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その1」(2007/08/20 (月) 17:31:33) の最新版変更点

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ある日のこと、少年サトシの受難は突然訪れた 彼はいきなりオーキドに呼び止められ一匹のポケモンをわたされる。 それがピカチュウだった。 オーキドの研究所を後にしたサトシは言う サトシ「これからよろしくな、ピカチュウ!」 それを見てピカチュウの様子が変わる。 ピカチュウ「貴様!!さんをつけやがれデコスケがッ!!」 雷撃がほとばしり一瞬のうちにサトシは黒焦げにされた。 サトシ「何をするんだよ・・・?ピカチュウ・・・?」 再び雷撃が襲う ピカチュウ「貴様…まだわからんのか?さんをつけろと言っているッッ!!」 サトシ「うわぁぁぁぁぁッ!・・・すいま・・すいません・・ピカチュウさん・・・」 不敵な笑みを浮かべてピカチュウは言った ピカチュウ「フン・・・いい子だ・・・行くぞ・・ついて来い」 ピカチュウがサトシを従えたそのとき サトシのライバルのシゲルもまた凄惨な現実に直面していた オーキド「おぉ、いとしい孫よ!お前に誕生日のプレゼントじゃ」 シゲル「なんだよ急におじいちゃん」 オーキド「そこにおるポケモンのうち好きなものを一匹やろう」 そこにいたのはやたら笑顔を振りまくヒトカゲ おとなしいフシギダネ、ゼニガメだった シゲル「ありがたく頂いていくよ・・・じゃあこいつだ」 当然愛想のいいヒトカゲを選んだシゲルだが、彼の受難はここからはじまる。 オーキド研究所を後にシゲルはヒトカゲに話しかける シゲル「これから長い付き合いになる。ちゃんと言うことを聞くんだぞ」 様子がおかしい、先ほどまでの愛想はどこへやら、そっぽを向いて目をあわそうともしない ヒトカゲ「・・・・チッ」 舌打ち?小さすぎて聞き取りにくかったが明らかにそうだ すこし機嫌悪くシゲル言う シゲル「ん?なんか言ったか?」 ヒトカゲ「・・・・・チッと言ったんだよ。ニコニコしてりゃあ外に出られると思ったが 思ったとおりのボンクラぼっちゃんだぜ・・・」 プライドの高いシゲルを怒らせるには十分だった シゲル「なんだと?」 殴りかかるシゲル!! しかし、ヒトカゲは雄叫びとともに反撃に出る。 ヒトカゲの雄叫びに萎縮し手を止めるシゲル ヒトカゲ「てめぇがオレ様を使おうなんざ早すぎるぜ・・・どっちが主人か わ か っ た だ ろ う ?」 シゲル「くっ・・・」 なすすべも無くシゲルのポケモントレーナー初日は終了した トキワシティに差し掛かるころ、二人の関係は完全なものとなっていた。 頭の上に乗るピカチュウと仲のいい新米トレーナー 他の目にはとても愛らしい光景だ。 だが現実は甘くは無かった。 サトシはピカチュウ「さん」にとって乗り物であり、トレーナーではない そう、外にいたいが歩くのは面倒なので乗っているのだ。まるで馬車の如く。 サトシの体は傷だらけだ。なぜならトキワシティにたどり着くまでの間 ポッポの群れに囲まれたからだ。 もちろんピカチュウさんは戦わない。ではどうしたのか? サトシは逃げた。遮二無二逃げた。 ピカチュウさんは当然この時から頭に乗っかっている。 せいぜいたピカチュウさんにちょっかいを出してきたポッポに罵声を浴びせながら 雷撃を与えるくらいだ。そのたびにサトシは電気を浴びる。 体の傷はそのときのものだが、人一人の力では、ポッポ一匹にすら勝てない。そういう世界なのだ。 トキワシティについた時、サトシ(ピカチュウさん)の通った後には 無残な焼き鳥と化したポッポが約10Mおきに横たわっていた。 ピカチュウさんは無邪気に言う ピカチュウ「よかったな。俺様が居なけりゃお前はあいつらに食われてたな。」 サトシは顔を青ざめさせながら言った サトシ「はい・・・ありがとうございます。ピカチュウさん・・・」 そこに人としての尊厳はなかった。 なぜか今日のピカチュウさんはやたら機嫌がいい。 ピカチュウ「おい・・・ここはジムってやつがあるんだろう?」 サトシは嫌な予感を感じながらも素直に答える。逆らうだけ無駄だからだ。 サトシ「はい、ですがトキワのジムはい閉鎖中みたいですよ?」 ピカチュウ「関係ねぇ・・俺様の覇王への道はここから始まる・・・行くぞ」 かわいらしく飛び乗るピカチュウさん。少なくともここポケモンセンターの人達にはそう見えただろう。 トキワジム前やはり鍵がかかっている。 サトシ「無理ですよ・・・ピカチュウさん・・・鍵かかってますからぁ・・」 ピカチュウさんは機嫌悪そうに深く息を吸い、程なくして体から凄まじい電気を放出し始めた。 ピカチュウ「よく見ておけ、サトシ・・・俺に選ばれた貴様は相当運がいい・・・」 不敵にそう言うとさらに大量の電気を放出し始める 大気が揺れる、とはこういうことを言うのだろう・・・ 続けてピカチュウは言う ピカチュウ「鍵が無ければなぁ・・・風穴開けりゃあすむんだよッッ!!ハァッ!!」 一瞬の出来事だった・・・扉はおろかトキワシティジムの建物3階建の表面全体が 雷撃により削げ落とされたのだ・・・ 何事も無かったようにピカチュウさんは言う ピカチュウ「さて、トレーナー共よ俺を退屈させないでくれよ。」 そこにいたのはポケモンセンターの時の「よそいき」のピカチュウさんではなかった 建物の4分の1を破壊したピカチュウにたじろぐトキワジム一派。 しかし屈強な男達もピカチュウさんにとっては赤子同然だ。 ピカチュウ「どうした・・・それまでか?と言えサトシ・・・」 ピカチュウさんが耳元でおっしゃる サトシ「ど・・どうした・・・それまでか?」 ざわめき立つジム内 すると一人の屈強な男が現れる。 トレーナー達「サ・・・サカキ様ッ!!」 サカキ「いやいや、威勢のいい事だ・・・こんな登場の仕方をされたのは、はじめてだよ・・・ 君、名は?」 サトシ「お・・俺の名はサトシです・・・だ!!ポケモン勝負を挑むぜ!!」 サカキ「いいでしょう、しかし見たところ君はそのピカチュウしか連れていないようだが・・・?」 不安になったサトシはピカチュウさんに相談する。 サトシ「どうされますか?ピカチュウさん!!?」 軽く笑みを浮かべ、ピカチュウさんはいい放った。 ピカチュウ「何がこようが、俺様に敗北はない・・・黙って見ておけ・・・」 サトシ「何匹でもきやがれ!!」 ピカチュウさんの自信のおかげで少し偉そうになるサトシ。 その様子が鼻についたのかピカチュウさんは軽く電流を流す。 サカキ「いいでしょう、こちらも1匹でいいですよ。こちらは・・・ニドキングです。」 初のトレーナー戦、しかもジムリーダーその戦いは意外にあっけないものだった ピカチュウさんに命令は必要ない。そうたとえ相手が地面タイプでも関係ないのだ。 どうやらピカチュウさんは今ポケモン語で話しているらしい。 ニドキング「俺様相手になかなか肝の据わったネズミちゃんだねぇ・・・」 安い挑発にピカチュウさんは眉ひとつ動かさずこう言う ピカチュウ「フン・・毒虫如きの分際でキングだと?笑わせるなよ・・・ゴミクズがッッ!!」 ニドキング「っだとコラァ!!」 襲い掛かるニドキング、すばやく身をかわし、ピカチュウさんは砂を巻き上げる ニドキング「・・・!?どこだ!!出て来い!!卑怯者めッッ!!」 視界が悪い、サトシの目にはかろうじてニドキングの影が映る程度だ。 ピカチュウ「卑怯?・・・てめぇ、でかい図体の割には温いな・・・ククク・・・」 顔をこわばらせ怒りをあらわにするニドキング 笑みを浮かべ不敵に笑うピカチュウさん この時点でもう勝負はついていたのかも知れない。 影に紛れ、砂に隠れ、姿を消すピカチュウさん 影におびえ、砂に視界をふさがれたニドキング ニドキングの真後ろにピカチュウさんの御姿はあった。 ニドキング「・・・!?」 ピカチュウ「遅いよ・・・」 巻き上げられた砂が、一瞬電光とともにはじけて混ざる。 刹那、ピカチュウさんの御姿が降り注ぐ雷鳴にあらわれ、そこには気を失い立ち尽くしている ニドキングの姿があった。 ピカチュウさんの勝利が確定したのだ・・・ ニドキング、地面・毒タイプそんなセオリーはピカチュウさんにとっては関係ない ピカチュウさんは雷撃を与える間際ニドキングにこう言った ピカチュウ「選ばせてやるよ・・・死か、恥辱か・・・ククク」 ニドキングは頭のなかで瞬時に損得計算をした・・・ 死ねば終わり、生きれば生き恥・・しかし生きていれば名誉は取り返せる・・・復讐の二文字が浮かんだ ニドキング「・・・あえて今は恥辱にまみれよう」 制圧・・・それはピカチュウさんの完全勝利の瞬間だった!! ニドキングの倒れ際ピカチュウさんは言う ピカチュウ「次は・・・30秒は遊ばせてくれよ・・・ククク」 その間実に25秒!!! 何事も無かったかのようにサトシの頭の上へ乗るピカチュウさん サカキ「・・・そんな馬鹿な・・・!!」 ピカチュウさんが耳元でおっしゃる ピカチュウ「勝ち名乗りをあげろ・・・感謝しろよ・・・」 正直あまり笑えないサトシであった。 サトシ「俺の・・・勝ちで・・・だ!!」 サカキが気がふれたかのように言い出す サカキ「ふははははは・・・!!まさかこの私が敗れるとは・・・ きみは今トキワジムリーダーサカキを破った! と同時にセキエイ一体を取り仕切るマフィアのボス・・・サカキを敵に回したのだ!! この落とし前は我が組織ロケット団がきっちりつけさせてもらう!! 夜眠れると思うなよ!!」 サトシは思った・・・なんてことしてくれたんだ!!このクソネズミは!! しかし言えない・・・ そんなサトシを尻目にピカチュウさんはケタケタ笑いながら言う ピカチュウ「マフィアか・・・やっとハリのある相手と殺れそうだな・・・ 覇業を成すには障害は付き物・・・!!」 サトシの不安は膨らみ、ピカチュウさんは水を得たサカナのように元気に醜悪に笑う こうして後に伝説に残る トキワジム襲撃事件 は幕を閉じたのである。 新たな敵、ロケット団とまだ見ぬ各地のジムリーダーを求めて サトシとピカチュウさんの旅は続く!!

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