5月,


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5-1、5月中旬(放課後)/教室、図書室


(教室)

あ、そう言えば授業でのレポートのために図書室で借りた本の返却日が今日までだ。
帰り際についでに図書室へ返しておこう。
俺は荷物をまとめると本を持って図書室へと向かった。

(図書室)

放課後の図書室はほとんど人の気配がなく、部活動などで賑わっている運動場とは対照的だ。
今日もいつものようにほとんど人の気配がない…と言うよりは誰もいない。図書委員すらも。
本当なら返却用の判子を貰わなければいけないんだけど…。
図書委員もいないし勝手に元の場所に戻しておいても平気だろうか。
いや、図書委員の荷物らしきものが置かれている。
ちょっと用事で出ているだけかもしれない、やはり来るまで待つべきだろうか。

そんなことを考えていると奥の方でガタガタと音がした。
ここからは本棚に隠れていて見えない。

音のほうのした方へ近づいてみると有栖川だった。
小さな台に乗って本棚の上の方にある本を取ろうとしている。
…が届いているのか届いていないのか微妙なところだ。
後一歩で取れそうだが…。

主「有栖川!」
小「え!?」

ガタンッ!

俺が声をかけたことに驚いたのか、その瞬間有栖川がバランスを崩した。

主「あ、危ない!!」

ガタッ!ドサッ!

小「ー―ッぅ…。」
主「った……。」

咄嗟のことで有栖川を支えるのは無理だったが、衝撃で上から落ちてきた本たちから庇うことは出来たよう…だ…。

小「…………。」
主「…………。」
小「…早く退きなさいよ。」
主「あ、わ、悪い!!」

気づけば有栖川を押し倒すような形になっていた。
急いで有栖川の上から退く。
良かった、周りに誰もいなくて。

小「まったく…いきなり声かけないでよね!!」
主「だから悪かったって!…あ、何か本取るんだろ?俺が取ってやるよ。」
小「いいわよ、もう。さっきので落ちてきたから。」
主「あ…。」
小「他の落ちてきた本は責任持って元に戻してよね!」
主「へいへい。」

そう言われて俺は落ちてきた本を元に戻す。
まあ俺が悪かったんだし仕方ない。

小「…………。」

ちゃんと戻してるのに有栖川がこっちを睨んでる気がするのは気のせいだろうか…。

主「…何?」
小「なんでそう簡単に届いちゃうのよ…。」
主「…?…!あ、そっか、有栖川小さいもんな。」
小「!!!馬鹿にしないでよ!別に気にしてないし羨ましくもないんだからね!!」
主「とか言いながらめちゃくちゃ気にしてそうですし羨ましそうですけど。」
小「ななな何言ってんのよ!ばっかじゃないの!?」
主「…馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ。」
小「はあ、何よその小学生みたいな発言…。だいたいアンタ何しに来たのよ?」
主「ああ、何って本を返しに…。有栖川こそ。」
小「あたしは図書委員だもん。」
主「え、お前図書委員だったの?」
小「…文句でもあるの?」
主「いや別に。」
小「まあいいわ。早く返してさっさと帰って頂戴。」
主「で、ここって何時まで開いてんの?」
小「え?6時までだけど…。」
主「ふーん…じゃ、待っててやるよ。」
小「は?」
主「大分明るくなってきたとは言え、まだ6時過ぎは薄暗いからな。送ってやるって言ってんの。」
小「…そ、そこまで言うんなら送らせてやらなくはないわよ。」
主「はいはい、どうか送らせてくださいませ。」
小「し、仕方ないわね!」

その後、その言葉の通りに有栖川を送って帰った。