音楽室'


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

・1回目

帰り支度をして、いつものように教室を出よう…

暁「●●くん!」

…としていたところを呼び止められた。
一体どうしたのだろう?

主「どうしたの?」
暁「●●くん、日向見なかった?」
主「日向くん?見てないなあ…」
暁「そっか、ありがとう。それじゃあまたね!」
主「ああ、また明日。」

(校庭?へ)

校舎から校庭に出る。
校庭には部活をする生徒や、俺のように帰っていく生徒たちがたくさんいる。

…あれ?

その生徒達の中に見覚えのある姿があった。
日向くんだ。

…さっき、暁子ちゃんが探してたよな、教えてあげよう。

そう思い近づこうとしたが、日向くんは北校舎の中へと入っていってしまった。
…仕方ない、追いかけるか。
日向くんを追って、俺も普段あまり縁のない北校舎の中へと入っていった。

(北校舎へ)

さて…北校舎へ入ってきたはいいものの、肝心の日向くんを見失ってしまった。

一体何処へ行ったんだろう…
うーん…闇雲に探すのもどうかと思うし、仕方ないけど諦めるか…

~~~~~~♪

そう思った瞬間、かすかにピアノの音が聞こえてきた。
ピアノ、か…。
そう言えば、この北校舎って音楽室があるんだよな。
…一応行ってみるか。

音楽室に近づくにつれてピアノの音も大きくなっていく。
とても綺麗な旋律だ。
思わず聞き惚れてしまいそうになる。

やっぱり日向くんかな…?

そうは思うものの、間違っててはいけないので扉を小さく開き中を覗いてみる。

―あ、やっぱり…

思ったとおりそのピアノを弾いていたのは日向くんだった。
遠くからでもわかるくらい、すごい指さばきだ。
思わず、そのまま聞き惚れてしまう。

~~~~~♪…

どうやら曲が終わったようだ。
俺は扉を開いて拍手する。

日「●●くん!?」

突然出てきた俺に驚く日向くん。

主「日向くん、凄いな!今のピアノ!!」
日「あ、ありがとう…でもどうしてここに?」
主「や、日向くんを追いかけてきてたら…」
日「僕を?」
主「さっき教室で暁子ちゃんが探してたからさ。」
日「え、ホント!?僕行かなきゃ。ありがとう。」

そう言って日向くんはピアノのふたを閉じる。

主「日向くんてよくここでピアノ弾いてたりする?」
日「ああ、そうだね。たまにだけど。」
主「そっか。」
日「それじゃ僕行くね。またね!」
主「うん、それじゃ。」

そう言うと日向くんは小走りで教室へと向かっていった。
それにしても綺麗な音だった…また聞けたら良いなあ…。



・2回目

放課後、いつもより時間あるということもあって、俺は今北校舎にきていた。
普段なら行かないだろうけど、ちょっとこの前日向くんが弾いてたピアノが忘れられなくて、また足を伸ばしてしまった。
…と言っても、いるのはたまにと言っていたし、今日絶対いるとは限らないのだけれども。
それでも淡い期待を抱きながら音楽室へと足を進める。

―ガラッ

音楽室の扉を開け、中に入る。

…が、しかし期待とは裏腹にそこには誰もいなかった。

主「はあ…」

まあ仕方ない、か。
そうは思いつつも、ここに来るだけ来て何もせずに帰るのは何だか悔しいような気もする。

ふと思い立ってピアノに近づいてみる。
周りのものが鮮明に映るような綺麗なグランドピアノだ。
ふたを開け、音の鳴らしてみる。


ピアノ独特の音が鳴る。

―ガラッ

と、そのとき音楽室の扉が開いた。

日「あ、先客かと思ったら●●くんだったんだ?」
主「日向くん…!」

どうやら俺が待っていた人物が来たようだ。

日「あ、弾くんならどうぞ。僕のことは気にしないで。後からで全然構わないから。」
主「いや、日向くんどうぞ!」
日「え、でも…」
主「俺ピアノ弾けないし。」
日「そうなの?それじゃあなんで…」
主「いや、日向くんいないかなーと思ってさ。この前弾いてたピアノまた聴きないなって。」
日「そうだったんだ。なら言ってくれればいいのに。」
主「じゃあ弾いてもらえる?」
日「もちろん。」

そう言って日向くんは椅子に座る。
軽く調整をしてピアノを弾き始める。

~~~~~~~♪

やはり凄い。
聴いていてとても心地の良いメロディだ。

日「…こんなとこかな?」
主「うーん…やっぱり凄いなあ…。」
日「ふふ、ありがとう。」
主「また聴きに来ても良いかな?」
日「うん、いつでもどうぞ!」

日向くんも了承してくれたし、またそのうち聴きに来ることにしよう。



・3回目

いつものように教室で帰り支度をしていると、ふと声をかけられた。

日「●●くん!」

日向くんだ。

主「あれ、日向くん…どうかした?」
日「いや、ちょうど今からピアノを弾きに行くとこなんだけど、●●くんもこないかなと思って。」
主「マジで!?もちろん行く行く!」
日「ふふ、じゃあ行こっか。」

俺たちは荷物を持って音楽室へと向かった。

(音楽室)

~~~~~~~♪

今日も日向くんの綺麗な旋律が流れる。

主「いやー、それにしても何度も言うようだけど凄いよなー…」
日「それほどでもないよ。」
主「や、すごい上手いって!やっぱ小さい頃から習ってたりとかした?」
日「うん、そうだね、保育所ぐらいからかな?」
主「そんな小さい頃から…!」
日「姉さんと一緒に始めたんだけどね。」
主「暁子ちゃんと?」
日「うん、そう。初めは姉さんの方が上手かったんだけど、いつの間にか僕の方が上手くなっちゃってさ。」
主「へぇー…」
日「…て言うよりも、姉さん元々あんまりピアノに興味なかったんじゃないかな習い始めたのも母さんに言われてだったし。」
主「ああー、小さい頃ならあるよなそう言うの。」
日「で、今では姉さんはピアノやめちゃって、こうやって続けてるのは僕だけさ。」

日向くんはそう言いながら、少しだけ寂しそうに笑う。

主「でもやっぱり凄いって!それだけ続けられるのも。」
日「ありがと。」
主「やっぱり、好きなものって人それぞれ違うだろうし、…暁子ちゃんはピアノ以外にやりたい物を見つけられたんだってことで、これもやっぱり良いことじゃないのかな?」
日「そう…だね、そうだよね…。」
主「俺なんて、今そんなこと特になんにも考えてないもんなー…はあ。」
日「ふふ、●●くんもきっとそのうち見つけられるよ。」
主「だと良いんだけど…」
日「じゃ、応援の意味もこめてもう一曲弾こうか?」
主「やった!是非お願いします!」

日向くんの演奏を聴いていると、なんだか俺もいろいろと頑張れそうな気がしてくるから不思議だ。
その綺麗な旋律に俺は耳を済ませた。