「悔い改めよ!悪霊共!!私を惑わそうともそうはいかぬ!!」
『否!我々もまたこの殺し合いを望まぬ者!どうか我等に協力願いたい!!!』
モズグスの怒声と鞄の叫びが、カテドラルを揺らした。
そう、モズグスの怒声と鞄の叫びである。
鞄の叫びと聞いても、皆様にはしっくり来ないと思われる。
だが、しかし血の経典モズグスはこの殺し合いの中、大真面目な顔で鞄──正確に言うならば、
鞄の中に収められた、三千の英霊が宿る鎧強化外骨格『零』相手に怒声を飛ばしていた。
「神は死者が物言う事を許してはおりません!ましてや物に取り憑き神に仕えし者を誑かそうなどとは言語道断!!」
『我々の目的は同じく、この悪趣味な遊戯の打破!ならば協力しあえるはずだ!!』
さてモズグスに支給された『零』、彼の目的もまた殺し合いの打破であり、
それ故に、モズグスとは友好的な関係になれそうなものであるが、
ところがしかし、神に仕える僧侶というモズグスの立場が悪かった。
彼は彼の信仰故に、霊を受け入れるわけにはいかず、それ故に会話と言う名の叫び合いは平行線を辿り続ける。
「去れッ!悪霊!或るべき場所へと帰れ!!」
『最早帰る場所はここのみ!!』
「神の御下こそが!或るべき場所なのです!!」
『ええい!我等の話を聞けッ!』
「…………聞く耳持たぬ!」
『その耳は飾りかッ!?』
「神の前で飾り立てることなど出来ませんッ!」
『…………』
果てのない叫び合い、その末にとうとう『零』は沈黙へと至る。
「…………これこそ信仰の勝利ッ!」
だがしかし、これは決してモズグスの勝利というわけではなく。
『失礼仕る!!』
鞄が開き、中から現れるは触手!
否、コレは零細胞!『零』の内側にある生体細胞である!
その触手、いや零細胞がモズグスの頭を捉えた。
「なッ!?」
『我等の思い!言葉ではなく心で汲んで頂きたくッ!!』
零細胞はモズグスの脳へと三千の英霊の過去を送り込む。
悲惨!残虐!侵略戦争の歴史ッ!
「…………」
「……………………」
ブワッ!!
モズグス血涙ッ!
『…………わかっていただけただろうか』
「ええ…………わかりました、わかりましたとも…………」
血涙までも流すモズグスの感受性に、三千の英霊も感動を覚える。
なんと素晴らしき、男だったのだろうか。
まるでコミックのヒーローのように、言葉を交わした末にお互いを分かり合う。
是非ともこの素晴らしい男と覚悟に遭わせてやりたい。
零がそう思ったその時であった。
「ですから………………そんな貴方にこそッ!
是が非でも死して尚の戦いの日々を止め!神の御下で安らかな日々を過ごして頂きたァイ!!」
『零』へとモズグスの教典が炸裂した。
するとどうなるのであろうか、神の偉大なる言葉、そしてモズグスの慈悲が合わさることにより、
三 千 の 英 霊 大 成 仏 を 果 た す ッ !
なお、この成仏がいまいち理解できないという読者の方のために
簡単な図を用意したので、是非とも利用していただきたい。
モズグス ヽ 丶 \
\ ヽ ヽ ヽ
/ / ヽ \ ヽ ヽ
/ | ヽ \ \ ヽ ゝ (英霊)
ノ 丿 \ 教 \ ヾ
ノ | | 丶 \ \ (英霊)
/ \ \/| (英霊)
ノ | | \ 典 | ↑
/\ \ | ( ↑
/ \ / | ) (
/ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( )
/_ \ ) ( 頂礼
 ̄ | な 侵 | ̄ ノ⌒ ̄⌒γ⌒ ̄⌒ゝ / /
| い 略 英| ノ . 三 千 . ゝ / /
| で 戦 霊| 丿 ゞ _/ ∠
| ね 争 に| 丿/|/|/|/|\|\|\|\|\ゝ .\ /
| ! の な| │ V
――| と 事 っ|――――――――――┼―――――――――――――――――
/ い 忘 てヽ 巛巛巛巛巛巛巛巛 人巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛神への思い
う れ .も
気
持 バ ト ル ロ ワ イ ア ル の 思 い 出
ち
「…………生とは、常に神の試練の連続。であるからこそ、我々生者はそれを全力で受け止めなければなりません。
ですから、この事態もまた……生者たる我々が立ち向かうべきことなのです…………」
自分への決意、そして己が成仏させた三千の英霊への思いを呟くと、主の消えた鎧へと、モズグスは神への祈りの言葉を送った。
「どうぞ安らかにお眠りください……」
そして、三千の英霊へと個人的な祈りを捧げると、再びモズグスは歩き出す。
神の威光を知らしめる日が来るまで、戦いは未だ終わらないのだ。
『マハラギオン!』
戦いは終わった。
【モズグス@ベルセルク 死亡】
大声を出していた阿呆が上にいたので、試し撃ちも兼ねて上へと向かった。
嗚呼、振るう力のなんと心地好いことか。
圧倒的な力によって、あっさりと目の前の男が消し炭と化した。
だが、これはあくまでも試し撃ちにすぎない。
敵対者は確実に存在している。
私の敵と成り得る"人間"は確実に存在している。
かの英雄の名を私は知っている。
かの女狩人の名を私は知っている。
此処に存在する保証はない、
此処に存在しない保証はない。
混沌の世界の中で生きていくには、
英雄に負ける私では、
狩人に負けるあたしでは、
未だ力は足りない。
もっと力をッ!
我々は未だ力に餓え!そして更に強くなれる!!
【F-2/カテドラル/黎明】
【ミシカ@メタルマックス2:リローデッド】
[状態]:健康
[装備]:ストラディバリ@真・女神転生Ⅰ
[道具]:基本支給品*3、青酸カリ@現実、強化外骨格『零』不明支給品(2~9、アスラ王、モズグスの物を含む)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る
第一行動方針:力を手に入れる
[備考]:『零』に宿る三千の英霊が現在成仏しているため、『零』を装着することは出来ません。
【???/???/???】
『巨大な思念の螺旋……まるで世界中の邪悪が集まったかのような!!』
最終更新:2012年12月05日 01:38