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**・1回目
―ガラッ
ドアを開け、保健室の中に入る。
羽「よ、お疲れー!」
主「はあ…」
保健室の中で笑顔で俺を迎える羽生治。
主「ほら、荷物。」
羽「お、サンキュー!」
俺は教室から持ってきて羽生治の鞄を軽く投げる。
それを上手い具合に羽生治はキャッチする。
主「まったく…5、6時間目いないからどうしたのかと思えば…まあどうせサボリだろうとは思ってたけどさ。」
羽「はは、ご名答。」
そう、俺はついさっきこの5、6時間目サボっていた羽生治から、いきなり『保健室まで荷物持ってきてくれ』とメールで呼び出されたわけだ。
羽「いやー、保健室、先生不在なことも多いし空調きいてるし寝るのには最適だわ。」
主「また夜更かしでもしてたのか?」
羽「そんなとこだ。」
主「お前らしいな…まあサボりもほどほどにしとけよ?」
羽「まあまあお前まで先生みたいなこと言うなって!」
主「いや、先生ならほどほど以前に怒るだろ。」
羽「はは、それもそうだな。」
羽生治は悪びれる様子もなく笑顔で答える。
主「じゃあ俺はそろそろ帰るから。」
羽「おう!またよろしくな!」
主「またっておい!」
羽「冗談だ、冗談!…多分。そんじゃまたなー。」
主「はあ…まったくお前って奴は…。」
そうして俺は保健室を後にした。
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**・2回目
主「はあ…」
俺は2人分の荷物を持って保健室のドアを開く。
―ガラッ
羽「お、待ってたぜー」
主「お前、この前『またよろしく』ってのは冗談だって言ってたくせに…」
羽「その後『多分』って付け加えただろ?」
主「はあ…お前っていい性格してるよな…」
俺は持ってきた荷物を渡す。
羽「サンキュ。まあお前も飲んでけよ。」
主「へ?」
そう言いながら差し出された羽生治の手にはマグカップに注がれたコーヒーがあった。
さっきからコーヒーのいい匂いがすると思ったらこれか…。
主「ありがと…って、これどうした!?」
羽「ん?あったから炒れた。」
羽生治の指差す方向を見れば、確かにインスタントだがコーヒー一式が揃っている。
ご丁寧にポットまで備え付けられている。
主「あったからって…先生には怒られないか?」
羽「まあちゃんと洗って元に戻しとけばバレんだろ。」
主「…確かに。」
羽「だろ?」
主「ははは、お前には敵わないな。」
そう談笑しつつコーヒーに口をつける。
コーヒー独特の味が口の中に広がる。
主「なんか得した気分だな。」
羽「まあ実際ただでコーヒー飲めてんだから得してるだろ。」
主「はは、それもそうだな。」
それからしばらくの間、保健室の中でくつろいだ。