7月;


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7-1、11日(放課後)/焼却炉


主「はあ…じゃんけんで負けるなんてついてないなあ…」

一人でそう呟きながらゴミ箱を持って焼却炉に向かう。
今日は掃除当番の日だったのだが、掃除も全て終わり、残すはゴミ捨て。
誰が行くかと言うじゃんけんで見事に負けてしまったのだ。
ちなみに勝った人たちはそのまま帰れるという寸法だ。

主「よいしょ…っと。」

重い焼却炉の扉を開けると一気にゴミ箱の中身を流し込む。

これで終わりだ。
さて、さっさと教室に戻って俺も帰ろう。



7-2、11日(放課後)/教室


ガラッ

ドアを開け教室に入る。
やはりもうみんな帰ってしまったのだろう、案の定教室にはもう誰もいなくなっていた。

が、しかし。

主「…なにこれ。」

…嫌がらせか何かだろうか、掃除用具が全て出しっぱなしになっている。
しかもバラバラに置いてあるのではなくて一箇所にまとめて置かれていた。

主「……………」

まあ…何にせよ…片付けないと…な。

主「はあ………よっと。」

とりあえず箒を数本持ち、掃除用具入れに仕舞おうとした。
と、その時教室のドアがガラリと開いた。

リ「あ……」
主「え……?」

ドアの方に目をやると、俺と同じように箒を数本抱えたリヨさんが立っていた。

主「リヨさん…」
リ「あの、それ…」
主「へ?あ、これ?いや、出しっぱなしになってたから…」
リ「あ、いえ、それ…私が出してんですけど…」
主「え、リヨさんが!?」

そう聞き返すとリヨさんはこくりと頷く。

リ「あの、美化委員の仕事で…点検しなくてはいけないので…」

あ、なるほど、そう言うことか。
やっと掃除用具が出しっぱなしになっていた理由に納得する。

リ「それで、まだ点検が終わっていないので、仕舞わないでいただけると助かるのですが…」
主「あ、ごめん!」
リ「いえ…。」

俺は慌てて箒を元の位置に戻す。
リヨさんも近づいてきて持っていた箒を同じ場所に下ろした。
箒を置くだけ置いて、また教室から出て行こうとするリヨさんを俺は呼び止めた。

主「あれ…点検するんじゃ…?」
リ「あ、いえ…まだありますので。」
主「掃除用具?」
リ「はい。一応、うちのクラスが担当になっている箇所の物全てですので…。」

確かうちのクラスの担当場所は、教室、廊下、階段、音楽室、玄関…この5箇所だ。
廊下、階段は教室のすぐ近くだが、玄関と音楽室へは割りと距離がある。

主「えっと、リヨさん一人で?」
リ「はい、そうですけど…?」

あれ…でも委員会って確か各クラス男女1名づつだったような気が…

主「美化委員って後一人いなかったっけ…?」
リ「あ、えっと、部活動の方もあるようですし…いつも私一人でやってますので…」
主「いつも?」
リ「はい。幸い私は部活動には入ってませんので時間もありますし…」

それって、押し付けられてるんじゃ…

リ「それでは…。」

そう言ってリヨさんは教室から出て行こうとする。

主「あ、待って!」
リ「まだ何か…?」
主「俺も手伝うよ!」
リ「え…?」
主「どうせ暇だし、一人だと大変だろうし。」
リ「えと…良いんですか…?」
主「うん、もちろん!」
リ「でも、悪いですし…」
主「いや大丈夫だって!あ、テスト勉強教えてもらったお礼だとでも思ってよ!」
リ「そうですか…なら、お願いします。」
主「うん、まかせて。」

そうして俺はリヨさんの仕事を手伝うことにした。



7-3、11日(放課後)/教室


主「よし、これで終わりかな?」
リ「はい、お疲れ様でした。」

それから1時間半ほどして作業は終了した。
まず掃除用具を全て教室へ運び、数の確認。
その後に壊れている箇所がないかどうか点検し、もし壊れていれば出来る範囲の修理。
修理が無理そうなら新しい物に取り替える。
後は埃が大量に付いてしまい、使い物にならない箒の埃取りなどだ。
そしてまた元の位置に掃除用具を戻しておく。
一つ一つは大したことのない作業だが、これを一気に、しかも一人でするとなれば、かなり大変だっただろう。
実際二人でもこんなに時間が掛かったワケだし。

リ「それでは、私はこれを先生に提出してきます。」

リヨさんはそう言って点検表を手に取った。

主「うん、いってらっしゃい。」
リ「今日は有難うございました。その…凄く助かりました…。それでは。」

そう言ってリヨさんは教室から出て行った。