6月

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**11、24日(放課後)/教室 今日も無事に全ての授業が終わり、帰り支度をする。 筆箱に、教科書…は基本置き弁主義だしテストが近いわけでもないので持って帰らなくて良いな…。 あ、そう言えば今日の科学の授業で宿題が出たっけ…それだけは持ち帰ろう。 そこで気がつく。 あれ…科学の教科書とノートがない…? 今日のことを思い返してみる。 基本科学の授業は科学室で行われる。 今日も例に漏れず教科書、ノートを持って科学の授業に行った。 で、授業が終わった後もきちんと教科書とノートは持っていたはず…。 その後の授業は美術だった。これは美術室で…あ! そうだ、美術室に置き忘れたのかも…! いや、多分そうだ。そこを最後に持ってた記憶がない。 めんどくさいけど取りに行くか。 後は科学の教科書とノートを入れるだけで支度の終わる鞄を持って、俺は美術室へと向かった。 (美術室) 美術室の前は人通りも少なく静かだ。 ドアを開けようとして気付くが、果たして鍵は開いているのだろうか? いつもなら使用するとき以外は鍵が掛かっている。 もし開かなかったら職員室まで鍵を取りに行かないと。めんどくさいな…。 そう思いながらも、ドアに手を掛け一応開いてみる。 ガラリ。 白「ひゃうっ!」 いとも簡単にドアは開き、その瞬間に誰かの驚いたような声が聞こえた。 この声は… 主「白雪…?」 白「なんだ…●●くんだったんですかあ…。もう、驚かさないでくださいよぉ!」 主「はは、ごめんごめん…。」 中に入ると白雪姫がいた。 どうやら一人だけのようだ。 イーゼルにパネルを立てかけ、その前に座っている白雪の足元にはたくさんの絵の具が転がっていた。 どうやら絵を描いていたようだ。 主「何か描いてるの?」 白「はいです!白雪、これでも美術部さんなんですよ~。」 主「そうなんだ…一人?」 白「あは、実は美術部さんって私一人なんです。去年までは先輩が3人いたんですけどね~。でも基本的に好きなときに来て描いてって感じだったから、一人でも特に去年までと変わらないんですけどね。」 主「へえ。」 返事をしながら白雪に近づく。 主「何描いてるの?」 白「あ…」 何を描いてるのか見ようと白雪の背後に回り、イーゼルに立てかけられたパネルを覗き込む。 人物画だ。そこにはよく見知った顔が描かれていた。 まだ途中のようだが、十分誰かは分かる。 主「これって…」 白「へへ、暁子ちゃんです!」 そう、そのパネルに描かれてた人物はうちのクラスの委員長の暁子その人だった。 それにさすが美術部と言うべきか…上手い。 主「へえー…うん、すごく上手いと思うよ。」 白「ホントですかあ?…へへ、ありがとございます!少し照れちゃいますね。」 主「いや、ホントだよ!ここまで描けるってすごいなあ…」 白「えへへ…」 主「でも、何で暁子ちゃんなの?」 白「え?」 あ、前に1番の友達とかって言ってたっけな… そう思いながら軽く疑問を口にした瞬間、白雪が一瞬固まった。 何か悪い質問だったのか…? 主「え、あ、いや…!ふと思っただけで特に意味は…!」 白「ふふ」 俺が焦っていると白雪が笑った。 良かった、どうやらまずい質問ではなかったようだ。 白「暁子ちゃんは…白雪の大切な人だからですよ。」 主「え?」 白「暁子ちゃんは白雪の大好きな大好きな人なんです!」 主「そ、そうなんだ…」 白「はいです!これができたら暁子ちゃんにプレゼントしようと思って…あ!暁子ちゃんには言っちゃダメですよ!内緒にしといてビックリさせるです!」 主「なるほど、そう言うことか…。うん、分かった!本人には言わないよ。」 白「わーい!ありがとですー!!」 主「どういたしまして。」 白雪は笑顔を見せると、また絵を描く作業に戻った。 絵を描きながら話す。 白「あ、そうだ!白雪、●●くんも好きですよー、だから今度は●●くんも描いてあげます!」 主「え、良いの?」 白「はいです!楽しみにして置いてください!!」 主「うん、楽しみにしておくよ。」 それにしても本当に上手いな…。 そう言えば白雪は美術の時間も先生に褒められてることが多かったっけ…。 主「白雪って美術が得意なんだっけ…?」 白「美術は大好きですよ~、とっても楽しくて好きです!」 主「なるほど。」 確かに好きか好きじゃないかと言うことは上手い下手の問題よりももっと大切なことだと思う。 純粋に楽しんでいるからだろうか、白雪の絵は今の白雪の顔と同じように生き生きと輝いている。 主「…白雪ってさ、」 白「ん?なんですか~?」 主「白雪って絵以外はやらないの?」 白「絵、以外ですか…?」 主「うん、そう。美術って言っても絵以外にもいろいろあるじゃん。」 白「そうですね~…。」 絵を描く手を止めてしばし考え込む白雪。 白「あ!彫刻とかはやってみようと思ってます!」 主「彫刻?」 白「はいです!昔から粘土遊びとか好きなんです!」 白雪はそう言って嬉しそうに答える。 主「彫刻かあ…、良いね!」 白「へへ」 主「でも彫刻刀とか使うんなら気をつけないとな。」 白「彫刻刀…?」 主「うん、そう。あれって間違って手をザックリやっちゃうと…」 白「あ、あう~~~~~~…」 白雪は顔を痛そうに歪めると手をさすりだした。 主「はは、冗談だって!きちんとやってればそういうことは少ないさ。」 白「うう…●●くんの意地悪ぅ~!」 主「悪かったって。」 白「ぷぅー…」 ほっぺたを膨らませて講義する白雪。 どうやらスプラッタな話題は苦手なようだ。 その後もしばらく雑談していたが、そろそろ白雪も絵に集中したい頃だろうお思い、帰ることにした。 あ、ちなみに科学の教科書とノートだが、やはり美術室に置き忘れていたようだ。 自分の座っていた席の荷物置き場のところにあるのを無事に発見した。 主「それじゃ、俺はそろそろ帰るから。絵、頑張ってな。」 白「はいです!●●くん、お気をつけてです!」 主「うん、また明日な。」 白「ばいばいです!」 笑顔で手を振る白雪に手を振り替えしながら美術室を後にした。 ガラリとドアを閉め廊下に出ると、やはりそこは人気がなくしんと静まり返っていた。 ---------------------------------------------------------
**6-1、24日(放課後)/教室 今日も無事に全ての授業が終わり、帰り支度をする。 筆箱に、教科書…は基本置き弁主義だしテストが近いわけでもないので持って帰らなくて良いな…。 あ、そう言えば今日の科学の授業で宿題が出たっけ…それだけは持ち帰ろう。 そこで気がつく。 あれ…科学の教科書とノートがない…? 今日のことを思い返してみる。 基本科学の授業は科学室で行われる。 今日も例に漏れず教科書、ノートを持って科学の授業に行った。 で、授業が終わった後もきちんと教科書とノートは持っていたはず…。 その後の授業は美術だった。これは美術室で…あ! そうだ、美術室に置き忘れたのかも…! いや、多分そうだ。そこを最後に持ってた記憶がない。 めんどくさいけど取りに行くか。 俺は美術室へと向かった。 (美術室) 美術室の前は人通りも少なく静かだ。 ドアを開けようとして気付くが、果たして鍵は開いているのだろうか? いつもなら使用するとき以外は鍵が掛かっている。 もし開かなかったら職員室まで鍵を取りに行かないと。めんどくさいな…。 そう思いながらも、ドアに手を掛け一応開いてみる。 ガラリ。 白「ひゃうっ!」 いとも簡単にドアは開き、その瞬間に誰かの驚いたような声が聞こえた。 この声は… 主「白雪…?」 白「なんだ…●●くんだったんですかあ…。もう、驚かさないでくださいよぉ!」 主「はは、ごめんごめん…。」 中に入ると白雪姫がいた。 どうやら一人だけのようだ。 イーゼルにパネルを立てかけ、その前に座っている白雪の足元にはたくさんの絵の具が転がっていた。 どうやら絵を描いていたようだ。 主「何か描いてるの?」 白「はいです!白雪、これでも美術部さんなんですよ~。」 主「そうなんだ…一人?」 白「あは、実は美術部さんって私一人なんです。去年までは先輩が3人いたんですけどね~。でも基本的に好きなときに来て描いてって感じだったから、一人でも特に去年までと変わらないんですけどね。」 主「へえ。」 返事をしながら白雪に近づく。 主「何描いてるの?」 白「あ…」 何を描いてるのか見ようと白雪の背後に回り、イーゼルに立てかけられたパネルを覗き込む。 人物画だ。そこにはよく見知った顔が描かれていた。 まだ途中のようだが、十分誰かは分かる。 主「これって…」 白「へへ、暁子ちゃんです!」 そう、そのパネルに描かれてた人物はうちのクラスの委員長の暁子その人だった。 それにさすが美術部と言うべきか…上手い。 主「へえー…うん、すごく上手いと思うよ。」 白「ホントですかあ?…へへ、ありがとございます!少し照れちゃいますね。」 主「いや、ホントだよ!ここまで描けるってすごいなあ…」 白「えへへ…」 主「でも、何で暁子ちゃんなの?」 白「え?」 あ、前に1番の友達とかって言ってたっけな… そう思いながら軽く疑問を口にした瞬間、白雪が一瞬固まった。 何か悪い質問だったのか…? 主「え、あ、いや…!ふと思っただけで特に意味は…!」 白「ふふ」 俺が焦っていると白雪が笑った。 良かった、どうやらまずい質問ではなかったようだ。 白「暁子ちゃんは…白雪の大切な人だからですよ。」 主「え?」 白「暁子ちゃんは白雪の大好きな大好きな人なんです!」 主「そ、そうなんだ…」 白「はいです!これができたら暁子ちゃんにプレゼントしようと思って…あ!暁子ちゃんには言っちゃダメですよ!内緒にしといてビックリさせるです!」 主「なるほど、そう言うことか…。うん、分かった!本人には言わないよ。」 白「わーい!ありがとですー!!」 主「どういたしまして。」 白雪は笑顔を見せると、また絵を描く作業に戻った。 絵を描きながら話す。 白「あ、そうだ!白雪、●●くんも好きですよー、だから今度は●●くんも描いてあげます!」 主「え、良いの?」 白「はいです!楽しみにして置いてください!!」 主「うん、楽しみにしておくよ。」 それにしても本当に上手いな…。 そう言えば白雪は美術の時間も先生に褒められてることが多かったっけ…。 主「白雪って美術が得意なんだっけ…?」 白「美術は大好きですよ~、とっても楽しくて好きです!」 主「なるほど。」 確かに好きか好きじゃないかと言うことは上手い下手の問題よりももっと大切なことだと思う。 純粋に楽しんでいるからだろうか、白雪の絵は今の白雪の顔と同じように生き生きと輝いている。 主「…白雪ってさ、」 白「ん?なんですか~?」 主「白雪って絵以外はやらないの?」 白「絵、以外ですか…?」 主「うん、そう。美術って言っても絵以外にもいろいろあるじゃん。」 白「そうですね~…。」 絵を描く手を止めてしばし考え込む白雪。 白「あ!彫刻とかはやってみようと思ってます!」 主「彫刻?」 白「はいです!昔から粘土遊びとか好きなんです!」 白雪はそう言って嬉しそうに答える。 主「彫刻かあ…、良いね!」 白「へへ」 主「でも彫刻刀とか使うんなら気をつけないとな。」 白「彫刻刀…?」 主「うん、そう。あれって間違って手をザックリやっちゃうと…」 白「あ、あう~~~~~~…」 白雪は顔を痛そうに歪めると手をさすりだした。 主「はは、冗談だって!きちんとやってればそういうことは少ないさ。」 白「うう…●●くんの意地悪ぅ~!」 主「悪かったって。」 白「ぷぅー…」 ほっぺたを膨らませて講義する白雪。 どうやらスプラッタな話題は苦手なようだ。 その後もしばらく雑談していたが、そろそろ白雪も絵に集中したい頃だろうお思い、帰ることにした。 あ、ちなみに科学の教科書とノートだが、やはり美術室に置き忘れていたようだ。 自分の座っていた席の荷物置き場のところにあるのを無事に発見した。 主「それじゃ、俺はそろそろ帰るから。絵、頑張ってな。」 白「はいです!●●くん、お気をつけてです!」 主「うん、また明日な。」 白「ばいばいです!」 笑顔で手を振る白雪に手を振り替えしながら美術室を後にした。 ガラリとドアを閉め廊下に出ると、やはりそこは人気がなくしんと静まり返っていた。 --------------------------------------------------------- **6-2、24日(放課後)/教室 廊下をしばらく歩くと、前方に誰かが見えた。 あれは…青木先生だ。 どんどんこちらに近づいてくる。 礼「おや、○○くん。」 向こうもこちらに気付いたようだ。 礼「何か用事でもあったんですか?こっちの方面は特別教室ばかりですけど…」 主「あ、ちょっと美術室に。今日授業で使ったときに忘れ物しちゃいまして。」 そう良いながら手に持った科学の教科書とノートを見せる。 礼「美術室…。そうだったんですか。ところでまだ誰か残ってましたか?」 主「あ、はい。上城さんが絵を描いてて…。」 礼「そうですか、彼女は美術部員でしたもんね。ちょっと戸締りを確認しに来たんですが、まだ残ってるようなら様子でも見てきましょうかね。ありがとう。」 主「いえ。それじゃ先生さようなら。」 礼「はい、さようなら。気を付けて帰りなさいね。」 そう言って先生と別れた。 先生は美術室へ、俺は靴箱へと向かって行った。 --------------------------------------------- -------------------------------------------------------------

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