6月,


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6-1、6月中旬(放課後)/教室


ここのところ毎日雨だったが、今日は久しぶりに朝から晴れていた。
久しぶりに運動場に部活動をする生徒達の声が響く。
俺もそろそろ帰ろう。

もう大分人の少なくなった教室の中、俺はのんびりと帰る支度をし始める。

ポツ
ポツ

ザーーーーーーーーーーーーーーーー…

…外から嫌な音がする。

窓から外を見てみると案の定雨だ。
たしか天気予報では午後からの降水確率は30%だったな…。
まあ突然の雨に困ってる生徒達もたくさんいるだろうが、俺は念のためと折り畳み傘を持ってきてはいたので特に困るわけでもないが。

しかしせっかく久しぶりに晴れたと思ったのにまた雨か…。
うんざりしながら校舎に急いで戻っていく生徒達をぼんやりと窓から眺めていた。

ふと玄関のところによく見知った人がいた。
有栖川を日向くんだ。
有栖川のやつ、ついに告白でもするのだろうか…何だか複雑な気分だ。

よく目を凝らしてみると有栖川が日向くんに何かを渡している。
あれは…傘か?

そのまま見続けていると、日向くんはその受け取った傘をさして帰っていってしまった。
…………。

(玄関)

小「………。」

有栖川は玄関で一人外を見つめていた。

主「よ。」
小「!?」
主「あれ、お前傘ないの?」
小「な、何言ってんのよ!このあたしがそんなミスするワケないじゃない!」
主「ふーん…。」
小「何よー?」
主「日向くんに傘貸してたのに?」
小「!!!!!あ、あんた覗き見してたの!?スケベ!変態!サイテー!!!」
主「いや、覗き見じゃなくてたまたま教室から見えたんだってば。」
小「~~~ッ!言い訳なんて見苦しいわよ!!」
主「はいはい。で、だからお前傘は?」
小「う…わ、私は2本持ってるって言うか置き傘してるって言うか用意周到って言うか~…。」
主「目を見て話せ、目を見て。」
小「な、何であんたの目なんか見なくっちゃいけないのよ、変態!」
主「変態って…。小兎ちゃんは小学校のときに先生から人の目を見て話せって教わらなかったですかー?」
小「小兎ちゃん言うな!気持ち悪い!!」
主「ははは、まあまあ。…で、ふざけるのは置いといて、有栖川は帰んないの?」
小「え゛。」
主「傘あるんだろ、ちゃんと。」
小「いやー、帰りたいのは山々なんだけどちょっと用事があってー…。」
主「暇そうに外眺めてたのにか?」
小「い、今思い出したのよ!今!…今…う゛ー…。」
主「………はぁ。」

バッ(傘を広げる音)

主「…お前、ホントは持ってないだろ。入ってけよ。」
小「!!………。」
主「言っとくけど、入れてやるんだし、折り畳み傘だからって狭いとか文句言うなよ。」
小「………。」
主「どうした?入んないの?」
小「そ、そこまで言うんだったら入ってやるわよ!ありがたく思いなさい!」
主「へいへい。じゃ、帰るか。」

(帰り道)

主「でもさー、有栖川も健気だよなー…1本しかない傘を好きな奴に貸すなんてさ。」
小「何よー!馬鹿だとでも言いたいんでしょ、どうせ!!」
主「違うって。褒めてんのさ。」
小「ちょっと!だからって頭撫でるなー!!」
主「ははは、遠慮すんなって。」
小「………。」
主「あれ?今日はやけに大人しいな。」
小「…あの、さ…。」
主「どした?いきなり真面目な顔して。」
小「あの、あのね…………あたし、日向くんに告白しようかと、思ってて、さ…。」
主「え?」
小「ああ、もう!2回も言わせないでよね!聞こえなかったならもういい!!」
主「いや、だから日向くんに告…」
小「わー!わー!わー!いいから!聞こえたんなら言わなくていいから!!」
主「…でもなんで俺に?」
小「な、なんでだっていいでしょ!」
主「あー…でも、ふーん…そっかぁ…。」

  • 応援する→6-2へ
  • 応援しない→6-3へ



6-2


主「そうだな、応援してやるよ。」
小「当たり前でしょう!この私が相談してるんだから!!」
主「はいはいっと。…頑張れよな。」
小「ああ、もう!また頭撫でて…!!」
主「だって撫でやすい位置にあるし。」
小「馬鹿にしてぇ~~~~…!!!」
主「ま、お前可愛いんだし自身持てよ。」
小「!!!!!!!!!!!」
主「ん?」
小「~~~~~ッ…。」
主「急に大人しくなったな。」
小「………馬鹿…。」

  • →7-1へ



6-3


主「でも俺は応援しないけどな。」
小「!?ひ、人がせっかく話してあげたって言うのに~ッ!!何でそんなこと言うのよ!!」
主「なんでって言われてもなー…。」

  • なんとなく→6-4へ
  • 小兎のことが好きだから→6-5へ



6-4


主「…まあ、なんとなく。」
小「な、なんとなくって何よ!人がせっかく勇気を出して言ってんのよ!?サイッテー!」
主「だって…なあ…」
小「うるさい!乙女の心を傷つけた罰よ!いいこと?応援しなさい!」
主「ええー…」
小「黙りなさい!これはお願いじゃなくて命令よ!もし断ったらどうなるか分かってるんでしょうねー?」
主「う…わ、分かったよ!応援します!応援させていただきます!!」
小「ふふん、分かれば良いのよ、分かれば。」

そんなこんなで強制的に応援しなくてはならなくなった。
これからどうなるんだろう…。



6-5


主「だって、俺お前のこと好きなんだもん。」
小「…は?」

俺がそう言うと小兎は固まった。

主「だから好きなんだって。」
小「は、え、ちょっ、ちょっとあんた何言ってんのよ、ばばば馬鹿じゃないの!?」
主「馬鹿って…」
小「そ、そ、そんな冗談聞かないんだからね!!」
主「いや、だから…」
小「人が真面目に話してるのに冗談言った罰よ!いいこと!?応援しなさい!」
主「えと…」
小「う、うるさい!黙りなさい!反論は聞かないんだからね!」
主「…………」
小「そ、そ、それじゃ、よぉーっく覚えておきなさいよ!!分かったわね!?」

そう言うと小兎は真っ赤な顔をしたまま走り去って行った。