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サントアンヌ号でのサトシの戦いに敗れてから、シゲルはそのまま船でグレンタウンへ向かっていた。
いつまでもピカチュウさんとの実力差を解消できないことにヒトカゲ自身が焦りを覚えていた。
ヒトカゲ「なんでだ・・・あのクソネズミにどうして勝てねぇ!!その辺のリザードンにだって負けちゃいねぇってのに・・」
シゲルは実際リザードンとも戦わせている。ヒトカゲは確かに強いのだ。
シゲル「なら、おまえ自身がなればいい・・・」
ヒトカゲ「ハァ・・?こんっだけぶっ殺してあいつら食っても進化の兆候すらみえねぇんだぜ!?・・・無理無理!!」
シゲル「おまえ、もう少し落ち着いて物事を考えるんだ。そしたらなんかわかるかもしれないだろう?」
一日中駄々をこね、暴れまわっているヒトカゲだ。落ち着くなんて事考えたこともなかった。
シゲル「今から行くグレンタウンには、炎のジムリーダーが居るって話だ。実際炎タイプのポケモンを好んで使うらしく、本職は・・・科学者。今回はジム戦じゃなく、修行に向かう。戦うのはもっとお前が強くなってからだ。」
不機嫌そうにヒトカゲは言う。
ヒトカゲ「ちぇっ・・まわりくでぇの・・ッッ!!」
こうしてグレンタウンでのヒトカゲの修行は始まる。

グレンタウン・・・島域の沖合いに活火山を多く保有し、年中海水浴が楽しめるリゾート地でもある。小さい島ながらレジャー施設も多く開けた土地である。
ヒトカゲ「うひょー!!すげぇえ!!俺海って入れねぇけど、こりゃあいい場所だぜ・・・で、なにすんだ?バレー?ナンパ?」
シゲルはあきれて言う。
シゲル「遊びに来たんじゃない・・・進化、したいんだろ?」
ヒトカゲは自分の軽率さを少し反省したらしく、少し拗ねて言う。
ヒトカゲ「・・・ったりめーよ」
グレンジム前。
シゲル「すいませーん、カツラさんはおいでですか?」
すると、しばらくしてきつい日差しには少々きつい頭皮のおっさんが姿を現した。
カツラ「ハイハーイ、私がカツラだが・・・君、挑戦者?」
シゲル「いえ・・今日はジム戦の申し込みじゃないんですが・・・」
カツラ「じゃあなぁーによ?こんな老いぼれにどんな用事があるっての?」
シゲルは突然土下座をし、カツラに頼み込む。
シゲル「お願いします・・・このヒトカゲを・・・強くしてやりたい!!あなたの力を貸してほしいんです・・」
カツラは突然のことに驚き、頭をあげなさい、と言おうとしたが、途中でやめた。
真剣な面持ちでこういう。
カツラ「いいだろう・・・だが一つ条件がある・・見たところそのヒトカゲ、かなり強いな・・・」
シゲル「・・・はい、それで条件って・・一体・・・?」
さらに真剣な表情でカツラは続ける。
カツラ「君とヒトカゲを見込んでのことだが、聞いてくれるかね・・?」


次の日の朝、シゲルとヒトカゲはグレンタウン元研究施設あと、通称ポケモン屋敷の前に立っていた。
ポケモン屋敷はグレンタウン唯一の野生ポケモンの巣窟でカツラの頼みとはこの中にある昔の文献等を持ち帰ってほしいとの事だった。
スモッグを撒くポケモンがいるとのことで昨日のうちに毒消しをカツラから受け取り、探索に応じた。
――――カツラ「いいかね、ポケモン屋敷の奥深くには今のポケモンの祖先『ミュウ』に関する記述があるとされている。
その文献の捜索を君にお願いしたい・・・どんな小さな情報でもかまわない。全て持ち帰ってもらいたい。無ければ仕方ないのだが・・・頼んだよ。」―――――
シゲル「・・・ミュウ・・・ミュウツー・・・!!」
ハナダの悲劇が頭をよぎる。ヒトカゲを隻眼とし、シゲルを見ているといい消えていった人工ポケモン・・・なんの因果かこうしてまたこのことに触れようとは思ってもいなかった・・・
意を決し、シゲルとヒトカゲは屋敷の探索へ歩を進めた。


鬱蒼と茂る森の中に居を構える屋敷の中は相当古い建物のようで壁面にさえ苔の後や植物の蔦が根を張っていた。空気はよどみ、暗い雰囲気だ。
シゲル「気味の悪いところだ・・・さっさと終わらせよう、ヒトカゲ・・・」
ヒトカゲはなんだか落ち着かない様子だ。
ヒトカゲ「ここ・・そこらじゅうになんか居やがるぜぇ・・・」
シゲルは目を凝らすとなんと辺り一帯にドガースの群れが。
ヒトカゲ「臭えぇ臭えッッ!!邪魔くせぇ!!」
ヒトカゲは大きく口を開け、炎の渦でドガースの群れを焼き払う。
ヒトカゲ「チッ・・・骨も無ければ肉もねぇってか・・・使えねえ奴らだ」
ヒトカゲの炎をたいまつに先に進む。
野生のポケモンたちは本能で感じたのか、出会ったもの全て目を合わせることなく逃げていく。
階段を降り、急に瘴気が濃くなるのを二人は感じた。
奥に進むたび足元はどろどろとしたヘドロで満たされていき、ある一室のドアを開けたときその元凶はそこにいた。
ベトベトン。どうやらこいつがここの主らしい。


ベトベトン「ヒトカゲよ・・・なんのようだ・・・ここは貴様如きの入れる場所ではないはずだ・・・」
シゲル「・・・な・・・」
あまりの醜く大きな姿にシゲルは声がでなかった。
ヒトカゲ「てめぇの縄張りか?ここは!?臭せえ臭せぇ不衛生はよくねぇぜ・・・」
馬鹿にしたようにヒトカゲは言う。
ベトベトンは冷静に返す。
ベトベトン「適応能力の進化という奴だ・・・衛生状態は私にはすこぶる良好なんだがね・・・」
見た目に似合わず知能は高いようだ。
ヒトカゲは小ばかにされたのが腹立たしく感じたのか、いきなり炎を撒き散らす。
ヒトカゲ「フン・・・ゴミはゴミ処理場へ行けッッ!!」
ベトベトン「私をゴミ扱いとはいい度胸じゃないか・・・覚悟しなさい。」
ヘドロを巻き上げヒトカゲに投げつける。
ヒトカゲ「臭せぇ!臭せぇッッ!!」
開口一撃、ヘドロを焦がし、灰にする。
シゲル「・・・うぅ・・あんなの・・聞いてねぇよ・・」
シゲルは震えてヘドロの少ない物陰に隠れてしまっている。
人間にとって、意思を持つ半流動体ほど恐怖の対象になるものは無いだろう。
当然の行動である。
ベトベトン「フン・・・なかなかのお手前ですね・・・今度はチョット本気でいきますよ・・」
自らのヘドロを引きちぎり、球体としたヘドロをヒトカゲに向かって投げつける。
ヒトカゲ「しゃらくせぁぁッッ!!」
再び火球を放つが、引火した瞬間、周りにヘドロが飛び散った。
ヘドロはヒトカゲの身体に付着し、その身を溶かし始める。
ヒトカゲ「うぐぅぅぅぁぁ・・・なんて毒素だ・・・」


ヒトカゲ「シゲル・・毒消しを・・・早く・・・」
シゲルは目の前の光景に飛び出す勇気を持てないでいた。
シゲル「・・・うぅ・・そんな事・・・出来るわけないだろ・・・」
ヒトカゲ「・・・もう・・持たねぇ・・・」
ベトベトン「・・・人間如きに助けを求めるとは・・・愚かな・・・」
シゲルはハナダでの事を思い出していた。いや、何者かに記憶を呼び起こされているのだ・・・
ヒトカゲとベトベトンには一瞬の出来事だったが、シゲルには永遠に続くかと思う長い時だった。
まばゆい光がシゲルの精神世界を構築し、その中に実体こそ無いものの奴は確実にそこに居た。
――――ミュウツー
ミュウツー「なにをしている。」
シゲル「・・・!!・・・お前は?そうか、お迎えにきやがったか・・・」
ミュウツー「・・・違う・・・貴様はあの夜のことから目をそらしているだけだ」
死への恐怖との瀬戸際で何かがふっきれ、シゲルの中から言葉があふれる。
シゲル「・・・だってそうだろッッ!!あんな・・・あんなことあるわけねぇッ!!なんだ!?あの世界は?この世界もだッッ!?わけわかんねぇんだよ!!なんで俺なんだ!?
    • そうだ、サトシ!!あいつにすればいいじゃねぇか!?・・・なんで!?・・・俺だけがこんな目にッッ」
ミュウツーは憤慨し、冷たい視線を送りシゲルに言う。
ミュウツー「うぬぼれるな下郎ッ!!・・・選ばれたのは貴様だけではない・・・そのサトシとやらも、貴様と同じ・・・いや、それ以上の恐怖・・・覇王の卵とともにその旅を送っている」
シゲル「・・・・ハン、あのピカチュウか・・ご大層な言われようだな!?じゃあなんだ!?あいつは覇王様の従者だってのか!?おぉッッ!!」
ミュウツー「今はそうかもしれぬ・・・だが、奴も化けよう・・・無論あのピカチュウも、貴様もな」
シゲル「今は・・だと!?今、死にそうになってんじゃねぇか・・ふざけんな・・・」
ミュウツー「・・・貴様はどうなりたい、この世界で何を成し、この世界に何を望む・・・?あの夜の気持ちを思い出せ・・」
シゲル「あの夜・・・!?違う・・今も、俺は・・・ヒトカゲを助けたい・・・助けなきゃ・・・助けるッッ!!」
ミュウツー「忘れるな・・・私はいつも貴様を見ている・・時が来れば・・・その時は・・・」
そういい残し、シゲルの意識は現実に引き戻される。


ヒトカゲ「早く・・・シゲル・・・もう・・・うぅ・・」
ベトベトン「とどめです・・・」
ベトベトンの手が形状を鋭く変え、ヒトカゲに襲い掛かる。
ドンッと鈍い音が狭い室内に響いた。
ベトベトン「・・・何と」
シゲル「すまなかったな、ヒトカゲ、もう大丈夫だぞ・・・毒・・消し・・を・・・」
ベトベトンの毒手はシゲルの腕に刺さり、シゲルは毒に冒される。
ヒトカゲ「シゲル・・・?嘘だろ・・・おい・・ッッ」
呆然とするヒトカゲ。
ベトベトンは冷酷な一言を投げかける。
ベトベトン「人間如きに守られるとは・・情けない奴ですね・・そんなに寂しければ、一緒に私の腹に収めてあげますよ・・・」
プツン、とヒトカゲの中で何かが切れた。
するとヒトカゲは光に包まれ、変態を始める。
ヒトカゲ「・・・うぉぉぉぉ・・・ぁぁぁ・・ぁ・・」
ゴキゴキと鈍い音を立て、身体の形状が変わる。
ベトベトン「・・・!?まさか・・こいつこの土壇場で進化・・だと!?」
あまりのプレッシャーにベトベトンは身動きすらとれなかった。
一時的に変態が落ち着き、冷静さを取り戻したヒトカゲはうっすらとした意識の中、ベトベトンにこういった。
ヒトカゲ「うぉぉ・・・ま・・だまだ、一・・気にいく・・・ぜ・・・吠え面かくなよ・・・産廃野郎ッッ・・カァッッ!!」
まばゆい光に包まれ、大きな両翼を携えたその姿は、幾度と無く自らが血肉を
喰らってきたそれよりも二周りはあろうかという巨躯だった。
ベトベトン「リ・・・ザードン・・・なんてでかさじゃねぇな・・ひっ・・・ひぃっ」
リザードン「時間がねぇ・・・てめえごとき三下の命、いつでも捻れる・・・行くぜ・・・」
ベトベトンは圧倒的な戦力差の前になすすべも無くリザードンを見送る。
口を大きく開き4階建ての屋敷を天井まで燃やし尽くすと、傷ついたシゲルを抱え、その場から飛び立った。


グレンタウン病院の一室。一命を取り留めたシゲルは病床で目を覚ました。
シゲル「・・・ここは一体・・・?ヒトカゲ!!ヒトカゲは!?」
ナース「あ、気がつかれましたか?」
シゲル「あの、ヒトカゲは・・俺のヒトカゲはどこですか?」
ナース「・・・?ヒトカゲですか?ヒトカゲは居ませんけど・・あっ!」
ナースは気付いたようだ。ニコニコしながらシゲルに言う。
ナース「立派な翼を広げて、あなたを運んできてくれたリザードンなら、外で寝てますよ。」
シゲル「えっ!?リザー・・・」
窓を覗き、外を見るとそこには大きな木をベンチ代わりにもたれて眠るリザードンの姿があった。
リザードン「・・・ん?やっと起きたか・・?」
満面の笑みを浮かべてシゲルは言う。
シゲル「お前もなッッ・・リザードン。」
するとリザードンは照れくさそうに言った。背中をチョンチョンと指さして
リザードン「うっせぇ・・・さっさとカツラんとこ、行くぞ。・・・乗れよ」
シゲル「おう・・!!」
シゲルを乗せるとリザードンはバサバサと翼を広げ、グレンジムのカツラのもとへ飛び立った。


シゲル「見てくれよ!!カツラさん・・・こいつ、立派になっただろ!?」
カツラ「これは見事なリザードンだ・・・で、資料は見つかったかね?」
シゲル「いや、資料は無かった。でも・・・」
シゲルはハナダでのこと、屋敷でのこと、ミュウツーに関わる事を全て話した


カツラ「なるほど・・・人工ポケモンミュウツーはミュウの遺伝子から作られ

たとされている。これは資料よりも大きな価値を持つ証言だな・・・」
カツラ「それにしても、リザードを飛び越して進化するとは・・・これも学会

モノだな・・・ちょっと研究を・・・」
ふざけてカツラがそういうとボッとリザードンはカツラの顔を燃やした。
リザードン「ふざけんな、ハゲ」
シゲル「はは・・ダメだって・・・カツラさん」
カツラはプスプスと焦げながら言った。
カツラ「それは残念だな・・・」
色々世間話をした後、カツラはさびしそうに言う。
カツラ「もう、行くのか?」
シゲル「あぁ、行くよ!次会うときは勝負を申し込みに来る!!」
カツラ「あぁ、おじいさんにも宜しく言っておいてくれ。」
シゲル「わかった!!お世話になりました~!!」
そういい残し、シゲルとリザードンは空を舞った。
シゲルとリザードンはヤマブキシティへ向かう。