キャラクターは、〈霊格〉、〈レベル〉、《アーキタイプ》、[能力値]、[技能]、【特技】、「装備品」等によって表現される。


覚醒と霊格

 覚醒とは、より高い〈霊格〉への階段を上がる霊的進化のことで、神へと至る道、すなわち神化への道である。
 これは神への階段を登る行為にも似ている。
 〈霊格〉とは、そのキャラクターの霊的進化の段階を数値にて表した物だ。
 数値は、0~5の6段階で表される。
 (実際には霊格は6以上存在するが、そういった存在は理解の範疇を越えてしまうため、世界設定として存在すると思っておいて頂きたい)
 言葉で表した場合は〈覚醒段階〉と称する。

 神への階段、すなわちヘブライ密教の「生命の樹」(セフィロト)に喩えることができる。
 「生命の樹」は、霊的進化の進むべき指標であり、世界の構造そのものである。


霊格と覚醒段階

 各〈霊格〉と〈覚醒段階〉は次の通りである。

〈霊格〉 覚醒段階 対応セフィラ
〈霊格0〉 〈眠りしもの〉あるいは〈愚者〉 なし
〈霊格1〉 〈異能者〉 マルクト(王国)
〈霊格2〉 〈覚醒者〉 イェソド(基礎)
〈霊格3〉 〈転生者〉あるいは〈初生者〉 ティファレト(美)
〈霊格4〉 〈神人〉 隠されたダアト(知識)
〈霊格5〉 〈神〉 ケテル(王冠)

 詩篇#では〈霊格0〉~〈霊格5〉までの6段階を扱う。
 (実際には〈霊格6〉以上の存在するが、そういった存在は理解の範疇を越えてしまうため、世界背景として存在すると思って頂きたい)

〈霊格0〉

 全く覚醒していない状態で、〈眠りしもの〉あるいは〈愚者〉と呼ばれる。一般人や霊的な力の篭もっていない機械類もこの〈霊格〉である。
 霊的感覚は欠如しているためエーテル体やアストラル体を目視することができない。いや、霊的感覚を自ら閉じてしまい、そのようなものは眼に入っていても、意識に上ってこないのだ。万が一認めざるをえない状況になっても、錯覚や別の理由をつけて自ら納得しようとする。


〈霊格1〉

 魂の一側面に目覚めたもの。〈異能者〉と呼ばれる。
 《アーキタイプ》を1つ持つ。
 魂の本質には気が付き始めているが、まだ一般的常識という既成概念にとらわれている。実際、一般人比べても、多少変わっているという印象を受けるが、差別や迫害を受けるほどではない。まだ一般生活が送れる段階である。
 一般的常識にとらわれているためか、アストラル体を目視することができない。ただしエーテル体ならば、[知覚]判定を行うことで、認識することができる。
 生命の樹では、一番下の「球体」(セフィラ)「マルクト(王国)」に対応している。


〈霊格2〉

 魂の本質について理解を深めたもの。〈覚醒者〉と呼ばれる。
 《アーキタイプ》を2つ持つ。
 その驚異的な力は、一般人からは畏怖の対象となる。一般人と混じって生活を送るためには、その力を押さえ、極力使わないようにすることが大切だ。もし、その力を行使する場面を一般人に見られた場合、彼らはパニックに陥り、自分たちと違うものだとして排斥をするであろう。そうなってしまうと、もう一般的な生活を送ることができない。
 エーテルの存在は完全に認知しており、目視することができる。アストラル体のことについても、うすうすと感じ始めているため、[知覚]判定を行うことで、認識することができる。
 生命の樹も一歩踏み出し、セフィラ「イエソド(基礎)」に対応する。


〈霊格3〉

 自らの生まれてきた理由や前世を思い出したもので〈転生者〉と呼ばれる。
 この世に初めて生を受けたものは特別に〈初生者〉と呼ばれる。
 一般人では到底足元にも及ばない存在で、すでに人間の限界を超えてしまっている。そしてその考え方も、人間のそれとは大きく異なる。
 魔界に置いても、重要な役割を与えられてくる。場合により、魔界の一角を任せられるであろう。
 エーテル体、アストラル体とも完全に認識しており、目視することができる。より上位となるマナス体については、うすうす考えが及びはじめている。
 霊的進化も進み、生命の樹もだいぶ昇り、セフィラ「ティファレト(美)」に対応する。


〈霊格4〉

 〈神人〉と呼ばれる存在となる。
 一般人からすればその力は既に神の域達している。
 異界においても、自らの区画を創造する事ができる。むろん、そのまま新しい魔界として独立形成することすらできる。神族によってはこの〈霊格〉で主神クラスの場合もある。
 霊的進化もだいぶ進み、生命の樹も後一歩で極められる。隠されたセフィラ「ダアト(知識)」に対応。


〈霊格5〉

 まさに〈神〉である。
 自分の世界に置いては、絶対的な力を振るうことができる。全く新しい魔界すら、無より創造ができるのだ。
 しかしこの段階でもまだ神格という個性はある。
 実界においても、その世界の体に縛られることはあるが、想像が及ばないほどの力を発揮する。
 我々が知り得る霊的進化は極めた。生命の樹は昇り切り、セフィラ「ケテル(王冠)」に至る。


〈霊格6〉以上

 超越者あるいは統合者
 自我や神格といった、すべてをも超越した存在。
 世界のすべてを理解している。それどころか、すべてのものはそこから発生したことを理解でき、その存在と統合をはかった姿でもある。
 そのため、すべての《アーキタイプ》を兼ね備えているとも言われているが、その真実は定かではない。
 もはや、言葉では表現できない、概念的な存在となってしまう。すでに肉体は枷でしかない。この肉体とは、精神体すらも当てはまる。それどころか自我すらも枷でしかなくなくなるという。自我を持ち、自身と他者を分けた瞬間に〈霊格5〉まで下がってしまうという。
 あえて肉体を表現すれば、この世界そのものがそれであるとも言える。(実際には、この世界は存在自体の投射にすぎないため、真の意味での肉体ではない)
 この段階にはいると、我々の知りうる「生命の樹」のケテルより始まる、より上の生命の樹を昇り始めることになると言われている。
 もはや、我々の認識を遙かに越えた存在なのだ。
 彼らの世界にあっては、我々の世界の神などは、〈愚者〉にすぎないのかも知れない。


覚醒のタイミング

 覚醒のタイミングはすべてGMの判断に従う。
 特別なポイントを貯める必要も、一定の条件を満たす必要は無い。逆に言えば、条件を満たしたからといって、必ずしも覚醒するわけではない。
 GMが覚醒するに値すると思ったとき、PCは覚醒するのだ。
 覚醒とはPCが自ら会得するものではなく、与えられるものであるからだ(すなわちカッバーラなのだ)
 そのためPCは、キャラクターが死亡した際に「覚醒して復活するよね」とGMに催促してはならない。
 (催促しても良いが、GMは認めなくとも良い)

 どのようなことが覚醒するに値することなのか、なかなかGMも判断できないでの、いくつか例を提示しておく。ただしこれはあくまで例であるため、これ以外のことでも覚醒することは十分にありえる。

 覚醒はシナリオ中、シナリオ開始前、シナリオ終了後のいずれのタイミングでも起こることがある。
 1シナリオ中で覚醒できる回数は1回で、1回の覚醒であがる〈霊格〉は1つだけである。これは【秘儀参入】による疑似覚醒も同じである。(つまり【秘儀参入】により疑似覚醒をしたキャラクターはそのシナリオ中は覚醒できない。シナリオ終了後ならば覚醒可能)


〈霊格0〉から〈霊格1〉へ

 ・自らの愚かさを知る。
 ・物質的な世界だけがすべてではないことを認識する。
 ・生まれながら〈異能者〉である。


〈霊格1〉から〈霊格2〉へ

 ・イニシエーションを受ける。
 ・『愛する者』が死んだ。
 ・自分より強い存在を認識し、超えたいと真に願う。
 ・より〈霊格〉の高い存在より師事をうけた。


〈霊格2〉から〈霊格3〉へ

 ・生まれてきた使命に気がついた。
 ・異界からの帰還。(死からの生還も含む)
 ・前世の自分との遭遇。(あるいは真の自分との遭遇)
 ・強大な存在を自力だけで退ける。(少なくとも自分より〈霊格〉が上の存在)


〈霊格3〉から〈霊格4〉へ

 ・自らの犠牲を顧みず多くの者を救った。
 ・歴史に名を残す偉業を達成した。
 ・肉体の限界とは認識の限界であることを認識した。


〈霊格4〉から〈霊格5〉へ

 ・悟りを得た。
 ・全宇宙との一体感を得た。
 ・自らの真の存在を超越した。


〈霊格5〉から〈霊格6〉へ

 ・一切が不明


覚醒により得るもの

 覚醒することにより、さまざまな影響が現れる。
 また覚醒は劇的な経験である。
 これによりこれにより、レベルが2上昇する。
 (レベルアップは通常の通り処理する)


アーキタイプの取得

 覚醒すると新たに《アーキタイプ》をひとつ取得する。これは魂の新たな側面を発見したことによるものである。
 今まで持っていた《アーキタイプ》とは別の《アーキタイプ》を取得しても良いし、同一の《アーキタイプ》をもうひとつ取得しても良い。


【特技】ランクの制限

 【特技】の最大ランクは、その【特技】を保有する《アーキタイプ》の数までである。
 よって1つしか《アーキタイプ》を」選択出来ない、〈霊格1〉の場合は、自ずと【特技】の最大ランクは1となる。
 【特技】の最大ランクを上昇させるためには、覚醒により同一の《アーキタイプ》を選択する以外に方法は無い


副能力値の上昇

 存在値、行動値は、その値を求める際に〈霊格〉を用いているため、再計算を行う。

判定基準値の上昇

 判定の際、判定基準値には〈霊格〉を用いるものが多い。
 これらの判定を行う際には新しい〈霊格〉を用いて行う。


最終更新:2008年03月02日 18:43