7月.


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・16日(朝)/自宅


朝、目が覚めて起きると、もう10時を回っていた。
今日は海の日で学校が休みなのだ。
…と言っても、特に何か予定があるわけではない。
まあ、ないからこそこんな時間に起きたのだが。

主「あー…暇だなあ…。」

そう思い、テレビをつけてみた。
チャンネルを回すとワイドショーやバラエティー番組が映る。
特に興味があるわけでもないが、何となくそれらをボーっと見る。

~♪~♪~♪(着メロっぽい音)

主「!」

ふと携帯が鳴った。
電話のようだ。
携帯を手に取り、液晶画面を見る。

主「あ…羽生治からだ。」

名前を確認し、電話に出る。

主「もしもし?」
羽「お、●●!起きてたか。」
主「ああ、うん。ついさっき起きたとこ。」
羽「そっか。ところでお前今日暇か?」
主「今日?うん、特に予定はないけど…」
羽「そりゃ良かった。今から出れるか?」
主「あー…起きたばっかだから1時間くらいあれば…」
羽「了解。あ、ところでお前、まだ地理の細かいとこはわかんねえよな?」
主「うーん、大体は分かるけど、対価に細かいとこはまだ…かな。」
羽「分かった、それじゃメールで住所と地図送っとくから来いな。」
主「うん、それじゃまたあとで。」

ピッ(通話終了ボタン押した音)

よっし、それじゃあさっさと用意して行きますか!



・16日(お昼近く)/アパート前~ちさなの家


主「えっと…ここで良いんだよな。」

携帯に送られてきた住所と地図を元にたどり着いたのはアパートだった。
お世辞にも新しいとは言えない、少し年季の入った3階建てのアパートだ。
家族で住むような大きいものではなく、いかにも一人暮らし用と言った感じだ。

主「羽生治って一人暮らしだったんだな…」

まあ確かにそれっぽいと言えばそれっぽいが。

指示されている部屋番号は301号室だ。
…と言うことは3階か?

3階まで階段を上ってみると、ちょうど1番右側の部屋のドアに『301』と書かれていた。

主「ここだ…」

とりあえずチャイムを押してみる。

―ピンポーン

ドタタタタタッ
バンッ!

ち「はーい!」

ドアの向こうでこちらに走ってくる気配がしたと思ったら、勢いよくドアが開かれた。

主「え?」

そしてドアから顔を出したのは垂髪だった。

ち「いらっしゃーい、遅かったねえ~」
主「え?え?何で垂髪が?」
ち「え?何?何?」
主「い、いや、だから何で垂髪がいるの…?」
ち「だって、そんなこと言われても…ここあたしん家だし…」
主「へ!?」

咄嗟にさっきは見忘れていた表札に目をやる。
確かにそこには垂髪と書かれていた。

主「あ、ホントだ…」
ち「もー、何だと思ってたのよー!」
主「いや、俺てっきり羽生治ん家かと…」
ち「あ、ちょっと羽生治!あんた何か言ったんでしょ!?」

そう垂髪が家の中に向かって言うと羽生治の声が返ってきた。

羽「俺は何も言ってないぞー。」
主「はあ、逆に言わなさすぎだろ…。」
ち「ふぅ。ま、いいや入って入ってー!狭いとこだけどね。」
主「あ、じゃあお邪魔しまーす…。」

一応挨拶をして中に入る。
入ってすぐが廊下兼台所となっていて、その奥に6畳ほどの部屋が一部屋あり、羽生治はそこにいた。

羽「よ!」
主「羽生治~、垂髪ん家なら垂髪ん家って言えよー。吃驚するだろぉ?」
羽「ははは、悪い悪い。でも、ま、とりあえずこれがいつものメンバーだろ?」
主「まぁな。…で、今日は何すんの?」
ち「それはあたしが答えてあげよう!」
主「え?」

後ろを振り向くと、数袋のお菓子と人数分の缶ジュースを持った垂髪がいた。

ち「と、その前に。はい、飲み物とかこれで良いー?」
主「あ、うん。ありがと。」
ち「へへへー、お客様はもてなさなきゃね!」
羽「…俺だけのときは何もしないくせに。」
ち「羽 生 治。」
羽「…何でもありません。」

俺たちにジュースをわたし、お菓子を部屋の真ん中にある小さな机の上に置くと、また垂髪は喋り始めた。

ち「えー、では改めてご説明しましょう!今日は、来たる夏休み!有意義に過ごすために楽しい楽しい計画を立てようと言う集まりなのです!」
主「え?」
ち「あはは、まあ平たく言えば遊ぶ計画立てよーってこと!」
羽「ま、そう言うこった。」
主「はぁ、なるほど…」
ち「よし、それじゃ会議始めますか!」



・16日(お昼過ぎ)/ちさなの家


そんなこんなで会議(?)が始まった。

ち「それでは、何か意見のある人!」
羽「はーい。」
ち「羽生治くん!」
羽「はい、あんまり暑くないところが良いです。」
主「暑くないところ…で、行けそうなところとなると室内か。図書館とか美術館とかか?」
ち「う…却下!夏は暑いものなの!次!」
羽「…………」
主「…………」
ち「では●●くん。」
主「え、俺!?手上げてなかったけど…」
ち「だってさっき羽生治は意見言ったし。」
主「そう言う垂髪はどうよ?」
ち「え、あたしー?あたしはやっぱ夏っぽいことしたいって言うかー…」
主「夏っぽいことねえ…夏といえば、海…」
ち「海!いいわねぇ~白い砂浜!青い空と海!」
主「プール…」
ち「うーん、プールも良いけど海の方があたしは好きねー…」
主「花火…」
ち「花火も良いわねー!」
羽「花火…あ、そうだよ花火だ!」
主「え?」
羽「ほら、花火と言えば!」
ち「!あ、そっか!そうだそうだ!」
主「え?え?」

何のことか分かっていない俺を他所にどうやら花火の話題で盛り上がっている。

主「え、花火だと何かあるの?」
ち「あ、●●は知らない?」
主「何が?」
羽「毎年8月に花火大会があるんだよ。」
主「そうなんだ!」
ち「ちょうど屋台とか出店もたくさんあるしー、とっても楽しいのよー!」
主「良いね、それ。俺も賛成!」
ち「おっけー!それでは満場一致で、夏休みにはみんなで花火大会行こうね!」



・16日(夕方)/ちさなの家


それから後もみんなでいろいろと雑談したりして楽しんだ。
そうして気がつけば、もう18時を回っていた。

羽「っと、それじゃ俺はもう帰るかな。」
ち「え!?羽生治帰んの!?え、ちょ、ちょっと待って…!」
羽「まあ、後は頑張んな。」
ち「ちょ、無理!無理だってー…」
主「?…あ、羽生治が帰るんだった俺もそろそろー…」
ち「え、あ!●●も…帰っちゃう…の?」
主「ああ、そうしようかなと…」
羽「や、俺は用事があるから帰るけど、●●はもうちょい居ろよ。」
主「あ、でもあんま遅くなると迷惑だろうし…」
羽「迷惑じゃないって…なあ?」
ち「う、うん!全然迷惑なんかじゃないって!全然!」
主「そう?」
羽「そうそう。そんじゃ俺は帰るわ。じゃーな。」
ち「あ、ちょっと羽生治…!」

そう言って羽生治は帰っていった。

主「帰っちゃったな、あいつ…」
ち「うん…」
主「………………」
ち「………………」

羽生治が帰った後、俺と垂髪は妙にぎこちなくなり沈黙が流れる。
…そう言えば、俺が垂髪といるときって大体羽生治がいたよな。
それ以外も大体回りに誰かはいた。
こんな二人きりと言う状況は、確か初めてなんじゃないだろうか…
うう、やっぱり俺も羽生治と帰れば良かったかな…

主「あ、あのさ、垂髪…」
ち「え!?あ、ああ、どうしたの…?」
主「俺もやっぱりそろそろ…」

グー…

帰る、そう言い出そうとしたところでお腹が鳴ってしまった。
そう言えば、くる前に軽くパンを1個食べ、垂髪の家に来てからもお菓子をつまみはしたものの、ちゃんとした飯は食べてはいなかった。

ち「………………」
主「………………」
ち「…っぷ、あはははははは!」
主「し、しゃーないだろ!腹減ったんだよ!」
ち「あはは、ごめん、ごめん!」

は、恥ずかしい…うう…まあいいや、これを帰る理由にしてやれ…

主「ってワケで俺もそろそろ帰ろうかと…」
ち「え!?あ、帰っちゃうの?」
主「ああ、うん、腹も減ったし…」
ち「あ、なら!ならね!あの、良かったらうちで食べてかない…?」
主「え、良いの?」
ち「あ、●●が良かったらなんだけど…」

別に断る理由もないし、これは逆にラッキーだ。

主「じゃあご馳走になろうかな。」
ち「ホント!?じゃあ急いで作るから!…あ、カレーで良い?」
主「うん、ありがと。」
ち「へへ、待っててね!美味しいの作るから!」

そう言うと垂髪は台所の方へ向かっていった。


しばらく待っていると、周りに良い匂いが立ち込めだした。
俺は出来るのを待っている間、垂髪の部屋にある漫画を読んだりして時間を潰していた。

ち「よし、でーきた!」
主「お、待ってました!」

垂髪はカレーを皿に盛り付け、お盆に乗せ運んでくる。付け合せにサラダもあるようだ。

主「おー美味そう!」
ち「へへ…」

運んできたカレーを机の上に乗せる。

ち「どうぞ。」
主「うん、いただきます!」

待ってましたとばかりに、俺は早速食べ始めた。

ち「…どう、かな?」

垂髪は心配そうにこちらを覗いてくる。

主「うん、美味い!」
ち「ホントに?」
主「うん、ホントに美味いよ。」
ち「良かったー…」

垂髪は安心したように言う。

うん、やっぱり美味い。
垂髪って料理美味いんだな…。
…正直、いつもの垂髪の姿から想像してちょっと心配だったが、まったくの杞憂だったようだ。
それにしても…

主「…垂髪、今日ちょっと大人しくないか?」

今日、と言うか羽生治が帰ってからなのだが…

ち「え、あ、な、何!?そ、そんなことあるわけないじゃん!いつものちさ菜さんだよー!」
主「…?そうか?」
ち「そうそうそう!もう、まったく、行き成り何を言い出すのかと思えばー…あははー…あ、そうそう!おかわりもあるからじゃんじゃん食べてね!」
主「ああ、ありがと!」

そうしてお腹いっぱいご馳走になった後、俺は家路についた。