6月:

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**6-1、14日(昼休み)/廊下 ――昼休み。 生徒達は昼食を取ったり遊んだりと各自思い思いの時間を過ごしている。 さて、俺も弁当を食べるか…とも思ったが少し喉が渇いたな…。 弁当の前に何か飲み物でも買ってくるか。 俺は席を立った。 ち「あ!ねぇねぇ○○!暁子知らないー?」 ちょうど教室を出ようとしたところで垂髪に声をかけられた。 主「暁子ちゃん?」 ち「そうそ!一緒にお昼食べようと思ったんだけどなー…」 垂髪は弁当を手に持ち食べる準備は万全と言った感じだ。 俺はキョロキョロと周りを見回してみる。 主「さあ…そう言えばいないな。」 ち「いや、いないから聞いてんの!」 主「…ですよねー。」 ち「う~ん、やっぱり○○も知らないかあ…うん、ありがと!」 主「いえいえ、それじゃ。」 ち「…あ!○○!」 会話を終らせて教室を出て行こうとしたところでまた呼び止められる。 主「どうした?まだ何かー…」 ち「あたしにもジュースよろしく!」 何かあるのか、そう言おうとしたが言い終わらないうちに用件を言われた。 …何で自販機行くって分かったんだろ。 あ、財布持ってるからか。 主「別に良いけどー…金は払えよ?」 ち「えー!いいじゃん、奢ってよー!」 主「却下。」 ち「けちー!」 主「けちで結構。で、どうする?」 ち「奢ってくれないんだったらお金ないからいいや。」 主「なんだそりゃ。」 ばいばーい、と手を振るちさ菜を後に、俺は今度こそ教室を出た。 (自販機) えーっと…今から弁当だし、ジュースよりお茶かな。 ボタンを押す。 ガコンッ 出てきたお茶を手に取り、教室に戻ろうとしたところで声をかけられた。 日「あ、●●くん!」 主「日向くん!」 俺と同じく手に買ったばかりであろうお茶を持った日向くんがいた。 日「●●くんも飲み物買いに来てたんだ。」 主「うん、喉乾いちゃってさー。」 そのまま喋りながら一緒に教室へと向かうことにした。 (廊下) 廊下を歩いていると前方に見覚えのある後姿があった。 日「あ!」 暁子ちゃんが両手いっぱいにダンボールを抱え込んで歩いていた。 かなり重いのか、少しふらふら足元がおぼつかない。 日「姉さん!」 暁「え?わっ!」 ガシャン! 暁子ちゃんがこちらに振り向いた瞬間、バランスを崩したのか、持っていたダンボール箱が落ち、中身が床に散乱した。 網のようなスティック状の物だ。 日「ね、姉さん…!」 日向くんが駆け寄っていく。 俺も日向くんに続いた。 暁「あう…やっちゃった…」 日「姉さん大丈夫?」 暁「うん、私は大丈夫なんだけど…はあ…」 ため息をつくと床に散らばったものを片付けだした。 日向くんと俺も手伝う。 ・ ・ ・ 主「よし、と。」 日「うん、全部壊れてはないみたいだね。」 何とか全部ダンボール箱の中に戻した。 暁「二人とも、ありがとう!」 主「どういたしまして。ところでこれって…」 暁「ん?これ?これはクロスって言うの!」 主「確か、ラクロスのー…」 暁「そうよ、部活で使うの。」 主「そっか、暁子ちゃんラクロス部だったもんな。」 暁「うん!」 日「でも、これ姉さん一人で?」 暁「あ、部活時間までに運べば良いんだけど、今のうちに終わらせちゃった方が良いかなーと思って!その方が部活前に運ぶよりも効率良いでしょー?」 日「でもこの量を女の子一人じゃ…」 暁「あはは!いけると思ったんだけどなあ。」 日「まったく、姉さんは無茶するんだから…貸して、僕がやるよ。」 暁「え、でも私の仕事だし…!」 日「姉さんの、じゃなくてラクロス部全員の、でしょ!まったく、何でも一人でやろうとするんだからー…」 暁「うう…」 日「ここからは僕が運ぶ。良いよね?」 暁「…はぁい、お願いしまぁす。」 日「部室までで良いんだよね?」 暁「うん。」 日「ふぅ…よいしょ、と。」 日向くんはそう言うと、暁子ちゃんの変わりにダンボール箱を持って歩き出した。 俺も成り行きでそのまま部室へと付いて行くことになった。 ・ ・ ・ 日「…はあ…はあ…はあ…」 主「ひ、日向くん、大丈夫?」 日「だ、大丈夫…問題、ないよ…」 主「そ、そう…?」 大分疲れてるように見えるんだけどな…。 暁「日向、やっぱり私が…」 日「ね、姉さん…大丈夫、だから…はあ…はあ…」 暁「でも…」 日「本当、だから…姉さんは…気に…しないで…ッ!」 暁「う、うん…」 うん、誰の目から見ても疲れてるように見えるらしい。 本当に大丈夫だろうか…。 そう思った矢先、 日「わっ…!」 ガシャン! 日「いたた………あ、ああーッ!しまった…!」 地面の凸凹に気付かなかったのか、日向くんは躓きこけてしまった。 また散乱するクロスたち。 日「ね、姉さん、ごめん…!」 暁「またく、無茶するから…」 日「う………」 またみんなで拾い集める。 暁子ちゃんも日向くんも持つのきつそうだったし…ここは俺が持つか。 主「今度は俺が持つよ。」 日「え!?」 暁「いいの!?」 主「うん、二人ともきつそうだったし、部室まであと少しみたいだし…」 日「ぼ、僕は大丈…」 暁「じゃ、お願いしてもいいかな?」 日「ね、姉さん!?」 暁「日向は無茶しすぎ!」 日「姉さんだって!」 暁「…………」 日「…………」 暁「…ね?だから●●くんにお願いするの。」 日「…はあ。うん、分かったよ。」 どうやら俺が持つと言うことで解決したらしい。 主「よいしょ…と。」 うん、結構重いが何とかいけそうだ。 暁「それじゃ、部室はこっちよ。」 暁子ちゃんの後について行く。 日「ねえ、重くない?大丈夫?」 主「うん、なんとか。」 日「そっか…ごめんね、僕が役に立たないばっかりに。」 主「いや、そんなことないって!」 日「僕、あんまり力ないくせに強がっちゃって…こんな風に軽々と持てる●●くんが羨ましいよ。」 …俺もそんなに楽々持ってるわけじゃないんだけどな。 主「でも俺は日向くんの方が羨ましいけどなあ…勉強だって出来るし、なんか完璧って感じだもんなあ…。」 日「ふふ、そんなことないよ。でもありがとう。」 ・ ・ ・ (部室) なんとか無事に部室までたどり着くことが出来た。 暁「それじゃ、ここに置いてもらっていいかな?」 主「うん、了解。…よいしょ、と。」 指定された場所に荷物を降ろす。 やっと重い荷物から開放されて、身体がスッと軽くなった。 暁「●●くん、ありがとう!凄く助かったわ!」 日「お疲れ様!」 主「いえいえ、どういたしまして!」 結構疲れたけど、二人が喜んでくれて良かった。 コリをほぐすように肩を回す。 暁「ふふ、●●くんって頼りになるね。」 その時、小さく聞こえた声に思わず暁子ちゃんの方を見た。 主「え?」 暁「ふふふっ!」 日「二人ともそろそろ教室に戻らないとお昼ご飯食べる時間がなくなるよー!」 暁「わ、それは困る!行こ、●●くん!」 主「え、あ、うん!」 俺たちはバタバタと部室を後にした。

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