戦争その① 失われた記憶

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2学期始まったんで亀更新になります。 ですが…コホンッ… さあ、戦争を始めようか! 紅蓮「それじゃあ本編を…」 アッシュ「始めるヨ♪」 ---- 「でああっ!」 紅蓮は思い切り機械人形に拳を叩き付けた。しかし装甲の強度に負けて逆に紅蓮のほうがダメージをもらってしまう。 「クソッ…もっと力があれば…」 必死で戦いながらそんな事を考える余り後ろのガードが甘くなる。そこへ機械人形が飛び込んできた。 「しまっ…!」 「烈火マグマ!」 紅蓮に襲いかかる機械人形をザクロが赤い炎で焼き尽くす。 「しっかり周りに気い配れ!」 「済みません!よしっ!だったら!」 紅蓮がポケットから緑色の匣を出す。 「雷狐!」 左手にはめた指輪から電撃を放ち、それを匣に押しつける。そして匣から黒と赤の毛並みを持つ二匹の狐が現れた。 「行けッ!デュオ!シェン!」 二匹が回転してスパークを纏いながら周囲を飛び回り、紅蓮の拳に纏った電撃と共に周囲の敵を破壊する。 ・・・・・ 「あいつ…炎の出し方忘れてんじゃねえか?」 赤い悪目立ちするシャツを着たごつい青年、シェン・ウーは機械人形を2,3体まとめて殴り壊しながら隣で怨霊を地面から吹き出させるデュオロンに向かって 言った。デュオロンも 「いや、炎の出し方はおろか自分のことまで忘れている。生活していく分には困らないだろうがアッシュとしての記憶を全て失っているらしい。まあ最も断片的に ではあるが俺達三人を覚えていることだけは確かだ。あの狐のことをシェン、デュオと呼んでいたしエリザベートを見たときあいつは首をかしげた。」 そこに骸が衝撃に弾き飛ばされて飛んでくる。 「おやおや…モスカ以上のパワーと機動性、これはキツそうだ…所で、デュオロンと言いましたね?」 「ああ、何の用だ。」 「彼が力を使えない理由、調べてみましょうか?」 「できるのか!?」 「ええ、ムクロウ、D・スペードの魔レンズを」 錫杖が三叉の槍に戻り、代わりに骸の目のすぐ前に変わった形状のモノクルが現れた。 「分析には少し時間がかかります。時間を。」 「おっしゃああああああああああああ!!!!!!!」 すぐさまシェンが骸に襲いかかる機械人形を粉々に粉砕する。デュオロンも無言のまま怨霊を使って周囲を一掃する。 「(これは…記憶が何かしらの言葉で封印されている…?トリガーワードとでも言うべきだろうか…?)何か鍵になるような言葉はありますか?何者かに記憶が封印されているようだ。」 「いや…これといって特に思い当たる節は…」 「蟹?ザッハトルテ?それとも技名のフランス革命歴?ああもうよく分からん!エリザベート!」 シェンが機械人形の頭部を潰しながら青い髪の女性に向かって吼える。 エリザベートが鞭で機械人形同士をぶつけて破壊しながらこちらを向く。 「さあ…心当たりといっても…全て覚えている分一つに絞りきれないわ…」 「だったら断片的に覚えている奴がいれば…デュオロン!草薙をここに引っ張ってこい!あいつ確か断片的に覚えてたはずだ!」 ・・・・・ 「あ?アッシュの記憶を戻すためのトリガーワード?さあな。なべて世は事も無しじゃねえの?これ以外断片的に覚えてたことないし。」 京が大蛇薙を撃ちながらエリザベートの問いに答える。 それを聞くと彼女は紅蓮の元へ走っていく。しかし機械人形が邪魔で先に進めない。と、そこにアルバが飛び込んでくる。 「行け!道は私たちが作る!開門雷神拳!」 円の形をした巨大な気のかたまりがアルバの拳から発される。その気に触れた機械人形が破壊されていく。続けて風が躍り込み、両手を合わせる。 「喝!」 そして放たれた気合いが機械人形を吹き飛ばす。続いて拳崇とアテナが肩を並べて飛び込む。 「行くで、アテナ!」 「ええ、アッシュさんだけがアッシュさんのことを覚えてないなんて悲しすぎる!」 そして二人が同時に手を突き出す。 「ハアアアアアアアアア…超球弾やあああああ!」 「サイコ…シューーーーーート!」 そして二人の掌から紫色の巨大な光弾が放たれる。機械人形たちが薙ぎ払われ、一本道ができあがる。 「行ってくれ!アデスの思い通りにするわけにはいかん!」 「はいッ!ありがとうございます!」 そして駆け出すエリザベートを見送りながらアルバが振り返る。 「さて、チームメイトの御三方、やることは分かっていますね?」 「あったり前や!一匹もとおさへんで!」 「はいっ!」 「やれやれ、呪解するしかないのでしょうね。行きます。」 そして彼ら四人の戦いが始まった。 ・・・・・ ディーノは一般客の退去が終わった会場の三つのゲート、そのうちの第二ゲートに陣取って機械人形と 戦っていた。 「そらそらそらそらあ!」 橙色の炎を纏った鞭がしなり、機械人形を次々に破壊していく。後ろには影のように付き従う忠臣、渋い40代の男、 ロマーリオがいて、拳銃で機械人形のセンサーを撃ち抜いていく。 「こいつら数だけだぜ!」 「ああ、援護射撃、頼むぜロマーリオ!」 「了解だ!」 「光速天翔!!!!」 凄まじい勢いで鞭が振るわれてたちまちのうちに目の前から機械人形がいなくなる。そしてしばらくしても出てくる気配はなかった。 「終わった…のか?」 「の、ようだな。」 ・・・・・ ゲートから機械人形がいなくなったのは全滅したからではない。会場の方に回ったからだ。 つまりどういう事か。分かり易く言うと京たちのほうに機械人形が流れ込んできたと言うことだ。 そのたくさんの敵の中でエリザベートが乗馬用の鞭を振り、叫ぶ。 「舞い上がれ!大いなる光と共に!」 そして全身から放たれた光が周囲の機械人形を消し飛ばす。 「ッ!あなたは…エリザベート・ブラントルシュさん…でしたよね?何の用ですか?見ての通り僕も忙しいんです。」 「あなたの記憶を戻します。」 「えッ!?」 「あなたの記憶を封印しているのはある言葉。」 「その言葉に心当たりがあると?」 「ええ…おそらくは…では、いきます。なべて世は事も無し」 「ッ!!!!!!!!!!!ッあっ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 いきなり脳の中でふくれあがった情報。それに耐えきれずに紅蓮は叫んだ。 ・・・・・ …だ…ッシュ…俺には…が…わかっ… アンタ、さっき……ボクのことは「全部わかってる」……確かそう言ったよネ。 バッカじゃないの?わかってないヨ。ボクは、この世界のことが…けっこう、気に入ってるんだ。 自分の声だけが聞こえる。やがて真っ白な空間が目に映った。 そこに様々な映像が投影される。八神庵の体から勾玉のようなモノを取り出す自分、白い自分そっくりの男から黒い炎を取り出す。 白い服の女性の体から鏡のようなモノを取り出して体に取り込む自分、そして…自分の内面で対面した白い髪の自分とそっくりの男… そして巨大な扉。潜らずに消えていく自分。 それらの記憶はやがて一つの記憶にたどり着く。 『テメエは…神楽の力を奪ってったソバカス野郎!』 『あれ?ひょっとしてボクの名前、覚えてくれてないの?ボクはアッシュ。アッシュ・クリムゾンだよ。』 そうだ…僕は…ボクの本当の名は… ・・・・・ 「あぶねえ!」 「行きましたよお嬢さん!」 頭を抱えて苦しむ紅蓮に気をとられたエリザベートに背後から機械人形が迫っていた。 「ッ…間に合わない…」 振り向いたときには既にエリザベートの眼前に機械人形が迫り、攻撃態勢をとっていた。 [shhhhhhhhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa] 訳のわからない奇声を発しながら襲いかかる機械人形。 しかしそれをエリザベートの顔の横から出てきた手が受け止める。続けて機械人形の手を握り、指輪からの電撃と緑の泡状の炎で 本体ごと粉砕する。 「…え…?」 驚いて振り返ったエリザベートのすぐ側で紅蓮はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 「フフッ…心配かけたね…さあ、押し切るよ!何も敵は無限にいるわけじゃないんだ。」 そう言って桔梗を見る紅蓮の表情は紅蓮のそれとは全く違う。 「外付け修羅開匣…頼むよ桔梗サン!」 「ええ、分かっていますよ!外付け修羅開匣!暴れろ、雲スピノサウルス!」 桔梗の体に入れ墨のようなモノや小さな棘が現れ、足下からスピノサウルスの頭だけが現れ、機械人形を喰らう。 「やるね…やっぱり白蘭サンの右腕だけのことはあるネ…」 「ありがとうございます…さてあなたの本名、お聞きしてもよろしいでしょうか?」 「うん、でもちょっと待ってね?そこッ!」 そう言って紅蓮は腕を振り、機械人形を三体程まとめて燃やした。 「ボクはアッシュ、アッシュ・クリムゾンだよ。改めてヨロシクネ。」 そしてアッシュは炎を用いた高火力の、しかしどこか軽やかなスタイルで機械人形を狩っていった。 しばらくそれを続けていたが、急にアッシュがエリザベートを見やり、言った。 「ベティ、ボクと一緒に来て。桔梗サン、白蘭サンに伝えてよ。入場口に何とかして集まれ…ってサ。ボクらは 伝えて回ってくるから。」 ・・・・・ 「それで…?一応一方向からの襲撃だから迎撃もしやすくなったけど、結局数はちっともへらねえ…」 京が愚痴ると息を切らせたアッシュがやってきていった。 「ハアッハアッ…フウ…それじゃあお集まりの皆さん!殲滅力の高い技で一気にフッ飛ばしちゃってください!数は増えないと思うんで!」 「テメエの考えに乗るのは癪だが、ま、しゃーねーな。紅丸!テリー!ジョー!」 「やれやれ、ま、やるしかないか。」 「OK!」 「おっっしゃあアアアア!!!!!やってやるぜえエエ!」 そして京が腕を引き、紅丸が手を天にかざす。テリーも両手を組んで振り上げ、ジョーが右腕をぐるぐる回す。 「遊びは終わりだ!」 「雷皇…」 「トリニティ…」 「行くぜ…」 そして一斉に大技が放たれる。京が引いていた腕を無造作に振るい、天叢雲を放つ。 「俺からは逃げられねエんだよ!」 そして同時に紅丸が拳を突き出し、大出力の電撃を放つ。 「拳!」 「ゲイザー!!」 「吹っ飛べエエエエエエエ!!!!!」 テリーも両手を地面に叩き付け、気の柱を噴出させる。同時にジョーが渾身のコークスクリューを放ち、竜巻を放つ。 これだけで機械人形の三分の一が消し飛んだ。次に進み出たのは他の皆と同じく試合を観戦していた極限流の三人と拳崇だ。 「ロバート、ユリ、分かっているな?」 「あったりまえやで!」 「多勢に無勢じゃ覇王翔吼拳を使わざるをえない!でしょ?」 「ワイの超球弾も負けとらんでえ!」 そしてリョウ、ロバート、ユリの三人が両手を体の脇で構え、拳崇も両手を体の前で気を練るような構えをとる。 「「「覇王!翔・吼・拳!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」 「超能力と龍の気のコラボレーション!ほああああああ…どないや!」 四つの凄まじい光弾が機械人形を最初の三分の一にまで減らしていく。 「さて、準備はいいかい?綱吉クン?」 「ああ、いくぞ。オペレーションXX」 ツナが両手をクロスさせてXX BURNERの発射態勢をとる。 白蘭も右手をかざし、力をためていく。 「全滅させるよ。白貫手」 「XX BURNER!」 ツナの両手から巨大な炎が放たれ、白蘭の右手から高密度の白いエネルギーが迸る。 瞬く間に機械人形が消えていく。 そのエネルギーの残滓が消え去った後残っていたのは会場の構造体のみだった。 「皆さんやりますね。まさかあの数を全滅させるとは。いや、お見事お見事。我々が動くだけの価値はありますね。」 どうやって生き延びたのかジヴァートマが現れて賞賛する。その後ろに控えている人物を見てアルバの目の色が変わった。 「…ッ!!!!!ソワレ…!?」 しかしソワレの方は沈鬱そうな顔をして押し黙ったままだ。 「それは少し違うんじゃないのかな?彼の名はユーダイム。それ以外の何者でもないのだよ。」 心外そうにそう言ったのはジヴァートマの方だ。 「こちらからはただ戦わせるために操り人形にしたとしか見えないのだがな。それもかなり不完全なね。 心理コントロールがうまくいっていないのではないか?」 アルバの皮肉にも冷静にジヴァートマは返す。 「ああ、全く持ってその通りだよ、ユーダイム。そこにいるアッシュ・クリムゾンの血液から創り出したクローンも心理コントロールのせいで 炎が使えなくなったものだから記憶を消去してから捨てたのだがね。」 そこまで言ったところで顔を憎々しげに歪めて毒づく。 「クソッ。巻島博士め…我らに対する抑止力とするためか…だがまあいい。こちらにはまだ隠し球がある。後日、また会おう。」 そういってジヴァートマは消えていった。 ---- 紅蓮はアッシュのクローンです。アデスに拉致られた元ネスツの科学者が製造しました。 正式名称はA'00ですが皆さんアッシュとして接してくれていますし、本人もアッシュとして生きるつもりのようです。 また、KOF読本のCD、「ミッドナイトストラグル」からアッシュの名乗りのシーンを拝借いたしました。 それでは次回もよろしくお願いします。それではAKOFのあなた!シメてください! ゾディアック「フン、仕方あるまい…死ぬ気で見るんだ。」
2学期始まったんで亀更新になります。 ですが…コホンッ… さあ、戦争を始めようか! 紅蓮「それじゃあ本編を…」 アッシュ「始めるヨ♪」 ---- 「でああっ!」 紅蓮は思い切り機械人形に拳を叩き付けた。しかし装甲の強度に負けて逆に紅蓮のほうがダメージをもらってしまう。 「クソッ…もっと力があれば…」 必死で戦いながらそんな事を考える余り後ろのガードが甘くなる。そこへ機械人形が飛び込んできた。 「しまっ…!」 「烈火マグマ!」 紅蓮に襲いかかる機械人形をザクロが赤い炎で焼き尽くす。 「しっかり周りに気い配れ!」 「済みません!よしっ!だったら!」 紅蓮がポケットから緑色の匣を出す。 「雷狐!」 左手にはめた指輪から電撃を放ち、それを匣に押しつける。そして匣から黒と赤の毛並みを持つ二匹の狐が現れた。 「行けッ!デュオ!シェン!」 二匹が回転してスパークを纏いながら周囲を飛び回り、紅蓮の拳に纏った電撃と共に周囲の敵を破壊する。 ・・・・・ 「あいつ…炎の出し方忘れてんじゃねえか?」 赤い悪目立ちするシャツを着たごつい青年、シェン・ウーは機械人形を2,3体まとめて殴り壊しながら隣で怨霊を地面から吹き出させるデュオロンに向かって 言った。デュオロンも 「いや、炎の出し方はおろか自分のことまで忘れている。生活していく分には困らないだろうがアッシュとしての記憶を全て失っているらしい。まあ最も断片的に ではあるが俺達三人を覚えていることだけは確かだ。あの狐のことをシェン、デュオと呼んでいたしエリザベートを見たときあいつは首をかしげた。」 そこに骸が衝撃に弾き飛ばされて飛んでくる。 「おやおや…モスカ以上のパワーと機動性、これはキツそうだ…所で、デュオロンと言いましたね?」 「ああ、何の用だ。」 「彼が力を使えない理由、調べてみましょうか?」 「できるのか!?」 「ええ、ムクロウ、D・スペードの魔レンズを」 錫杖が三叉の槍に戻り、代わりに骸の目のすぐ前に変わった形状のモノクルが現れた。 「分析には少し時間がかかります。時間を。」 「おっしゃああああああああああああ!!!!!!!」 すぐさまシェンが骸に襲いかかる機械人形を粉々に粉砕する。デュオロンも無言のまま怨霊を使って周囲を一掃する。 「(これは…記憶が何かしらの言葉で封印されている…?トリガーワードとでも言うべきだろうか…?)何か鍵になるような言葉はありますか?何者かに記憶が封印されているようだ。」 「いや…これといって特に思い当たる節は…」 「蟹?ザッハトルテ?それとも技名のフランス革命歴?ああもうよく分からん!エリザベート!」 シェンが機械人形の頭部を潰しながら青い髪の女性に向かって吼える。 エリザベートが鞭で機械人形同士をぶつけて破壊しながらこちらを向く。 「さあ…心当たりといっても…全て覚えている分一つに絞りきれないわ…」 「だったら断片的に覚えている奴がいれば…デュオロン!草薙をここに引っ張ってこい!あいつ確か断片的に覚えてたはずだ!」 ・・・・・ 「あ?アッシュの記憶を戻すためのトリガーワード?さあな。なべて世は事も無しじゃねえの?これ以外断片的に覚えてたことないし。」 京が大蛇薙を撃ちながらエリザベートの問いに答える。 それを聞くと彼女は紅蓮の元へ走っていく。しかし機械人形が邪魔で先に進めない。と、そこにアルバが飛び込んでくる。 「行け!道は私たちが作る!開門雷神拳!」 円の形をした巨大な気のかたまりがアルバの拳から発される。その気に触れた機械人形が破壊されていく。続けて風が躍り込み、両手を合わせる。 「喝!」 そして放たれた気合いが機械人形を吹き飛ばす。続いて拳崇とアテナが肩を並べて飛び込む。 「行くで、アテナ!」 「ええ、アッシュさんだけがアッシュさんのことを覚えてないなんて悲しすぎる!」 そして二人が同時に手を突き出す。 「ハアアアアアアアアア…超球弾やあああああ!」 「サイコ…シューーーーーート!」 そして二人の掌から紫色の巨大な光弾が放たれる。機械人形たちが薙ぎ払われ、一本道ができあがる。 「行ってくれ!アデスの思い通りにするわけにはいかん!」 「はいッ!ありがとうございます!」 そして駆け出すエリザベートを見送りながらアルバが振り返る。 「さて、チームメイトの御三方、やることは分かっていますね?」 「あったり前や!一匹もとおさへんで!」 「はいっ!」 「やれやれ、呪解するしかないのでしょうね。行きます。」 そして彼ら四人の戦いが始まった。 ・・・・・ ディーノは一般客の退去が終わった会場の三つのゲート、そのうちの第二ゲートに陣取って機械人形と 戦っていた。 「そらそらそらそらあ!」 橙色の炎を纏った鞭がしなり、機械人形を次々に破壊していく。後ろには影のように付き従う忠臣、渋い40代の男、 ロマーリオがいて、拳銃で機械人形のセンサーを撃ち抜いていく。 「こいつら数だけだぜ!」 「ああ、援護射撃、頼むぜロマーリオ!」 「了解だ!」 「光速天翔!!!!」 凄まじい勢いで鞭が振るわれてたちまちのうちに目の前から機械人形がいなくなる。そしてしばらくしても出てくる気配はなかった。 「終わった…のか?」 「の、ようだな。」 ・・・・・ ゲートから機械人形がいなくなったのは全滅したからではない。会場の方に回ったからだ。 つまりどういう事か。分かり易く言うと京たちのほうに機械人形が流れ込んできたと言うことだ。 そのたくさんの敵の中でエリザベートが乗馬用の鞭を振り、叫ぶ。 「舞い上がれ!大いなる光と共に!」 そして全身から放たれた光が周囲の機械人形を消し飛ばす。 「ッ!あなたは…エリザベート・ブラントルシュさん…でしたよね?何の用ですか?見ての通り僕も忙しいんです。」 「あなたの記憶を戻します。」 「えッ!?」 「あなたの記憶を封印しているのはある言葉。」 「その言葉に心当たりがあると?」 「ええ…おそらくは…では、いきます。なべて世は事も無し」 「ッ!!!!!!!!!!!ッあっ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 いきなり脳の中でふくれあがった情報。それに耐えきれずに紅蓮は叫んだ。 ・・・・・ …だ…ッシュ…俺には…が…わかっ… アンタ、さっき……ボクのことは「全部わかってる」……確かそう言ったよネ。 バッカじゃないの?わかってないヨ。ボクは、この世界のことが…けっこう、気に入ってるんだ。 自分の声だけが聞こえる。やがて真っ白な空間が目に映った。 そこに様々な映像が投影される。八神庵の体から勾玉のようなモノを取り出す自分、白い自分そっくりの男から黒い炎を取り出す。 白い服の女性の体から鏡のようなモノを取り出して体に取り込む自分、そして…自分の内面で対面した白い髪の自分とそっくりの男… そして巨大な扉。潜らずに消えていく自分。 それらの記憶はやがて一つの記憶にたどり着く。 『テメエは…神楽の力を奪ってったソバカス野郎!』 『あれ?ひょっとしてボクの名前、覚えてくれてないの?ボクはアッシュ。アッシュ・クリムゾンだよ。』 そうだ…僕は…ボクの本当の名は… ・・・・・ 「あぶねえ!」 「行きましたよお嬢さん!」 頭を抱えて苦しむ紅蓮に気をとられたエリザベートに背後から機械人形が迫っていた。 「ッ…間に合わない…」 振り向いたときには既にエリザベートの眼前に機械人形が迫り、攻撃態勢をとっていた。 [shhhhhhhhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa] 訳のわからない奇声を発しながら襲いかかる機械人形。 しかしそれをエリザベートの顔の横から出てきた手が受け止める。続けて機械人形の手を握り、指輪からの電撃と緑の泡状の炎で 本体ごと粉砕する。 「…え…?」 驚いて振り返ったエリザベートのすぐ側で紅蓮はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 「フフッ…心配かけたね…さあ、押し切るよ!何も敵は無限にいるわけじゃないんだ。」 そう言って桔梗を見る紅蓮の表情は紅蓮のそれとは全く違う。 「外付け修羅開匣…頼むよ桔梗サン!」 「ええ、分かっていますよ!外付け修羅開匣!暴れろ、雲スピノサウルス!」 桔梗の体に入れ墨のようなモノや小さな棘が現れ、足下からスピノサウルスの頭だけが現れ、機械人形を喰らう。 「やるね…やっぱり白蘭サンの右腕だけのことはあるネ…」 「ありがとうございます…さてあなたの本名、お聞きしてもよろしいでしょうか?」 「うん、でもちょっと待ってね?そこッ!」 そう言って紅蓮は腕を振り、機械人形を三体程まとめて燃やした。 「ボクはアッシュ、アッシュ・クリムゾンだよ。改めてヨロシクネ。」 そしてアッシュは炎を用いた高火力の、しかしどこか軽やかなスタイルで機械人形を狩っていった。 しばらくそれを続けていたが、急にアッシュがエリザベートを見やり、言った。 「ベティ、ボクと一緒に来て。桔梗サン、白蘭サンに伝えてよ。入場口に何とかして集まれ…ってサ。ボクらは 伝えて回ってくるから。」 ・・・・・ 「それで…?一応一方向からの襲撃だから迎撃もしやすくなったけど、結局数はちっともへらねえ…」 京が愚痴ると息を切らせたアッシュがやってきていった。 「ハアッハアッ…フウ…それじゃあお集まりの皆さん!殲滅力の高い技で一気にフッ飛ばしちゃってください!数は増えないと思うんで!」 「テメエの考えに乗るのは癪だが、ま、しゃーねーな。紅丸!テリー!ジョー!」 「やれやれ、ま、やるしかないか。」 「OK!」 「おっっしゃあアアアア!!!!!やってやるぜえエエ!」 そして京が腕を引き、紅丸が手を天にかざす。テリーも両手を組んで振り上げ、ジョーが右腕をぐるぐる回す。 「遊びは終わりだ!」 「雷皇…」 「トリニティ…」 「行くぜ…」 そして一斉に大技が放たれる。京が引いていた腕を無造作に振るい、天叢雲を放つ。 「俺からは逃げられねエんだよ!」 そして同時に紅丸が拳を突き出し、大出力の電撃を放つ。 「拳!」 「ゲイザー!!」 「吹っ飛べエエエエエエエ!!!!!」 テリーも両手を地面に叩き付け、気の柱を噴出させる。同時にジョーが渾身のコークスクリューを放ち、竜巻を放つ。 これだけで機械人形の三分の一が消し飛んだ。次に進み出たのは他の皆と同じく試合を観戦していた極限流の三人と拳崇だ。 「ロバート、ユリ、分かっているな?」 「あったりまえやで!」 「多勢に無勢じゃ覇王翔吼拳を使わざるをえない!でしょ?」 「ワイの超球弾も負けとらんでえ!」 そしてリョウ、ロバート、ユリの三人が両手を体の脇で構え、拳崇も両手を体の前で気を練るような構えをとる。 「「「覇王!翔・吼・拳!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」 「超能力と龍の気のコラボレーション!ほああああああ…どないや!」 四つの凄まじい光弾が機械人形を最初の三分の一にまで減らしていく。 「さて、準備はいいかい?綱吉クン?」 「ああ、いくぞ。オペレーションXX」 ツナが両手をクロスさせてXX BURNERの発射態勢をとる。 白蘭も右手をかざし、力をためていく。 「全滅させるよ。白貫手」 「XX BURNER!」 ツナの両手から巨大な炎が放たれ、白蘭の右手から高密度の白いエネルギーが迸る。 瞬く間に機械人形が消えていく。 そのエネルギーの残滓が消え去った後残っていたのは会場の構造体のみだった。 「皆さんやりますね。まさかあの数を全滅させるとは。いや、お見事お見事。我々が動くだけの価値はありますね。」 どうやって生き延びたのかジヴァートマが現れて賞賛する。その後ろに控えている人物を見てアルバの目の色が変わった。 「…ッ!!!!!ソワレ…!?」 しかしソワレの方は沈鬱そうな顔をして押し黙ったままだ。 「それは少し違うんじゃないのかな?彼の名はユーダイム。それ以外の何者でもないのだよ。」 心外そうにそう言ったのはジヴァートマの方だ。 「こちらからはただ戦わせるために操り人形にしたとしか見えないのだがな。それもかなり不完全なね。 心理コントロールがうまくいっていないのではないか?」 アルバの皮肉にも冷静にジヴァートマは返す。 「ああ、全く持ってその通りだよ、ユーダイム。そこにいるアッシュ・クリムゾンの血液から創り出したクローンも心理コントロールのせいで 炎が使えなくなったものだから記憶を消去してから捨てたのだがね。」 そこまで言ったところで顔を憎々しげに歪めて毒づく。 「クソッ。巻島博士め…我らに対する抑止力とするためか…だがまあいい。こちらにはまだ隠し球がある。後日、また会おう。」 そういってジヴァートマは消えていった。 ---- 紅蓮はアッシュのクローンです。アデスに拉致られた元ネスツの科学者が製造しました。 正式名称はA'00ですが皆さんアッシュとして接してくれていますし、本人もアッシュとして生きるつもりのようです。 また、KOF読本のCD、「ミッドサマーストラグル」からアッシュの名乗りのシーンを拝借いたしました。 それでは次回もよろしくお願いします。それではAKOFのあなた!シメてください! ゾディアック「フン、仕方あるまい…死ぬ気で見るんだ。」

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