその時、渡り廊下の向こう側から
有栖川がこっちに向かって歩いてきているのが見えた。

主「おーい、有栖‥‥」

声をかけようとしたその時、またしても突風が吹いた。

…しかもとびきり強いのが。

小「きゃあぁっ!」

その瞬間、
有栖川のスカートの裾は、俺がいる方向に思い切りひるがえされた。
有栖川は慌てて両手で押さえた…………が、遅い。

すでに俺の目には映ってしまっていた。
…………………イチゴ柄の、それが。‥‥‥‥‥‥

主「……………………」

突風は一瞬にして落ち着いたが、
有栖川がこちらに気付いたらしく、じっと固まっている。

小「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

ヤバイ‥‥‥‥‥‥ここは一先ず‥‥‥‥‥

主「おっ‥お疲れ、有栖川!!」
小「‥‥‥‥‥‥‥」

うお…………こっちへつかつかと歩いてくる‥‥‥。

小「ぅ………」
主「………………‥‥」
小「……そ、その………………見えた…………?」
主「‥‥‥‥え」

  • 見たと正直に言う→1へ
  • 見ていないと言う→2へ



1、見たと正直に言う


………こういう時は………変に嘘を付かない方がいいよな。

主「‥‥ごめん、見えた」
小「‥‥‥‥‥‥!!!!」

たちまち有栖川の顔は真っ赤になり、そのまま表情が固まった。

主「‥‥いや、でも…ちょっとだけだったから……そんなにはっきりとは見てないって!」
小「はっ‥、はっきりと見えてたら溜まったもんじゃないわよぉっ!!」
主「ははっ……だよね!……うん、でもまあ…気にすんなよ!!」
小「‥あっ、アンタは気にしなくてもあ・た・しが気にするのよっ!!………ほんとにちょっとだけだったんでしょーね!?」
主「ほんとだってば!!イチゴはちょっとしか見えてな………………あ。」
小「い、いいい、いっ、いちごぉぉぉぉぉっ!!?」

‥‥‥‥‥‥‥しまった。

主「いやっ、えっと、でもそれはその…恐らく目の錯覚だろうと。」
小「…あ………アンタねぇぇぇ‥‥」

………………………………………………
………………………
…………

小「ぅぅ~‥‥‥‥この事、ほんとに誰にも言わないでよっ」
主「うん、わかったわかった」
小「返事は一度よっ!」
主「はい、わかりました。」
小「ふぅっ……まったく…災難だわ‥‥‥‥‥それじゃーねっ」

(小兎、立ち去る)

羽「は~~っ、やれやれ~~っと!!」
主「‥‥ああ、おかえり」
羽「おうっ。‥‥ん、どうした?なんか疲れた顔してるぞ」
主「‥‥ああ、ちょっとな。お前がいないうちに、かくかくしかじかがあってさ‥」
羽「は?……たった数分の内で?」
主「‥‥‥ま、対したことじゃないんだけどな」
羽「ふうん?‥なんかよくわからんがご苦労なこって。‥‥‥っしゃ、早いとこ終わらせて昼寝でもするか!行くぞ!●●」

…………………………………
それにしても……ちょっとラッキーだったな………。



2、見ていないと言う


ここは……あまり正直に言うと怒らせるかもしれん。

主「ああ、辛うじて見えなかったよ!」
小「‥‥‥…………ほんと?」
主「………うん!ほんと!誓っていいよ!」
小「………………」

小「みっ、見えない訳ないでしょおおおおおおおおぉっ!!!」
主「ひゃっっっ!!!…ごっごめんなさいっっ!」
小「あんたのその位置からだと見えない方が難しいわよっ!!」
主「で………ですよね」
小「………ったく災難だわ………………ん?」
主「え‥‥‥‥?」
小「そのプリントって…………」
主「‥あ、これ教室にあった一年生用のオリエンテーションのプリント。これがどうかした?」
小「い、一年生?………」
主「うん、どういうわけか教卓に山積みになってたから。今から職員室に持って行くとこ」
小「う………ぁ………」
主「‥‥‥‥‥?」

なぜかとたんに、有栖川は顔を赤くして一時黙り込んだ。

主「‥‥‥‥もしかして、このプリント持ってきたのって有栖…………」
小「貸して!!あたしが持ってくから」
主「えっ?!」
小「いいから!早く!!」
主「あ…………う、うん」

有栖川は俺からプリントの山を強引に取り上げると、
踵を返して職員室の方向へ向かって歩きだした。
小柄な体で、山積みのプリントをやっとの事で抱えている‥‥‥‥

大丈夫なのか……?あれ……………

主「有栖川!!手伝うぞ?」
小「別にアンタの手なんか借りなくても、これ位持っていけるわよ」
主「無理するなよ?……………えっと‥‥ありがとう。有栖川」
小「う………ちっ違うわよっ!別に、アンタのために持っていくんじゃないからねっ!勘違いしないでよっ」

そう言い放つと、よろよろとしながら職員室へ向かって行った‥‥

羽「はぁ、はぁ、やっと集めたぜ…………あれ?……おい!お前プリントは?」
主「………あ、今有栖川が持って行ってくれた」
羽「へ?!有栖川?なんで?」
主「どうやら、このプリントを持ってきたのは有栖川だったらしい」

…………たぶんな。

羽「なんだよー!!しゃーないな。…………じゃ、俺ちょっとひとっ走り行ってくるわ」
主「悪いな。宜しく」

(主人公だけ教室へ帰る。すると廊下で日向に会う。)

日「ねえ、●●くん!」
主「あ、日向くん」
日「もしかして、プリント持って行ってくれたの?」
主「ああ、今、羽生治達が‥‥‥」
日「ごめんっ!僕が持って行かなきゃいけないのに……うっかりしてた」
主「え?‥‥‥あれ、じゃあ……間違って教室に持ってきたのは日向くんか」
日「…あ、ううん!」
主「……え」
日「教室に持ってくるのも僕の仕事だったんだけど、急に委員会議が入ったものだからすっかり忘れちゃってね‥‥‥」

……じゃあ、やっぱりあのプリントを教室にもってきたのは有栖川‥‥‥
……………きっと、黙って代わりに取りに行ったのだろう‥‥
日向くんが忙しい事を知ってて……………。

だが…………間違って一年生用を……………。

日「ほんと、このうっかり癖直さないとなぁ………。」
主「………あ、日向くん!プリントさ、有栖川が持ってきたみたい」
日「‥‥えっ、そうなの?」
主「うん、代わりに取りに行ったみたいだよ。日向くんが忙しそうだったからって」
日「そうだったの!?早くお礼言っておかなきゃ!!…それじゃ!」

(教室)

小「‥‥‥‥○○」
主「………ん?」
小「……アンタ…………余計なこと言わないでよね…………」
主「ん、何が?」
小「……ぅ……だ、だから…日向くんに‥その……あたしがプリント持ってきたことを」
主「……ああ、良かったじゃないか。日向くん喜んでただろ」
小「……ぅ……そっ、そうゆう問題じゃなくてっ!!!!」
主「へ?‥‥‥」
小「だ、だからぁ!!!‥‥あたしって事をわざわざ言わなくて良かった‥‥……ってば…」
主「………?なんだ、照れてるのか?」
小「ててっ、照れてなぁぁぁぁぁぁぁーーーーいッッッ!!!」
主「……はいはい。」
小「ハァ‥……………‥‥とっ、とにかくそういうことだから!!」
主「わかったわかった。」
小「………ふん……でっ、でも一応!!感謝はしといて‥…あげるわ………………」

それだけ言い放つと、有栖川は自分の席へ戻って行った……………。