DMS-128


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『Noble Blanc』

詞:Dahiz


可哀想なお姫様。
みんな、そう思って、いました。

父王は決断した。
生まれたばかりの愛姫の、その右の眼を山の神に、左の眼を海の神へと捧げたのだ!
神々は供物を大変喜んだようだった。
それからというもの、山も海も荒れる事は無く、人々に多くの恵みをもたらした。
そして光を知ることなく育った姫は、
…いつも笑顔だった!

可哀想なお姫様。
みんな、そう思って、いました。

『黄昏が奇跡を孕んだ!
過去を知る術はこの眼にある!
夜闇が崩れて我が名を望んだ!
未来を読む術はこの眼にある!』

姫が街を歩きたいと望めば、それはすぐに叶えられた。
姫は人の多いところをとても好んだ。
暗闇の中でも肌で感じる物があるのだろうと人々は姫を慈しんだ。
姫はいつも笑顔だった。

『黄昏が奇跡を孕んだ!
過去を知る術はこの眼にある!
夜闇が崩れて我が名を望んだ!
未来を読む術はこの眼にある!』

赤を透かした風信子石を右の眼窠に。
白く佇む珊瑚を左の眼窠に。
右の眼は未来を捕らえ、左の眼は過去を捉えた。
けれども現在を視る眼は失われてしまった。
右眼を、左の眼を、どんなに凝らしても、今を視ることは決して出来ない。
ああ、なんて醜い過去!
ああ、なんて愚かな未来!
あれとあれに挟まれた現在を皆が必死に踠く音がする。
過去に追われ、未来が迫ってくる。
その隙間を少しでも広げようと現在を足掻く人々の匂いがする。
それを笑って何が悪い。
それを可笑しいと言って何が悪いのだ。

可哀想なお姫様。
みんな、そう思っているのでしょう?

『黄昏が奇跡を孕んだ!
過去を知る術はこの眼にある!
夜闇が崩れて我が名を望んだ!
未来を読む術はこの眼にある!』

詩は終わらない。
呪文は止まらない。
全て知っていたのか。
知っていて尚も笑いつづけたのか。
銃声の響き渡る王都を見下ろして。
どうしてこうなった!
これからどうなる!

可哀想なお姫様。
みんな、そう思って、いました。
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